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教育旅行の昨年度来県宿泊者 3万8878人増の25万1850人
www.minpo.jp
開沼 博東京大学大学院准教授/東日本大震災・原子力災害伝承館上級研究員
藤沢烈さんもコメントしてますが、徐々に教育旅行が回復しているのは具体的に復興が目に見えて現れつつあるいい傾向です。 「風評被害」と一言でいいますが、各種統計データを根拠にするならば、ざっくりいえば、いまだに被害が出ている分野は「一次産業+観光業」とみていいです。 さらに、観光業の中でも集中して具体的な被害が残る分野は二つ。 外国人観光客と教育旅行。 外国人観光客は、例えば韓国から福島に来た観光客は震災前が4万人ほどだったのが、震災後は3千人台で推移してます。これだけインバウンドと皆言っている中で大損害です。 教育旅行はこの記事の通りです。ただし、「子どもがみんな来ない」わけではありません。例えば、映画「フラガール」で有名な「スパリゾートハワイアンズ」は2013年時点の入場者数が震災前の入場者数を超えています。つまり、震災後に客が増えています。不断の経営努力もありますが、ある面では震災後にメディア露出が急増して知名度が上がって「追い風」が吹いた部分がありました。教育旅行ではなく個人的な旅行ではもはや風評云々ではない水準になっている。 にも関わらず教育旅行が伸びないのは、学校等教育の場における保護者間の合意形成が必要だということでしょう。大方の保護者が「福島に行くのOK」でも1割でも2割でも強硬に拒絶する人がいれば学校は無理強いできない。「じゃあ他のとこにするか」と「ことなかれ」で震災前行っていた福島に行かなくなる。(実際、そういうエピソードは多くあります。言うまでもなく、空間線量、水や飲食物の線量管理も厳密になされており異常値は一切でていません) 外国人観光客は官民一体となった情報発信をさらに強化すべき話。 他方、教育旅行のほうは私たちの理解不足の問題。「不安を持つ人もいるよね」と「理解したふり」をしている限り、せっかくのいい傾向もいずれ頭打ちになりかねません。「理解したふり」で終わらせず、科学的知見の共有と合意形成への努力を続けるなかで本当の理解に到達することが大切です。
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<原発事故>福島の11歳以下セシウム不検出
河北新報オンラインニュース
開沼 博東京大学大学院准教授/東日本大震災・原子力災害伝承館上級研究員
この記事の新規性は「乳幼児専用」のホールボディカウンターでの検査だということです。 2011年以前に開発されてきたWBCは乳幼児の小さな身体に十分に対応しておらず、3・11後新たに国内で開発されたものです。 「福島の子どもたちが、3・11後、特異な被曝をしているのでは?だって、子どもって体小さいから正確に測れないんだろ?」という議論に対して「特異どころか、そもそも、機械で測れる限り厳密に測っても(原発事故で出たセシウムを)機械が検知することすらできないレベルだ」というデータを示したという記事です。 これまでも、福島県内広域での2万人ほどの検査、三春町での全町規模の検査など行われてきましたが、いずれも機械で測れるレベルに達していない「検出限界値」を超える人が1%未満。しかも、それは山菜・キノコやイノシシ・シカなどを常食するような特別な食習慣をもつ(主に中山間地域で暮らす高齢者)層であることがわかっています。 福島県内では米の全量全袋検査はじめ徹底した線量管理をしていることもこの結果の一因ですが、そもそもの話として、国内の食品流通網が発達し、食料自給率4割きるかどうかという状況の中で、「福島にいたら特異な内部被曝をする」ということを議論すること自体不毛です。(その点、崩壊間際の旧ソ連の中にあり自給自足中心の生活をしていたチェルノブイリの住民の状況と重ねあわせて考えるのも全く的外れです。) この調査をしている研究者たちはそんなこと承知のうえでもありますが、あえてこのような調査をしなければならなかったのは、あまりにも「福島の子どもたちが、3・11後、特異な被曝をしている」という無根拠な、あるいはエセ科学論者からのデマが跋扈し、時にはマスメディアもそれを垂れ流すことに加担してきた故です。 いまでも定期的にマスメディア(の部署異動してきたばかりの記者の方など4年半の議論をフォローアップしていない人が悪気なく)がデマを普通に流すこともありますが、以前よりもだいぶ落ち着いてきました。 内部被曝については全年齢層で(「ただちに」ではなく)「今後もずっと健康に影響がでるレベルのものではない」という点「勝負あった」といえます
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