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現状維持なら先進国最低に 60年の1人当たりGDP―内閣府試算
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授
記事でいう「現状維持」は、内閣府の中長期試算のベースラインケースを延伸したもの。内閣府の試算では、他のケースも示しており、全3ケース示されている。記事でいう「現状維持」でのTFP上昇率は0.5%で、これは足元のTFP上昇率0.8%よりも低い。だから、「現状維持」というのは誤解を招く。「足元よりも低い成長見通しが実現したとき」というべきだろう。
他のケースでも、結局のところ21世紀中葉の日本経済は、就業者数が減少して経済成長率を年率0.5%押し下げる要因として効いてくる。そして、実質成長率は、ほとんどTFP上昇率とパラレルになっている。とすると、TFP上昇率の仮定次第で、21世紀中葉の日本経済の実質成長率が決まってくるという構造といえる。
東大、27年秋に新課程創設へ 文理融合型で5年制
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授
この記事は、4年間の学部(学士課程)と2年間の大学院修士課程を1年短縮した5年制新課程創設の話だが、学部と修士の5年制は、「飛び級」制などの形で既に各地の大学にあるから、珍しい話ではない。
1990年代の「大学院大学化」でなくなってしまった5年制大学院(修士課程2年間と博士(後期)課程の3年間の一貫制)。定員増と修士修了者の輩出が狙いという。かつて東大の大学院経済学研究科には1977年度入学者から1993年度入学者まで5年制大学院である「第2種博士課程」があった。実は私はその最後の入学者であり修了者(課程博士)。研究者養成が狙いで、修士論文を提出しなくても博士(後期)課程に進級できた。修士論文がない海外の博士養成の大学院に倣って、日本でも5年制の大学院を設けるのもよいように思う。
<同内容の他記事からの転載>
東大が5年制新課程を創設へ、文理融合型で学部・修士一貫…27年秋入学
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授
この記事は、4年間の学部(学士課程)と2年間の大学院修士課程を1年短縮した5年制新課程創設の話だが、学部と修士の5年制は、「飛び級」制などの形で既に各地の大学にあるから、珍しい話ではない。
1990年代の「大学院大学化」でなくなってしまった5年制大学院(修士課程2年間と博士(後期)課程の3年間の一貫制)。定員増と修士修了者の輩出が狙いという。かつて東大の大学院経済学研究科には1977年度入学者から1993年度入学者まで5年制大学院である「第2種博士課程」があった。実は私はその最後の入学者であり修了者(課程博士)。研究者養成が狙いで、修士論文を提出しなくても博士(後期)課程に進級できた。修士論文がない海外の博士養成の大学院に倣って、日本でも5年制の大学院を設けるのもよいように思う。
日本のGDP、世界4位転落が確実な情勢-存在感低下に懸念の声
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授
名目GDP自体の順位に特に深い意味はない。名目GDPの順位で一喜一憂するのは、「経常収支は赤字が悪くて黒字がよい」という見方に似ている。
ちなみに、分配面から見た名目GDPには、純間接税(生産・輸入品に課される税マイナス補助金)が含まれる。生産・輸入品に課される税の大半は付加価値税(日本の消費税)である。これは、名目GDPは市場価値を表すものであり、付加価値税を課す分だけ市場価格が高くなることを反映している。だから、同じ税収を得るにも、税収の構成として、付加価値税の構成比がより高い国は、他の税(例えば、所得税などが含まれる所得・富等に課される経常税)の構成比がより高い国よりも名目GDPが大きくなるという定義上の性質がある。
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