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富裕層の訪日、誘客へ11地域 観光再始動139件も採択
共同通信
山田 桂一郎JTIC.SWISS 代表
世界の富裕層を日本の地域経済の活性化に繋げる施策に対しては異論は無く、日本が観光先進国としてインバウンド政策を推進するには必要な市場だと認識しています。 私自身が世界各地の観光地やリゾート地に関わってきた経験上で唯一懸念するのは、富裕層インバウンドをきっかけとした地域の発展が地域住民にとって必ずしも幸せな将来に繋がるとは限らないことです。海外からの富裕層を取り込むことで地域が発展すればするほど、外部からの投資や大手企業が一気に雪崩れ込みます。その結果、富裕層とそのビジネスに関係するステークホルダーが作り上げようとする観光地やリゾート地と地元が望む地域の姿に大きな乖離が生じる可能性があるからです。もちろん、観光地化することによる地元への悪影響は富裕層でなくとも大衆が押し寄せることでも起きることではありますが、地域の発展に伴う外部からの大きな力に抗うことが出来ないのは現在の北海道ニセコエリアを見ても明らかです。 今回モデル地域となった11地域にとって必要なことは、それぞれの地域が自らの手でビジョンを描き、計画を立て、ルールを決めることです。そして、地元事業者と住民が主導権を持ち続けることが出来る持続可能な地域経営のしくみと体制を構築することだと考えます。地域が何も手を打たずに放置してしまうと、外部の巨大な力で地域の資源が買い取られるだけでなく、その資源から得られる何倍もの利益をむしり取られ続けることになってしまいます。地域が富裕層ビジネスで経済的な発展した結果、地元に残ったものは安い労働力だけと言うことにならないように気を付けなければなりません。 ちなみに、日本では過去にリゾート法(総合保養地域整備法)」による乱開発と共に開発収入だけを目的とした事業が失敗したことも忘れてならないと思います。
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