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SNSで話題の「迷走神経刺激」。注意すべき点を医師が解説
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
SNSで話題となった迷走神経刺激について、そもそも何なのか?どういうことに注意すべきなのか?などについて解説しました。
東京・国分寺市のクリニックでモルヒネ100倍誤処方 93歳男性死亡 警視庁が医師と薬剤師を書類送検
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
「粉薬」とあるのですが、粉薬に関連した医療事故は、日本国内で歴史的にも繰り返し起こってしまっています。事故の起こる原因の一つは、有効成分が◯%含有される薬の存在とその表記です。
例えば、モルヒネ1%という薬を使用する場合、モルヒネの含有量としては10mgでも薬の総量としては1gが処方されることになります。ここで、例えば記載ミスやコミュニケーションエラーが起こり、モルヒネ1gが処方されたと捉えられ、100倍量が処方されたというような事故が考えられます。
ただし、このような事故は過去にも生じているため、国内の多くの電子カルテシステムでは、すでにそれを未然に防ぐようなアラート•ブロック機能がついていますが、例えば手書きの処方箋や一部のカルテシステムであれば、それもできていないかもしれません。
「スイスチーズモデル」とも呼ばれますが、このようなエラーが重複して穴を全てくぐり抜けてしまった時、事故が起こります。
詳細は分かりませんし、絶対にあってはならないことですが、医師も薬剤師も人間であり、エラーを起こすという前提で動く必要があります。当事者を非難し、完璧性を求めるのでは、同じことの繰り返しです。
他の施設も含めて二度と起こらぬよう、エラーの起こった場所が丁寧に検証され、そしてそれが全国的に共有され、将来の事故防止につなげられる必要があります。
サル痘感染者に天然痘の薬 投与可能な研究開始
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
テコビリマットは、サル痘のウイルスが分類されるオルソポックスウイルスを形作るのに重要で、かつ体内で広がっていくのにもカギとなるタンパク質を阻害して働く治療薬です。
動物実験レベルでは、サル痘ウイルスにも有効性が確認されており、人でもその有効性が期待されています。
米国では、すでに今回の感染流行でも投与が開始されており、データがまさに今蓄積されつつあるところです。安全性については、360名の健常人に対して投与を行った研究で、重篤な問題が起こらずプラセボと同等の副反応しか見られなかったことが報告されています。
テコビリマットのように、人での有効性確認が十分行われていない薬剤では、臨床試験でのデータの蓄積のプロセスが極めて重要になります。まだ国内での発生の報告はありませんが、その可能性は十分考えておかなければなりませんし、準備をしておくことは大切なことです。
野村総研、「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」レポートに注意喚起 「11年前とは家電の性能が異なる」
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
暑い日の冷房の節電はなるべく避けていただきたいです。特に小さなお子さんや高齢者のいるご家庭ではご注意ください。自宅でじっとしていても熱中症を発症するリスクがあります。節電は他の方法でもできるはずです。「自然な風の方が健康に良い」とする根拠はなく、「冷房を使うと風邪をひきやすい」とする根拠もありません。
また、熱中症対策には他にもできることがたくさんありますので、以下もあわせてご確認ください。
1. なるべく涼しい環境を
運動をするなら涼しくなる時間帯に。
2. こまめな水分摂取を
こまめな水分摂取が大切です。逆に1日に10リットルを超えるような水分摂取を行うと、低ナトリウム血症の恐れがあることも知られています。何事もバランスです。
3. 水分は種類も考えて
同じ水分でも利尿を促す作用のあるカフェインが入っていると、水分補給効率が下がります。お茶や紅茶が絶対にダメな選択というわけではありませんが、カフェインを含まない飲料の方が理想的です。
4. プレクーリングとクーリング
プレクーリングというのは、体を動かし始める前から体をクーリングしておく手法です。動脈が体の表面近くを通っているところを冷やすと冷却効率が良くなります。首や脇の下が冷やしやすい場所かも知れません。外出時は凍ったペットボトルを持ち歩くのも手です。ペットボトルは、水分補給も可能にしてくれるので、一石二鳥だと思います。
5. 着替えはこまめに
汗ですでにびっしょり濡れてしまった衣服を着たままにしていると、蒸発のメカニズムが働かなくなります。なるべく通気の良い衣服を選択し、汗で濡れてしまったらこまめに着替えをすることも大切です。
6. 体調が悪い時は休む
例えば風邪も、新型コロナウイルス感染症も熱中症のリスクです。体調が悪い時に無理して暑い中外出しないというのは、熱中症予防の上でも大切なことです。
7. 日頃の準備も大切
突然暑くなった場合や、突然体を動かす方では、より熱中症を発症しやすいことが知られています。体はだんだんと慣らしていけば、その分だけ適応しやすくなります。突然強度の高いことをするのではなく、運動をする場合は2週間程度かけて少しずつ強度を増やす必要があります。

【発見】なぜ運動すると、心と頭も元気になるのか
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
よくコメントさせていただいていることですが、「ドーパミン」や「セロトニン」などといった、あまり馴染みのない医学用語を見たら、一度立ち止まり、鵜呑みにしないという姿勢は、こういった記事を読む上でとても大切です。
専門用語、医学用語には、何かの魔法のような説得力があります。また何よりの「科学的根拠」のようにも見えますが、実際にはあくまで机上の論理であって、実社会にまでそれがしっかりと当てはまるかは必ずしも分かりません。
例えば、実際にうつ病が減るのかを知るためには、そのこと自体を示す研究が必要です。ただし、このことは、記事で共有されている研究の価値や、運動の有効性を否定するものでもありません。
「マスク外せない」職業ドライバー襲う熱中症リスク 猛暑でも外すことを許さない“圧力”
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
熱中症をマスクと結びつける記事が多いですが、熱中症はマスクを外せばよいという問題でもないので、そこは注意が必要です。1人での運転中にマスクをする意味は全くないものの、熱中症リスクはそこにはあまりないと思います。環境の温度や水分補給など、根拠に基づいた予防法を見直すことが大切です。
1. なるべく涼しい環境を
扇風機は冷房に、運動は夕方や早朝にするなどの工夫が考えられます。
2. 水分摂取は体を動かしはじめる前から
水分摂取は体を動かし始める4〜6時間前に開始することが推奨されます。最低ペットボトル半分から1本ほど飲んでおくことが望ましいと思います。また、運動中、後もこまめな水分摂取が大切です。逆に1日に10リットルを超えるような水分摂取を行うと、低ナトリウム血症の恐れがあることも知られています。何事もバランスです。
3. 水分は種類も考えて
同じ水分でも利尿を促す作用のあるカフェインが入っていると、水分補給効率が下がります。絶対にダメな選択というわけではありませんが、カフェインを含まない飲料の方が理想的です。
4. プレクーリングとクーリング
プレクーリングというのは、体を動かし始める前から体をクーリングしておく手法です。動脈が体の表面近くを通っているところを冷やすと冷却効率が良くなります。首や脇の下が冷やしやすい場所かも知れません。凍ったペットボトルを持ち歩くのも手です。ペットボトルは、水分補給も可能にしてくれるので、一石二鳥だと思います。
5. 着替えはこまめに
汗ですでにびっしょり濡れてしまった衣服を着たままにしていると、蒸発のメカニズムが働かなくなり、たちまち熱中症を発症してしまいます。なるべく通気の良い衣服を選択し、汗で濡れてしまったらこまめに着替えをすることも大切です。
6. 体調が悪い時は休む
例えば風邪も、新型コロナウイルス感染症も熱中症のリスクです。体調が悪い時に無理して暑い中外出しないというのは、熱中症予防の上でも大切なことです。
7. 日頃の準備も大切
突然暑くなった場合や、突然体を動かす方では、より熱中症を発症しやすいことが知られています。体はだんだんと慣らしていけば、その分だけ適応しやすくなります。突然強度の高いことをするのではなく、2週間程度かけて少しずつ強度を増やす必要があります。
東京都、インフルエンザと新型コロナ同時流行に警戒 専門家「夏場にはやることもあり得る」
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ニューヨークでは一足お先にコロナとインフルエンザの同時流行を経験しました。ただ、同時検査が標準的に行われてきたこと、それ以前にコロナの大きな感染流行を経験していたおかげで、医療機関として予想を超えるような負担がかかったわけではありませんでした。
ご指摘のようにインフルエンザは夏場に流行することもありますが、新型コロナ、インフルエンザともにワクチン接種、マスクといった対応は同じです。インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染なので、まさに屋内でのマスクや手指消毒が有効です。地域での流行状況にアンテナを張りながら、然るべき感染対策を行っていれば、十分対応可能なものになると思います。
なお、ニューヨークではすでにインフルエンザは下火になりました。
家賃30万円のワンルームに見学者殺到、NY市の住宅事情
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
マンハッタン内に住んでいます。
円とドルの変動もあるので、一概に言うのは難しいですが、昨今のレートで考えると、家賃30万円のワンルームというのは、そもそもマンハッタンの中で探すのは難しかったと思いますが、特に本記事で挙げられている”rent stabilized”であることは人気の理由になったでしょう。それほどrentの上昇は著しくなっています。同じアパートに住んでいても、年々rentが上昇してしまうのです。
一部屋増えると、立派な建物でなくとも、もはや家賃は月々60万円代〜という状況です。また、そこらで食べる普通のランチも、ラーメン1杯も3000円するような場所ですから、ちょっと東京の感覚では住めないところになっています。
なお、米国ではワンルーム→studio、2部屋→1 bed roomと表現し、誤解される日本人の方が多いので、豆知識として覚えておかれるとよいと思います。
米、生後6カ月以上接種へ CDC推奨、5歳以上から拡大
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
このCDCの推奨をもって、いよいよ米国では接種が本格的にスタートすることになります。
なお、この世代のワクチンは、ファイザーでは成人の1/10量を、モデルナでは1/4量を接種することになります。また、ファイザーでは3回接種、モデルナでは2回接種がいわゆる「プライマリーシリーズ」と呼ばれる初回に必要な接種回数となります。
この接種計画で、ファイザー、モデルナともに有効性、安全性が臨床試験で確認されているため、このような形で接種が進行することになります。
米国では、日本では報告の少ないMIS-Cで苦しむお子さんや死亡者も3桁の数を数えていること、また原因不明の肝炎との関連も疑われていることなどから、早くワクチンをという声もあがっており、そういった親御さんには良いニュースになったのではと思います。
これで、実質全年齢がワクチンでカバーされることになり、パンデミックとの付き合い方を大きく変えられる可能性のある、大きなステップになったと思います。

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