Picks
52フォロー
24813フォロワー
国産ワクチン、最終治験へ 塩野義と第一三共
時事ドットコム
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
塩野義製薬のワクチンは、遺伝子組換えタンパクワクチンというタイプのワクチンです。現在、日本で用いられているmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンとは異なり、ウイルスの模型をあらかじめ製造し、それをワクチンとして用いるタイプのもので、インフルエンザワクチンなどのワクチンで用いてきた方法と近い製法を用いています。 しかし、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンが60億もの人に接種され蓄積されてきたデータは必ずしも適用することはできず、最終治験でも数千人単位の試験となることから、数万人に1人以上の稀な副反応については臨床試験からも分からず、これまでのワクチン同様、市販後に学んでいく必要があります。 また、有効性についても、抗体のデータのみのスタートとなるため、実社会での有効性の確認についても市販後となる見込みです。国産のワクチンへの期待とともに、まだ道のりは幾多も残されていることを認識する必要があるでしょう。 加えて、将来の感染症への適用を期待する声もありますが、同技術はmRNAワクチンに比較すると、将来の感染症に向けても製造に時間がかかるという点も認識しておくべきかもしれません。
220Picks
厚労省専門家組織「一部地域ではリバウンド兆候も」疫学調査徹底求める
TBS
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ワクチンの「感染予防」に対する効果は数ヶ月の間は高く期待できますが、接種後約6ヶ月時点では一番初めに低下してきてしまう効果の一つです。このことから、夏場に接種を受けられた方でも、来年の1月や2月になると、ブレイクスルー感染が見られるようになり、再び感染者の増加に寄与する可能性が考えられます。 ただし、今冬はワクチン接種の恩恵により、昨年の冬に比べれば、その増加速度は低く抑えられると予想されます。また、ワクチン接種者の重症化は半年後にも高率に防がれることが分かっているため、仮に感染者が増えても医療機関の景色は大きく異なり、多くの命が守られると考えられます。 ただし、原病で命を落とすことがはるかに少なくなった多発性骨髄腫を患っていた、パウエル元米国務長官の事例のように、ワクチン接種を完了していても、その持病ないし治療薬の影響で、十分に免疫を獲得できない方もいます。こういった方は、再び感染流行を経験すれば、命を落とすリスクを抱えながら生活を送ることになります。 予防できる病気で人が命を落とさなければならないという確率を少しでも低減できるよう、ワクチン接種後もなお、体調が悪い時は休む、人と接する場面でマスクを装着するなどの基本的な感染対策を今冬も継続することが重要になります。
74Picks
米アテアのコロナ経口薬、有効性確認できず 株価65%安
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ニュースの表面だけを追いかけていると、メルクのモルヌピラビルは有効、アテアの薬は無効、すなわち「メルクの薬はアテアの薬よりも優れている」という判断になりそうですが、必ずしもそうではありません。 メルクの薬で示された有効性は、ワクチン未接種の重症化リスクのある人(すなわち最も重症化しやすいと予想できる人)が薬を飲むことで、重症化が防がれるというものでした。 一方で、アテアの試験では、対象の過半数が重症化リスクのない人で、ワクチン接種を受けた人も含まれており、この人たちへの有効性を評価しようとしています。これは、重症化リスクの高い人で重症化を防ぐよりもそもそも難しいタスク、評価ポイントであり、そこで有効性が確認できなかったと報告しています。 アテアの薬剤でも、メルクと同様の対象者で重症化を防ぐところに評価のポイントを移行すれば、有効性が確認できるかもしれません。逆に、メルクの薬も重症化リスクのない人に投与を行っても、有効性は確認できないかもしれません。 2つの薬剤でそもそも対象者や評価するポイントが大きく異なったという点には注意が必要です。 いずれにせよ、このようにさまざまな経口薬の試験が進むのは、今後のコロナ対策を考える上では明るいニュースです。
171Picks
米FDA、追加接種で異なるメーカーのワクチン容認へ=米紙
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
追加接種で異なるメーカーのワクチン接種を受けるオプションは、特定のワクチンで副反応を経験したケースや、入手困難なワクチンがあるケースを想定すると、ワクチン接種率の改善策になりうると思いますが、それを十分な形で推奨するには、十分な科学的な根拠が必要です。 既存の科学的根拠としては、未査読の論文として報告されている以下の試験が挙げられます。 この試験の中では、458人が登録され、それぞれがファイザー、モデルナ、ヤンセンいずれかのワクチン(ブースター接種)をまちまちの組み合わせで受けています。 結果として、ブースター接種後の副反応は、これまでの報告と同様のものでした。 また、ブースター接種は、すべての組み合わせにおいて抗体を増加させていました。同種のワクチンでブースター接種を受けた場合、中和抗体は4.2~20 倍に増加、異種のブースト接種の場合には 6.2~76 倍に増加していました。 これらの結果から、ブースター接種をどのような組み合わせで行っても、効果は高く、副反応は同様だったと結論づけています。 ただし、この研究ではランダム化など、結果を比較する際に重要となる統計手法がとられておらず、それぞれの数字を単純比較することは残念ながらできません。また被験者数が少ないので、稀な副反応にどのような影響を及ぼすのかは確認できません。 この試験は現在も継続されており、今後エビデンスが積み重ねられることが期待されます。 参考文献:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.10.10.21264827v1
14Picks
米当局、若年層へのモデルナ製ワクチン承認巡る判断先送り=新聞
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
このニュースが目立つと、心筋炎のリスクが「高まってきた」ようにも見えてしまいそうですが、心筋炎のリスクは稀なまま変化はありません。 しかし、それでもなお最善の道を模索しリスクを限りなくゼロに近づけるために、このような検討が行われています。例えば、年齢や性別で各ワクチンの副反応が異なるのであれば、年齢や性別で接種を受けるワクチンを変えるといった対応です。 今回のケースでは、副反応の出現率を純粋に追いかけていくと、ファイザーと比較してモデルナで何倍にも心筋炎のリスクが高く見えますが、この解釈はそう単純ではありません。 実際に同様の条件で受けたわけではないため、他の因子の影響を受ける可能性が高いからです。 例え話になりますが、例えばモデルナ接種はコロナが流行している東京で、ファイザー接種はコロナがあまり流行していない地域で行われ、モデルナ接種の人の中にはワクチン接種前後でコロナ感染した人も相対的に多かったということになると、モデルナ接種直後に「コロナによる心筋炎」が多く見られるということが起こりえます。この場合、実際にはワクチンのリスクの違いではなく、コロナの感染率の違いがその違いを生み出していたということなります。 このような可能性のある要因を、統計的に可能な限り取り除いた上で評価を行う必要があるのです。
37Picks
10~20代男性、ファイザー製を「選択可」に 「推奨」からは修正
朝日新聞デジタル
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
解釈を誤解されている方も多そうですが、これはワクチン接種自体への考え方を軌道修正するものではなく、ファイザーかモデルナかの選択において、ファイザーを「推奨」するという計画から「選択可」にという立ち位置に軌道修正したという話だと思います。 これは、心筋炎の発生数を単純に比較すると、その発生頻度が比較的高い29歳以下の男性において、モデルナがファイザーを上回ることから、同年代の男性に対してはモデルナではなくファイザーを接種するように推奨する動きが他国で見られていたための動きです。 しかし、実際には純粋なワクチンの影響以外の「隠れた影響」が調整されていない数値のため、数字を単純比較して結論づけるのは難しいと考えられます。こういったことを背景とした軌道修正だと思います。 なお、いずれにせよ心筋炎の発生頻度はまれで、ほとんどのケースが軽症にとどまるという点は改めてご確認いただければと思います。稀でありながらもその対応が慎重に検討され続けているということを伝える報道です。 **厚労省は各SNSでも上記立ち位置を明確にしています。 (参考: Twitter) https://twitter.com/mhlwitter/status/1448993762017873921?s=21
39Picks
異なるコロナワクチン利用のブースター接種で同等以上の効果-米研究
Bloomberg
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
この試験の中では、458人が登録され、それぞれがファイザー、モデルナ、ヤンセンいずれかのワクチン(ブースター接種)をまちまちの組み合わせで受けています。 結果として、試験で報告されているブースター接種後の副反応は、これまでの報告と同様のものでした。 また、ブースター接種は、すべての組み合わせにおいて抗体を増加させていました。同種のワクチンでブースター接種を受けた場合、中和抗体は4.2~20 倍に増加、異種のブースト接種の場合には 6.2~76 倍に増加していました。 これらの結果から、ブースター接種をどのような組み合わせで行っても、効果は高く、副反応は同様だったと結論づけています。 ただし、この研究ではランダム化など、結果を比較する際に重要となる統計手法がとられておらず、それぞれの数字を単純比較することは残念ながらできません。また被験者数が少ないので、稀な副反応にどのような影響を及ぼすのかは確認できません。 このような限界がありますが、ブースター接種を今後フレキシブルに行っていく上で、重要な一歩であると思います。 参考文献:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.10.10.21264827v1
36Picks
NORMAL