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治療用覚醒剤の許可検討 与野党、五輪へ法整備
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、文字通り、注意が散漫になる、身の置きどころがなくなる、感情のコントロールがきかなくなる、遂行機能が落ちる、などといった症状を特徴とし、社会生活に支障をきたす疾患です。病態は完全には解明されていません。18-44歳の方の3-4%程度が発症する、比較的頻度の高い疾患です。 治療の選択肢として、認知行動療法と薬物療法があり、薬物療法の中にもいくつかの選択肢があります。これらの直接的な比較試験というのはありませんが、一つ一つの比較試験を統合して複数の治療法を間接比較する、ネットワークメタアナリシスという手法で治療の有効性が比較されており、この結果から、覚醒剤指定されるアンフェタミンが最も有効であると報告されます。 覚醒剤ですから、その個人のみならず社会的「副作用」が議論されるべきで、不適切利用を防ぐため、厳格な薬剤管理を行う、薬物やアルコール利用障害の方が身近にいないかの確認を徹底するなどリスクヘッジのための厳格な対策が必要となります。 しかし、既存の治療で改善を認めていなかった患者さんにとっては大きな助けとなっていることも間違いありません。持ち込みを認められない患者さんにとっては、病状悪化の大きなリスクになります。 なお、国内でもADHDに対して同種の薬剤は用いられていますが、今回の法整備は「持ち込み」を許可するかという点で、上記背景もありそれ相応の法整備が必要ということになります。
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J&J、欧州でワクチン出荷再開 EMA見解受け副反応の警告記載
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
世界的にワクチンが充足する状況にない中、血栓リスクや死亡リスクなどが新型コロナウイルス感染症と天秤にかけて評価され、感染症自体の持つリスクがはるかにそれらを上回ると評価された上での出荷再開ですが、これまでに多くの人に与えた印象はそれと異なるかもしれません。 安全性を高める取り組みは、ワクチンの改良というアプローチには限定されません。 例えば、これまで50歳以下の女性に見られていることから、(まだそう結論づけるには時期尚早なものの)対象者を男性や高齢女性に限定するという方策が考えられます。 また、病態解明以前に行われていたヘパリンという薬剤の投与や血小板輸血といった治療は、この副反応をむしろ悪化させる可能性が指摘されており、この血栓症に対して異なる治療法が確立されてきました。加えて、この病態の認知が広がったことは、早期発見の可能性を高めます。このような背景から、仮に今後発症しても、これまで以上にこの血栓症を克服できる可能性が高まったのではないかとも考えられます。 このように、様々なアプローチで安全性を高めていくプロセスも重要で、実際にサイエンスコミュニティがこれだけのスピード感で新たな知見を積み重ねてきたところにらは、目を見張るものがあります。今後もさらに知見が積み重なり、ますます安全性が高められることも期待されます。
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大阪 「緊急事態宣言」要請 今週判断へ 医療体制崩壊危機
関西テレビ
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
緊急事態宣言は、少なくとも過去の経験では日本国内で感染者を減ずる前後関係が最も強く見られている政策だと思います。しかし、結局のところその効果はどう人が動くかによって決まるので、過去の宣言が今回の効果を保証してくれるわけではありません。 国外のモデル研究では、一般に長期化すればするほど効果は乏しくなる傾向が見られています。しかし、その結果が日本人に外挿できるとも限らず、また有効性を発揮する可能性も十分あると思います。 変異ウイルスの流行もある中、既存の策で十分かは懸念されますが、災害時と同様、一人でも多くの人が協力できるか、自分ごとにできるかが鍵です。 また、このようなことがきっかけでワクチンの接種率が向上すれば怪我の功名だと思います。予防接種の効果が出るまでにはタイムラグがありますので、現在の感染流行を抑止する効果は期待できませんが、中長期的に感染を封じ込めるには、ワクチンによるいわゆる集団免疫の実現が必要です。そのためには大半の成人の方に接種を広げていく必要があります。 それが日本でも現実的なゴールになるかはまだ不透明ですが、生活を正常化しながらも感染流行を抑止できる可能性のある唯一の道であることも確かです。
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ワクチン接種世界一のイスラエル、屋外でのマスク着用が不要に
TBS NEWS
コロナ死者、300万人超す 感染再拡大で増加に拍車
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
パンデミックが始まり約14ヶ月で300万人の命が奪われました。しかしその中でも、ここ3ヶ月で100万人増加した点は見逃すことができません。 死者数の議論をすると、「高齢者しか死なない病気」と短絡的な結論を導く方もいますが、それは現実ではありません。高齢者に比べれば「死ににくい」のかもしれませんが、若者や乳幼児も確実に命を奪われています。 ブラジルでは、すでに1300人の乳幼児が新型コロナウイルスで命を奪われたことが報告されています。 https://www.bbc.com/japanese/video-56769797 また、「他の病気で死亡するはずだった人が新型コロナでの死亡に計上されただけ」という意見も目にしますが、それも事実とは異なります。 2020年の米国での死亡原因の3番目が新型コロナウイルス感染症でしたが、その他の死因についても人数は減るばかりか増加しており、特に心臓の病気や糖尿病での死亡が増加しています。全体として、前年から17.7%増加したことが報告されています。 https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778234 より多くの命を守るために、感染対策に加え、より多くの人に有効で安全なワクチンを広げることが鍵となります。そうでなければ、2021年も同じことを繰り返さなければならないのは確実です。パンデミックでは、世界中のあらゆる人がリスクを共有していることも忘れてはいけません。
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J&Jワクチン、米当局が接種中断を勧告 血栓の報告で
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
680万人中6人ですので、100万人に1人(0.0001%)を下回る非常にまれな有害事象ですが、それでもなお680万人中1人が亡くなっていますので、見逃せない重く捉えるべき有害事象です。 このJ&Jのワクチンは、アストラゼネカのワクチンと「ウイルスベクターワクチン」という技術を用いている点で共通しており、ファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンとは異なります。 mRNAワクチンではこのような有害事象が報告されていないことから、ウイルスベクターワクチンに共通した稀な副反応である可能性が指摘されています。 J&Jのワクチンを用いる米国では、新型コロナウイルス感染症により600人に1人が命を失っており、感染者のうち約15%が血栓症を発症していますので、仮に副反応だとしてもコロナのリスクの方が比べものにならないほど高いことは明らかです。しかし同時に、mRNAワクチンという他の選択肢も入手可能な状況にあるため、より詳細な評価を得るまでの間、J&J供給の一時中止というのは妥当な判断だと思います。 まだ因果関係も明らかになっていないので、ワクチン接種で生じたと結論づけるのは尚早ですが、アストラゼネカのワクチンからの報告も合わせると、稀な副反応の可能性が高いと言っていいかもしれません。 医療機関レベルでは、この血栓症の治療法として、免疫グロブリン療法などの治療法も考案されてきており、認知を広げることも重要と言えるでしょう。 また、このように非常に稀な有害事象でも一時中止を行うほど、ワクチン事業は慎重に進められているということも合わせてご確認ください。
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リジェネロン、コロナ抗体薬に効果 米で予防薬として承認取得へ
Reuters
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