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オミクロン株、欧州で拡大 日本、警戒度最高に
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
報道や各国の迅速な動きは、多くのことが分かってきた印象を与えると思いますが、確かにわかってきたこともある一方で分かっていないことが多く、冷静に情報を捉える姿勢が大切だと思います。 分かっていることは、南アフリカで、すでにオリジナルの新型コロナの2倍は感染伝播をしやすいデルタを急速に置き換えており、デルタよりさらに感染が広がりやすい変異ウイルスである可能性があるということです。この点が各国の警戒感を高めさせている最大のポイントです。 ただし、ワクチン接種率や生活様式が大きく異なる日本でどのような影響をもたらすのかはまだ明らかではなく、ワクチンの効果を弱めるのか、弱めるとすればどの程度弱めるのか、重症化が増えるのかなどについても分かっていません。 また、このオミクロンはデルタよりもPCR検査で捉えやすいという特徴も分かっています。これが各国ですぐにオミクロンを検出できている要因となっていて、今後の迅速なデータ集積にもつながりやすいと思います。南アフリカでの発見に始まり、データの公開、世界での情報共有のネットワークの速さは素晴らしいもので、これこそがパンデミックでの経験により成し得たものだと思います。こういった研究のネットワークによって、今後オミクロンの特徴はスピード感を持って明らかにできると思います。 また、「分かっていない」が「ない」と翻訳される傾向を知り、最後に注意書きをさせていただくと、まだ明らかではないながらも、「ワクチンの効果が全くなくなる」「マスクの効果が全くなくなる」とは考えにくく、どちらもオミクロンに対する効果も(弱まる可能性はあっても)期待ができますので、引き続き、同様の感染対策が私たちの安全を守ってくれるということもご確認ください。
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コロナ “感染拡大” 「知事判断で検査を無料」で調整 東京都
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
これから治療薬が複数入ってくるとなれば、検査結果の持つ意味はますます高まってくるでしょう。 無症状でも、何でもかんでも検査をやれば良いというものではないですが、感染拡大時に即座に検査を受けられるよう、その閾値を下げておくことは、有効な隔離という点でも、時期を逸しない治療戦略という点でも重要になると思います。 ただ、検査の閾値が下げられる分だけ、私たちのリテラシーもより問われることになると思います。 例えば、濃厚接触があり、疑わしい症状もあるけれど、検査を受けてみたら陰性となった場合を考えてみましょう。そこで端的に「コロナではないのか!」と判断するのではなく、検査は陰性だが実際にはコロナである「偽陰性」の可能性を考えるという判断力が問われます。「感染が不安」でも無料となるようですが、不安が引き金となった場合、判断力が鈍り、間違うことが増えるという認識は重要になると思います。 検査は診断プロセスの一部分であり、全てではありません。しかし、それをふまえて賢く使うことができれば、検査の閾値を下げることは感染流行時にとても大きな助けになると思います。
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iPS由来の細胞に特殊な刺激で運動機能の回復効果が改善 慶大
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
脊髄は、背骨の内部を走る太い神経で、手足からのインプットを脳に伝えたり、脳の出した指令を手足に伝えたりするための神経が集合して走る場所です。仮に脳を首都東京に例えれば、いわば東京につながる中央高速道路が脊髄で、そこから各地域の一般道(手足)につながっていくというイメージです。 体の中には自分で再生できる能力を持つ場所もあります。例えば、皮膚や血液の細胞といったものがその代表例です。怪我をしてもまた新たな皮膚が誕生してきたり、ひとたび貧血になっても再び回復できるところからイメージがつきやすいかもしれません。 ところが、脊髄については、一度ダメージを受けて細胞が死を迎えてしまうと、再生して修復する能力を欠くことが知られています。このため、大きな事故などで脊髄に大きな損傷を負ってしまうと、残りの人生は足や手が動かせないままとなってしまいます。 高速道路が災害などで仮に崩壊してしまっても、より丈夫な道路を再び建築できるのとは異なります。 今回の報告はiPS細胞由来の報告ですが、このように再生医療で再び脊髄を再生できるようになると、これまで変えられなかった人の運命を変えるような、とても大きなポテンシャルを持つ治療となります。このため、とても大きな期待をされています。
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ファイザー、米FDAにコロナ飲み薬の緊急使用許可を申請
Reuters
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ファイザーの飲み薬は約1200名が参加した臨床試験が行われています。この試験では60歳以上の高齢者または重症化リスクのある人が対象になっており、今後承認された場合に、適応となる人も同様の人になる見込みです。また、ワクチン未接種の方のみを含めている点にも注意が必要です。 これらの方がCOVID発症から3日以内に5日間薬を飲むグループと偽の薬を飲むグループに分けられ、その後のCOVIDによる入院や死亡の数が観察され、89%減少という高い効果を確認しています。 用いられた薬は、プロテアーゼ阻害剤と呼ばれるタイプの薬(正確には2種類の薬からなる)で、これまでHIVやC型肝炎ウイルスの治療薬として同種の薬が用いられた実績があります。メルクの薬が、ウイルスの変異を促してウイルスを減らすというタイプの薬で、この作用が新たな変異ウイルスの脅威を生むのではないかという懸念が上がっているのに対して、当該薬剤にその懸念はないと言えます。 ただし、1000人単位の比較的小さな試験での確認にとどまるので、稀な副作用の観察はできておらず、今後汎用された際に稀な副作用がどの程度生じるのかには注意が必要です。一般に薬剤の副作用のリスクというのはワクチン以上に高くなりますので、重篤な副作用が出ないかについては慎重に観察される必要があります。 また、5日間で合計30錠、7万円を超える金額が見込まれている薬剤ですので、多くの方が内服をスケジュール通りにきっちり守れるのかという点や、(ディスカウントは計画されていますが)発展途上国と先進国の格差を広げる可能性なども懸念材料として挙げられます。
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