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ファイザーワクチン 南ア変異型に効果低下の可能性
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
記事にある通り、イギリスの変異ウイルスについては、ワクチンの有効性の低下はほとんど見られず、南アの変異ウイルスが最もワクチンの有効性を低下させることが懸念されています。
特に、アストラゼネカのワクチンでは、南アフリカでの研究でほとんど有効性を示せなかったことから、南アフリカでのワクチン使用が中止になっています。
ブラジルやカリフォルニアの変異ウイルスについては、上記2つと比較すると研究に乏しいものの、位置付けとしては、上記2つの間に入るだろうと考えられています。
いずれにせよ、効果が低下するとは言っても効果がなくなると考えられているわけではなく、さらなる変異ウイルスの登場を防ぐためには感染者を減らすことが最も有効な対策となるため、既存のワクチンをいち早く広げることが大切です。
また、南アの変異ウイルス対策として、現在1年後の3回目の接種を南アに対応したものにした臨床試験がすでに開始されています。また、既存のワクチンに南アの変異ウイルスの情報ものせた混合ワクチンの開発も進んでいます。
ソフトバンク、オンライン診療参入 5G活用
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
こちらニューヨークでは、大学病院レベルでも日常的にオンライン診療が行われています。
私自身の患者さんも3割程度はオンライン診療を選択されています。患者さんは予約時に来院かオンラインかを選択することができます。
特にコロナウイルスの感染者数が増えてくると、オンラインを選択される方も増えてくる印象で、最多では半数近くがオンラインの時期もありました。
医師側としても、オンライン診療の予約を集約して、オンライン診療だけの日は自宅から勤務するなどの融通がきくこともあり、その利便性は大いに感じているところです。
ただし、情報が限定されることが多く、特に内科診療にあたっては、十分な診療ができないリスクも肌で感じています。「血圧も脈拍も自宅で測れるのだから」と簡単に言われますが、病院ならば当たり前に行われることも、正しく測定されない、血圧測定器がすぐに入手できず測定できないなど個々の事情で大切な情報が入手できないシーンも多く、身体診察も限られるため、見逃しは確実に増えていると思います。
また、現実としてはやはり医療機関の電子カルテと連動したほうが何かと便利であり、連動しない遠隔診療システムはやがて淘汰されていくように思います。
日本でいえば、電子カルテシステムのシェアを占める富士通が独自のシステムを開発すればそこに置換されていく可能性が高いと思います。あるいは、ソフトバンクのような企業のシステムも電子カルテへの乗り入れが図られればよいと思いますが、そうでないと現場レベルでは不便も多く、最終的にはあまり好まれなくなるかもしれません。
ファイザー、12-15歳にもコロナワクチン使用許可を-各国で申請へ
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
この背景には、先に行われた同年齢を対象とした臨床試験があります。この試験では、12-15歳の2260人が対象となりました。
結果として、プラセボ(偽のワクチン)接種群で18名のCOVID発症が見られたのに対して、ファイザーのワクチン接種群では0名であり、100%の有効性が見られたという計算となります。
これは、実社会に広げていった際にも100%の有効性が維持されることを意味するものではないものの、成人と同様に高い有効性が見られることを示唆する結果だと思います
また、副反応も成人と同様であったとの結果から、申請に至っています。
まだ結果の全容が公開されていないため確実なことは言えませんが、何か予想外の報告がない限りは承認される公算が高いものと考えられます。
【3分動画】NY記者、とりあえずワクチン受けました
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
森川さんもついに1回目の接種を受けられたと聞き、率直に嬉しいです。ここニューヨークでは4月6日から、年齢制限がなくなりました。それと同時に、予約はますます取りにくい状況となり、森川さんがコメントされているように、人気音楽バンドのコンサートチケット並みに予約をとるのが難しくなっています。
変異ウイルスの影響があるのか、高齢者がワクチンでしっかりカバーされてきたからなのか、その原因は必ずしも定かではありませんが、医療現場では比較的若年層の重症者が目立ち始めています。
これだけ大規模なデータで高い有効性と安全性が確立されてきたワクチンですから、感染流行が続いている以上、接種できる機会があったらそれを逃さず受けるのが吉と考えます。
J&Jワクチンでも血栓報告 EUが調査、アストラ製の新症例も
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
アストラゼネカとJ&Jのワクチンは共通してウイルスベクターワクチンという技術を用いています。
実際のところ、用いているウイルスは少し異なりますが、両者に共通した副反応が見つかるとしたら、それは不自然なことではありません。
ここでのポイントは、比較的よく見られる血栓症のみならず、血栓症に加えて血小板減少も見られている点で、そういった病態がなんであれ稀であることから、そこに副反応の疑いが強くかかってくることになります。
いずれにせよ稀な事象であり、新型コロナウイルスの世界的な影響やワクチンの有効性の高さを考えれば、流通を阻むものにはならないと思いますが、米国ではmRNAワクチンも主要なワクチンとして普及していることから、たとえ稀な事例であっても今後のJ&Jワクチンの普及には影響を及ぼしそうです。
変異ウイルス 感染力 従来のウイルス比で平均1.32倍高い | NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
英国で見つかった変異ウイルスについては、国外からの報告でも25-40%程度感染伝播の力が強いと報告されており、それと相違ないデータが国内でも確認されたということになります。
また、重症化率も高い可能性が指摘されており、若い人で致死率が60%程度上昇する可能性も示唆されています。
現に、この変異ウイルスの影響か、感染拡大が急速に進行している国や地域があり、若い層の重症患者が増えている地域も見られます。
ただとても良いニュースとして、既存のワクチンの有効性がこの変異ウイルスではほとんど影響を受けないことが相次いで報告されています。
このことから、現在流通しているワクチンをいち早く広げることが最も有効な対策と考えられます。
アストラ製ワクチン、若年層対象の治験中断=オックスフォード大
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
副反応と断定されたものではなく、その関連性も証明されていませんが、血栓症と血小板減少症が「組み合わさって」見られるまれな病態がアストラゼネカのワクチン接種後に確認されています。
ヘパリンという薬を投与したときにまれに見られるHITと呼ばれる病態に似ていることも報告されており、実際にHITに対する検査で陽性になる例も報告されています。
この極めてまれな病態がワクチン接種後に見られる確率は、特に若い世代で見た時に自然発生率を超えている可能性が指摘されています。
特に若い世代では、COVIDで命を落とす確率も非常に低いため、有効性と安全性のバランスを考慮する際、ワクチンは高齢者を対象にしている時以上に副反応リスクを限りなく小さくする必要があります。
特に、現状ではそのような有害事象が報告されていない他の選択肢(mRNAワクチンなど)も入手可能ですので、それも含めた総合判断での中断と考えます。
どこかの陰謀論で見られているような闇雲な研究、開発が行われているわけではなく、あくまで安全性を重視しながら研究が進められていることが確認できます。
米、高齢者55%がワクチン接種完了 新規感染者は3週連続で増加
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
米国では、行動規制緩和とワクチン接種の追いかけっこの様相を呈してきました。
ニューヨークでは4月6日から優先接種の枠組みが外れ、16歳以上の全ての人がワクチン接種を受けられるようになります。
一回接種で完了するジョンソンアンドジョンソンのワクチンの力も借りて、できるだけ早く若者への普及も目指したいというところでしょう。
本来、ワクチンの普及とともに「正常化」への安全な着陸を目指す今こそ、皆でマスクという安全ベルトを閉めて、協力しなければいけないところですが、すでに感染予防策を大幅に撤廃してしまった州もあり、現実はなかなかそう簡単ではありません。
アストラ接種後に7人死亡、英国 当局は継続の方針
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
まずクリアにしておきたいのは、このアストラゼネカのワクチンで見られている有害事象はとてもまれな頻度で報告されているということです。また、それらが因果関係のある「副反応」と確定していないという点も前提としてご確認ください。
その上での話ですが、ここで報告されている血栓症、血小板減少症というのはそれぞれで見れば比較的ありふれた病気ですが、感染症などの起因なく「両者が組み合わさって」起こるのは極めてまれです。
この極めてまれな病態がワクチン接種後に見られている確率は、特に若い世代で見た時に自然発生率を超えている可能性が指摘されています。
また、アストラゼネカのワクチンのみで見られているという点も特筆すべきかもしれません。
これらの事実から、まれな事象であることを再度確認していただく必要はあるものの、偶然の産物として受け流すこともできない可能性があり(すなわち稀な副反応である可能性があり)、国際的には慎重に観察が続けられています。
だからこそ、このような報告が行われているのであり、むやみやたらにランダムで偶発的な死亡事例が報告されているわけではありません。
ただ、ここから伝えたいメッセージは、「ワクチンは危険性が高い」ではなく、それぐらい稀なことでもしっかりと捕捉され、慎重に観察が行われているということです。
その上で、世界的な感染による死亡者の数を考えると、依然としてメリットがリスクを上回るのは明白であるものの、こういった有害事象が報告されていないアストラゼネカ以外のオプションがあることを考慮する意見が出るのも自然です。
このような議論から派生して、ドイツなど一部の国で、アストラゼネカ製のワクチンに関しては、明らかにメリットがリスクを上回る高齢者のみに接種を制限する考え方も出てきています。
米、ワクチン接種完了者は旅行可能に CDCが指針改定
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
ここには2つの意味が込められていると思います。
一つは、ワクチンの有効性がそれだけ高く評価されているということです。既に疑いの余地はなくなるほどに様々な角度からその有効性が評価されてきましたが、高い有効性があってこその指針改定だと思います。
もう一つは、ワクチン接種の意義の可視化です。ワクチン接種の有効性や意義は、「病気を防ぐ」ことにあるため、身体では感じられず、多くの人に理解しにくいものかもしれません。予防接種により「安全に旅行ができる」「安全に野球観戦ができる」「マスクがいらない場面ができる」というメッセージは、有効性の「可視化」につながる可能性があります。
また、ここからもう一つ確認すべきことがあるとすれば、前提として「旅行は不可」とされている点です。Go To Travelなどといった施策がいかにここからかけ離れているかが感じとれます。
米国、アストラ製コロナワクチン必要ない可能性=ファウチ氏
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
現在のような議論が出る前から、現在の3社のワクチンに加えてノババックスの採用によって国内のワクチン供給は充足するとの見解が示されていましたので、その後の様々な報道が影響しているのかどうかは必ずしも定かではありません。
ただ、アストラゼネカのワクチンを巡っては、ドイツなどを中心に接種対象者の年齢制限を行うといった考え方も広がってきており、まだ一定の見解が得られておらず、その取扱いは少し複雑化してきています。
また、その他の企業のワクチンが全て国産で賄え、自国で制御がきくことからも、アストラゼネカのワクチンをあえて採用する意義は米国国内においては高くないというのも納得ではあります。

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