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ファイザー飲み薬、投与敬遠 併用不可多く「活用低調」
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
現場レベルで何が起こっているか、詳細は分かりませんが、効果の高い薬なだけに、日本国内で過剰に敬遠されていないかは懸念しています。
私も個人として数えきれないほどの処方経験がありますが、たしかに併用不可となる薬が多いものの、コロナの重症化リスクとの天秤にかけた際に、コロナの重症化リスクが高いと判断した場合には、持病の薬の方を一時的に中止することで、投薬は可能になることも多く経験されます。
また、併用薬の確認に関しては、電子カルテシステムや薬剤師とのコラボレーションも不可欠です。経験が積み重なれば、医師個人としてもそんなに時間のかかるプロセスではなくなります。
そんな中で「なんとなく」敬遠されてしまっている事例がないのかは精査されるべきではないかと思います。
コロナ検査キット、ネット販売解禁へ 政府調整
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
非正規の抗原検査キットが話題になっていますが、正規かどうかだけでなく、抗原検査自体が持つ限界も知っておく必要があります。
感染者が、正規の抗原検査キットを用いても、誤って陰性になる「偽陰性」の可能性があり、感染流行が悪化すればするほどその確率は高まります。検査の「正確性」は検査自体の持つ特性だけでなく、検査前の「事前確率」に大きく影響を受けるのです。
感染している確率が「半々ぐらい」の時に、抗原検査を確認して「陰性」と出たとき、それでも自分が感染している確率はまだ25〜30%ぐらいあります。「いや、8割ぐらいの確率で感染してるけど念のため抗原検査」の場合には陰性でも6割ぐらいの確率で感染しています。
「抗原キット陰性でOK」ルールは間違うということを知っておくとよいと思います。
全住民対象に新ワクチン オミクロン対応10月から
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
米国では、9月からオミクロン対応ワクチンの使用が開始となる見込みがアナウンスされており、現在3回接種まで受けた人には、このオミクロン対応ワクチンが4回目として用いられる計画です。日本は1ヶ月遅れとなるようですので、このタイムラグの短さだけでも「変化」なのではないでしょうか。
ただし、「オミクロン対応」とは言っても、現実に用いられるのは、現在流行中のBA.5に対応したワクチンではなく、「BA.1に対するワクチン」となります。それでも十分早いとは思いますが、「BA.1流行中にワクチン開発が始まる→ワクチン完成→臨床試験終了」の流れの中で、その時には流行のウイルスがBA.5になっているというイタチごっこになってしまっています。
それでもなお、BA.1対応ワクチンがBA.4やBA.5に対する抗体を十分増加させていたということを根拠に、このワクチンが使用を開始されることになります。
さらなるゲームチェンジャーの可能性を秘めているのは、変異によらずに対応可能ないわゆるユニバーサルワクチンや、粘膜での免疫を強化して感染予防効果を高めると期待される経鼻ワクチンですが、これらについては今のところ臨床試験が完了したものはなく、今後の研究結果待ちということになります。
ファイザーのオミクロン対応ワクチンが発表された際のプレスリリース
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-announce-omicron-adapted-covid-19
「“風邪と同じだから大丈夫”はとんでもない暴論」子どものコロナ後遺症 軽視できないデータと当事者の証言
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
これだけ多くの方が感染を経験し、また多くの客観的なデータも蓄積する中、「風邪やインフルエンザと同じではない」ということは、一部の方を除き大多数の方がご理解されていることではないかと思います。一方で、身近にお子さんが感染している中、過剰な心配をしてもらいたくないという思いもあります。
ここで見直していただきたいのは、このような後遺症リスクの側面からも、必要回数のワクチンや感染予防行動は、お子さんにとって価値の高いものであるということです。「重症化リスク」のような単一の物差しだけで物を考える単純思考ではなく、広い視野で捉えていただきたいなと思います。
東京の新規感染者は3万970人 新たに13人死亡 新型コロナ
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
複数の医師の話を総合すると、現場感覚では、感染者数が減ってきている感触があるようです。これから真に減少傾向となることを願っています。
また、感染者数の報告について議論になっていますが、この全数報告には、大きく2つのメリットがあるのだと思います。一つは、例え現実には全数の把握ができていないとしても、感染流行の動向を把握する大きな材料になっているという点です。もう一つは、日本国内ではこの「感染者数」こそが一定数の人の感染予防行動の変容につながっているという点です。
ただし、感染者数の動向は、下水のウイルスの検出や一部の医療機関における定点観測でも代替が可能と考えられることから、メリットは薄れてきていると捉えられます。また、負担が大きいという明白なデメリットもあることから、全例調査をやめることの妥当性は上がってきていると思います。

【山田悠史】世界にはびこる「老後不安」への処方箋
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
昨日に引き続き、『最高の老後』という書籍について、インタビュー形式でご紹介いただきました。
書籍の中では、認知症やいわゆる生活習慣病といった、年齢とともに増加傾向となる医学的な問題とその予防法について扱いましたが、ここでご紹介いただいた年齢差別(エイジズム)などの社会的な問題についても扱いました。
それは、世界的な高齢化が進む中、私たちの健康寿命を延ばす上で、個人の自助努力だけでなく、社会として変わっていかなければならない部分も大きいというメッセージでした。
本書は、そんな側面からもお楽しみいただければと思いますし、そんな問題を扱った「最終章から読む」といった楽しみ方もしていただけるのではないかと思っています。
実は、『老後』という言葉には明確な定義がなく、私はこの言葉をタイトルにすることに当初抵抗がありました。しかし、定義がない言葉だからこそ、手にとった人にそれぞれの思いで咀嚼いただけるのではないかと考えを改め、最終的にはこの言葉を選択しました。この本は、決してシンプルな回答を導くものではなく、「何でも分かっているわけではない」という限界を示しながら、個々に咀嚼していただく本なのです。
歳は皆平等にとるものです。あなたがいま、20歳でも70歳でも、加齢は等しく起こっています。読者の現在の年齢に関係なく、それぞれに学びのある内容にできたのではないかと自負しています。
最後に、2日間に渡り記事をお読みいただいた方、本当にありがとうございました。コメントもとても嬉しく拝見しています。書籍の感想やフィードバックもまた、どんな形でもお待ちしていますので、ぜひお読みくださったら教えてください。
昨日の記事
https://newspicks.com/news/7395175
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【山田悠史】老後に差がつく「科学的に正しい健康思考」6選
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
著書『最高の老後』をご紹介いただきました。この384ページを完成させるために、約1年間、週末の時間をほとんど全て費やしてきました。計255本の論文をもとに、老化予防のために、何歳からでもできることを詰め込みました。私の患者さんや家族との経験も記し、老化で何が起こるのかを追体験していただけるようにしました。
私は医師として、医療現場で「若い頃にああしておけば」と、病気になってから後悔されるシーンを何度も味わってきました。それを、病院に来る前の人たちに届けたかった、それがこの本です。あなたが今何歳であるかはあまり関係ありません。何かを始めるなら、今日から。今日より若い日はありません。
本を書き始めた当初、本が売れることにはあまり関心がなかったのですが、やはりいい本を書いても多くの人の手に届かなければ意味がないと思うようになりました。ぜひ手にとって読んでみてください。どなたにも必ず気づきがあって、それが数年後のあなたを助けることにつながるはず、そう信じています。
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全国の書店でもお買い求めいただけます。
政府 新型コロナ感染者の全数把握 見直しは慎重に検討
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
どんなことでもそうですが、この感染者数の全数把握においても、当然メリットもあればデメリットもあります。どちらか一方がない/なくなったわけではありません。メリットとデメリットの天秤をどう捉えるか、です。
メリットは、例え現実には全数の把握ができていないとしても、陽性率などの指標と合わせて感染流行の動向を把握する大きな材料になっているという点です。遅れてやってくる重症患者の発生に、より早期から対応することを可能とします。また、日本ではこの「感染者数の報告」こそが人々の感染予防行動の変容につながっているとするデータも報告されています。副産物だと思います。
ただし、この感染者数の動向は、流行を捉えるという意味では、下水のウイルスの検出や一部の医療機関における定点観測でも代替が可能であることが分かっていて、それらの代替指標で補うことができます。それらをふまえると、メリットは薄れてきていると捉えることができます。
一方、最も大きなデメリットは現場の負担です。保健所や医療機関は限られたマンパワーで一人一人の感染者の情報を全て入手・入力しています。その手前では、自宅療養者も含めた全ての感染者から電話などで報告を受けています。本来受診も必要ない人の電話連絡、受診行動、情報入力など、その周辺で「無駄」が生まれていることに疑いの余地はありません。感染者数が増加し、病気自体の持つリスクが減った方も多い中、デメリットは増加しつつあると捉えることができます。
本来、感染者数が増加する前から議論されるべきことでしたが、過去を嘆いていてもあまり生産的ではありません。このような天秤の中での議論ということになると思います。
アップルが考える「健康の未来」
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
アップルのデータが医療に活用されるにはいくつもの障壁が考えられます。その中でも比較的大きいと思われる障壁の例を以下に挙げてみたいと思います。
1)科学的根拠の構築
現状では、データがとられてもそれが信頼に足るものかどうかの判断ができず、医療現場での判断には使えないと思います。データの信頼性を含めた科学的根拠の構築が第一歩です。
2)電子カルテとの連携
医師が1人の患者でインプットする情報量は膨大です。データ量が多ければ、電子カルテ外の情報まで取り入れる余裕はないかもしれません。電子カルテで、他のデータと一体になって閲覧できる必要があると思います。
3)保険診療の障壁
医師側としては、外から膨大なデータを持ち込まれ限られた時間を消費されるのは、負担が増えるだけと捉えられる可能性があります。データはなんでも増えれば良いというものでもありません。判断を誤らせるノイズになることもあります。Payされるものにならなければ、浸透しないかもしれません。
サル痘で緊急事態宣言=NY州知事
山田 悠史マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
7月29日に、NY州はサル痘の感染拡大に対応するため、8月28日までの非常事態を宣言しています。サル痘の感染者数としては、全米最多の都市となっていて、サル痘ワクチンを投与できる対象者として、救急隊員、薬剤師、助産師にまで拡大されています。
また、ワクチン以外の予防法として、以下のことが知りています。
・症状のある人の飛沫・体液との接触を避ける。
・こまめな手指衛生を行う。有症状者が使用した服、寝具、タオル、食器等に触れる際は特に手指衛生を。
・サル痘を保有する可能性のあるげっ歯類等(死体を含む)との接触を避け、野生の狩猟肉を食べたり扱ったりすることを控える。

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