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【超入門】複雑な「航空業界」を、わかりやすく整理してみた
NewsPicks編集部
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
空港民営化は、高速道路の民営化に例えると分かりやすいかと思います。 航空会社:高速バス 空港ビル:サービスエリアの運営 空港管理者:高速道路の管理者(保有も然り) といった具合です。 例えば、高速バスを利用するときに高速道路の料金は利用者が直接払うものではありません。空港についても着陸料や航行援助施設利用料などさまざまな料金がありますが、基本的にはチケット料金にコミコミ、という仕組みになっています。 高速道路の民営化では、今までは単なる休憩所、付帯設備扱いであったサービスエリアが「稼ぎどころ」として変身したことが高く評価され、空港の民営化においても、似たような効果が期待されているということになります。 そこで、空港の保有者はあくまで国や自治体に置きつつ、その管理や運営を民間に委託するというのが昨今の空港民営化のやり方となっています。このやり方で民営化されている代表例が例えば関西・伊丹・神戸の空港を管理運営する関西エアポートで、株主にも国が関係しない、文字通りの民営化となっています。 既存の空港では、例えば成田はNAAが管理運営を行っていますがこれは特殊法人で100%国が出資しています。羽田は国が管理を行いつつ、空港ビルのみ日本空港ビルデングや東京国際空港ターミナルに運営させているという空港です。 すでに関西では3空港が同じ企業のもとで一体運用されていますが、これは海外でも同じ都市圏の空港では同じ管理体で運用されるのがポピュラーです(例えばニューヨークの主要3空港もニューヨーク・ニュージャージー港湾公社により一体運用となっています)。 日本においても巨大な既得権をもたらす東京の発着枠を、いかにバランスよく競争原理を取り入れて配分していくかということが求められています。
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線状降水帯の確認で「顕著な大雨に関する情報」発表へ 気象庁
NHKニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
昨年の7月の人吉市を中心とした豪雨災害では、大雨警報が前夜の20:49、土砂災害警戒情報が21:50にそれぞれ発表されましたが、すでに避難を迅速に行うには危険もある夜間になってしまったこと、またそれ以降は明け方の4:50に特別警報が発表されるまで線状降水帯についてのアクションが取れず、すでに洪水被害が発生していた場所があったことが問題としてクローズアップされています。地上の雨量観測地点でデータを確認してから警報や特別警報が検討される仕組みなので、災害発生に対して警報が間に合わない可能性があることは利用者としても常に気をつけておきたいところです。 気象庁にしてみれば、せっかくレーダー等の整備が進み線状降水帯の把握はできるようになりつつあるのだから、その危機感をきちんと知らせたいという動機があります。気象に興味がない人からすれば、またややこしい情報が増える、またオオカミ少年のように扱われてしまう、という懸念もありますが、ガタガタ議論するよりもまずはやってみようという姿勢は高く評価したいところです。ただし、PDCAの仕組みは日本人が不得意とする分野なので、その点もしっかり行う必要はあると考えています。
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旅客機で温室効果ガスの排出量を観測 JAXAとANA
NHKニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
これまでにも旅客機を使ってCO2濃度を連続して計測するというものはありましたが、松沢さんのおっしゃる環境研究所のCONTRAILプロジェクトでは圧縮空気系統を少しづつサンプリングする形で計測されていました。コクピットに観測員が搭乗して、手動でサンプリングするやり方もありましたが現在は貨物室の一角に測器を置いています。いわゆる航空局による改造検査を受けるほどではありませんが、それでも複数の整備士により設置の作業と確認が必要で、飛行する路線に合わせて臨機に対応できるような仕組みではありませんでした。 今回のJAXAの取り組みの場合、客室に特殊カメラを設置するだけですので、たとえば羽田ー福岡路線を集中的に観測したいということであれば、その路線に投入される機体に前日に設置すれば良いということになりますので、観測対象を柔軟に選べるところがメリットかと思われます。もっとも、実際に空気をサンプリングしているわけではないので、その点での観測誤差は発生してしまいます。 これら旅客機を利用したCO2観測のメリットは、毎日決まった時間に同じような路線でのデータが手に入ることです。一日の中でも複数の時間帯で飛行しているので、CO2濃度が朝に高いのか、昼に高いのか、などといったことまで分かります。温暖化と言われつつ、CO2濃度についての高度別や時間別などの細かいデータはまだ手に入っていないのが現状です(地上での観測データか、衛星からの平面的なデータかのみ)。こうした観測データが増えることは、CO2に対しての理解を深める上で大変重要と言えます。航空業界の、せめてもの罪滅ぼしなのです。
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台湾東部でM6.2 花蓮県、最大震度6弱
共同通信
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
台湾は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの軽い部分が衝突して、盛り上がってできた島です。日本で言うと、本州に向かって北上してきたフィリピン海プレート上の島(伊豆半島)がぶつかって、箱根や丹沢の山を形成しているのと似ています。今回の地震の発震機構も、北西と南東から圧力がかかったことによる逆断層型と出ていて、台湾でよく発生するタイプの地震であることが分かります。 特に台湾東部の花蓮県では数年おきにM6クラスの直下型地震が発生しており、今回もそうした地震の一つであると考えられます。ちなみに台湾の震度階級は、計算過程や特徴に若干の違いはあるものの、概ね日本の気象庁の震度階級と近いものとなっています。直近では2018年にも震度7を観測する地震があり、花蓮市内でビルが倒壊するなどして死者17人を出していました。今回はそれに比べれば地震の規模は小さく、被害は少ないと見られますが、同じ地震国として今後もお互いに支援し合う姿勢が重要かと考えます。 台湾と日本は、いわゆる東西冷戦における防波堤の役割として同じような立場であったと言うこともありますが、自然環境がよく似ていることも互いにシンパシーを感じるポイントになっているのではないでしょうか。
猛烈な台風2号、5年ぶりの900hPa未満 進路はどうなる?
ハフポスト日本版
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
すでに台風2号は、その勢力の中核をなしている中心付近の活発な積乱雲(いわゆる台風の眼の雲)について世代交代の時期に差し掛かっており、一時的にですが勢力を落としています。また台風が強く発達できるような高い海水温になっている場所もおおむねフィリピンのルソン島沖までで、そこから北では台風としての勢力の維持ができないような、比較的冷たい海です。 また、ちょうど沖縄から北には、いわゆる偏西風が卓越する場となっており、台風が北上してきても太平洋を東に流されてしまい、本州はもちろん沖縄へも接近や上陸の心配はかなり低くなっています。予報円の北側を進む可能性はかなり低くなっていますので、その点は大丈夫です。ただし、台風の北側にある前線の雨雲がかかったり、台風からの波で海が荒れたりすることは十分考えられますのでご注意ください。 まだ春先なのにこんな台風が発達して、心配だという話もよく聞かれますが、むしろ太陽の角度からするとフィリピン付近はすでに十分真夏レベルで、太平洋も真夏並みのエネルギーを蓄えています。条件が整えば真冬でも「猛烈な」勢力の台風は発生しますので、今回の台風がそこまで珍しいわけではありません。
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トリチウムってどんな物質? 海洋放出後に必要なこと
朝日新聞デジタル
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
その昔は「重水」という言葉でも呼ばれましたが、雑な言い方をしてしまえば水の放射性同位体ということができます。水爆の主なエネルギー源ともなっています。なにぶん水でありセシウムなどの重金属ではないために濾過などで取り除くことができません。これが大きな問題となっています。 しかしながら、放射能があるといっても水のため、仮に人間が摂取しても長期間体内に残留することなく数日で排泄されるとされており、放射されるベータ線も非常に弱く(カリウム40という放射性同位体の100分の1のレベル)、よほど高濃度で摂取しない限りまず問題ないとされている物質です。しかし、大量の海洋放出を行っているイギリスでは海底の底生生物に生物濃縮が見られたという報告もあり、影響がないと断定するのも難しい物質です。 原子力発電所として通常運転を行っていても、冷却に使う水にどうしても放射線が当たり、トリチウムはある程度発生しています。前述の状況から、各国は一定の濃度の基準を設けたうえで海洋放出をふつうに行っています。日本が律儀に陸地に積み上げているのは、原子力発電を行っている国からすれば奇異に映っているに違いありません。日本の基準自体はWHOの基準よりは高めに設定されていますが、現時点での報道ではさらに薄めて流すとのことなので、少なくとも科学的には十分安全な状態で流す、といってよいかと思います。 現地の漁業関係者の懸念も、要するに風評被害が心配なだけなので、私たち消費者が正しい知識を持ち、福島の水産物を理解して消費すればよいということになるのでしょう。
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鹿児島十島村 地震200回以上観測 住民に不安「眠れない」
NHKニュース
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
トカラ列島では数年おきに群発地震活動が発生することがありますが、今回は2000年ごろに悪石島で震度5弱を観測した一連の群発地震の震源域と、宝島に近い場所を中心とするここ20年ほどの地震の震源域に挟まれた、いわゆる地震の空白域で発生している模様です。 また地震の発震機構も横ずれ型が多く、いわゆる陸地側のプレートにかかる力と同じ向きになっていることもポイントとなっており、プレート内部での断層による地震活動であるのか、あるいは付近に存在すると考えられるマグマの移動に伴う地震であるのかの見極めが難しくなっています。 伊豆半島東部でも群発地震が発生することがありますが、こちらは調査が進んでいて、主に深部からのマグマの上昇により発生し、それがどのくらい浅いところまで上昇してくるかをモニターしつつ、噴火につながりかねないと判断される場合は避難をするという体制が作られています(もっともここ10年近くは群発地震は発生していません)。 トカラ列島の悪石島から宝島にかけては単純な火山島ではないので、島の成因に関連する地震なのかもしれません。 いずれにしても現段階では、大規模な地震や火山の活動につながるものとは言えませんので、落ち着いて状況を見守ることになると考えられます。
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異形の巨大機「スーパーグッピー」、宇宙船の運搬用に開発
CNN.co.jp
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
胴体をぱかっと開けるのは、飛行機にとっては大変なことです。 まず、胴体はそれぞれ輪切り状態のフレームと横に通すストリンガーで構成されますが、ストリンガーをぶった切ってしまうことになるのでその周辺は特別に強化しておく必要があります(もちろん飛行中のロック機構についても特注での開発が必要です)。 また、操縦室からの操縦ケーブル(今はフライバイワイヤなので電気系だけ繋がっていれば良いですが、昔は翼の舵面までそのままつながるケーブルで操縦していました)や電気系はもちろん、切る場所によっては油圧や圧縮空気の配管も通さなければなりません(特に胴体の後ろを切る場合にはそうしたものも影響します)。 グッピーのような特殊な用途の機体はともかく、いわゆる商業用の輸送機ではそこまで複雑な開け方はしないようになっています(側面ドアのみが開くか、操縦室が高い位置にあり、その下の機首部分のみぱかっと開くタイプ)。おそらくですがグッピーのような機体は耐空性審査も機体ごとに特別に行われていて、型式証明は得ていないのではないかと考えられます(エアバスのベルーガおよびベルーガXLは、操縦室の位置を下に置くことで飛行機のおでこが開けば良いようになっており、これで型式証明を取得しています)。いわゆる貨物機としてはグッピーのようなものは運航事業者としてはちょっと面倒に感じます。 A380の貨物型がうまくいかないのもその辺りに理由があり、操縦席が1階の低い位置にあるため操縦席ごとパカっと開けるしかないのがネックとなっています。技術的には可能でも、もろもろの開発費用をかけて耐空性審査を取り直してまでやることか?と言われているわけです。側面ドアを採用すればもしかしたら、ということもありましたが、これも2階席部分の床を全て取り払って特別に補強する必要があり、結局同じ壁にぶつかる、という状況です。マスクが足りない時期にそれ専用で運ぶ用途には使えましたが、せいぜいその程度の活躍しかできないのであれば、貨物機としては他の機体を使った方が早いというのが実態です。
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気温は平年並みの「平年」って何?10年ぶり「天気の基準改定」知られざる秘密
Business Insider Japan
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
平年値の裏側が分かる内容で、丁寧に取材されたことがわかりとても良い記事と感じました。 データの検定作業の説明がありますが、言ってしまえば平年値云々とは関係なく必要な作業ではあるのですが、特に平年値を変更するときにはスピードが要求されて大変だ、という話かと思います。昨今はアメダスでの観測要素も増えてきており、データの検定作業は今後も大変なのだろうと思料します。 気象観測は気象庁だけではなく、自治体やその他研究機関や私企業などでも行われているのですが、気象庁での統計データとしては現状用いられていません。これは、データの測定環境や測定方法、用いている機器の検定が必要で、気象庁が観測したデータと同じように扱えなければ意味がないからです(たとえば気象庁では現在は超音波式の風速計を使っていますが、小さなお椀がクルクル回るタイプの風速計は回転の影響を受けて風速が大きくなりやすいという欠点があり、気象庁では用いられていません)。 天気予報の際に「平年並み」と聞くとなんだか無難そうな印象を受けるかもしれませんが、最近の気温の上昇や降水量の増加を取り込んだうえでの平年値ですので、平年並みの割に猛暑だ、などといったことになってくるでしょう。特に気温については数字のほうで確認するようにしておいたほうが良いかと思います。
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太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される
ニューズウィーク日本版
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
そもそも成層圏と対流圏において気温が最も低くなっているのは、熱帯の雲の頂点付近です。地球全体の気温分布を緯度ごとに平均してみると、ちょうど赤道付近の高度20km付近が-80℃くらいでもっとも冷たい場所となっています。これは、北極や南極では対流圏の高さが低いために上空には成層圏がやってきていて、意外と気温が下がりにくいことと、逆に赤道付近では活発な対流活動により気温が一定の割合で下がり続けるため、その雲の頂点付近では—100℃近い低温を出すこともままあります(台風の発達過程では—90℃くらいはざらにあります)。それでも今回の-111℃はものすごい発達といえ、なかなか記録されるものではなさそうです。 ただし、これを今までにない巨大な積乱雲が発生したととらえるのは早とちりかもしれません。というのは、人工衛星のセンサーの精度や解像度、観測頻度がここまで高くなってきたのはこの10年ほどのことで、それ以前にも似たような雲があったのにそれを見ていなかっただけかもしれないからです。地球温暖化により本当に雲の発達(オーバーシュート)が以前よりも高い水準になっているのかどうかということは、一部の突出したデータを見るよりも、全体としての平均値や分散などに注目したほうが良いかもしれません。
ANAがJALを「貨物特需」で圧倒できた2つの勝因
東洋経済オンライン
谷村 研人国内航空会社 気象予報士
航空貨物事業は、特にここ15年ほどを振り返ると、リーマンショック前の資源価格の上昇、そしてリーマンショックそのものによる貨物需要の大幅減により辛い目にあってきたという歴史があります。韓国や台湾は電子部品の一大生産地で、これを北米のメーカーに輸出する流れがあったために、現在も大韓航空や中華航空は貨物事業を大きな柱としていますが、日本では特にJALの経営破綻と再建の過程で旧式の747を使った貨物機の整理もあり、航空貨物は儲からないというイメージが定着していました。 ANAやNCAなどでも、リーマンショックを乗り切ったあともアジアと北米間の貨物便は北米やアジアの会社も入り乱れて競争が激しかったこともあり、成長はあったものの利益はあまり上がらず、特にNCAは整備に関するトラブルもあり決算は赤字ベースで親会社の日本郵船の決算にまで影響を与えていました。 コロナになって一変したのは、とにかく旅客便がほとんどゼロとなり、その床下を使った貨物輸送もほぼできなくなったこと、そして貨物便についても乗組員の検疫の問題があり旅客便の穴を埋めるほどには供給が追い付いていないこと、そしてマスクや消毒液などの医療用品やワクチンなどの輸送に迫られてさらに輸送単価が高くなっていることが挙げられます。 特に2020年コロナが拡大した当初は各国とも検疫のルールややり方が手探りで、国際的な物流が止まってしまう状況が連想されるほど供給が絞られてしまいました。今は各方面でやり方がそろってきたこともあり、需要に応じた貨物便の運航ということもできるようになりつつあります。 いよいよ航空会社はアフターコロナを見通し始めていますが、旅客需要は急激に回復しないのではないかという見方が広がっており、すると必然的に貨物優位の状態がもうしばらく続くことになります。本格的な回復のあと、果たして航空貨物が以前のように過当競争になるのかどうかがポイントとなるでしょう。ANAが顧客ニーズに応じて臨機に貨物便を運航する、というのはそうした過当競争に陥っても勝ち残れるやり方を模索しているようにも思われます。
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