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中国、ネット企業の海外上場容認へ転換 副首相「支持」(写真=ロイター)
日本経済新聞
中国、台湾周辺で6─8日に軍事演習実施=人民解放軍
Reuters
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
一般的に、ウクライナ戦争は中国の台湾武力侵攻のハードルを上げたと言われています。中国は、国内向けにも台湾向けにも、台湾武力侵攻が「できない」と思わせることはできませんから、ことさらに軍事力を強調して見せていると考えられます。 実際には、中国の台湾武力侵攻の「ハードルが上がった」との分析が台湾や米国の油断を招けば、中国にとって武力侵攻の良い機会を与えることになります。一方で、中国が台湾周辺で軍事演習を繰り返せば、台湾や米国は油断するどころか警戒を高めますから、中国の台湾武力侵攻をより難しくしてしまいます。 中国は、現段階では着上陸作戦に必要な陸上兵力を渡海させる十分な能力を有していません。ミサイル等で空爆し、台湾の地上にある施設のほとんどを破壊できたとしても、最終的には陸軍が上陸して占領しなければ台湾を「統一」したことになりません。中国にはまだ台湾武力侵攻の準備ができていないのです。 中国は、陸上兵力の輸送能力を上げるために075型強襲揚陸艦を急ピッチで建造し始めたと認識されていましたが、3隻まで進水したところで、建造が止まっているようです。大量の陸上兵力を渡海させることを諦めたのだとすれば、中国は無人機を使用する可能性があります。AIと融合した数千、数万にも上る無人航空機、無人艦艇、無人陸上戦闘兵器を陸軍の兵士の代わりに台湾軍にぶつけてくるかもしれないのです。 こうした戦闘様相は、中国人民解放軍が追求している「智能化」の流れに沿ったものです。中国が無人機を使用するだろうと考えられる根拠は他にもあります。ウクライナ戦争でも、ロシア軍兵士の死傷者が増加したことがロシア社会で反戦運動が高まる理由の一つにもなっています。権威主義国家にとって最大の脅威は国内にあります。中国も国内の批判を避けるために自軍の死傷者を最小限に抑えたいと考えるでしょう。そのために有効な手段が無人機による戦闘なのです。中国人民解放軍は、智能化戦争は「機械対人間」あるいは「機械対機械」という様相を示すとしています。
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日米、中国を「共同抑止」 首脳声明へ明記調整 
日本経済新聞
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
プーチン大統領によるウクライナ武力侵攻は、中国に、核を用いて恫喝すれば米国を始め他国は手を出せない、という教訓を与えてしまったのではないかと危惧されています。また、バイデン大統領が早々に「ウクライナには兵力を送らない」と宣言したことが、プーチン大統領にウクライナ武力侵攻を決心させた要因の一つとも言われています。 ウクライナ戦争を受けて、欧州で議論になっているのは、米国の拡大核抑止や他国による武力侵攻に際して米国が軍事介入するかどうかに対する不信です。日本では、これまで、日本が望まないのに米国が核兵器を使用する、あるいは軍事力を行使するのではないかという「巻き込まれ論」が主流でした。 しかし、ウクライナ戦争の現実は、「いかに米国を巻き込むか」こそが重要な課題であることを示したのです。日本も、自らが核兵器を保有しないというのであれば、米国の拡大核抑止をいかに中国や北朝鮮、ロシアに信じさせるかが非常に重要な問題なのです。さらに、抑止が破綻した際に日米は共同で事態に対処することを宣言しておくことは、現段階でできる最大の抑止でしょう。 日本は、さらに、言葉だけではなく、米国の拡大核抑止や軍事介入を担保するための枠組みを米国とともに構築していく必要があります。米国は、昨年12月にオースティン国防長官が提起した「統合抑止」が米国の国家安全保障戦略のコンセプトになるとしています。 統合抑止は、陸、海、空、サイバー空間、宇宙等の領域を統合するとともに、軍民を統合し、米国と同盟国のオペレーションも統合するという広い概念であると捉えられています。日本も、これまでのタブーを廃して、何が必要であるのかを議論し、米国と何をどこまで統合するのか、そのためにどのような仕組みが必要なのかを決定し、米国と協議する必要があります。
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ロシア侵攻「台湾有事」への波紋 米中に戦略修正迫る
日本経済新聞
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
プーチン氏のウクライナ武力侵攻と想定される習近平氏による台湾武力侵攻の相似と相違は、すでに日本でもよく議論されています。 似ているのは、独裁色の強い権威主義国家の政治指導者が起こす侵略戦争であるという点です。権威主義国家の指導者は在任期間が長くなればなるほど、正しい情報が入らなくなります。最高指導者になった直後は、それまでの実務経験を基にある程度、正しい判断ができる可能性がありますが、一人で全てを決めようとしても全ての情報を得ることは不可能ですから、徐々に情報を失っていきます。また、中ロとも戦略核兵器を有しており、プーチン氏が核の恫喝とともに行ったウクライナ侵略を米国も欧州諸国も止めることができなかったことから、習近平氏も核の恫喝の効果を理解したでしょう。 異なる点は、ウクライナはプーチン氏も表向きは独立国と認めていますが、中国は台湾を中国の省の一つと主張しています。中国が台湾に武力侵攻する際には、他国に対する侵略ではなく、国内の治安問題と主張するのです。 また、米国にとって、ウクライナは米国の本土防衛に大きな影響を持たないと認識されている一方で、台湾は米国の本土防衛に直接関係します。中国が台湾を取れば、中国の戦略原潜が自由に太平洋に出られるようになり、米国を常に核の射程に収めることになります。また、台湾に配備されている早期警戒レーダーは、台湾防空のためとされていますが、中国が米国に向けて大陸間弾道ミサイルを発射すれば、それを一番早く探知する地上のセンサーになるでしょう。米国にとって台湾防衛は自国の防衛にも関わる問題なのです。 戦術レベルの相違は記事にもあるとおりですが、中国は現段階で着上陸能力が不足しているからといって「台湾統一」を諦めることはありません。しかし、中国は着上陸作戦の能力を向上させるだけでなく、無人機を利用する智能化戦争の能力を高め、まずは機械対人間の戦闘で台湾軍を損耗させ、限定的な人数でも着上陸作戦を成功させられるようにするでしょう。
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EU、防衛力強化へ5000人の即応部隊創設 安保長期戦略で合意
毎日新聞
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
EUの即応部隊創設には大きく2つの意義があります。1つは、EUには米国が含まれていないことです。欧州が米国とは別に独自の即応部隊を作ることは、欧州と米国の間に脅威認識についてのギャップが生じている可能性を示唆するものです。米国は、2017年にトランプ政権が公開した国家安全保障戦略において、あらためて大国間の競争という世界観を提示しました。冷戦終結後、テロとの戦いを掲げていた米国の安全保障を根底から覆したのです。ただ、そこでいう大国は中国です。米国は、ロシアのことを衰退国家とし、相手にしないとしていたのです。ポンペオ元国務長官は現在でもロシアを相手にする必要はなく、中国に集中すべきと言っていますが、米政権にもそのような空気があるように見受けられます。欧州各国にとっては、ロシアは現在そこにある脅威であり、米国が第三次世界大戦を避けるためにロシアに配慮しがちなのに対して、欧州はより具体的にロシアの脅威に対抗すべきと考えるのでしょう。 もう一つは、ドイツが目覚めたことです。ドイツは日本と同様、第二次世界大戦の敗戦国として、国際社会の中で軍事的な役割を果たすことに慎重でした。また、潜在的脅威であるロシアと経済関係を強化し、平和を謳っていればロシアが武力行使することはないと、日本と同様の政策をとっていました。今回のロシアによるウクライナ武力侵攻は寝ぼけていたドイツの目を覚ましたのです。24日の武力侵攻開始時には「ヘルメット5000個」を贈ると言って世界の嘲笑を浴びましたが、25日には全く態度を変えました。現在でも前時代的な戦争を仕掛ける国があることを理解したのです。 これらは、日本の外交・安全保障政策に対しても示唆に富んだものです。日本も自らが武力侵攻の被害者となる前に目を覚し、今回失敗した抑止をどのように効果を持たせるのはを議論しなければならないと思います。
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バイデン米大統領、習近平国家主席とロシア巡り18日に協議へ
Bloomberg.com
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
ロシアのウクライナ武力侵攻が長期化するにつれて、中国は苦しい立場に追い込まれています。米国の一極体制を崩し多極化する(中国とロシアが加わる)という目標において中国とロシアの方向性は一致していますが、国家目標は同一ではありません。あるいは、国家目標達成の戦略が異なると言った方が良いかも知れません。中国の国家目標は、現段階では、国際社会において米国に並ぶ支配的な地位を得ることです。「現段階では」という限定をつけたのは、中国がさらに協力になった場合に、どのように考えを変えるか分からないからです。中国はその国家目標のために、現在でも、自らの標準、ルール、規範を国際社会に実装しようとしています。現段階で国際社会から批判され孤立してしまっては、中国の国家目標達成はままなりません。表立ってロシアのウクライナ武力侵攻を支持することが難しくなっているのです。すでに、中立的な第三者の立場を装う中国に対して国際社会の批判が始まっています。 一方のロシアは、経済的には規模が小さくなっており、他国や地域に影響力を行使できるのは軍事的手段以外にありません。プーチン大統領は、ロシアの大国としてのステータスにこだわっていますが、国際社会における指導的地位を得ることは現実的ではありません。そのロシアは、中国に対空ミサイルやドローンといった武器装備品の支援を求めています。ロシアが本当に軍事的に困窮しているのかどうか正確には分かりませんが、それよりも中国に対して明確にロシアを支持する立場を示せ、という要求でもあることが重要です。 米国は、中国に対して、ロシアを支持したら経済制裁を強化するというメッセージを伝えるでしょう。全人代の政府活動報告を見ても、中国経済が厳しい状況にあることが分かります。ここで欧米からさらなる経済制裁をかけられれば、2022年の経済成長目標の5.5%も達成できなくなります。3期目の共産党中央委員会総書記の座を狙う習近平氏にとって、経済の失速は致命傷になりかねません。 プーチン大統領は軍事的に目標を達成できたとしても戦争には負けつつあり、中国はロシアと共に沈みたくはないでしょう。 プーチン大統領を敗戦に追い込んでいるのはウクライナ軍と国民の頑強な抵抗です。その血の犠牲の上に民主主義や国際秩序が守られていることを考えれば、日米ともに中国の対ロ支援を阻止する努力も必要だと思います。
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ウクライナへ輸送目的か ロシア艦4隻、津軽海峡を通過
共同通信
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
IISSの「ミリタリー・バランス2022」によれば、ロシア陸軍は主戦車を2,927両、偵察戦闘車を1,700両、歩兵戦闘車を5,180両、装甲兵員輸送車を6,050両保有しています。この他にも、燃料気化爆弾を24連装したTOS-1など、1000両以上の自走多連装ロケット・ランチャーなどを装備しています。こうした装備から比べれば、今回、ロシアがウクライナ武力侵攻に用いた戦闘車両は一部でしかないことが分かります。ロシアは、中国との関係が良くなり、安全保障上の脅威を主として西(NATO)に見ていますので、主要な部隊や装備が全て極東に配備されているとは思えません。もし、本当に極東からウクライナに兵力を輸送しなければならないのだとすると、ロシア軍の実力は予想されていたよりもかなり低いということになりますが、反対に、ロシアが故意にそのように信じさせようとする認知線を展開しているとも考えられます。また、極東からウクライナに兵力を移送するためには、2週間から3週間、さらに態勢を整えてウクライナ領内の戦闘地域(例えばキエフ)に到達して戦闘を開始できるまでの時間を加味すると、3週間から1ヶ月程度の時間が必要だと思われます。この間、ロシア軍は大規模な戦闘行動が行えないと謝った認識を持たせようとしているのかも知れません。時期や場所といった戦術的兆候を秘匿するという意味でもあります。いずれにしても、ロシアの動き(停戦交渉での譲歩を含め)には不可解な部分が多く、現段階では、なぜそうなのかという理由を断定することは難しいと思います。
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ウクライナ、死亡ロシア兵の検索サイト開設
AFP
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
ウクライナの情報戦の一部と言えます。ロシア国内では、ロシアがウクライナに武力侵攻したことさえ伝統的メディアではほとんど報じられていないと聞きます。それでも、情報通信が発達した現在では、また、ウクライナに近しいロシア社会であればこそ、種々の情報がロシア社会にもたらされるでしょう。ロシア国内では散発的に反戦デモが起きています。ウクライナが死亡ロシア兵の検索サイトを開設することは、ロシア兵の家族に身内の安否情報を知らせることになり、亡くなった兵士の家族は戦争を起こしたプーチン大統領にも反発するでしょう。権威主義国家の政治指導者、特に独裁色の強い指導者は、自らの過ちや失敗を認めることはできません。プーチン大統領が自ら何の成果も得られないまま軍を退くことはないでしょう。ウクライナがロシア軍を撤退させる可能性があるとすれば、外部からの圧力ではなく、ロシア国内のプーチン政権批判の高まりかもしれません。プーチン大統領の思惑は外れ、予想外にロシア軍の侵攻は時間がかかっています。ウクライナの抵抗が長引くほど、米国や欧州のウクライナ支援の輪は広がり、支援は強くなります。また、ロシア国内のプーチン批判も強まるでしょう。プーチン大統領は、早く軍事的に決着をつけたいと考えていると思います。
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米欧、プーチン大統領や外相に制裁 ウクライナ侵攻で (写真=AP)
日本経済新聞
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
ロシアは、経済制裁をかけられたからといってウクライナ侵攻を止めることはありません。経済制裁の効果自体も非常に限定されるでしょう。ロシアとの金の流れを止めるには、日本、米国、欧州でロシア企業と関連のある個人や企業を罰することのできる枠組みが必要になります。資産は名義を帰れば凍結を免れるかもしれません。 軍事力を用いた暴挙を止めるには軍事力を示すしかありません。しかし、米国やNATOは、そもそもウクライナを助けるために自国兵士の血を流しても良いとは考えていないと見受けられます。ウクライナがロシアに占領されるのを、欧米は(もちろん日本も)実質的に見逃すということです。 NATOのストルテンベルグ事務総長は、改めてウクライナに派兵しないと表明しました。ドイツのショルツ首相は、ロシアを強く非難しましたが、「同盟国全てを防衛するというNATOの決意を見くびってはなりません。これはバルト諸国、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、スロバキアに特に当てはまる」と述べています。NATOは、同盟国は軍事力で守りますが、ウクライナはこれに含まれていないのです。 ドイツ首相がこのような発言をしたのは、プーチン氏の狙いがウクライナだけではないと知っているからです。プーチン氏は、ロシアの緩衝地帯としてバルト三国からもNATOの兵力を退かせ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、スロバキアもロシアの影響下に戻したいのです。NATOの東方拡大の前の状態に戻したいということです。 欧米の出方次第で、プーチン氏はウクライナに次いでバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)等に軍事攻撃を仕掛ける可能性があります。それが分かっているからこそ、欧米諸国は、東欧諸国に増援部隊を送り、もし、ロシアが東欧諸国に軍事力を行使すれば、軍事的に対抗する姿勢を示しているのです。 いずれにしても、ウクライナが見捨てられるのは悔しい限りです。ウクライナ国民のことを考えれば、やりきれません。あってはならないことだと思いますが、各国は自国の国益にかなうようにしか行動しないのです。また、何もしない日本から、米国等に要求することはできません。各国が軍事的にウクライナを守ろうとするためには、各国世論が「深刻な人権侵害」に対して声を上げ、各国の政府を動かすしかありませんが、多くの国の世論は他人事だと感じているようです。
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アングル:ウクライナ危機、「ロシア寄り」の中国にリスク
Reuters
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
プーチン氏が中国に配慮することはないでしょう。プーチン氏は、自分がここだと思うタイミングで軍事行動を含むあらゆる行動を取ります。 当然、中国は、米国やNATOがロシアに軍事的対抗手段を取らずウクライナを見殺しにすることによって、国際社会における米国の権威が下がる状況は歓迎します。しかし、全体としては中国はロシアのウクライナ武力全面侵攻を苦々しく思っているでしょう。中国自身が国際社会で批判されることになりかねないからです。 中国は本音では、米国を含むNATOがロシアに対して軍事力を行使するかもしれないと考えるプーチン氏と脅威認識を共有し、ウクライナを自らの領土あるいは勢力圏内の地域として緩衝地帯の一部と考えるプーチン大統領を支持しています。一方で、中国はロシアが欧米諸国から非難されることは承知していて、自らも批判に晒されることがないよう、表面的には中立的な立場を貫いています。 それでも、習近平氏がプーチン氏と脅威認識を共有している以外にも、米国と対抗するに当たってロシアの協力を必要とする中国は、ロシアを支持せざるを得ないという側面もあります。中国は、ドイツに売れなくなく可能性があるロシアの天然ガスを大量に購入することを決めました。こうした中国のロシア支援は隠すことができません。 また、中国はロシアとウクライナ双方に対話を呼びかけて第三者を装っていますが、プーチン氏やラブロフ氏によって「対話」が口実にされるかもしれなくなってきました。ラブロフ外相は対話の条件としてウクライナ軍の武装解除を挙げました。ウクライナの全面降伏を要求したのです。これをウクライナ政府が拒否すれば、プーチン大統領は「ロシアが対話を呼び掛けた(平和的解決を図ろうとした)のに、ウクライナがこれを拒否した」として、キエフ侵攻、ウクライナ占領を正当化するでしょう。
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ロシアのメディアは「ウクライナ侵攻」をどう報じているのか
クーリエ・ジャポン
小原 凡司笹川平和財団 上席研究員
プーチン氏だけでなく、権威主義国家の指導者にとって最大の脅威は国内にあります。自分たちがどのように権力を奪ってきたのかを知っているので、同じように自分たちも引き摺り下ろされるのが怖いのです。 モスクワの反戦デモは2000名規模と報じられましたが、ロシア・メディアの報道は政府の意向を受けているので、これを報じないでしょう。もちろん、公表されるプーチン氏の支持率も現実とは大きく乖離していると考えられます。それでもロシア国内の不満は力で抑え込めるレベルに止まっているのです。 プーチン氏はウクライナ侵攻に際しても、国内の批判を抑えるため、ロシア側の死傷者を最小限に抑えるように慎重に教科書どおりに作戦を進めているように見えます。弾道ミサイル等でウクライナの防空システムや空軍基地、弾薬庫、燃料貯蔵施設を破壊し、攻撃ヘリを用いて、弾道ミサイルが撃ち漏らした防空システムや戦闘機などを丁寧に破壊しています。制空権のない場所では地上軍は味方の空からの援護を得られず、敵の空からの攻撃(経空脅威)に晒され、非常に苦しい戦いを強いられることになります。 また、ロシアの民間軍事組織の人員を大量にウクライナ軍内に送り込んでおり、ウクライナ軍を内部から崩壊させ、ロシア軍の進撃を組織的効果的に阻止する作戦が取れなくしているとの情報もあります。プーチン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領の対話の呼びかけを無視していたにも関わらず、今後はプーチン氏からゼレンスキー大統領に向けて対話を呼びかけました。しかし、ロシアのラブロフ外相は交渉の条件としてウクライナ軍の武装解除を挙げました。ウクライナに全面降伏しろ、ということです。その後の「対話」は交渉になどなりません。勝者であるロシアが一方的にウクライナに要求を飲ませるだけです。軍事力を失ったウクライナに拒否することなどできません。ウクライナはこのような「対話」を拒否すると思いますが、そうすると「ロシアが対話を呼びかけたのにウクライナが拒否した」と、新たな口実になります。 プーチン氏が気にするのはもう一つあります。欧米社会の世論です。ウクライナで深刻な人権侵害が行われれば、米国を含むNATOの軍事力行使を促す可能性もあります。ロシアは、ウクライナ全土を占領し情報統制ができるようになるまでは、民間人に死傷者が出ないよう慎重に軍事作戦を進めるでしょう。
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