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農水省食堂でジビエ=シカ肉のメンチカツ定食:時事ドットコム
窪田 新之助フリージャーナリスト
野生動物の肉を食べる量を増やせば、鳥獣害が減るというのはまことしやかに言われているが、これは楽観論に過ぎない。200億円もの被害を食い止めるのに、各県が年間の捕獲目標としている頭数を調べてみたらいい。それに対して、全国でどれだけの頭数の野生動物を食べているか、その現状を調べてみたらいい。そのあまりの乖離に驚くはずだ。ちょっと食べる量を増やしたところで、まったく追い付く話ではない。
そんなことより、現状の鳥獣害対策にさまざまな問題があることに目を向けるべきである。一つ一つの対策を精査すれば、効果のないことを実践していることに気づく。農林水産省が本来すべきことはジビエ以外にあるはずである。
給食にシカやイノシシ肉 広がる「ジビエ給食」自治体競いあい
窪田 新之助フリージャーナリスト
鳥獣害に関しては誤報が多く、この記事もそれに類するものだ。駆除した野生動物の肉を給食でありがたく頂くのは大事である。ただ、それと鳥獣害対策の促進と関連づけるのは、まったくもって無意味である。
たとえば近畿地方でいったいどれだけの鹿肉の需要があるだろうか。数年前の調査であるのは恐縮だが、わずか2000頭に過ぎない。一方、たとえば兵庫県だけで年間の駆除目標は4万5000頭である。これだけ駆除していかないと、減っていかない。近畿全域ともなれば、きちんと計算してはいないが、おそらく10万頭前後になるだろう。つまりシカの個体数を減らすという観点からみたら、少しくらい食べる量を増やしたところで、まったく意味がないのだ。
現行の狩猟は農作物を荒らす野生動物を減らすという観点からすると、非科学的な手法が取られている。たとえば被害をもたらすのは、あくまでも里に近い場所に生息する野生動物であり、それらを駆除するのが先決だ。山奥にいるのを駆除しても効果は薄い。
鳥獣害対策ではまずは論点を整理しなおすことが求められている。
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