ホーム
109フォロー
6903フォロワー
【新常識】次なる本命。今こそ「APIエコノミー」を学ぶ
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
先日のL&UX2021では、MaaSの父、サンポ・ヒエタネン氏が、APIエコノミーになったからこそ企業は自己中心的であることをあきらめなければならない、と言っていました。
以下、サンポ氏の発言を抜粋します。
----------------
物理的な世界では、日本の製品力やUXは素晴らしいが、APIで他社・他サービスとつながりあうことが前提の時代になるとルールが変わる。「如何に自社だけの利益を追求することから離れるか」を考えねばならない。
オフラインは様々な利権やステークホルダーが絡み、APIで繋いでいくためにも共同のビジョンや利益を設定する必要がある。他の協力を如何に得られるか、如何に志を共にして動けるかが重要になる。
[この記事は掲載が終了しました]
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
美団はデリバリーフードの他、大衆点評という食べログのようなレストラン含む娯楽の検索予約、猫眼という映画や演劇、イベントの情報検索や予約などのサービスを行なっていて、特にオフライン系の楽しみ全般をカバーするプレイヤーです。
例えばレストランを開こうとなると、レストランオーナーが大衆点評や美団デリバリーに登録しないとビジネスにならないほどに圧倒的(デリバリーだけだとそうでもないが、大衆点評入れると唯一無二)になっており、数年前からマネタイズに舵を切って手数料をめちゃくちゃ高くし始めたので、レストランなどの加盟店側から、ニュースになるほど猛反発を受けていました。
なので、独禁法の対象になるのは、肌感からすると頷けるところですね。
【徹底解説】誤解されがちな「MaaSとは」
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
MaaSという概念を作った、MaaSGlobal(サービス名Whim)のSampo CEOと最近お話を聞いたときの話が印象的でした。
「オンラインとオフラインが融合する現在、夢のようなことを実現しようとすると、イチ企業では成し得ないことばかりだ。しかし、その時にエコシステムを創ろうなんて簡単に言うけど、だいたいはそれぞれの思惑を表面的に寄せ集めた『エゴシステム』になってしまう。」
「オフラインは様々な権益が絡むのだから、みんなが心から望む『ジョイント・ビジョン』(繋ぎ合わさったビジョン)が必要だ。ジョイント・ビジョンとは人々がこんな生活になったら素敵だと感じる『夢』であり、『ユースケース』のこと。この時に『こんな車だったらいい』とか『こんな家電だったらいい』とか、ユースケースではなく製品起点になってしまうことは非常に多く、これでは全て失敗する。」
「夢を掲げるとき、テクノロジーを考えてはいけない。あくまでユースケース起点で考え、その実現のために『現在のテクノロジーでどこまでできるか』で考えなければいけない。僕は2006年からずっとMaaSの話をしてるけどその間、テクノロジーは次々と変わっていったよ。そんな流動的なものに踊らされてはいけない。」
https://note.com/fujii_bebit/n/n170ba0898437
中国版「テスラ」の知られざる正体…自動車業界「大異変」で日本メーカーは大ピンチへ!
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
取材を受けた本人として、この話、「電気自動車」の話だと思って見ないでもらえると嬉しいなあと、個人的には思っています。
特に投資文脈でNIOが大盛り上がりしたこともあり、NIOを「電気自動車銘柄」と認識するケースがありますが、ここで書いているのはそういうことではなく、「製品販売型から体験提供型に変えるモデルとして、自動車の利便性のレイヤーと、ライフスタイルや意味性のレイヤーとに分けてサービス化している」というところが重要な参照ポイントになります。
また、電気自動車の文脈でも、脱炭素社会の実現などを考えたときに結局ガソリン車の方がステーションも多く、給油時間も短いので、なかなか電気自動車が一般に普及しない。それに対して、デリバリーやスワッピングという形で展開していることで、「利便性を提供することで社会普及をもサポートしている」という点。これはスマートシティや行政にも参照可能なポイントでしょう。
このことから、株式投資の文脈で仮に同様に中国の電気自動車株を押さえても、そうは問屋が卸さないことが分かります。
本質的にNIOが評価されているのは「サービスとしてのブランド価値の異常な高さ」「国の電気自動車インフラとしての提言になっていること(だからこそNIOのみ国から追加補助金を受けている)」の両面だからです。
先日、フィンランドでWhimというサービスをやっているMaaSGlobalのCEO、Sampo氏と話をしていたところ、「人々の困っていることや理想体験を聞くとき、絶対にやってはいけないことは『車で』『家電で』などのカテゴリーを固定してヒアリングしまうことである」と言っていました。私も常々、「製品軸で考えてはサービス化は不可能」とお伝えしていますが、この事例も「自動車製造・販売」という枠組みに固定して捉えては、一切理解できないだろうと思っています。
MaaSGlobalのSampo CEOには、このイベントに出ていただきます。話を聞けば聞くほど、MaaSの概念自体を考え出し、実際にサービス化したレジェンドでした。
https://liberty-ux.com/
なお本文読んでいただけると、私は別に中国版Teslaとか、思いっきり比較しようとしてるとかいうわけではないことはよく分かっていただけると思うので、その辺は筆者の意図ではないのでご認識頂けましたら。
中国、春節に帰省自粛ならお年玉 デジタル人民元や商品券配布
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
通常の中国政府的な方法はむしろ、直接的な手当てや金銭的支給はなるべく行わず、活性化するような仕組みや雰囲気作りで解決する形です。
人口の多さや貧富の差もそうですが、メインの職業や給料と、実際の総資産額が全く釣り合わない(副業や副収入、投資収入や資産が多様に入り乱れる)ので、整理や統制が効かないことなどが理由に挙げられます。
各省の判断ではありますが、ここで直接的なインセンティブに訴えかけているのは、コロナがまた復活するかもしれない状況を本気で押さえたい思惑から来ていると見て取れます。
実際1月から上海に戻ってみて、飛行機から降りたら全件無料PCR検査、2週間の強制完全隔離(10日目くらいでまた全件PCR)、上海は一日10人くらいしか出てなくても建物の健康番号や検温が徹底され、何より市民側の意識の高さに驚かされています。普通に旧正月の忘年会もなくなりました。一日10人の段階でこうなるか...と。
ただ、ここに「折角なのでデジタル人民元の利用促進という効果を重ねよう」としているあたりが、さすがだなという感じですね。
追記:
原文や最近の流れに当たると、どうやら「デジタル人民元のくじ引き」は何度もやっていて、「帰省しなければ当たる」とかではないようです。国や省から「帰省するな」は言われているけど、それと「デジタル人民元配布」の話は無関係の様子。
冒頭にも書いた通り「うーんこういう対策でお金配るのは政府っぽくないなあ」と思っていたのですが、その感覚の通りのようです。
板谷さんが書いているように、企業がお金を配るのはめちゃ普通なので、大企業とかの対応と混ぜて書かれた記事なのかもしれませんね。
ライドシェア最大手DiDi、ネット配車専用の電気自動車を発表 5年間で100万台の運用を目指す
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
日本語記事が出ましたね!(発表自体は10日前)
DiDiでは以前から、車内におけるユーザの過ごし方や表情・感情の変化などをどうサービスに生かせるか、といった研究がされていましたが、車ごと作ることでサービス側から考えた理想体験を実現する方針を打ち出しています。
書かれている構想も非常に面白いですが、ライドシェアを前提とした車づくりとなると、スマートシティにおける新たなモビリティ提案になり、街にごっそり納入するようなモデルが描けます。
そこから、DiDiのサービスUXと完全にセットで開発された自動運転カーが実現することになると思うので、そうなると、一気に収益性が高まっていくことになりますね。(ドライバーが路頭に迷うかもしれませんが...)
【塩野誠】GAFA v.s.国家、勝つのはどちらか
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
デジタルテクノロジーの変容を踏まえた高解像度な国際関係論。
米中の今の流れ、さらに外側にある各国の動きを踏まえ、そこにおける日本の立ち位置を考える上で、ここまで高密度に潮流を整理統合した書籍があっただろうか。自分たちが立脚している場所も、本当にここ数年のテクノロジーの潮流にあるものなのだと改めて気づかされる。
特に、単なる因果ではなく、構造的問題としてすべてを捉えている点は素晴らしく、こちらの頭がきれいに整理される。
この変容の中で生まれるイノベーション企業やプラットフォーマーがどのような背景で生まれ、それらがなぜ日本で起こりにくいのかということも、精神論ではなく構造的課題としてとらえているため、自分たちの足元を見直す意味でも非常に示唆に富んでいる。
【塩野誠】デジタルテクノロジーと権威主義国家#3/6
藤井 保文ビービット 「アフターデジタル」著者/ビービット執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー
民主化にも権威化にもデジタルテクノロジーが利用される中で、陰と陽をフラットに伝える。
特に私も縁のある中国に関しては、誤解や偏見にまみれた日本においてしっかりと良し悪しを照射しているし、日本人が盲目的に良い評価を下しがちなアメリカに対しても、同様にフラットに語るため、世の中の状況を改めてフラットに学ぶ契機になるのではないか。
これを見ていると、逆に中国は、日本人の感覚から見て怖い点もある一方で、国民に「こういうことをします」と明言している。対して、ここで書かれるデジタルプラットフォーマーや米国選挙のケンブリッジ・アナリティカの問題、ロシアのIRAの話を聞いていると、むしろ隠れて世を操ろうとするのは西欧的な事例に多いようにも感じる。
「テクノロジーを手に入れた権威主義国家が国内秩序を維持する中、自由な民主主義国家は選択を迫られている」という投げかけは、今を生きる多くの人にとって逃げられない問い。是非この点は、塩野さんと議論してみたい。
NORMAL
投稿したコメント