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豊田有恒さん死去 元日本SF作家クラブ会長
共同通信
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
また戦後のSF創世期を支えた偉人が亡くなりました. 豊田有恒さんはテレビのSFアニメにも貢献.「エイトマン」脚本,「宇宙戦艦ヤマト」の原案,設計,基本ストーリーを作った人物.最近の著作はSFの評論が多かったと思う. 著作「「宇宙戦艦ヤマト」の真実」 https://amzn.to/3T6AOtZ では,西崎義展と松本零士の著作権をめぐる争いで松本零士を支持している.本書によると,豊田有恒は1938年生まれ.大学在学中からSF小説に熱中し始め,SF関係のコンテストで受賞してSF作家としてデビューした.その後,SF仲間だった平井和正の依頼で,TVアニメ「エイトマン」で1963年に脚本家としてデビューする.そして,虫プロに入社し,「鉄腕アトム」のシナリオを手がけた.しかし,手塚治虫とちょっとした行き違いがあって,虫プロを退社.SF作家に戻ったが,1973年,虫プロ時代の知人の依頼で「宇宙モノ」のアニメを企画していた西崎義展を紹介され,後に「宇宙戦艦ヤマト」になるアニメの原案,設定にも携わることになった. 面白い話がある.宇宙戦艦ヤマトの原案は「西遊記」にあるというのである.「西遊記」は,荒れた世界を救うありがたい経典を天竺に取りに行く話.なるほど,宇宙戦艦ヤマトと同じである! 宇宙に戦艦大和を飛ばすアイデアは松本零士によるという.松本零士がいなければ,ヤマトのクオリティは存在しなかったという.この点で,豊田は宇宙戦艦ヤマトの原作者は松本零士と主張している. その後,豊田は「宇宙戦艦ヤマト」と西崎義展から手を切ろうとするが,人たらし西崎の掌中にはまり,またヤマトをいい加減なものにしたくないとの思いから,結局,全ヤマトシリーズに関わることになったのだった. 著作「日本SF誕生 空想と科学の作家たち」 https://amzn.to/4ajNTq7 も必読.
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空飛ぶクルマは「クルマじゃない」!?万博前に呼称変更か
自動運転ラボ
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
航空文化の土壌が異なる米国では,ヘンリー・フォードが「空のモデルT」と呼ぶflying carを発表していました. https://en.wikipedia.org/wiki/Ford_Flivver その時代からずっと研究と開発は続いていたわけですが,ここ10年は電動化によって大きく変わりました. 2016年にUberがUber Airのコンセプトを発表しました. https://newspicks.com/news/2061590?ref=user_2112738 自社で機体開発ができないUberは世界中のメーカーに参加を呼びかけました.https://newspicks.com/news/3010986?ref=user_2112738 日本にも社長が来ました.トヨタを始め日本の自動車メーカーなどを行脚しましたが,結局,日本のメーカーでこれに参加するところはありませんでした. Uberの構想を受けて,経産省の官僚が「空飛ぶクルマ」という呼称を広く使い始めました.たぶん,NewsPicksの取材も受けたことがある海老原さんが中心だと思う. https://newspicks.com/news/3664202?ref=user_2112738 ちなみに,「クルマ」とカタカナで書くようになったのは,デロイトトーマツの人.ご本人から「あれは俺が変えたんだ」という発言を聞いたことがある. 以上,間違っていたら申し訳ありません. 日本で製造業と言えば,自動車.自動車産業に振り向いてもらいたい.自動車のような感覚で空を移動できるようにしたい.そのような思いで「空飛ぶクルマ」と呼称するようになりました. ちなみに,たいていの空飛ぶクルマメーカーは,地上を走る機能を持たせるところから始まります.日本のSkyDriveも道路を走ることができる機体開発から始まりましたが,今はそれが無くなりました.現状では,空を飛ぶのと地上を走るのは両立しないからです.将来に期待です. 「空飛ぶクルマの運用概念」(ConOps)をご覧ください. https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/air_mobility/pdf/009_04_00.pdf いろいろな呼称があります.
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