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【必須教養】なぜ、世間では「炎上」が増え続けるのか
NewsPicks編集部
葉村 真樹ボストンコンサルティンググループ パートナー&ディレクター
この手の分析で、炎上の火付け役が「男・高収入・役職者」ということで、以前から注目されていますが、ここは読み方に注意する必要があると考えています。 彼らの多くは大学卒で、男性で、高収入(年収700万円以上)、役職者(係長・主任クラス以上)で年代も40代以上だと言われています。確かに国民全体の中では恵まれた境遇にある人たちです。 しかし一方で、大卒男性40代としたときに、彼らは実は「勝ち組ではない」ということに留意する必要があります。大卒男性40代としては、平均年収700万円台で係長というのは、「これまで頑張ってきて、世の中的には”勝ち組”なのかもしれないけど、同じようなバックグラウンドに絞ると上には一杯いるよね」というポジションでしかありません。 内面は社会や他人に対して否定的で攻撃的、という属性は、このような「頑張ってきたのに...」という層に極めて多いということが、過去に色々なマーケットリサーチをしてきた経験からも感じるところです。自分がやってきたことには自負があるが、世の中が認めてくれていない、という想いを抱えています。 以前(もう10年以上前ですが)調査したときは、SNSが出始めた頃のネットインフルエンサー叩きをしているようなサラリーマンにもそのような人が多かったです。他の方も書いていますが、皆さん、公正世界誤謬のような確証バイアスに囚われやすく、自ら信じるものに反するものに対する不満を生じやすい「真面目」な方たちでした。
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【脱・価格勝負】大ヒット「2.5万円トースター」開発の舞台裏
葉村 真樹ボストンコンサルティンググループ パートナー&ディレクター
我が家の家電のかなりのシェアを占めるツインバード。中でも秀逸なのが、ここにもあるトースター、そして冷凍冷蔵庫。後者は外装がミラーガラスなのですが、ドアの一部に窓があり、外から内照灯を点けてドアを開けずに中を見ることがあります。とにかくカッコよくて、機能的なくすぐりポイントを持っています。 以前からそのデザイン性に注目していたブランドでしたが、ここ数年さらに大きく踏み込んだように思っていましたが、このような背景があったのですね。私自身、社会人生活の若い時期を博報堂で過ごし、ブランドというものが何なのかを多くのお客様とご一緒する中で学びました。その一つがマツダでした。そして、まさにその時に学んだ中で最も重要なのが、本記事にもあった以下の言葉に代表される考え方です。 ------ 生活者を欺くブランディングは、いずれ必ず見抜かれます。 嘘をつかず、長続きするブランドをつくるには、5年先10年先を見据えながら深い次元で対話をし、アウトプットを重ねていくしかないと思うのです。 ------ より多くの人の心を掴み、自らに目を向かせるのは、それほど難しいことではありません。それは大言壮語や心地よい言葉で人々を欺けばできることだからです。しかし、心から愛され、人々に幸せを感じでもらえるようになるには、嘘をつかず、深い次元で対話をしつつ、結果を出すしかありません。 小さくとも熱心なファンを抱えるブランドを作るということは、これからさらにもっと重要になってきます。ブランド評価が最低だった2000年当時のマツダは四半世紀近くを経て、多くのブランド評価ランキングでグローバルで上位に位置するようになり、熱心なファンに支えるブランドになりました。 このような真面目で真摯な取り組みは、必ず実を結ぶと思います。
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「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い…現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化"
PRESIDENT Online
葉村 真樹ボストンコンサルティンググループ パートナー&ディレクター
リチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』であらゆる生物は「遺伝子が自らのコピーを残すのに都合が良いように進化させた結果」であり、地球上を支配する人間はその際たるものと喝破したのだが、まさそれに逆行する状況が、日本や韓国などの北東アジアや欧米先進国で顕在化している。 資本主義は個人的な欲望を燃料に進展してきた。餓死から逃れ、外敵による生命の危機から逃れた先にあったのは、いかに集団の中でより上に抜け出るか、競争に身を投じ、上に立つことを目指すことによる優越感と自己満足への果てしない欲望である。 しかし競争とは常に圧倒的な数の敗者と極少数の勝者しかもたらさない。それなのに、資本主義の世界では常に(明日食えるか食えぬかという時代と比較すれば)ぜいたくな生活や顕示的消費欲が刺激され続ける。お金がないと言いつつ、その多くは餓死するわけではないし、スマホを手放すわけでもない。 多くの者は、自分の欲望を満足させてくれるだけの「カネ」がないだけで、その欲望を満たす上で邪魔でしかない結婚や子供は「コスパが悪い」ものでしかないだけなのである。一方で、同じような経済状況であっても、愛するパートナーを得て、子供を得て、再生産可能なだけの子を産み育てるカップルも少数ながらも存在し続けている。 「コスパ」を唱えて子を成さない人々が自らの遺伝子をそこで途絶えさせている一方で、遺伝子を次の代に繋げていく人々は少なからずいるわけで、これはこれからの時代への適者生存に向けた単なる淘汰圧で、それはそれで良いのでは、と私は個人的に思っている。
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「閑散期なのに毎日仕事を断っている」…地方の中小企業が直面している"ゾッとする"人手不足の窮状
PRESIDENT Online
葉村 真樹ボストンコンサルティンググループ パートナー&ディレクター
本来、賃金は労働需給によって決定し、人手不足であれば賃金が上昇し、人手不足は解決するはずである。しかし、そのようになっていない背景として、長年のデフレの影響がありますが、この記事では賃金を上げても採用が進まないと言います。それには、いわゆる現業(別の言い方ではブルーカラー)の賃金が低すぎるということがあります。 20-30代の高卒が95%、大卒(短大・高専含)が60%を超える現在、労働市場の30%に過ぎないホワイトカラー職種に殺到しているのとあまりに対照的です。大学を出てホワイトカラーになることが王道という考えが浸透し、国民がその道に殺到しました。元々ホワイトカラー人材は希少性があり高い賃金を誇っていたのですが、現在は一部の職種を除き完全にコモディティ化しています。 ホワイトカラーの業務はますますAIに切り替えることは可能になりつつある今、むしろホワイトカラーに使う人件費を人手不足に苦しむブルーカラー人材向けの賃金に大きく振り分け、思い切った賃上げを進めるべきと私は考えています。事業の競争力の源泉は人であり、賃金に加えた投資を、これまでホワイトカラーに施してきた以上にしていく必要があります。(それができない企業は退場させるような土壌も今後は必要でしょう) 一方で、国民の側でも、ホワイトカラー一辺倒ではない道をもっと柔軟に考え、選んでいく姿勢が大事に思います。人手不足の今は大きなチャンスです。今働く企業がブラックで愚痴るくらいなら、新天地に飛び込んで、新たな地平を拓くことに目を向ける方が得策です。
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