末永 幸歩

「心に引っかかる」「型破りな」式辞ですね！ 「歴史的・世界的に初めて挑戦する課題、誰も挑戦したことがない課題に挑戦し、解決してもらえると期待している」というメッセージを、頭で理解させるのではなく、実感させる式辞だと思いました。

芸術家の経済的な自立は、活動を続けていく上で必要不可欠だということに異論はありません。 一方、こういったフェアでは、作品を購入する側の意識も重要だと思います。 インテリアに馴染む手軽な作品、すぐに商業化・量産化できそうな作品ばかりが求められると、アーティスト側に意識も、次第にそういう購買者のニーズを満たす方向に流れていってしまいます。 アーティストの活動自体に価値を見出してサポートする、長期的なサポーターのような購買者が増えることを願います。

アートによって問題意識を喚起させられたり考えさせられたりすることは事実です。 一方、現代のアートは環境・政治・差別などの社会課題に訴えかけるものが多いことに、なんとなく違和感もあります。 例えば、アップサイクルのアートが近年注目されている背景には、アートという手段でSDGsに取り組むというねらいがあると思います。 そのようなアートの活用は一つの可能性として素晴らしいと思いますが、でも一方で私は、アートは何かに役に立つものであったり、理想を実現する手段であったりしなくても良いと思っています。 つまり、作者にとってもビジョンが明確ではないような、何の役に立つのかもわからないような状態のアートが排除されないと良いなと思っています。

楽しみです。アートは全ての学びの根底にあると思っています。 さらにいうと、国語も、数学も、また他の教科も、全ての学びの根底にあるともいえます。 分断された教科学習ではなく、全ての教科を横断的に学ぶ教育が今後ますます推し進められることを願いますが、本展がアートを広く捉え直す契機になるような気がしています。

noteの活用、大変興味深いです。 一般的なレポートは決められたフォーマットでの文章ですが、noteでは、文章・写真・レイアウトなど様々なものを駆使した表現ができること。 また、考えを公開することで多方向性の学び合いが実現します。 noteに表現することを学びの終着点としてでなく、過程の一地点と位置付けて、取り組みを継続することが大切であると思います。