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NASA、二重小惑星に探査機を衝突させるDARTミッションを11月24日に打ち上げ
Engadget 日本版
小野 雅裕NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家
衝突の可能性がある小惑星を早期に発見できれば、衝突を回避するために小惑星に与える必要がある速度変化は、ほんの数cm/s(アリの歩行速度)程度です。 たとえば、たった5 cm/sec(時速0.18 km)の速度変化でも、2年経てば小惑星の位置は3000 kmほどずれます。衝突位置への到達時刻もずれるので、地球もその間に数千km動きます。軌道が交差する方向にもよりますが、これで地球半径くらいは動かせるので、衝突をギリギリ回避するには十分です。 さて、今回のミッションでもたらされる速度変化は0.4 mm/sです。現実的な衝突回避にはこの100倍程度の速度変化が必要です。今回は比較的小型の衛星(500 kg ) で、Heavy lift launcher(FH, SLS, Starship)を使えばこの10倍くらいのものは打ち上げられるでしょう。それを10発撃ち込めばいいので、現代でも不可能なレベルではありません。ただし、今回の小惑星は直径800m程度の小型の小惑星です。恐竜を絶滅させた小惑星は直径にしてこの10倍以上、質量は1000倍以上。このスケールの小惑星の衝突回避は、まだ現代の技術では難しいでしょう。 小惑星の速度を変化させる方法は、これ以外にも、gravity tractorと言って、探査機の引力で小惑星を少しずつ引っ張るという方法も考えられています。 https://www.nasa.gov/content/asteroid-grand-challenge/mitigate/gravity-tractor さて、人類を滅亡から救うには、具体的には何をすればいいでしょうか? まずはとにかく早期発見 癌と同じ。確率は極端に低いですが、もし現実にそういうことが起きるなら、少しでも早く見つけることです。 とはいえ恐竜絶滅クラスの小惑星が地球に落ちる確率は数千万年に一度。飛行機の墜落よりもはるかに低い。向こう100年で人類が滅ぶとしたら、ずば抜けて確率が高い原因は、気候変動です。小惑星を心配してCO2を出し続けるのは、100万人に1人の難病を心配しながらタバコを吸っているようなもの。人類の存続のためにまずすべきは温暖化の解決。優先順位を間違えないことが大事です。
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ロシア、衛星破壊実験の実施認める 危険性は否定
AFP
小野 雅裕NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家
今回のASATの実験でとりわけ問題なのは、それが480kmという高い高度で行われたことです。 地球軌道は宇宙といってもうっすらと大気があるので、衛星もデブリも放っておけば早晩地球に落ちてきます。ですが、かかる時間は高度により大きな差があります。 高度150kmなら数時間で地球に落ちてくるので、デブリはあまり問題にはなりません。 一方、高度1000kmだと数百年かかります。 今回の破壊実験の高度は、いくつか異なる情報がありますが、高度480 km程度で行われたようです。(鈴木さんが書かれているように高度600 kmという情報もありました。)この高度だと地球に落ちてくるまでに数年かかります。 しかも、ISSの軌道は高度415km程度です。飛び散ったデブリのいくばくかはこの高度に直接飛んでくるでしょうし、そのほかのデブリも軌道減衰の過程でISSの高度を通過していきます。ISSにはロシアの宇宙飛行士もいるというのに、信じられないほど野蛮な行為です。 ちなみにロシアは、アメリカも2008年にやったじゃないかと言っていますが、こちらの高度は約250 kmでした。もちろん褒められたものでは全くありませんし、あらゆる高度でのASAT実験は禁止されるべきですが、250 kmならば数週間で軌道減衰します。 やはり、今回のロシアの実験による影響は桁違いです。10000歩譲って軍事上の必要があったとしても、どうしてもっと低い高度のターゲットを使わなかったのかと思います。全くもって理解できませんし、ロシアに弁解の余地は全くありません。
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実質GDP、年率3.0%減 7~9月、消費・輸出低調
共同通信
小野 雅裕NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家
GDPが重要でないとは決して申しませぬ。各国の一人当たりGDPと(自己申告による)幸福度をグラフに描くと、明確な正の相関があることが知られています。 https://ourworldindata.org/grapher/gdp-vs-happiness 長期的、大局的に見ればGDPは国を運営する上でもっとも大切な指標の一つでしょう。「失われた30年」に失われたものは限りなく大きい。 そうはいった上で、議論をこの2年に限ってみれば、 アメリカはCOVID前に比べて数%の成長を達成したが76万人超が死亡 日本はCOVID前に比べてマイナス0.数%経済が縮小したが死者は2万人弱 どちらが幸せな社会でしょうか? あいかわず人の生命に関わることを「綺麗事」と矮小化するプロピッカーがいるのが気になります。経済はとても重要です。ですが人の命も重要です。 銀行にとっては、高齢者が何十万人死のうが生きようが、GDP数%の上がり下がりの方が大切なのかもしれません。僕の娘のみーちゃんにとっては、日本にいるおじいちゃんおばあちゃんが元気でいてくれることの方が遥かに幸福ですし重要です。全てとは言いませんが、多くの日本人とっても同じなのではないでしょうか。 何度もいってきましたが、何度でも繰り返します。経済は大事です。経済以外にも大事なことは山ほどあります。しかるにGDPばかりを金科玉条のように語る論は、アンバランスであるように僕には思います。 経済に関していえば、コロナ対策と天秤にかけて短期的な数%の上がり下がりに一喜一憂するよりも、長い目でこの先20年、30年の長期的成長戦略を議論するほうが建設的に思います。
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