ホーム
9フォロー
11フォロワー
「ユニバーサル・ベーシックインカム」で貧困や経済格差は解決できるのか
クーリエ・ジャポン
白崎 一裕ベーシックインカム・実現を探る会 -A Basic Income for All- 代表
この記事にでてくるアメリカ元大統領候補のアンドリューヤンが、ベーシックインカムのことを「自由配当」と命名していることに象徴されますが、(『普通の人々の戦い』那須里山舎) www.amazon.co.jp/dp/4909515038 ベーシックインカムの本来の意味は、インカムの欠落を補うという「福祉政策的」なものではなくて、dividend「配当」というマクロ経済的な政策だと理解すべきです。トマス・ペインは、ベーシックインカムの元祖的思想家ともいえますが、彼は、「土地配分の正義」という著作で、土地は、万人に共通財産として存在して、「土地」は、すべての個人所有の権利のインフラになるといい、その生産物である果実は、万人に分配されるべきという論理をもって「社会配当」という概念を構想しました。実は、この発想は、のちのベーシックインカムにつらなる思想家たちにうけつがれ、たとえば、前回の大恐慌のときに、経済学のアインシュタインとして世界的に流行した、クリフォード・H・ダグラスの社会信用論では、ベーシックインカムを「国民配当」と概念化して、すべての労働生産物は、「社会的共通の遺産」の上に存在して、やはり、万人に分配されるものである、という論理を展開しました。彼は、経済デモクラシーという構想もあわせもち、銀行信用創造により私的独占的に運用される通貨システムを、社会化・公共化する「公共通貨」システムに転換することと、個人にマネーが配分される「国民配当(ベーシックインカム)」をセットとして政策提言したのです。  このダグラスの発想は、ケインズの「一般理論」にも影響をあたえ、有効需要理論にその結果が現象しています。  このことは、MMTの財政政策である雇用保証(JGP)が、マクロ経済の自動安定化装置として、ベーシックインカムよりも有効であるとMMT論者が強くこだわって反論してくることの根拠にもなっています。 私は、国民配当(ベーシックインカム)の場合、インフレ率などにより、配当額を変動させる方がJGPよりは合理的政策だと考えていますが、重要なことは、通貨改革とベーシックインカムがセットになっていないと、格差や貧困の根本的な解決にはならないということです。すなわち、租税国家の枠組みだけでは、ベーシックインカムの有効な政策にはならないだろうと考えています。
25Picks
イーロン・マスク、FB創業者…米リーダーがBIに熱狂する理由
NewsPicks編集部
NORMAL