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【英国名門校】結局「いま、読むべき本」とは何なのか?
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
「食べたものがあなたを作る」のと同じように「読んだものがあなたを作る」のはまさにその通りですね。
ここに紹介されている本というのは、本文にもあるように「知的なぜいたく」をもたらす本。懐古的に聞こえたら恐縮なのですが、2000年ぐらいまでは日本でもまだぎりぎり「知的なぜいたく」をもたらす本が売れていたし、著者も書くことができた。そんな文化的な土壌がありました。
それ以降は経済の沈下とともに知性にも余裕がなくなり、手っ取り早いハウツー系の本全盛の時代になっていきました。ユーモアやレトリックすら読解されない、という現象も生まれはじめています。
今回紹介されている本を契機に、リベラルで豊かな文化的土壌が再び醸成されることを願っています。本物のラグジュアリーもそんな文化的土壌あってこそ育っていくものだと思っています。
【遺言】有名ベンチャー破綻。グリーンビジネスの「過酷な現実」
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
「世界は意識低い系で動いている」という指摘、ど真実ですよね。
SHEINがあれほど訴訟を受け批判されながらも利益を上げ続けて成長していることからも、意識高い系の声高な倫理観と、現実の多くの人々の行動のギャップをまざまざと見せられている思いがしてました。
で、このRenewcell。意識高い系の需要にかなう、循環型リサイクル素材サーキュロースの量産工場。表向きは間違いなく時代の要請をとらえているんだけど、消費者がついてこない、ひいては投資家が逃げて倒産。とはいえ確実に近未来に必要とされるビジネスなので、高品質なものを作れる技術にまで洗練された暁にはぜひ応援したいです。New Renewcellに期待します。消費者の意識の成長もみきわめて、タイミングよく登場してほしい。
今回も3人が駆使する言葉のセンスとリズム感が最高で、内容もエッジが効いてよかったですが、エンタメとしても聞き入ってしまいました。
皇室の「インスタ開設」を海外メディアはこう報じた | 「加工をめぐるドラマは生まれないだろう」
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
私も早速フォローしました。「ようやく、ついに、やっと」という感慨がありました。とはいえ宮内庁コントロールが強力に効いてますから、フォーマルで静的な堅実な投稿ばかり。でもこのお堅い姿勢こそが日本の皇室が英国のように泥沼化(!)しないための重要なブランドコントロールにも思えます。
アンドリュー・ヒューズのコメント「ただそのブランドをさりげなく強化し、公に出たり、議論されるものをコントロールすることで、AI(人工知能)の使用や偽情報、誤情報を最小限に抑えればよいのです。私には、賢いブランド・マネジメントに思えます」に同意します。
とりわけ愛子さまのブランドコントロールにはこのやり方がぴったりと思えます。へんに今どきに走らず、保守の正統をたおやかに守っていくような皇室のありかたは、愛子さまの魅力そのものなので。
【養老孟司】日本人に伝えたい「未来予測」より大事なこと
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すばらしいインタビューですね。
唯一確実な未来は大地震であり、その後、どのような社会を作るのかを誰も真剣に考えていない、とさらっと指摘する養老先生、さすがの知性の高さを感じさせます。
経済至上主義に毒されて生きづらさが常態になっている今の都市社会、ほんと、つける薬はなく、大地震くらいの破壊がないと再生しないのかもしれませんね。その意味では、養老先生の「地震が希望」という言葉、過激だけれど共感します。
地震後の社会を想像すれば、食料の自給自足と都市機能の分散を今から設計しておく必要があることは自明ですね。
「居心地よく感じている人が他人に対してアグレッシブになることはない」。至言ですね。世界平和のために小さな一人ができる、根本的でシンプルなこと。
ヴァレンティノ、アレッサンドロ・ミケーレを新クリエイティブ・ディレクターに任命
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ミケーレは2015年にグッチのディレクターに就任してから22年に退任するまで、世界のモードのトレンドを牽引していた一人です。「ミケーレ前」「ミケーレ後」で明らかにカルチャーが変化しました。グッチの売り上げ爆増にも貢献していたのですが、親会社ケリングから「デザインの大幅な変更」を求められ、退任に至っており、ちょっとケリング残酷なんじゃないかと感じていました。
ミケーレはヴァレンチノに新風をもたらし、なにより彼のファンダムが強いので、人気・売上ともに上昇にもつながるのではないでしょうか。ヴァレンティノのCEO、ヤコポ・ヴェントゥリーニもかつてミケーレと一緒に仕事をしたことのある方で、経営とデザイナーの相性は抜群なのではと思われます。9月に発表されるコレクションに期待します。
【教養】私たちは「フォント」について何も知らない
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おもしろい! フォントによる印象の違いは漠然と感じていましたが、こうして理論的に語られると納得感があります。明朝体ハラスメント「ミンハラ」って(笑)
カリグラフィーを習ったときの講師の方が、ファッションブランドのインビテーションを書く仕事もなさっており、エピソードを伺ったことがあります。ブランドによって、またイベントによって、字の書き分けを細かく指定されると。そこまで人間の感覚をコントロールしてこそのブランディングなのかと感銘を受けた記憶があります。字体が人の感覚に与える影響、侮れませんね。
英キャサリン妃、がんで治療中と公表 1月術後に見つかる
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キャサリン皇太子妃がビデオメッセージで自ら伝えました。手術後に癌が見つかり治療中であると。メディアの度を過ぎた詮索や、病院スタッフによるカルテへの接近など、異様な事態でした。元気な姿を見せて国民を安心させようとした写真公開では逆に加工を謝罪する羽目に陥ったり。ストレスはいかばかりか。
こうした雑音を封じるには自ら話すという形の公表しかないと判断されたのでしょうね。感謝を伝え、がん患者を激励し、自分はよいほうに向かっていると安心させながら、最後のほうで、プライバシーへの理解を切にお願いしていらっしゃいました。ただでさえがん治療に向き合う試練があるのにここまで対応しなくてはならないとは。外部ストレスのない静かな環境で療養に専念されますように。完治をお祈りします。
超高級バッグ「バーキン」が買えない、米消費者が仏エルメスを提訴
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そんな訴訟を起こされたらますますバーキンの価格が上がりますね(笑)
そこまでして欲しがられるというコンテクストを作ったブランディングはさすがエルメス、あっぱれです。
バーキンはもはや「バッグ」というカテゴリーを超えた神秘の偶像のようになっていますね。それはそれでブランディングの成功なので、良いことだと思う。自身のブランディングを主体的に、戦略的に貫くエルメスはリスペクトします。
ただ、これを買うために、「購買実績」を積み上げて、ようやく「購入させていただく資格をいただける」「購買を許可していただける」ことをありがたがる従属的な消費者って、天の視点から見ると、どう見えるのか。中古で高く売れる資産にもなるからなりふりかまわなくなるのか。偶像崇拝のあやうさと滑稽さを見る思いがします。
フランス ファストファッション規制法案が国民議会を通過
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環境に過重な負荷をかけるファストファッションを規制する法案、フランスで国民議会を通過。生産量とコレクションの回転速度で判断するようです。よいことだ。もう作りすぎなんです。みんなわかっているのにやめない。ならば法で厳しく規制するのも手です。衣料品のゴミ箱にされ、苦しんでいるケニアの叫びをみんな聞こう。環境汚染が引き起こす気候変動がめぐりめぐって災害としてわが身にふりかかる、そこまで想像を及ぼしたいものです。
ファッションと環境問題に関わるこの手の規制法案をつくることにかけて、フランスはいつも世界に先駆けていますね。
Loro Piana’s $9,000 Sweaters Rely on Unpaid Farmers in Peru
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クワイエットラグジュアリーの代表格のようにもてはやされるロロ・ピアーナ(LVMH傘下)ですが、ペルーの稀少なビキューナの原毛を使っているということで、一着100万円くらいのセーターを売っています。一方、ペルー先住民コミュニティは、自らの労働に対して十分な報酬を受け取ることができておらず、貧困との闘いを続けていると記事にあります。(セーター1着分の生地で約280ドルを得ているが、収穫に必要なすべての人に支払うには十分ではない。外部に雇われた労働者は約20ドルを得るが、地元の人々は無料で働くことが期待されている。)クワイエット・スレイバリー(静かな奴隷制)というわけですね。
Loro Piana、ひいてはLVMHの株主ばかりが富裕になり続け、産地の労働者はますます貧困化するという高度資本主義特有の構図が見えます。
ブルームバーグが記事を出して3日経ち、国外の各メディアが追い、インスタでも大荒れしているネタですが、なぜか日本では静か。誰も語らない。たぶん広告主たるLVMHに忖度しているのでしょうか。これから日本でも記事化されるかもしれませんが、とりあずピックしておきます。
NORMAL
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