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京アニ放火で33人死亡、なぜ犠牲は甚大に広がってしまったのか - ニュース3面鏡
Diamond Online
佐藤 宏尚佐藤宏尚建築デザイン事務所
ニュース番組で見る建物の間取り図では、室内中央に3層にまたがる螺旋階段が設置されています。 それを見て、なぜ「竪穴区画」がないのか、疑問が湧きました。 竪穴区画とは、建築基準法施行令第112条第9項に定める防火区画です。 階段室や吹き抜けなど、複数の階にわたる空間は、火炎と煙の伝播経路となるので、それを防止しするために区画するように定められています。 特に煙に関しては重要で、竪穴区画されていないと、一気に煙が最上階に集中し、被害が拡大します。 市街地でこの規模なら当然必要では、と思ったのですが、専門用語で「ロ準耐」と呼ばれる仕様を満たせば緩和規定があり、竪穴区画を緩和することができます。 しかし、「ロ準耐」の一つ「ロー2準耐火建築物」というのは、鉄骨造であれば、ほとんど満たせる甘い仕様です。 ガソリンによる内部からの放火を防火で想定することはできませんが、これだけ被害が発生すれば、これを機に見直す必要があると思います。 それと、扉が開かず屋上に避難できなかったことも、被害を広げた原因とのこと。これに関しては、施設管理上、施錠しているケースも多いと思います。(犯罪・事故防止のため) 法規制は難しいように思いますが、非常時には開放できる破壊錠にしておくなど、弊社の今後の設計では配慮しておく必要があると思いました。 マンションにお住いの方は、理事会などに問題提起してもよいと思います。
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六本木に完成した国際基準高級マンションのすごさ
mainichi.jp
佐藤 宏尚佐藤宏尚建築デザイン事務所
建築家なので、一言。 このマンションは容積率300%に対し、294%の建物になっています。つまり5階にしなくても4階でほぼ容積消化できるので、4階にする。これは建築費などを考慮すると珍しくない判断です。さらに階高は高さ制限ギリギリまで確保すると3.3m確保できた。 ただそれだけのことです。 容積制限が厳しいので、付加価値をつけて売る必要があり、あの手この手の一つが、「国際基準」やなんやらとのこじつけだと思います。 だからツッコミがいっぱい入る。 天井高2.7mをここまで宣伝できる創作は驚きますが、あえて面積を削ってゆとりをもたせたように誤解させる表現は感心しません。 1戸あたりの面積を広くして戸数は減ったのであって、販売面積を減らしたわけではありません。 これだけ地価の高い場所で、販売面積を大きく削ることは事業としては考えられません。 現在、都内では容積がかわらず、高さ制限が厳しくなる傾向があり、空は見えやすくなりますが、高さにゆとりのない、ギュウギュウに押し込まれた建築が増えることになるでしょうね。 逆に高さ制限を緩和、または、容積率が制限すれば、地価の高い場所では付加価値を高めるために余剰のボリュームを活かした面白い空間のある建物が増え、街の魅力は増すでしょう。 空間のお国柄の違いは、このようにお金と法規の力学が強く影響します。
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「CO2をエタノールに変える方法」が偶然発見される:米大学
WIRED.jp
佐藤 宏尚佐藤宏尚建築デザイン事務所
画期的との意見も散見しますが、以下に注意する必要があると思います。 ・二酸化炭素の総排出量を増やさずにエネルギーが循環的に取り出せるのは素晴らしいですが、二酸化炭素を固体として固定化する家具や建材と異なり、エタノールは、いずれ燃焼した際に二酸化炭素に戻るので、二酸化炭素削減効果はありません。 ・燃料電池は、一度電力をつかて、燃料に変え、それを使用時に再度エネルギーに変換する必要があり、効率が悪化します。優れていると言われる水素でも現在65%程度です。リチウムイオン電池の効率は現在80-90%あるので、効率化されないと、長期備蓄など特殊な用途以外のメリットは見いだしにくいでしょう。 しかし、記事中に電力効率は述べられていません。 ・蓄電池の発達と共に内燃機関の多くは、モーターに置き換えられて行きます。EVがその最たる例です。ロケットや飛行機などの高出力用途は残りますが、エネルギー革命の本命は蓄電池にあります。海水などから安価にリチウムを取り出せる技術などが出来れば、世の中が本当に変わると思います。 少し効率は悪いが安価な燃料電池、または燃料として広まる可能性はあると思います。 安価な設備投資で、家庭でも太陽光で空気と水からエタノールを生成できれば楽しいですね。
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小池百合子「豊洲劇場」と、報告書を読まずにいまさら文句を言う有識者問題(山本一郎)
Yahoo!ニュース 個人
佐藤 宏尚佐藤宏尚建築デザイン事務所
情報が錯綜し、確かなことがわからないので、建築家として発言しにくいですが、これまでは、現実的には問題は少ないと思っていました。しかし、 https://newspicks.com/news/1781897 を見ると、建物下は耐圧盤のあるピットになっているわけではなさそうです。 通常建物の基礎の位置などを墨出しするために、捨てコンクリートといわれる仮の床をつくり、その上に分厚いコンクリートの耐圧盤をつくります。 この報道が正しければ、豊洲はおそらく耐圧盤がなく捨てコンしかありません。であれば、鉄筋も入っていないのではないかと思われますし、汚染物質の遮蔽も防水性も期待できません。水がたまるのも当然です。 そもそもこの程度の高さの建物になぜ4.5mの高さのピットが全体的に必要なのか疑問でしたが、耐圧盤がないとすれば、単純に費用を圧縮することが動機なのかもしれません。現状だと地下空間に揮発性のベンゼンなどの気体が滞留する可能性を否定できないでしょう。 ただし、それでも1階のスラブは十分に分厚く、現時点で上屋の安全性に問題がある根拠が示されているわけではありません。 築地には都政の歪みが凝縮しており、それを明るみに出した事は小池知事の成果です。 しかし、現在のヒステリックな世論は、築地移転延期を正当化し、都政改革に必要な支持を確実にするために、小池知事に煽動された感があり、「都民ファースト」ならぬ「小池ファースト」のように感じます。 都の資産は都民の資産です。まずは、設計者、施工者は、クライアントである都民に対し、計画の意図や経緯の説明責任を速やかに果たす義務があります。 都民を代表する知事は、それを確認し、都民に報告すべきです。
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