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服役終えた「漫画村」元運営者、無罪訴え再審請求へ 福岡地裁
小川 一毎日新聞 客員編集委員
9月20日の読売新聞の記事「数億円稼いだ開設者『ネット広告は抜け穴だらけ』」に登場していたのを見て、これから積極的に発信していくつもりなのだろうと受け止めていました。再審請求は意外でしたが、再審を求める権利は大切なものであり、尊重しなければならないと思います。ただ、法律の技術的な部分はさておき、社会は「漫画村」を合法的存在と認めることはできません。出版社の経営を直撃するだけでなく、何よりもクリエーターたちの才能を根絶やしにしかねないものです。その場合の社会的損失ははかりしれません。法律論議の前に、社会を構成する一人として、クリエーターたちを支える社会をつくっていく責任を自覚してほしいと思います。
引退するルパート・マードックが世界に与えた“ダメージ”と、始まったメディア帝国の終焉
小川 一毎日新聞 客員編集委員
思想や理念より、規模拡大を第一にめざす経営者だと私はみていました。保守・右派的な立場をとったのは、その方が経営に資すると考えた面が大きかったのではないかと思います。傘下に収めてたWSJについては言論機関としての価値は守っていました。そのことは評価できますが、その方が「得」と考えた面も否定できないように思います。いずれにせよ、すごすぎる経営者でした。メディアが儲かる時代の世界を動物的な直観で駆け抜けました。ただ、時代は今、変わっています。時代の節目を感じます。
2007年9月号「放送研究と調査」から引用します。ご参考までに。
米ニューズ社がDJ社を買収 注目が集まるマードックの運営
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/focus/148.html
新聞の制作現場を中心に大きな関心となったのが,編集権の独立だった。マードックは,これまで買収したメディアでも編集方針に介入することで知られている。傘下の衛星テレビ放送が中国に進出する際,中国政府に批判的だった英BBCのTV国際放送を排除したり,中国政府の意に沿わないと見られていた香港のパッテン総督の回顧録をグループ内の出版社から発行するのをやめさせたりした。WSJ編集部内でも懸念が渦巻く中,マードックは米タイム誌のインタビューに対して「WSJをおとしめるために,わざわざ50億ドルを使うとでもいうのか」と反論している。今後,編集権の独立性確保については,社外の有識者による特別委員会を設置して,編集幹部の任免権を委ねることなどで合意した。
ニュースのプラットフォームは「優越的地位の可能性」 公取委が調査
「ジャニーズが使えなくなったら番組ができなくなる」「視聴者獲得のため」…テレビ関係者40人が語った“ジャニーズ性加害問題”
小川 一毎日新聞 客員編集委員
ハンセン病元患者の人たちへの差別と人権侵害、旧優生保護法による障害のある人たちへの人権侵害と、私たちの社会は犯罪に値することを長年放置してきました。その理由のひとつが「気づかなかった」ことです。ジャーニーズとメディアの関係にも同じものがあります。男子への性被害への認識不足、また多くの視聴者が聞きたくないであろうことに忖度したことが大きな要因と考えます。ただ、別の次元の話では、メディアの現場にいると、とにかくコンテンツをつくり番組を埋めていく作業に必死で、それを最優先させてしまいがちです。そこには「気づこうとしなかった」実態があるはずです。「ジャニーズの問題で、メディアの責任がより大きいと指摘される所以です。
NHKはよくチャレンジしたと思います。民放も、視聴率ではなく、NHKを超える検証番組をつくるべく競争すべきだと考えます。
岸田内閣の改造人事も日本の政治も、なぜ「驚くほどつまらない」のか?
小川 一毎日新聞 客員編集委員
まさに仰る通り、です。今回の内閣人事に、時代を見通す視野、世界を社会をよりよいものに変えようという野心など微塵も感じられません。自己保身、自己都合、内向き、既得権益といった言葉が次々と浮かんできます。
以下の指摘は、マスメディア自身が気づきながら、変えられない点を突いています。
「既存の大手メディアにはまだ政治部という大集団があるので、発信される情報量は多いのだが、正直に言って今は「政治」がまったくつまらない話題になってしまった。そして、このことも政権にとって好都合なのだろう」
既存メディア離れは、話題のない、面白くもないところに大量のリソースを割いていることからも起きていると思います。文春というひとつのメディアに負けている現状にもつながっています。
プロ野球阪神が18年ぶりにリーグ優勝した夜、道頓堀で起きた「アレ」、どないして撮ったん? 担当カメラマンに聞きました
小川 一毎日新聞 客員編集委員
いくつかの感慨と感想があります。まず、今の新聞社の写真部の大きな仕事は、事件や災害があった時に、その瞬間を捕らえた写真や動画をSNSから探し出し、撮影者から掲載の許可を取り付けることです。写真ジャーナリズムは少数のプロよりも大多数のアマチュアの力に頼ることが多くなっていました。そんな状況にあって、この写真は、膨大な数の阪神ファンがスマホを構えているまさにその前で、プロフェッショナルならでは技を見せてくれました。新聞社に長くいた私としても感慨深いです。
また、この写真を撮影した経緯が、記事になり、読まれていることも、マスメディアの仕事に共感してもらう契機になると思われ、歓迎します。
もう一つの感想は、少しネガティブです。飛び込みという危険な行為を美化してしまいかねないからです。あの写真が「飛び込みのインスタ映え」を誘発することを危惧します。18年前の阪神優勝の時、スマホはまだこの世にありませんでした。それもあって、警察は今回、警備を強化したわけですが、結果的にその努力に水を差すような写真になったことは残念です。
ジャニーズ性加害問題に大手企業は番組スポンサーを継続?解約?アサヒやマクドナルド、日産や日本航空など7社の今後の対応
小川 一毎日新聞 客員編集委員
ジャニーズと吉本に大きく依存していたことは、テレビ局のアキレス腱でもありました。彼ら抜きでは番組をつくれないほどでした。今、そこを痛撃されています。いったん流れができると雪崩を打つのが良くも悪くも同質社会・日本の特徴であり、今はそうなりつつあります。この状況下、ジャニーズを使い続けるのなら、テレビ局にはしっかりとした説明が必要になります。よく練られた理論武装が必要でしょう。その場合は、罪のないタレントの仕事までを奪うことの当否、多くのファンが出演を待っていることの意味、推しタレントによって生きる力を得ている人も少なくないことの意義などを情理を尽くして説明できるかどうかでしょう。

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