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リステア創業者の高下氏が新会社 世界中のいいものを集めた「高級デジタル百貨店」
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
元リステア社長の高下浩明さんが、デジタル百貨店「246セレクト(246select.com)」をオープンしました。日本を代表するラグジュアリーセレクトショップビジネスで培った知見を活かして、イケてるブランドや商品をセレクトしてキュレーションメディア型プラットフォームに掲載。ユーザーが興味を持ってクリックすると、商品紹介ページに飛び、もうワンクリックすればブランドサイトに遷移し、公式ECサイトから買い物ができる――という導線をしいています。
ハイブランドが多く、プロモーションのコーナーさえもハイイメージです。ブランド側にとっては集客導線となるため、掲載されることはむしろウェルカムでしょう。ユーザー側も簡単にブランド公式で詳細説明などを知ることができ、安心して購入できるなど、お互いWIN-WINな関係が築けそうです。
小売り各社の大きな課題で、きっと高下さんもかつて悩まれたであろう「在庫」を持たないビジネスは、リスク低減だけでなく、無駄にモノを移動させないサステナの一環にも、物流クライシスの軽減にもつながりそうです。
ギフトコンシェルジュ機能の発展も楽しみです。買い物にいく暇がない多忙な方(富裕層やエグゼクティブ層)にはピッタリの仕組みで、バーチャル秘書とか、秘書の秘書的な役割を果たしてくれるかも、と想像しています。
ジーンズを洗濯機で洗ってはいけない…リーバイスCEOが実践する「どうしても洗濯したいとき」の洗い方
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
昔は、ジーパン(笑)をはいたままお風呂に入り、その上から、洗うのなら手でこすり、ヒゲやアタリと呼ばれる加工を施したければ、たわしや軽石でこすると教えられました(というか、雑誌が教えてくれましたね)。
そうやって、経年変化を楽しむのがジーンズの醍醐味の一つですし、糸を芯まで染めずに経年変化のダメージが出やすいように工夫したり、逆にいつまでも藍々としていられるようにしっかりと芯まで染めたりと、メーカーの方々がディテールまでこだわり、工夫を施す、嗜好品でもありました。
そして、ジーンズを染めるインディゴ(藍)にはもともと、防虫や抗菌、防臭効果があります。古くはケガをした際に藍染をした布で覆って化膿を防いだという故人の知恵があります。よほどのことがなければ、はいた後に干しておけば、(頻度にもよりますが)半年ぐらい洗わなくても問題なく履き続けることができる、優秀なワードローブですね。
【ミニ教養】ヒートテックがドイツで激伸びする意外な理由
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
2014年ごろ、当時所属していたファッションビジネス紙で、パリのファッションショー来場者(編集者やバイヤー等)にユニクロの着用率と保有率、イメージ等を聞くアンケートを手がけたことがありました。「ヒートテックの存在が冬のファッションを変えた」という声が印象的でしたが、気候変動やエネルギー危機などでブランドや機能が広く認知され、冬の購買想起トップブランドに台頭したのだなぁと。少し感慨深いですね。
そして、ドイツは北欧と並んで環境先進国ですし、イメージのフランスやイギリスに比べて、リアルクローズやスポーツブランドなどの市場規模が大きいので、発表に好適な場所を選んだなという気もします。
手放す服に新たな選択肢。ビームスが「モノを売らないお店」期間限定でオープン
伊勢丹「5日間で1億円」売る若者向け催事の波及力
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
伊勢丹新宿店の2階には、ピュアヤングと呼ばれるティーンズ向け売場「シンデレラシティ」があり、90年代にはナイスクラップやエゴイストなどの人気ブランドも取り扱っていて、いつもにぎわっていました。今は少子化と、ファッションビルやショッピングモールなど商業施設も多く増えるオーバーストア化により、百貨店の競争力が低下したと言われることもありますが、百貨店流の環境や接客の中で買い物をしたいという若者層は現在もしっかり存在しています。とくにデパコス(デパートで扱われる化粧品ブランド・売り場)には、若い女性もたくさん訪れています。ここを一つの突破口として、記事にあるようなSNSやデジタルと相性の良いブランドや希少性や話題性のある催事(ポップアップストア)が展開できれば、百貨店復活、といわれる時代がくるのではないかと思っています。これらのタッチポイントの創出が、将来顧客を育成することにつながりますからね。
ユニクロがクロエ、ジバンシィ出身のクレアと協業ライン「UNIQLO : C」 9月15日発売
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
こちら、執筆しました。
ユニクロの“究極の普段着”と称するLifeWearのモノ作りの背景を生かしたデザイナーズコラボレーションの展開、うまいですね。これまでも、ジル・サンダーとの「+J」を筆頭に、元エルメスのデザイナーのクリストフ・ルメールと「UNIQLO U」を継続的に販売。ルメール本人はユニクロのパリのクリエイティブ・ディレクターも務めています。そして、現ロエベのジョナサン・アンダーソンとの「UNIQLO and JW ANDERSON」ももう6年近く続いています。
今回は、クロエ、ジバンシィ出身のクレア・ワイト・ケラーとコラボライン「UNIQLO : C」(ユニクロ:シー)を9月15日にデビューさせます。
本人がワーキングマザーということもありますし、スタイリスト出身で、ウィメンズもメンズもできますし、彼女が提案する洗練されつつ肩の力が抜けたエフォートレス・ラグジュアリーのスタイルには、リアリティや説得力があります。ユニクロとの相性は抜群ですね。
デザイナーたちも、価格帯や使える素材という枠組み・ルールをいかに駆使するのか、楽しみながらクリエイションをしている姿がうかがえますし、世界中の多くの人々に購入して着用してもらえるデモクラティックウェアを提供できることに喜びや誇りを持っているようですね。
「今のJINSは2005年当時のAppleに似ている」Apple出身のグローバル・チーフ・クリエイティブ・オフィサー就任で新たな成長軌道へ
そごう・西武労組委員長「われわれもストなどやりたくない」 雇用問題で不信ぬぐえず - WWDJAPAN
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
労組の委員長への取材を通じて、現場の悲痛な声が臨場感をもって綴られています…。有料会員限定記事ですが、読んでいただきたいです。
(少し長めに引用させていただきます)
>「現場の社員は自分の雇用もさることながら、お客さまや取引先への対応に苦慮していた。お客さまからは『いずれハウスカードは使えなくなるのか』『時計をメンテナンスに出しても大丈夫なのか』『お中元は来年も頼めるのか』といった声、取引先からは『今そごうや西武に出店しても大丈夫なのか』『秋冬の販促は予定通りできるのか』といった問い合わせが相次いでいる。自信を持って答えられないのはつらい」
「われわれも時代錯誤のストなどやりたくない。お客さまや取引先に不便をかけるなんて、とんでもないことだ。しかし、その武器に手をかけざるを得ないところまで追い込まれていることを分かっていただきたい」
今世界で最もホットなブランドとアイテムはいずれもロエベに、オニツカタイガーもランクイン
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
「LOEWE(ロエベ)」はLVMHグループ傘下のブランドですが、「ルイ・ヴィトン」よりも古い1846年創業のスペイン発祥の高級ブランドです。
2014年から、「JWアンダーソン」のデザイナーであるアイルランド出身のジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ・ディレクターに就任してから、クラフツマンシップ(匠の技、手工芸)を大切にしながら、ポップなデザインやストリート感覚などのエッセンスを盛り込むことで、ブランドに新風を吹き込み、若い顧客層も獲得してきました。
アナグラムとは、ロエベのロゴマークのことなのですが、リブランディングに際して、ブランドロゴをM/M Paris(エムエムパリス)というクリエイティブ・デュオを起用してモダナイズさせたことも、人気の理由の一つになっています。
ちなみに、ホットなブランドの20位に「JWアンダーソン」もランクインしています。ユニクロとの協業ライン「UNIQLO and JW ANDERSON」はすでに6年目に突入しています。
それだけの仕事を軽々と(!?)こなすジョナサン。その想像力や創作力はもちろんのこと、スマートさや勤勉さのなせる業なのかもしれません。
ちなみにちなみに、「ロエベ」のコレクションでは、大胆に花そのものをフォルムのモチーフにしたドレスや、実際に草が生えた服(まさにグリーンファッション!?)が登場したりと、度肝を抜かれるようなものもありつつ、時代を超えて長く使いたいと思えるような商材が店頭で販売されていて、そのバランス感覚も優れているなといつも思わされます。
「ルルレモン」の強さの源泉とコミュニティ形成の極意 独自のエコシステムの秘密を探る
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
こちら執筆させていただきました。
デジタルの取り組みや、Power of Three × 2の施策なども面白いのですが、やはり、このブランドは、商品力の高さと、それを支えるコミュニティ型ブランドの開発・運営にあると思い、そちらにフォーカスしてみました。
LAではもっと以前から潮流になっていましたが、2010年代半ば以降、ニューヨークでも、アスレジャースタイルの方々が本当に増えていて。
ちなみに、まるごとコストを開示するトランスペアレンスなブランド「Everlane(エバーレーン)」が注目を集めていたころ、そのポップアップストアを訪問したところ、「LULULEMON(ルルレモン)」と「MUJI(無印良品)」と「ブルーミングデールズ」のショッパーを持っている人がやたらと多くて。エシカル&サステナブル&ファッション性のある、相性の良さそうなブランド群を一緒にリーシングしたネイバーフッド型ショッピングモールなどを作ったら面白そうだな、と感じたことを思い出しました。
何はともあれ、単なるVOC(ボイス・オブ・カスタマー)やブランドロイヤリティ施策などにとどまらない、高品質商品&サービス開発やロイヤリティ醸成を実践するエコシステムについて、一度お目通しいただければ幸いです。
ヨドバシ、西武池袋の低層階出店を一部断念 反発に配慮
松下 久美ファッションビジネスジャーナリスト
妥当な判断だと思います。
西武百貨店の本店である池袋店は、経営体制が変わっても揺るがない本丸であり、精神的支柱でもある旗艦店舗であります。そして、池袋はかつてセゾングループの本拠地でもありました。
70年代からラグジュアリーブランドの導入だけでなく、エルメスと合弁でエルメスジャポンを設立したり、PISA(ピサ)というインポートサロンを展開してイヴ・サンローランをはじめとした有名ブランドなども多く扱ってきました。
しかも、イメージ以上に、池袋店は上顧客が多くて、高級ブランドの売上げも好調を保ち続けてきています。
そんな歴史的背景もあって、ルイ・ヴィトンをはじめとしたラグジュアリーブランドは西武百貨店に店を構えているわけですし、それがヨドバシという家電量販店に“占領されてしまう”となったら、反発が大きいのも当たり前です。
有楽町そごうの跡地に出たビッグカメラなど、百貨店跡地での家電量販店の成功事例もありますし、便利にはなると思いますが、その土地ならではの在り方というものを、再度考えていくべきだと思います。
NORMAL
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