花谷 美枝

線虫がん検査で「リスクが低い」という結果が出て安心し、本来受けるべきがんの検診や精密検査を逃していたら━━。そんな最も深刻なケースの方に取材にご協力いただきました。 大腸がんは、他のがんに比べて、検診で引っかかっても精密検査を受ける人が少ないことが問題になっています。取材にご協力いただいた男性も、便潜血を指摘されながら、内視鏡検査を避けてしまったわけですが、「線虫がん検査で大丈夫だったから」というのが言い訳になってしまったのはとても残念ですし、ご本人も悔やまれていると思います。 昨年、NewsPicksが一連の報道をした後も、線虫がん検査のCMや広告も相変わらず目にします。結局、この検査の受付窓口になったり、広告を載せたり、HIROTSU社に出資をしている企業や機関が方針をあらためない限り、何も変わりません。今回、あらためて検査精度の低さが指摘されたことを受けて、こうした企業がどのような対応をしていくのか、しっかりみていきたいと思います。

私個人的は、日傘もささず、ハンディ扇風機も持たず、ネッククーラーも身につけず、炎天下を対策なしの丸腰で歩く派なのですが、現代の猛暑においてそれはワイルドすぎるのかもしれません。 様々な技術を投入して暑さ対策商品が開発されていますが、「暑くするよりも冷やすほうが技術的には難しい」とソニーの伊藤さんが話していたのが印象的でした。 着るエアコンの始まりが、ソニーで好調のあの事業だったというのは意外でした。研究への真摯な姿勢が次のものづくりにつながっていることに、ソニーの底力を感じました。

いわゆる都心5区、6区と呼ばれる都内の中心部で新築マンションを探すと、8000万円くらいでも「あら、お安い」と感じてしまいます。実際の所得に対しては高すぎでとても買えませんが、1億円超えの物件ばかりなので、感覚が麻痺しているようです。この感覚は流石におかしいんじゃないか。そんなところからこの企画が始まりました。 今回は新築マンション、中古マンション、人口増減率の推計、それぞれ地図を作ってみました。地図を作るのはなかなか大変な作業だったのに、出来上がってみたら、ほとんど同じような色味の地図になってしまって困惑しました。しかしこれが現実なのだと思います。どういうことなのか、ぜひ本文でご確認ください。

お値段高めのレギュラーコーヒーよりもインスタントコーヒーの方が目が覚める気がする。なぜだろうかとふんわり謎に思っていたのですが、今回の取材でわかりました。ロブスタ種はカフェインの量がアラビカ種の2倍くらいあるそうです。これからもインスタントコーヒーを飲み続けることに決めました。 さて、コーヒーがなければ仕事ができない私にとって、昨今のコーヒー値上げはなかなか切実な問題です。しかし、生産国の側から見てみると、また違った景色が見えてきました。

私自身、永遠に続く肌荒れ、かゆみと常に向き合っているのですが、知らない間に先進的な薬が発売されていました。かかりつけの先生はなぜ、今まで教えてくれなかったのでしょうか。 毎日薬を塗っている身からすると、2週間に1回とか、4週間に1回の投与ですむ薬はとても魅力的です。他方で、治療費の負担が続くという点は見過ごせません。

ノンフィクション作家の下山進さんの最新刊『がん征服』の発売にあわせたインタビューをお届けします。 がん治療は目覚ましい進歩を遂げていますが、それでも治療が難しいがんは残っています。その一つである膠芽腫（こうがしゅ）という脳腫瘍の治療法に挑む研究者たちに焦点を当てたノンフィクションです。なぜ、膠芽腫なのか。取材から何が見えたのか。下山さんに語っていただきました。

出口調査の結果も与党圧勝だったので、そのつもりで原稿を用意していたら、どんどん雲行きが怪しくなっていきました。 日本から見ていると、モディ政権は海外から資金を呼び込んで経済成長を遂げている力強いリーダーのイメージで、この勢いは今後5年続くと思っていましたが、国内には大きな不満が溜まっていたようです。 選挙結果がどのように着地するかはまだ不明で、しばらくは混乱が続く可能性もあります。 インドの成長というのは一筋縄ではいかないのだなとあらためて思いました。

GLP-1受容体作動薬は、美容目的のダイエット薬として自由診療のクリニックが販売しています。「GLP-1ダイエット」「メディカルダイエット」のネット広告を目にしたことがある方も多いと思います。オンライン診療と配送で販売しているので、実際のところかなり簡単に手に入ります。製薬メーカーや日本医師会は適正使用（糖尿病や肥満症の治療で使うこと）を呼びかけていますが、GLP-1ダイエットはいまだに人気があるように見えます。ただし、美容クリニックで販売されているGLP-1製剤の相場は、だいたい薬価の2倍以上なので（保険診療の治療で使う場合、個人の負担は薬価の3割です）、継続的に使うとかなりの経済的な負担になります。 では実際に「薬でやせる」というのはどういうことなのか。糖尿病の専門医に話を聞きました。メンタルへの影響や、脂っこいものを自然と避けるようになるなど、意外なエピソードがありました。そして食欲を強制的に抑えるということが人間にもたらす影響の深さに考え込みました。 取材にご協力いただいた大坂貴史医師はYoutubeでもこれまでに数回、GLP-1製剤について解説していますので、関心のある方は見てみてください。 https://youtu.be/K--5OiDhigM

AI、半導体と並ぶ話題のテーマ、肥満薬。通称「やせ薬」とも言われるこの分野の薬の開発でトップを走るのがデンマークのノボノルディスクです。 実は時価総額ではすでにテスラを抜いているのですが、日本での知名度はとても低いです。しかし調べてみると、とてもユニークな背景を持つ会社であることがわかりました。 デンマークの企業ではカールスバーグも財団が大株主になっているそうです。取材に協力いただいた創価大学の志村裕久教授は、ファミリービジネスを続けていく方式の一つと言う捉え方をしていました。とてもユニークです。