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米12月雇用は上振れ29.2万人増、失業率横ばい5% 景気底堅さ示唆
軽減税率 自民が「外食」まで広げて調整
広木 隆マネックス証券 チーフストラテジスト
軽減税率の議論がいかにだめかについては多くの識者が指摘している通りなので、ここであまり触れるつもりはないが、軽減税率が逆進性の解消にならない(つまり低所得者の負担軽減にならない)ということだけは、広く認知をいきわたらせる必要がある。こうしたポピュリズムを批判するメディアの声が弱いのも今に始まったことではなく、暗澹たる気持ちになる。
議論が、1兆円を超える財源をどうするか、という段に及んで、そもそも消費増税の目的すら危うくなっている感があり、もう本末転倒の極みである。ポイントは結局、どこからか取らなければならないということだ。誰かが負担しなければならないということだ。どこかにツケがまわされる。誰にそのツケが回るかと言えば、声を上げられないサラリーマン層だ。
で、サラリーマンもバカではないので、こんな酷い話はないと気づく。世が世なら、民主党が躍進した時のように都市部の中間層が野党支持にまわるだろう。ただ、今はその「受け皿」となる政党がない。結局、そこに尽きる。今日の日経「春秋」の結語、税こそが政治である。
日経平均株価 15年ぶり 2万円台回復 NHKニュース
広木 隆マネックス証券 チーフストラテジスト
【新潮流】第208回 寒の戻り
◆今週月曜日の小欄で、今頃の気候を「菜種梅雨」というと書いたが、とても梅雨寒どころの話ではない。この2、3日、関東地方はまるで真冬に逆戻りしたかのような寒さだ。上空の寒気の影響で東京都心でも一昨日の朝、降雪が観測された。気象庁によると、4月に東京都心に雪が降ったのは、2010年4月17日以来5年ぶりという。神戸の六甲山でも、山頂付近がうっすらと白い雪に覆われたというから日本列島、全国的な寒の戻りとなったようである。
◆寒の戻りで張る氷を「薄氷」と書いて「うすらい」と読む。春の季語。
せりせりと薄氷杖のなすままに (山口 誓子)
春めいてきて、もう氷も張ることがないだろうと思っていると、寒さがぶり返して水たまりや田んぼなどに薄い氷が張ることがある。散歩に出た際、杖でつつくと「せりせり」と音をたてて崩れてしまう。無理に崩さなくても陽が昇れば儚く溶けてしまう、春の薄い氷である。「せりせり」は、現代語に訳せば「シャリシャリ」といった語感だろうか。
◆寒の戻りの代表例が桜の時期の「花冷え」である。今週は多くの学校で入学式が開かれた。桜の花が散ったあと、寒の戻りに凍えながらの門出となった諸君には気の毒だが、かえって思い出に深く残ろう。満開の桜のなか春のポカポカ陽気の入学式はいかにも平和を絵に描いたようだが、それでは出来過ぎだ。発射台は低いほうがいい。その分、これからの伸びしろが大きいと考えよう。相場と同じである。
◆相場といえば、日本株式市場は連日の高値追いが続き、日経平均は2万円が目前に迫った。4月に東京都心に雪が降ったのは、2010年4月17日以来5年ぶりというが、取引時間中の2万円台回復はそこからさらにちょうど10年遡った2000年4月17日以来となる。15年ぶり高値に沸く株式相場は春を通り越して早くも初夏の陽気といった感もある。こういう時こそ、急な寒の戻りに気を付けよう。日経平均2万円は薄氷を踏んで立っていないか。よく聞き耳を立ててみよう。「せりせり」という音が聞こえたら、要注意である。
アングル:IPOラッシュにバブル懸念、「gumiの次」警戒
広木 隆マネックス証券 チーフストラテジスト
【新潮流】第199回 得るは捨てる
http://lounge.monex.co.jp/pro/hiroki/2015/03/23.html
何かを得るには何かを捨てなければならない。「何かを選ぶ」ということは、同時に「選ばない何か」があるということである。株式投資においては「銘柄選択」というように、選ぶことばかりに重点が置かれがちだが、本当は「取捨選択」、何を捨てて何を取るかという意識が実は大切なのである。
粉飾決算は明らかに違法だが、そこまでいかなくても、上場直後の業績下方修正や海外子会社の不正取引など、「それでも上場企業か?」と思われるような不祥事が後を絶たない。日本の株式市場はNYSE(ニューヨーク証券取引所)と比べて時価総額は4分の1だが、上場銘柄数は4割も多い。市場というものはみなそうだが、特に日本は玉石混交なマーケットなのだ。だから、ババをつかまないようにしなければならないのである。
シンガポール建国の父 リー元首相が死去 NHKニュース
広木 隆マネックス証券 チーフストラテジスト
氏の訃報に際して僕が改めて思ったことは、偉大な指導者とは、優れたストラテジスト(戦略家)であるということだ。世界情勢を読む目の鋭さ。明快な戦略とプランニング。遂行の方法論。目標管理とリスクの把握。そのすべてが冷徹なプラグマティズム(実際主義)に貫かれていた。一流のストラテジストであり、かつ有能な企業経営者のようでもある。
企業経営者という印象は、氏のこういう言葉からきている。「国家の競争力を左右する唯一かつ最重要の要素は、その国の人的資本の質にある。」「そういう競争には、起業家精神、革新性、経営能力の三つの要素が不可欠だ。」 「国家」を「企業」に読み替えれば、そのままMBAの教科書としても通用する。氏は、技術革新の重要性とグローバル資本主義の発展をいち早く見抜き、そのカギが「人」にあるとわかっていた。
一方、統治手法は「開発独裁」とも言われる強権政治も辞さないものだった。グローバル化のメリットを最大限に浴するためにはグローバルなヒト・モノ・カネの流れを活性化する法律の整備や制度の確立が必要だからだ。リー・クアンユーは「基本的に不可欠なのは、法による統治である」と述べている。
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