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「なぜ」を大事にしよう 情報収集力を鍛える
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
「どんな物事にも理由がある」という危険な信念を持ってしまうと、永遠に答えを求め続ける情報収集おばけになり、その行き着く先はオカルト・インボロン・スピリチュアル・・・。
人間の悲劇はたいていこの「なぜ」から始まっている。
知ることから去るこそが必要。
【削除されました】養殖物2021年4月18日(日)
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
山口周さん出演の動画配信で、「ビジネスに美意識がなぜ必要なのか」みたいなテーマのがあったようですが(観てない)、今読んでいる本は「数学に魅せられて科学を見失なう 物理学と「美しさ」の罠(原題:"Lost in Math")」というもので、高エネルギー物理学(素粒子や宇宙物理など)では、理論の美しさという価値基準で研究を進めてきてしまったせいで、科学が実は全く意味のないものになってしまっているというもので、つまり「科学者は美意識を捨てよ」という対照的なメッセージになっています。
山口さんは著書等の中で、ミンツバーグの用語を引用して、「サイエンス」は「アート」と対照的なものとして捉えていたりしますが、実際のサイエンス(自然科学)は、合理性・論理の世界というよりは、むしろアートと呼べるロマンに満ちた世界で、極めて人間的な営みです(でした)。
しかし、最近ではその美意識主導の科学の弊害が生まれていて、「美しい理論は正しいはずだ」というもっともらしい理由により、それを証明するために何兆円もの巨額な予算を投じた装置が世界中で競う様に作られ、さらに研究を主導する理論物理学者の殆どは、実はそんな理論は正しくないと考えているが、研究予算取りと自分を含む関係者の雇用のために、大衆や政治家はどうせ理解できないし、ワクワクする様なストーリー語っておけばそれでいいだろう、とさえ考えている(しまいがち)、という残念なことになっていると言います。
私がかつて研究者だった頃や、かつて素粒子・宇宙物理を目指していた頃に、似たような疑問を感じていたので、やっと共感できる本に出会えたなと思いました。
しかし、ビジネスと科学で、美意識の持ち方のトレンドが逆行しているというのも、面白いものですね。

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