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「ウイグル族の強制労働に関与」指摘された日本企業14社への調査結果を公表。回答の全社が否定
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
日本の再エネ事業者は大丈夫ですか?
バイデン氏の環境政策、中国への「ジェノサイド」批判と利害衝突
https://newspicks.com/news/5758534/
EV製造時のCO2削減 ホンダなど、排出量の公開検討
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
誰も言わないから言いますが、製造時CO2をカウントするという考え方は、これまで私たちが「温暖化問題」と呼んできたものの根底を覆すほどのゲームチェンジです。
これまで、京都議定書、パリ協定などで知られるCOP会議などの国際交渉で、「○○%削減」などと国毎に数値目標を定め、それを条約で約束するというやり方できたわけですが、全ての根底には、1992年に締結されたUNFCCC(気候変動枠組条約)があり、COPとはこの条約締約国の会議という意味です。
この条約の考え方は、各国がその国における排出量を削減することに責任を持つというもので、つまりエネルギーであれば「最終消費者に排出責任が帰属する」というものです。
これだけ聞くと当たり前に感じますが、このルールが意味することは、例えば石炭を掘る人や自動車を買う人は温室効果ガスの排出責任はないということになります。ここが重要です。
この条約では「共通だが差異のある責任」といって、国を先進国と途上国に分け、先進国が強く削減義務を負います。当時は、エネルギー産出国の多くが途上国で、概ねこの考えで問題ありませんでした。先進国で産油国の米国カナダが京都議定書を離脱したことが象徴的。というか、京都議定書までは日本さえカモにできればそれで良かったんですよね。
しかし、この考えではより約束の緩い途上国に製造拠点が移転するという現象が起きるだけという問題があります(カーボンリーケージ)。
製造時もカウントすることは、排出量だけでなく、その排出に伴って製造した商品の販売にもペナルティを負うことになり、これは排出責任のダブルカウントですが、「カーボンリーケージ」を防ぐという正義の名の下に正当化されているわけです。
しかも、投資の際の要件として排出量公開を強制することで、欧州などの先行企業を差別化できる上、排出量監査業務が増えるので、金融や会計監査で儲けたい欧州財界にはウハウハな話。ほんと無茶苦茶やりおります。
少し続き
https://newspicks.com/news/5758194/
米スペースシャトル「コロンビア」打ち上げから40年
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
早いものですね。最後の打ち上げが2011年7月のアトランティスですから、スペースシャトルが打ち上げられなくなって10年経ったともいえます。
当時私は2歳でしたが、打ち上げから少し経った物心ついた3-4歳の頃にコロンビア号の事を知り、スペースシャトルの本を買ってもらい読み漁っていました。4歳の頃の将来の夢は宇宙飛行士でしたが、幼稚園の友達や先生はスペースシャトルの事を知っている人が全然いなくて、模型を作って「これがオービターで、横のロケットはSRBっていうんだよ」などとアピールしていましたね。
しかし、1986年のチャレンジャー号打ち上げ事故、2003年のコロンビア号再突入時の空中分解事故という、悲劇的な事故を経て、私の中のスペースシャトルへの憧れは次第に疑問に変わっていきました。
技術開発、特に宇宙開発に失敗はつきものとはいえ、残念ながらスペースシャトルは人類の宇宙開発の歴史、宇宙船設計の歴史の中で、いや工学設計や国プロの歴史として、まさに黒歴史と呼べるものかも知れません。
冷戦時代、最初に予算を取った時に、「ソ連の人工衛星をもって帰る事ができる」という事を売りに議会の承認を得たという経緯があり、不必要に大きな帰還ペイロードを持つことになり、重すぎる機体の打ち上げのために莫大な燃料と費用がかかるコスパの悪い代物になってしまいました。事故原因との関係は分かりませんが。
普通の人工衛星の打ち上げロケットの、荷物部分と燃料部分の比率を考えれば、スペースシャトルがいかにアンバランスか分かりますよね。
しかし、その巨大なペイロードのおかげで、宇宙ステーションやハッブル宇宙望遠鏡(1990年ディスカバリー号による)の打ち上げ、その後の保全など、様々な成果もあります。今の若い人は分かりませんが、後のSF作品の宇宙船のイメージにもなりましたね(アルマゲドンの宇宙船デザインは酷かった)。
「SAF」はカーボンニュートラルな輸送の救世主となるか
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
航空業界の脱炭素化の手段として、電化も検討されていますが(最近エアバスは水素に力を入れている)、国際民間航空機関(ICAO)の方針によれば、航空機(特に長距離フライト用)にとって原動機の信頼性担保の重要性は自動車の比ではなく、過去のデータの蓄積のあるジェットエンジンに勝る代替手段はないという考えから、既存のジェットエンジンにそのまま使えるカーボンニュートラル燃料、すなわちSAF(サステナブルアビエーションフュエル)こそが本命ということです。そのまま入れるだけなので、「ドロップイン戦略」などと呼ばれることもあります。
SAFとして使えるものには色々候補がありますが、主に念頭ににあるのはバイオ燃料です。結局炭化水素なので、燃焼時に二酸化炭素は排出されますが、作物生産時に空気中から吸収しているという意味で、相殺されているとみなされます。
この記事のタイトルにも入っていて、最近よく使われる「カーボンニュートラル」という言葉は、元々このようなバイオ燃料の特徴を指すために使われていた言葉ですが、最近ではこうした個別の技術の評価ではなく、国単位で実質的な排出量をゼロにする(つまり排出した分をどこかでキャンセルさせる)事を指す用語として使われ方が拡張されています。
(この様に拡張すると、排出する主体と吸収・固定する主体が一致していないといけないという条件が課され、排出責任の割り付け、カーボンプライシングを課す主体との関係など、結構難しい問題を孕んでいます)
一方、最近パーム油などのバイオ燃料生産で問題視されるように、バイオ燃料生産の拡大は、土地の利用転換を伴う可能性が高いため、森林の伐採や、元々土壌に含まれていた炭素を大気中に放出する事態を伴っていることも多いです。
従って、ICAOではSAFとして認定される基準として2008年以降土地転換されていないバイオ燃料で、一定の削減効果が認められる原料とプロセスを経た燃料のみをSAFとして認証することになっています。
普通のバイオ燃料自体に逆風がある中、供給を増やそうとすると、ユーグレナ社がASTM認証を取った藻から作る燃料に期待がかかったりするわけですが・・・。
アメリカ支えた石油の都、いまエネルギー転換の「首都」に テキサス・ヒューストン
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
米国でもっとも広く、最大の石油産出州で、かつ有数の再エネルギー開発州でもあり、農業も盛ん。最近ではトヨタやエクソンモービルなどの大企業の本社が次々移転し、税金も物価も高いカリフォルニアから人も移動。一大産業集約地になりつつある。
そんな、なんでも持っているテキサス州ですが、もともとメキシコ領だったのが1836年にテキサス共和国として独立し、1845年にアメリカ合衆国に併合(カリフォルニア、アリゾナも元々メキシコ領)。その後、南北戦争時は連合国側についたことで1861年に合衆国を離脱し、1870年に復帰した。
州の中で唯一領土割譲ではなく条約によって合衆国に加盟し、唯一州旗(星一つなのでlone star stateとも呼ばれる)を合衆国旗(星条旗)と同じ高さに掲げることができる。
その様な経緯があるため、テキサス州は合衆国連邦の中で唯一離脱規定のある特殊な州であり、非常に独立心も強い。
2月中旬に起きたテキサス州の電力危機も、テキサス州が過度に独立的なグリッド運営をしていたために起きたという見方もある。
共和党が多いテキサス州議会では、昨年の大統領選挙のプロセスに不満があり、そのために今年11月にテキサス州の独立の議論を問う住民投票を行う法案HB1359が議会に提出されていますが、、、どうなることやら。
「いい案が全然出ない!」頭が柔らかい人ならどうする?
大場 紀章エネルギーアナリスト/JDSC フェロー
頭の柔らかさ(というかゆるさ)は、そういうタイプの人の家系を見ていると、私は結構遺伝が大きいかなという気がします。
概念の捉え方が緩やかで、本来無関係の概念同士を結ぶパスを結ぶのが容易。多分、アインシュタインみたいに脳神経の間を埋めるグリア細胞が異常に多いんでしょうね。
もちろん、それだけではだめで、「柔らかい」発想のものが「いい案」と周りにみなされるには、一定レベルの説得力が必要で、説得力を持たせるためには、本人が確信すること、また過去の仕事で業績が認められているなど周りから信頼されている事が重要です。
確信するためには、夢みがちで楽観的、思い込みが激しいなどの特性も、あるいは重要かも知れないですね。
この手のタイプの方によくある特徴は、
・マルチリンガルである(言葉の捉え方が柔軟)
・業界横断的な人脈がある(価値観が柔軟)
・政治(特に国際政治)、宇宙ビジネス、環境問題、自然派食品、ファンタジー・オカルト、アート、スピリチャルに関心が強い
などの特徴がある事が多い気がします。

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