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コロナ治療薬レムデシビルの保険適用を承認 中等症や重症患者対象
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
レムデシビルは、米ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬で、世界でエボラ出血熱に用いられていた注射薬ですが、日本では最近まで未認可でした。 2021年5月7日、厚生労働省は、抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として審査期間を短くする特例承認しており、その後すでに臨床で使用されています。 レムデシビルは、新型コロナウイルスによる感染症が示唆される症状で入院中の患者で、酸素吸入を要する方、または人工呼吸器管理がされている中等症・重症者に用いられる医薬品です。新型コロナウイルス感染症患者1062例に対し、無作為化二重盲検比較試験を実施し、28日目までにおける回復までの時間について、レムデシビル投与群で10日、プラセボ群で15日であり、統計学的に有意な差が認められています。 しかしながら、28日後までの観察で、レムデシビル投与群の回復率約75%程度、プラセボ投与群の回復率約70%と大きな差は見られておらず、「回復する方については早く回復させる効果をもつ」医薬品といえそうです。(それ以上の効果はあまり期待できません) ベクルリー点滴静注用添付文書(PMDA) https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/62504A3D1025_1_01/ 本来は「薬価」が決定しないと保険薬リストに掲載されないため、医薬品の承認が得られていても健康保険を適応する治療では使えません。しかし新型コロナ感染症は「指定感染症」のため、現在は全額政府が医療費を負担しており、「保険適用」および「薬価決定」はあまり意味を持ちません。 今後、もし新型コロナウイルス感染症が指定感染症から外れることになれば保険医療費がかかることになりますが、その算定の根拠になる医薬品の価格として「薬価」が使われます。1日薬価が約6万3千円の医薬品ですので、28日間(29バイアル)投与した場合は180万円を超える価格(保険使用前)になります。 「感染・発症しても治療薬(レムデシビル)があるからよい」と考えず、感染しないような対策をとることが肝要といえそうです。
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Google DeepMindの新発表はバイオ領域のロゼッタストーンになる
Forbes JAPAN
高橋 義仁専修大学 商学部教授
医薬品の研究開発における高度な技術に抗体技術があり、タンパク質が関係しています。生物が有する抗体のメカニズムに対して医薬品を機能させるためには、抗原(病原体など)が作用する部位を抗体で塞ぐ必要がありますが、抗原、抗体ともにタンパク質から作られており、それぞれカギとカギ穴の関係に例えられます。 タンパク質は、アミノ酸配列により決定されます。しかし、医薬品としての評価を見るためには単なる配列を知るだけでは不十分で、配列を知ったうえで、どのような形態(立体構造)をもっているかを知る必要があります。カギがカギ穴にすっぽり入るためには、固有の立体構造が必要なのと同じです。 タンパク質の立体構造を知ることが、抗原-抗体を利用する創薬研究の第一歩になります。従来はタンパク質にX線を当てて反射させ、コンピューターで立体構造を割り出す方法がとられていましたが、ここにも課題があります。 X線を反射させるためには「固体」である必要があるため、まずはタンパク質の結晶を作らなければなりませんが、タンパク質はそう簡単に結晶になってくれません。溶媒や温度などの条件を変えて作業を試みますが、総当たりのようなローテク作業を強いられ、運次第のところがあります。非常に時間がかかりますし、頑張ってもできてくれないかもしれません。 Google DeepMindの新発表は、結晶を作成できなくても、おそらくアミノ酸またはその構成単位である分子の引力から合理的に作られうる「立体構造」を計算により導くというものでしょう。応用範囲の極めて広い技術です。実用レベルで使えるなら、特に難病領域の新薬開発に革命をもたらす可能性があります。
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アストラゼネカのワクチン “宣言”地域に優先配布へ 厚労省
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
厚生労働省としては、備蓄用としていたアストラゼネカ社製ワクチンの接種を感染者の重症化を防ぐために進めたいとのことです。また、他社製のワクチンの混合接種ミスを避けるために、別会場を設ける方針です。いずれも妥当だと思います。 接種が進んでいないと思われる40代以下の世代の内、アストラゼネカ社製ワクチンの接種対象者は40代以上となっているため、実質的な対象者が40代に限られそうです。40代以上の方でより接種を急ぎたい方の選択肢にもなりますが、感染拡大を受ければ、接種のベネフィットがリスクを上回ってくるため、今後ワクチンの接種対象年齢が拡大される可能性があるでしょう。 参考記事(年齢制限の根拠) アストラ製、40歳以上で検討 厚労省、「臨時接種」対象(共同通信2021年7月29日) https://newspicks.com/news/6053891?ref=user_1310166 アストラゼネカ社製ワクチンは、2回目のワクチン接種後15日以降とされていますので、できるだけ早くワクチンを接種することが望まれます。ファイザー社製ワクチン、モデルナ社製ワクチンともに有効率(接種していない方と比較した感染抑制率)は90%代半ば、アストラゼネカ社製の場合70%程度といわれています。1回目と2回目で異なる種類のワクチンは(実績不十分なため)接種できません。 アストラゼネカ社のワクチンについて(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_astrazeneca.html 東京都は現在病床に余裕がなく、罹患した場合でも少々の呼吸困難程度では入院が許可されていません。この「方針」は、まもなく他の地域にも拡大するのではないでしょうか。 残念ながらすでに起こってしまっていることですので致し方なく、個人が危機対応するしかありません。ワクチンを接種すれば重症化率を大きく下げることができるため、前向きな接種検討が望まれるのではないかと思います。感染しても問題ないとの意見もありますが、症状の重い方への医療対応ができていた時と今は違うと思います。実際、医療の充実していない国では、新型コロナウイルス感染症の30代死亡率は低くないと思います。
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アマゾン労組結成を巡る投票はやり直し必要、米労働当局-関係者
Bloomberg
高橋 義仁専修大学 商学部教授
アマゾン(アラバマ州ベッセマーの物流施設)従業員の、労組結成への働きかけついては、以下の記事に詳しくまとめられています。 アマゾン労働組合結成の「否決」で今後の展開は?(NewsPics 2021年4月12日) https://newspicks.com/news/5757864/body/?ref=user_1310166 米国では、団体交渉について、「交渉単位ごとにそこに所属する労働者の選択により、唯一の労働組合が当該交渉単位の労働者を代表して、使用者と交渉する」と定められています。同じ企業に労働組合が多数存在することがある一方、「交渉単位」ごとには1組合しか設立できません。 話題になっている労働組合の「交渉単位」は、アマゾンの「アラバマ州ベッセマーの物流施設」の従業員が対象でした。2021年4月の労働組合設立を問う投票で、「労働交渉を委ねる」組合を希望する従業員の数が、「個別に交渉したい」従業員の数を下回っていました。 米国では「労組を結成し、労組に加入し、労組を通じて団体交渉する権利を阻害すること」を不当労働行為として禁止しています。今回のBloomberg報道が事実であれば、アマゾン側の従業員に対する労組結成への反対意見表明の範囲を超えた「反対工作」が米国労働法で許される範囲を超えると当局が判断したことになります。 日本の法規でも「労働者が労働組合を結成しようとしたことを理由に解雇したり、その他不利益な取扱いをすること」は、不当労働行為として、労働組合法第7条で禁止されています。
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塩野義のワクチン、年内に最終治験入り 6千万人分供給に前進
産経ニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
何点かについて疑問が残るニュースです。第1に補助物質(アジュバント)の変更については、従来薬の継続ではなく、臨床試験の最初の段階に戻らないといけません。この記事に、「アジュバント変更に伴う第一、二段階の治験を今月から行い、国内で3千例規模のデータを収集」と書かれていますが、これが意味するところは「新規に開発」です(もちろん、蓄積技術は利用されます。)現在の医薬品の開発継続が印象付けられていますが、そうではありません。 第2に、臨床第1相、第2相自体がこれからで、これの成功を前提として臨床第3相に入れます。現時点ではかなり不確実性が高い状態にあるにも関わらず、「年内に行われる」ということが明示されていることに強い違和感があります。これが株価対策として発表されるなら、問題が発生しかねないレベルの誇大な見通しになると思います。 第3に、そのような状態であれば生産計画にも根拠がないはずですが、具体的な数字「6000万人分」が出ていることにも疑問があります。これについても、株価を維持する目的であるとするならば、証券取引法の観点から問題が発生しかねないレベルの「誇大さ」でしょう。 第4に、「中和抗体の量だけで薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)が承認に対して肯定的な意見を出す」ことは難しいのではないでしょうか。少なくとも、既存ワクチンと比較して無作為化二重盲検試験での臨床使用で非劣勢を出せないと、臨床データが好意的なすべてのワクチン候補の「何でもワクチン化」を許すことになります。当然に、高いレベルでの安全性の担保もできません(既存の新型コロナウイルス・ワクチンはすべてこのレベルをクリアしています)。 加えて中和抗体には、ウイルスや毒素に結合することで感染力や毒性を失わせる作用がありますが、ヒトの免疫はこれだけでは形成されておらず、例えば「細胞性免疫」は、免疫細胞が抗原を認識して、病原体に感染した異常細胞を攻撃・排除するものですが、これらがまったく考慮されません。つまり、臨床での有効性の確認こそが、信頼できる指標になるはずです。「接種が進んでいないアジアやアフリカで偽薬を用いる数万例規模の方法」なら現実的です。 以上の理由から、疑問点の多い記事です。
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慢性腎臓病の治療薬 国内で初承認へ “患者は約1300万人”
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
英アストラゼネカ社が開発した「フォシーガ」は、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2の選択的阻害剤に分類されています。SGLT2は近位尿細管でグルコース(糖類)を再吸収する役割を担っていますが、これを阻害することにより、腎尿細管でのグルコースの再吸収を抑制し、尿中グルコース排泄を促進することにより、空腹時及び食後の血糖コントロールを改善する効果を有し、糖尿病への適応が取れています。 慢性心不全に対しても効能が取得できています。本来の作用であるSGLT2阻害による浸透圧性利尿作用及び血行力学的作用に加え、心筋線維化への二次的作用が関連している可能性があるなどとされています。 SGLT2阻害薬を使用することで、血糖値を改善することはわかっていましたが、腎機能低下速度を抑える効果や尿蛋白が減る効果も認められていました。これに加え、「糖尿病のある・なしに関わらず、SGLT2阻害薬には腎機能低下速度を抑える効果がある」ことについて、数年以上前から、権威ある医学雑誌に研究成果が相次いで報告されており、アストラゼネカ社では「フォシーガ」を用いて臨床試験を行っていました。その結果を受け、2021年6月28日には、「欧州において、2型糖尿病合併の有無に関わらず、成人の慢性腎臓病(CKD)の治療薬として承認勧告を受けた」ことが、プレスリリースで発表されていました。今回の報道は、そのような背景の中で、国内で効能追加承認の方向性が示されたものです。 Forxiga recommended for approval in the EU by CHMP for the treatment of patients with chronic kidney disease(2021年6月28日) https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2021/forxiga-recommended-in-eu-for-patients-with-ckd.html 糖尿病と慢性腎臓病は併発することが多いところ(記事に1300万人と書かれている人数の多くが含まれます)、日本では「糖尿病のない慢性腎臓病の患者には腎臓病薬として使うことができない医薬品」でしたので、この対象が保険適応となることは朗報です。
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ファイザーとモデルナ EU向けワクチン価格上げ FT報道
日本経済新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
世界の医薬品の価格は、基本的に市場原理が働いています。EUに関しては、アストラゼネカ社のワクチンも供給されているものの、接種に年齢制限が付けられていることなどからファイザー社とモデルナ社の需要が多いと想定されます。そのような環境下、次回契約分については製品に競争力を有する製薬企業が価格引き上げを提案、その形で合意に至ったものであり、経済力のある国に対する普通の商交渉の結果でしょう。 欧米の場合、競争力が維持されている医薬品は、おおむね毎年値上げされています。値上げ幅は、おおむね物価上昇分を上回っており、しばしば問題視されています。一方、特許期間が切れた瞬間にジェネリックに置き換わり、オリジナル品の商品価値がなくなることも知られています。価格は、他社品との競争力や国民の経済力、保険会社との競争関係を加味して決定されています。また、人道上の理由から、発展途上国向けには、(国際社会貢献として)極めて安価な価格で提供されることがあります。 日本の健康保険では、医薬品の承認後、保険薬価収載というプロセスを経ないと保険で使うことができません。また、いったん収載した後は、毎年購入者側(政府)の考えで価格変更ができるという、世界的には異例のシステムです。(おおむね毎年値下げされます。) 日本のワクチンについては、いまのところ政府がすべてを買い上げており、薬価収載もされていません。日本にもワクチンの価格引き上げの提案があると思われますが、商談成立にならないと製薬企業は日本にワクチンの供給を行いませんので、今回の場合は、製薬企業に有利な競争環境だと思われます。
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米ウォルマート、医療分野での存在感を急速に拡大
Forbes JAPAN
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国には、国民皆保険はありません。保険に入らなかった場合は、飛び込みで自由診療=高額になりますので、これを避けたい方は、何らかの医療保険に入ることが多いと思います。医療保険商品は競争がありますし魅力的でないと顧客を奪われますが、一方で、多くの顧客を自らの契約先病院のみで診察を受けさせる力を有します。このような形が基本ですので市場原理が働き、日本のように一律な診療が提供されるわけではありません。 この元締めの役割(診療先を指定する役割)を取れれば、大きな利益を得ることができるため、特にオンライン診療をチャンスと見立てて、アマゾンやアップルが医療の領域に急速に参入しています。ウォルマートは、全米最大のスーパーマーケット・チェーンですので、極めて多数の店舗を有しており、ここにリアルの診療施設を併設することにより、存在感を高める戦略でしょう。 米国での医療ビジネスの成功の鍵は、オンラインであるか否かにかかわらず、元請けに近い立場でビジネスを行うことだと言えるでしょう。ウォルマートの規模であれば、保険会社に対して価格交渉力ももちやすいと言えます。また、無保険者も対象に、安価に医療を提供するといった「ポジショニング」も記事に書かれていますが、ウォルマートの既存顧客層(無保険者が多い所得層を含んだ、幅広い所得層)との相性が良い考え方だと思います。リアル店舗をベースとして、オンライン診療への展開も視野に入っていることも書かれています。 米国の医療は、マネージドケア会社(保険会社など)がPBM会社(医療給付会社=使う薬の種類を決める会社)と契約、さらに医療機関と契約を結んでいるケースが多く、医療機関としては、多くの患者を獲得するための手段としてこれら企業との協業が不可欠になっています。利益の多くは、マネージドケア会社とPBM会社に渡ることが問題になっていますが、米国にこの仕組みがないと、一方で医薬品の価格を自由に付けられる製薬企業がやりたい放題になってしまうため、バランスが取れているとも言えます。
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エステの超音波照射器「HIFU」 使用実態を調査へ
朝日新聞デジタル
高橋 義仁専修大学 商学部教授
高密度焦点式超音波(HIFU=High Intensity Focused Ultrasound)を美容目的に使っているとのことですが、医療に使われるものは医療機器認証がとられていることがほとんどで、そうであれば医療従事者が使う場合を想定した上でのある程度の安全性は検証されている一方、市販の誰でも買える商品は、医療機器として人体に対する安全性と肌への有効性が検証できていない商品です。 このような非医療機器を「医療効果をうたって販売」すれば薬機法違反として販売業者に重い罪が課されますが、業者側は法令違反の範囲を熟知しており、法的責任を回避できる形で販売しています。売るのは、消費者がいるからにほかなりません。 これらの商品はおよそイメージ(印象)で売られており、データのようなものがあっても、「個人の感想です」と書くか、うまくいった例だけを載せるなどをしていることが多く、実は他の要因(生活習慣の改善など)が功を奏しているかもしれません。つまり、科学的には説明能力のないものを、「例」として載せています。医療レベルが求められる領域(医療用医薬品など)では、詐欺的商法にあたるため、許されることではありません。 効果が怪しいばかりでなく、基本的に「研究用の道具」の扱いで販売されていることから取り締まれず、通常の使用法で使って起きた事故は使用した本人の責任になり、製造メーカーは健康被害についておそらく取り合ってくれません。例えるなら、「刃物」で手を切ったのは、「刃物」自体が悪いのではないという理屈です。 医療機関ではないエステが「(医療行為でない)施術」を行うことは法規上グレーゾーンで、洗顔の範囲なら可能でしょう。医療機器を使えば医療行為とみなされ、医師法違反でしょう。したがって、エステは、医療機器ではない未検証の「研究用の道具」を使用していると思います。 もとより業者側の責任の範囲が狭いことに納得がいかない場合は、利用・使用してはならないサービス・商品でした。報道からは、被害が相次ぎ、販売業者の責任を問うこともできないため、「刃物」を売ることに制限を加えようとする流れが生まれていると解釈できます。
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東芝、スカウトで社長選定 専門2社に依頼
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
東芝の場合、まずは、(1)経営者企業の弊害により非常に内向きで不透明な意思決定および粉飾決算等企業ぐるみの会計不正で企業存続の危機に直面したため、その改善として、(2)会社法既定の委員会設置会社の採用で過半数社外取締役からなる「委員会」による意思決定方式の採用と、欧米に倣った「しがらみを排除した」透明性の高い意思決定を印象付ける「形態」をとっている点において、国内トップクラスの企業です。 しかしながら、社外役員の人選はおおよそ「経済団体」および「国家」の影響を強く受けたもので、見るべき方向は、本来「株主」であるべきところ、そのようにはなっていないように見えました。 「日本の企業ならばまず国家を思え」は、非上場であれば通る可能性のある話ですが、東芝はれっきとした上場企業です。現時点で過半数を大きく超える株式を所有する「外国人株主」にとって、日本国国家の概念は重くはありません。東芝が、日本の電力を支える企業として、東京電力とともに歩み、成長し、日本を支えてきたことには感謝あるのみですが、企業としてのあるべき姿は、企業の社会的責任(CSR)を満たしたなかでの、現在の株主の利益の最大化のはずです。 これら普通のことを、普通に理解できる方を人選し、しがらみを排除して実践することが、東芝に最低限必要なことと思います。形式を整えることには、これまでも非の打ちどころのない企業でした。しかし、毎回うまくいかないのは、根底にふさわしくない考え方が流れているためだと思われます。その意味で、スカウト人事は、条件にあう人材を見出す手段になり得ると思います。
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モデルナ製ワクチン、供給に遅れ 盆明け以降の職場接種に影響
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米モデルナ社製ワクチンの海外向け商品の生産遅延に関する内容は、以下のReuterによる報道(2021年7月27日付)で詳しく報告されていました。 https://www.reuters.com/world/asia-pacific/supply-issues-delay-moderna-covid-19-vaccine-shipments-skorean-official-2021-07-27/ 記事は、おそらく韓国を対象に書かれたものですが、2021年7月30日の河野大臣が記者会見した内容も同一の原因と思われます。 要点としては、 ・研究所の品質確認プロセスで問題が生じた ・スイスのロンザ・グループとスペインのラボラトリオス・ファルマセウティコス・ロビの分が影響を受けていると推測される ・問題自体はすでに解決されたが、生産の遅れは今後2〜4週間引き続き生じる見込み ・韓国政府が接種キャンペーンを行っている50代、電子セクターの労働者に拡大する分に影響がある(記事の発信は韓国です) ・混乱により、(韓国では)一部の予防接種をファイザー社製に切り替えた ・韓国に影響を与えるだけでなく、製造現場からの供給を受ける国々に共通の問題である などとなっています。 記事からは、意図的に米国外への輸出分を調整するのではなく、海外向けの製造になっている工場での生産遅延のため、海外分に遅れが発生することが読み取れていました。これにより、韓国のみならず、日本向けの遅延も予想されていました。 モデルナの新型コロナワクチン、米国外での提携先で生産に遅れ(Bloomberg 2021/7/28) https://newspicks.com/news/6050624?ref=user_1310166
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メダルとコロナの「Wラッシュ」で、日本に起こる3つのこと
Diamond Online
高橋 義仁専修大学 商学部教授
長文ですが、素晴らしい洞察に富んでおり、興味深く一気に読みました。共存しかないのだろうなと思う一方で、コロナを単なる風邪としてみて、一気に普通に生活させるような社会には、少なくとももう少し長期間の観察を重ねた後でないと「そうならない」と思っています。 日本の死者が少ないのは、中等度以上患者が入院する施設の医療の充実によるものでしょう。医療が機能しない状態になったときには、日本も他国に近い死亡率になると思われますが、その不幸な瞬間は一気に来ることと、来た場合はもはやコントロールできないことも想定されます。 イベルメクチンの「安価な医薬品を流通させると困る人たちがいるため、それを流通させないような力が働いている」との論調については、医薬品業界を知るものからみれば、そのような力はどこにもなく、逆に流通させる力が働くのであればわかります。 現状、新型コロナ関係の医薬品の購入は各国政府が行っており、高額な医薬品を購入したい動機が見当たりません。ジェネリック企業にも、イベルメクチンを製造し、売るという経済的な動機は働いています。ジェネリック企業の場合は、自社で臨床試験が実施できない理由があるにせよ、極めて有望な根拠があるなら「経済的動機のある」政府が動くはずです。 イベルメクチンは「抗寄生虫薬」で、線虫の神経・筋細胞に結合し細胞膜の透過性を上昇させ、駆虫活性を発現するという作用機序をもちます。ウイルスに対しては、核内への運搬蛋白とウイルス蛋白との結合を阻害することにより、ウイルスの自然免疫抑制作用を解除し、ウイルスの増殖を抑制するとの仮説は立てられているようです(この場合、コロナウイルスに特異ではありません)。 イベルメクチンの効果として、「飲んでおけばすべてのウイルスの力を弱める」があるとするなら、その仮説をもとに背景をそろえた2つの群で、二重盲検試験にて効果を示せないと医薬品としての第一歩を踏み出せませんが、これがありません。 ない状態で、「WHO、FDA、米感染症学会がコロナ適用しないよう勧告した」ことには違和感はありません。まずは、臨床試験で成果が期待されます。 人流が抑えられていると言いますが、都心ではそうですがおそらくリゾートではかなり増加しています。オリンピックを開催することによる、間接的な警戒感の欠如によるものでありよい状態とは思えません。
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バイオジェンとエーザイ、アルツハイマー新薬の試験詳細を公表
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
詳細が公表された試験は、2021年6月8日に米国で承認を得た「アデュカヌマブ」に関するものです。「アデュカヌマブ」は、アルツハイマー病の初期段階の患者に対し、その原因物質の1つであると推測されているアミロイドβを取り除くことで認知症の進行抑制を狙う薬で、この作用機序を有する医薬品としては世界初です。 否定的な意見も出されている中で、認可当局の米国FDAは「有効性の面で不確実性は残っているが、患者への利益がリスクを上回る」と判断しましたが、審査に係わった複数の委員から異議が唱えられ、抗議の辞任を招くなど、異例の混乱が生じています。また、認可に際し、バイオジェン/エーザイには承認後に追加の臨床試験を行うよう求められており、ここで良好な成績が見られない場合は、承認を取り消すとの条件が付けられています。 アルツハイマー型認知症は、初期段階から約10~20年かけて進行することがわかっており、この間の臨床的な有効性を見るためには、この試験の実施期間に少なくとも5年間必要という判断でしょう。製薬企業としては、さらに長期間の臨床試験を設定したかったところ、当局との折衝から最長5年後をエンドポイントとすることで折り合ったというところではないでしょうか。 当医薬品の治療費は、年間5万6000ドル(約610万円)と企業から発表されており、当該領域の医薬品の性質上、生涯投与し続ける必要があります。アルツハイマー型認知症の患者は非常に多いことから、患者数から判断して、当医薬品の売上額は全世界で、年間5000億円~1兆円以上と思われます。(米国での患者数は510万人を上回ると言われています)
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ワクチン売上高3.7兆円 ファイザー、年間予想修正
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
これまでの報道を総合すると、ファイザー社製ワクチンの1回あたりの単価は約3000円くらいではないかと考えていましたが、今回の企業発表の数字から割り戻すと単価は約1762円であり、予想していたよりもやや安いという印象です。今年5月の企業発表では、2.8兆円の売り上げ見通しのところ、短期間での大幅な上方修正になります。 ファイザー社のワクチン影響なしの2019年12月期では、ファイザー社の売り上げは約5.5兆円でしたので、大幅な売り上げの積み増しですが、世界の何百社もの企業がワクチン開発のために、各社とも数十億円~1000億円を超える開発費を投じたなか、ファイザー社をはじめ、ごく一部の企業だけが(少なくとも短期的な)成果を得られているのが実情であり、世界を救うほどの貢献をしたファイザー社のワクチン売り上げが「当年度3.7兆円」であることに特別な違和感はありません。 もともと、製薬企業のビジネスは投機的な色彩が濃いところ、また日本のような支払い側の圧力の強い国では長期的に厳しい経営環境にあると予想されています。コロナ禍で得られたケース・スタディーからみても、自由市場においては「研究開発の自由度が高く、医薬品の価格がある程度自由に付けられる国への研究開発機能の移転」を考える企業が増えることが予想されます。
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ファイザー有効率8割に低下か 2回目接種の4カ月後以降
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
同僚研究者によるチェック(査読=ピア・レビュー)を受けていない段階での報告ではありますが、ファイザー社製ワクチン接種者について、米独など6カ国で4万人以上を対象に実施した追跡調査に基づくものですので、現段階の発表でも信頼性の高いものだろうと思います。 これまでも使用実績に基づいた専門家の見解として、2回接種での抗体は少なくとも6カ月間は持続するものの、その後徐々に減少し、1年以上だと厳しいのではないかと言われはじめていました。結果を踏まえて、新型コロナウイルスワクチンの3回目(以降)の接種の必要性を検討されていますが、インフルエンザワクチンの抗体の持続期間が5カ月程度であることにより毎年接種する必要があることは知られていますので、今後、コロナウイルス・ワクチンも同様の接種方法が推奨されていくことになるかもしれません。 有効率が8割に低下することについては、従来株への抗体価の低下によるものか、その間の変異株への抗体価の低下によるものか、複合要因かは記事からは明らかではありません。今後示唆されるものと思います。 同ワクチンは、米国での緊急使用許可は数万人の臨床試験に基づくものですが、長期成績が不足していることにより正式認可を受けられていません。状況が明らかになると正式認可につながりますので、今回のファイザー社からの発表は、そのためのデータ整備のなかで得られたものだと推測します。
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アストラ製、40歳以上で検討 厚労省、「臨時接種」対象
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
アストラゼネカ社製ワクチンについて、認可されながら、接種に使用されていなかったのは、現在使用されている他のワクチンが使えるのであればそちらを優先したほうが良いという判断でした。予備ワクチンとしての備蓄目的通り、市中での緊急接種の必要性が増してくれば、使用を急ぐ判断がなされるのは当然のことだろうと思います。 接種年齢が40歳以上との指定は英国での使用基準に倣っています。英国での根拠は、極めて稀に起こる血栓症の副反応に対するリスクと感染防止のベネフィットを計算に入れたもので、他のワクチンの供給も十分なためです。 2021年5月上旬現在で、英国において、同社製ワクチン接種後に血栓が発生した確率は、40代では約10万人に1人とごくわずかですが、30代では6万人に1人にやや上昇。また、血栓による死亡率は40代では100万人に2人ですが、30代では100万人に4人に増えています。また、若年層では新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクが低く、英国の事情として、すでに若年層でもワクチン接種者が増え、感染率自体が低下していることによります。 英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)によると、アストラゼネカ社製のワクチンについて、「(接種の回数が増えて得られたデータを踏まえると)年配の人々では有益性がリスクを大きく上回るが、若い人々の間ではバランスが微妙」であり、「ワクチンの使用を検討する際には、データを考慮する必要がある」としています。 日本でも、このようなデータは、希望接種を検討してもらう際には判断材料として提供されなければならないでしょう。総じると、アストラゼネカ社製を含め、ワクチンの接種は強く推奨されていることであり、感染抑止に有効であることは証明されています。 参考記事 英、40歳未満に別ワクチン アストラゼネカ製の副反応考慮(アジア経済ニュース 2021年5月10日) https://news.yahoo.co.jp/articles/cf6861c147d138ee4e870ba439411bfe25d2709f
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SOMPO傘下、介護職ら1000人の年収100万円引き上げ…深刻化する人手不足に対応
読売新聞
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