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コロナウイルス5分で検出 世界最速、理研が開発
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事には、概要しか書かれていませんので、研究者のリンクを掲載します。
「新型コロナウイルスの超高感度・世界最速検出技術を開発-汎用的な感染症診断技術としての応用展開に期待-」
https://www.riken.jp/press/2021/20210419_2/index.html
マイクロチップのそれぞれの点(素子のようなところ)が「微小試験管」で、ここに特異的なウイルスで蛍光を発する試薬を仕込んでおき、微小試験管に見立て検体を注入して検査に用いるという素晴らしい研究成果です。特別な技術を必要とせずに「微小な試験管にスポットで個別の検体を仕込ませるか」が実用化の壁のように思え、「きわめて大量の検体を同時に測定した場合」でないとコストダウンにならない点も実用化の上での課題になるかもわかりません。
マイクロチップへのバイオ試薬の組み込みはバイオ・インフォマティックスの先端領域で研究が盛んだとは聞いていました。チップとこの蛍光発色測定法の組み合わせが新規だと説明されています。
実際は、ここからも大変な労力が必要で、採算性の問題も生じると思いますが、うまく進み、研究の成果が実用化されることを願っています。
西武グループ企業、雇調金1・6億円を休業手当に充てず…会社利益に
高橋 義仁専修大学 商学部教授
雇用調整助成金を申請書通りに受給したのに、申請書通り従業員に支給していないとの報道です。意図的に不正申請をしたのであれば、詐欺罪の適用が想定される事案だと思います。
申請通り10割分を従業員の報酬に補填することが基本ですが、同社のように歩合給部分が多く、同社の給与制度がそれに伴わない場合は、(1) 同社の給与制度に関わらず前年実績通り従業員の給与に補填するか、(2) 事後的に残余分を返還させるかする必要があるでしょう。
行政には、雇用調整助成金の趣旨に則した運用の管理をお願いしたいと考えます。同種の事案はすでに多発していると思われます。雇用調整助成金支給の決定先(法人名、住所等特定できる情報を含めて)、支給割合の公開は必須で、できれば所属先の従業員にそのことを知らせる書面の送付をもって、さらに「公益通報窓口」の設置くらいはしないと、正常な運営は望めないでしょう。
給料を支払う企業のネコババを防ぐのに必要だと思います。残念ですが。
アストラゼネカ、年内に南ア変異株対応コロナワクチン用意も
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事には、同社のオーストリア担当マネジャーの発言として、3つのことが書かれています。
1 変異株に対する研究開発
医薬品の研究開発として取り組んでいるという内容で、現在行っている方向性を話しています。すでにワクチンを発売している企業なら、次に取り組む方向性として至って自然です。
なお、承認がとれているワクチンと同種の製造法で製造する場合、変異株に対する改良を加えても、新規で臨床開発をする規定を外し、数万人規模の臨床試験までは新たに必要ないとの指針が出ています。
2 発売中の新型コロナワクチンの供給
同社のワクチンは、一時、供給不足と伝えられていましたが、今回のインタビューでは3億回分のワクチンを供給契約の履行には問題ないとの見通しを語っています。
3 接種リスクについて
接種の恩恵が接種のリスクを上回ると考えていることが意見として話されています。
記事は、企業の見解に基づくものです。
ワクチン全員分、9月に調達 首相、米製薬会社と実質合意
高橋 義仁専修大学 商学部教授
これまで、ファイザー社のワクチンの供給見通しについては、政府高官が6月末までに調達できるとの見解を示し、直後に河野大臣がこれを否定。もともと、ファイザーとの契約内容(当時)は、2021年末までの供給としか確定していなかったはずです。これに、「5000人分は9月末まで」という約束が、付加的に得られたことは朗報です。
世界中でのワクチンの争奪戦が繰り広げられていますが、ファイザー社製ワクチンは米国向けは米国(自社)で製造、他国向けにはベルギー(自社)で製造されている模様で、現在日本に入ってきている分はベルギー製造分のはずです。
想像ですが、日本の窮状が米国政府を通じてファイザー社本社に伝えられ、「米国での余剰見込み分を優先的に日本に供給する」という形で、合意ができたように思います。(日本と米国のパートナーシップだけで何とかなるため)
ファイザー社との契約量は7200万人分で、この内5000万人分の供給が9月末までに見込まれるとしても、残り6000万人以上の対象分の多くが他のワクチンの承認(他国での副反応の現況を含む)・製造・供給といった、外部要因に大きく影響を受けるため、確実性は高くありません(政府がいくら頑張っても限界があります)。また、医薬品の性格上、ファイザー製に将来重大な副反応が起きない保証はありません。余剰分の確保も必要です。(米国などはそのことを想定して、総合的な手当てが初期からできていました)
米国は、単一国として世界最大の医薬品市場を有し、また基本的に医薬品に自由価格が付けられます。米国の医薬品は高くその点では批判を受けますが、研究開発しやすい環境も整っており、米国の外貨獲得の手段として大きな機能を有しています。
製薬技術は、19世紀に欧州(特にドイツ)で発展しましたが、その後多くの企業は拠点を米国に移転しています。ファイザー社の発祥もドイツですが、現在本社は米国にあります。
そのため、ファイザー社米国本社との交渉で、追加供給の打診も行っているはずですが、そのことに関する見通しは、記事ではほとんど触れられていません。日本政府のワクチンの調達計画に協力する形で、日本企業は国内で多額の投資を行っています。これに多大な影響を与えることから、トップシークレットのはずです。
HIV感染確認者が2割近く減少 コロナで保健所の検査休止 影響か
高橋 義仁専修大学 商学部教授
新型コロナウイルスによる影響は、多くの医療機関が受けており、手術が通常のスケジュールで実施できないことや入院が必要な患者への対応に深刻な問題が生じています。これと「HIVの保健所での検査」が同じ性格をもつでしょうか。
コロナ禍では外出機会が減少しています。病気の重症化や発症は外出機会の減少と大きく関係ないものと思われますが、2020年の「交通事故死者数」は対前年比11.7%減、同「交通事故重傷者数」は13.3%減でした。交通事故に関しては、交通量の減少と連動した傾向がみられています。(「令和2年中の交通事故死者数について」、2021年1月4日、警察庁発表)
当記事では、「HIV感染確認者が18%減少」したことは、「保健所で検査休止期間があったことに伴う検査数減少が理由」と結論付けられていますが、果たしてそれだけでしょうか? この点に影響を受けている可能性が全くないとも思いませんが、「外出機会の減少に伴い、実際に減少している可能性が大きい」ことが現時点では排除できないと思います。
当記事が、「検査をしましょう」という広報目的なら構いませんが、影響する因子がほかにも想定できることから、分析のレベルとしての納得感は大きくない印象を受けます。
小林化工 高血圧薬 鎮痛剤など12品目 製造販売承認 取消処分へ
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事によると、小林化工は、「長期間保管しても成分が変化しないか確認する試験で定められた期間より1週間程度短縮して行ったのに正しく行ったとの虚偽記載があった」とのことです。
ジェネリック薬の承認では、先発医薬品(研究開発した企業の商品)では必要な臨床試験は求められないため、ジェネリック薬メーカーは、研究開発費の大幅なコストダウンが可能です。ただし、先発品の臨床試験成績に乗っかっている以上、先発品との同等性を示す必要があります。
具体的には、「先発医薬品と有効成分及びその含量、用法及び用量、効能又は効果が同一であり、貯蔵方法及び有効期間、品質管理のための規格及び試験方法が同等以上であること。」との基準をクリアする必要があると、「承認申請要件」に規定されています。
厚生労働省への申請資料を偽造していたわけですから、同省からの「取り消し」処分を受けます。「長期保管試験をすると発売が遅れるので、規定より少し短く試験を終了させた(期間の計算ミスの可能性もあり)。早く飲みさえすれば問題ないのでごまかしてしまえ」といった動機ではありそうですが、対象として12品目も指摘されており、同社はジェネリック薬としての最低限の品質確保の意味を理解していないように感じられます。
【追記】4月17日の同社の記者会見で、理由を「少しでも早く発売したいがために規定より少し短く試験を終了させ、書類を偽造した」との報告がありました。
飲食店は“大荒れ”なのに、なぜニトリはファミレスに参入したのか
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ニトリは、資本の蓄積に伴い、店舗大型化の事業構築が可能になっています。店舗スペースを商品陳列だけに使ってきましたが、それ以上の展開が可能になってきました。「レストラン」の目的は、来店機会の増加と、滞留時間の上昇でしょう。付随的に、ニトリ世界観の「ショールーム」として活用でき、ニトリがターゲットセグメントとして重視している若いカップルやファミリー層の嗜好性に合わせてくるものと思われます。
「コロナ禍なのに」という批判については、混雑を招くような企画を打つなどすれば、そのような批判は招く恐れはありますが、他の飲食店が対策をとっているような「感染防止対策」を実施する限り、問題に発展することはないと思われます。
食事をしないわけにいかないわけですから一定の需要はありますし、飲食店に携わる人材確保の視点では実施しやすい状況です。
外部環境(需要)は悪いが、内部環境(人材)の拡充には良いタイミングで、事業体制は組みやすい。来客数が少なければ、徐々に進めていける余裕もある。手元資金に余裕がある企業にはリスクは高くなく、シナジーが得られる戦略だと思います。
CVC、東芝への正式な買収提案を当面保留-報道
高橋 義仁専修大学 商学部教授
取締役会が反対していることが明らかになっていますので、これ以上の提案を同取締役会に行う意味がないため、仕切り直しをする意向が伝えられています。買収提案自体は、単にCVCへの投資家利益の実現を目的に行われるのが企業としてのあり方ですので、東芝前社長の利害にはほとんど関係ないでしょう。
今後は、
(1) 日本国内の金融機関や政府系ファンドの出資を得た上で、東芝経営者の同意を得て、再度友好的なTOB(市場公開買い付け)または第三者割当増資を行う →東芝はファンドの傘下に
(2) 同意を得るか否かに関わらず、敵対的TOBで同社の株式を取得する →東芝はファンドの傘下に
(3) CVCとしては、買収を実施しない →現状のまま
また、このような動きには、世界中のファンドが東芝に注目していますので、CVCが実施しなくても、他のファンドがTOBを実施する可能性もありうると考えるのが妥当です。
J&J、ワクチン競合に血栓リスク研究で連携要請 アストラ同意=報道
高橋 義仁専修大学 商学部教授
医薬品は、有害事象が出た事例については、全例の報告義務が製薬企業に課されており、医療従事者にも協力義務が課されています。また、医療従事者から行政に対する直接的な報告ルートもあり、それらは十分に機能していると考えられます。
このような状況で、血栓リスク研究を行うために、業界の自主運営ベースで副反応情報を蓄積するといっても、なかなか情報の質が担保されないと思われます。当該事案には、各社副反応全例の情報共有をするように義務付ける強制力をもつ、例えば政府の介入などがない場合には、うまく機能しないと思え、今回の事案でも、案の定、不協和音が響いています。
なお、医薬品が原因でごくまれに起こるとされる血栓症は、これまでも多くの医薬品で指摘されており、因果関係はほぼ認められているものの、原因が完全には明らかになっていない場合がほとんどです(漠然と免疫応答反応によるものとは考えらえれています)。こういった事象の全体像の解明につながる研究ですので、大いに意義があると思います。
フジ、有価証券報告書を訂正=外資比率算出ミスで
高橋 義仁専修大学 商学部教授
フジ・メディア・ホールディングスは、この問題を以前から知りながら、「過去の有価証券報告書を訂正しなかった」不誠実さは否めません。
しかしながら、放送法に「外国資本の議決権割合が20%を超えた場合には免許を取り消す」とされているため、免許取り消しを恐れて、そうせざるを得なかったのだという点も事情もできます。(株式の一次的な基準越えは、上場企業である以上、自社でコントロールできません)
政府も、外資を制限する法的規制を作っておきながら、放送法対象企業の株式取引は電子取引には規制をかけずに放置、結果、上限越えとなった放送法対象企業を事後対処で混乱させる原因を作っています。このことにより、株式市場も混乱します。
外国資本については、「全面禁止か上場させない」方針で規定しないと、この種の混乱は繰り返されると思われます。「外資規制」の具体的な指針作りは急務だと思います。
ファイザーCEO、1年以内に3回目の接種が必要な公算大-CNBC
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ファイザー社製新型コロナワクチンを2回接種した後の免疫は、麻疹(はしか)や風疹(三日ばしか)のように終生続くタイプものではなく、インフルエンザワクチンと同様、毎年の接種が必要になるタイプではないか? との目算を述べたものでしょう。
同ワクチンの大規模での臨床試験(臨床第2/3相)の開始は、2020年7月下旬ですので、極初期の接種者のデータ(抗体の維持)は、現在で最長8カ月間程度は蓄積されていると思います。また、2021年2月下旬には、3回接種の臨床試験も開始されています。
これらが集計され、科学的な分析を加えて、1年以上の抗体維持が検討されるものと思われます。さらに追加の臨床試験を行った上で、「用法・容量」が更新される流れになると思われます。
「毎年接種」については、当ワクチンの市場性に関して与える影響が大きいため、経済ニュース(Bloomberg)の関心事ではあります。
東芝、買収提案を拒否へ 「上場維持は絶対」
高橋 義仁専修大学 商学部教授
上場を維持するなら、公開買付TOBの可能性(受け入れ難い企業から見れば危険性)が高まることは承知の上としなければなりません。外国法人の所有比率が60%を超える同社の株主に、「日本の国益を損ねるので、TOB応じないで」とのお願いは期待もできません。上場を外した場合は値付けが複雑で、やや買付が難しくなりますが、それでもTOBはありえます。
TOBされた場合には、価格次第ではありますが、どこかの傘下に入ることを阻止することは難しいかと思います。どこかの傘下なら、親会社に上場廃止の決定権が移ります。こういうシナリオは、東芝再建の時点、ファンドの出資を受けたときに想定はできていたはずです。

【1分解説】東芝買収のゴタゴタって、結局何だったの?
高橋 義仁専修大学 商学部教授
良心的に解釈すれば、車谷元社長は、元CVCキャピタルの日本法人代表取締役会長という利害関係者だったため、株主に対する透明性確保の観点から、買収検討のメンバーには入らなかった。しかし、それでも、利害関係があるという世間からの指摘を回避するために、取締役にとどまることも避けたいと考え、自ら辞任を選んだ。
ということになると思いますが、友好的買収の打診が、元社長の意思と関係のないところで起こっていることが建て前ですので、辞任まで決断することはおかしい・・・だとすれば、ここにどのような力が働いているのかという点に興味が尽きません。
また、元社長の辞任でも、同社の買収や同社への出資の可能性は引き続き存在しており、さらに友好的買収の打診を拒否した場合でも、敵対的TOBはありうるわけですので、このドラマは第一幕が終わったに過ぎないところと思います。
中国が国内ネット関連企業34社呼び出し-反競争的な慣行の是正命じる
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ネット関連企業大手は、構造的に特定の領域ごとで、私的独占が起こりやすい環境にあります。私的独占とは、「事業者が単独又は他の事業者と共同して、不当な低価格販売などの手段を用いて、競争相手を市場から排除したり、新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為」であり、これがおきると、下請け企業の利益が損なわれ、消費者には結果的に起こる無競争状態からの価格の高騰などの不利益が生じます。
市場の機能で防ぐことには限界がありますので、各国は法律を整備し備えています。談合など違法性が明らかな場合もあるものの、正常な商習慣との線引きが難しいことも多いと思われます。日本では、違反と認定されても処分は甘い傾向があるのに対し、米国・欧州などは厳しく、日本企業が海外事業で非常に大きい(日本国内の感覚からすれば常識外れの)罰金を受ける例が散見されます。
特定の大企業に対する対抗勢力を育て、裾野から産業の振興を図ることに役立つものですが、容疑事実が明らかでない段階で違反企業を呼び出し「指導」するやり方は、いかにも中国的に映ります(抑止効果は大きいでしょう)。
大手電力会社・ガス会社が独禁法違反か 公取委が立ち入り検査
高橋 義仁専修大学 商学部教授
企業独占によって生じる、本来得られなかった「価格引き下げ」のデメリットは、消費者がかぶります。電力や都市ガスは存在するインフラが地域固定のため独占が生じやすいことが問題でした。そこで、料金の設定にルールを設け、認可制にもしていたものの、一般商品にみられる「価格競争」は起こりません。
そこで政府は肝いりの政策として、2016年4月に電力自由化を、2017年4月に都市ガス自由化をスタートさせました。
例えば、電力自由化は、(1) 誰でも電力供給事業者になることができる (2) どの供給事業者からでも電力を買えるようにする (3) 誰でもどこへでも既設の送・配電網を使って電気を送・配電できるようにすることとすることによって、競争環境が実現しました。目的は販売業者間の「価格競争」を促すことにあります。
しかし、自由化をしても「談合」をされてしまうと骨抜きになります。立ち入り調査の段階ですので、断定的なことは書けませんが、肝いりの政策に関することですので、政府は本気になって調査すると思います。
福島第一原発 トリチウムなど含む水薄めて海洋放出決定へ 政府
高橋 義仁専修大学 商学部教授
「この問題は福島だけの問題ではないと感じている。政府は方針を決定する前に全国民に対してしっかり水の安心や安全の理解を進めなければならない」とのコメントが記事の中にあります。まったくその通りだと思います。
世界の原子力発電所でも、日本でも事故以前から、除去できない性質のトリチウムは海洋に放出しているとのこと。本当に危険でないなら、いっそのこと全国の海洋で均等に放出し、不満を分かち合ったらよいのではないかと思います。
「風評対策や補償 具体的説明ない」とのコメントが記事中にあります。隠蔽がないことや、日頃からの誠実な対応がないと、住民の皆さんからの信頼が得らえず、原子力発電の全体の運営に影響します。わかっているはずなのですが・・・

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