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ファイザー製ブースター、65歳以上と高リスク者限定-FDA委勧告
Bloomberg
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ワクチンの「3回目の接種」に関しては、2回接種時(約2万例)に比べ現時点での判断に使える症例数が極端に少ないため、効果・副反応リスクが読めておらず、若年層でベネフィットがリスクを上回ることへの確信をまだ持てないと諮問委員が考えているとの報道です。 原記事には、以下の内容が書かれています。 1 ハイリスクグループ(65歳以上か基礎疾患ありの方等)への接種に対する意見 ・3回目接種を行うべき(18-0の全会一致) ・仕事のためにウイルスにさらされる可能性のある医療従事者などを含める 2 全人口接種に対する意見 ・委員国立衛生研究所の科学者マイケル・クリラ氏「現在のデータが一般の人々に適用可能または必要か否かは私にはわからない」 ・委員フィラデルフィア小児病院のポール・オフィット氏「若い男性の心臓の炎症のリスクに関するより多くのデータをみたい」 原記事: https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-17/two-fda-panel-members-question-need-for-broad-booster-approval 諮問委員会はFDAに助言する機能を持ちますが、最終決定権はFDAにありますので勧告通りになるかはわかりません。2021年8月19日の報道によれば、FDAは8月18日、米国の全国民を対象とした新型コロナウイルスの追加接種を承認(緊急使用許可)したと発表していました。追加接種の開始は9月20日からで、規定回数の接種終了から8か月経過した人が対象となるとのことでした。諮問委員会の意見が採用されれば、実際の接種の対象者が一部変更されることになります。 「コロナワクチン、米が追加接種を承認 9月20日から全人口に」(AFP 2021年8月19日) https://newspicks.com/news/6111873?ref=user_1310166 FDAと諮問委員会の意見の相違は、米国ではしばしば見られます。エーザイと米バイオジェン社が共同開発した、アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」についても、諮問委員会の大勢が科学的根拠が不足しているとして反対声明を出しましたが、FDAは2021年6月8日に米国で承認を与えた結果、複数の諮問委員がこれ抗議して辞任したなどの事例があります。
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抗原検査キット、来週にも薬局での市販解禁
読売新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
抗原検査はPCR検査よりも精度が劣り、そのPCR検査の感度でさえも「高くて70%程度」とされています。そのため、以前政府はさらに精度が劣る自己検査に対し「行わないよう」注意喚起していましたが、オリ・パラが終わったからか、180度方針転換したようです。ただし、高い不正確性が存在していることは知っておく必要があると思います。 現在一般に市販されている「新型コロナウイルス抗原検査キット」なるものは、単なる「研究用素材」でした。物質をつかった個人の「研究行為」は禁止できないという状況のため、放置されているものです。 抗原検査キットは「体外診断用医薬品」に該当します。認可を受ける必要性があるのは法規によるもので、根拠は以下の通りです。 1 未認可品では性能が保証されない 「抗原があるのに抗原がないと判定される誤差、抗原がないのに抗原があると判定される誤差」が想定され、承認を受けていないケースでは信頼性が保証されません。何回か性能テストをしてよいものを使うなどの操作があってもわかりません。 2 誤用や誤った考え方で被害が広がる 「医学・薬学・公衆衛生学の理論に基づく知識」と「正しい取り扱い(検査)方法」の両方を兼ね備えていない場合、「大丈夫」と本人が思っていても大丈夫ではなかったり、特に感染症の場合、不用意な行動で感染を拡大させる恐れがあります。 国が承認したものでも、一般用医薬品(薬局で売れるもの)としての承認であれば市販されますが、一般用医薬品への適応は一般の方でも操作に誤りが少なく、非侵襲的(体を傷つけず)で、判断の齟齬が生じ難く、すでに医療用(病院でしか使えない)として長期に実績のあるものに限られており、日本では尿糖・尿蛋白検査薬(平成2年~)、妊娠検査薬(平成3年~)のみしか認められていません。 体外診断用医薬品として認可された新型コロナウイルス抗原検査キットは、病院(医療用)でしか使うことができなかったわけですが、異例の速さで一般用販売が認められることになります。 引用を含む詳細は以下に記載しています。 https://newspicks.com/news/5758673?ref=user_1310166(2021年4月12日) https://newspicks.com/news/5830992?ref=user_1310166(2021年5月9日)
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コロナワクチン 3回目の接種行う方針固める 厚生労働省
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
コロナワクチンの第3回接種の判断については、 「河野大臣“ワクチン3回目接種分も確保」(日テレ 2021年8月16日) https://newspicks.com/news/6104057?ref=user_1310166 の報道があった時点で海外を追随するものと考えていましたので、現時点での驚きはありません。理由を以下にコメントします。 新型コロナ感染症が蔓延する以前と以後で大きく薬務行政の方針は転換されました。以前は、日本民族での有効性・安全性の確認が必要とされ、海外で常識的に使用されているケースを除いては、日本でも多数例に対し臨床第3相試験を実施しての、臨床上の有効性と安全性の確認を求めていました。 ワクチンでは、当初はこの方針でしたが、日本でエントリーできた臨床試験の症例数が極端に少なく(海外では4万例弱、日本では400例弱)、日本での臨床上の有効性を統計的に示すことが出来ず、単に接種時期が遅れただけになり、この時点で強く世論に押され政府の指示で方針転換された模様です。つまり、日本で臨床試験の結果がほとんどなくても、新型コロナワクチンは、海外で承認されていることを条件に日本で薬事承認を出されました。 抗体薬はさらに積極的に承認を決めています。これに対しては、外国で比較的使用実績があることを前提に、日本では比較的多数例のエントリーを必要とする臨床第3相試験を行わず、かつ、外国で承認さえされていなくても、日本で特例ながら正規の薬事承認を出しています。(制度上は、発売後の使用が臨床試験を兼ねるという考え方に基づきます) 現在はこのような方針から、日本独自の臨床開発は不要として運用されるようになりました。日本での臨床試験が難しいことに起因するものではあるのですが、わずか半年の間での変化の激しさに驚かされます。 本来製造承認に必要な製造工程管理も、海外生産拠点での実際の査察はおそらく実施されておらず、外国が行った資料を参照しているのみと思われます。この結果、例えば異物混入等のトラブルがあった場合、政府での自己解決は難しく、確認は外国任せにならざるを得ない状況だと思います(国内の企業のトラブルならば、当然に日本の行政が査察します)。 本日の報道は想定通りの発表との理解です。日本独自の判断基準をもたない以上、今後も海外(特に米国)の方針通りに動くはずです。
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モデルナ、新型コロナワクチン免疫低下の可能性が新たな解析で判明
Bloomberg
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ファイザー製、モデルナ社製とも、かねて(1) ワクチンの2回接種で高い中和抗体価が獲得できる (2) 2回接種後6~8カ月後頃には大きく減弱するとのデータは報告されていましたが、今回の報告では、「接種後時間がたつと『臨床上』で感染抑制率が低下した」ことが示されたことに大きな意味がありますが、予想された範囲内であり、既決の方針に影響は及ばないと考えられます。 解析結果は、9月15日に開催されたモデルナ社の記者報告会で紹介されました。 関連する資料は、掲載されているpdfの7ページ以降で、11ページに解析結果が掲載されています。 「Moderna COVID-19 Vaccine Update」(Moderna 2021年9月15日) https://investors.modernatx.com/events/event-details/moderna-covid-19-vaccine-update この資料でモデルナ社は、他社と比較し、ワクチンの差別化行っていることから、同社の今後のワクチン戦略を読むことができます。ただ、直接比較でないことや米国未承認の内容も含まれていますので、ここ(NP)での詳細の紹介は見送ります。 米国においては、ファイザー社とモデルナ社はともに、2021年8月18日、FDAから追加接種(ブースター接種)の承認を受けていました。規定回数の接種終了から8か月経過した人が対象で、追加接種の開始は9月20日からと発表されています。ただし、実際の接種は、ファイザー社製を用いてはじめるともアナウンスされています。 「米のワクチン追加接種計画、ファイザー製のみで当面実施=関係筋」(9月4日) https://newspicks.com/news/6159594?ref=user_1310166 「コロナワクチン、米が追加接種を承認 9月20日から全人口に」(8月19日) https://newspicks.com/news/6111873?ref=user_1310166 ファイザー社製のワクチンの接種後のデータは以下の通り。(7月28日、p26~27) https://s21.q4cdn.com/317678438/files/doc_financials/2021/q2/Q2-2021-Earnings-Charts-FINAL.pdf
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ヤマダHD、三嶋社長が健康上の理由で辞任 山田会長が兼務へ
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ヤマダHDの三嶋恒夫前社長(すでに辞任)は、同社に2017年ヤマダ電機(ヤマダHDの前身)に入社後会長付顧問を経て、執行役員副社長に昇任、2018年から代表取締役社長をつとめていました。1959年生まれ(62歳)と日本の大企業役員としては若いとも言える年齢です。同氏が社長に就任してからの業績は右肩上がりでしたが、2022年度第1四半期(2021年4月1日~2021年6月30日)はややブレーキがかかっていました。 当初から企業経営を託され、入社されたようにお見受けするご経歴です。同氏は、大塚家具の代表取締役会長兼社長もつとめていますが、大塚家具からは案内は出ていません。しかし、大塚家具がヤマダHDの完全子会社化している経緯と、辞任の理由が「健康上」とのことですので、こちらの役職も早々に辞任されそうです。 ヤマダHDの創設者で代表取締役会長兼CEO山田昇氏の発言力に強く影響を受けていると思われます。山田昇氏は現在78歳、いずれにせよ早々に次期社長にバトンタッチする必要があると思われ、同社はしばらく混乱しそうです。 外形的には日本電産、ソフトバンク、ユニクロなどであったケースと似た事情(強力な創業者と後継候補者の考え方の相違)に見えます。任期中の取締役の解任は会社法の規定により認められず(株主総会の承認が必要)、脱するには辞任以外に方法はありません。辞任理由が「健康上」とならば同氏の今後のキャリアに影響がありそうです。 報道などで直接三嶋前社長から話を聞きたいと思います。憶測なので今はこれ以上は書かず、関連記事が出てきたら追記します。
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月額医療費1000万円以上の人、過去最多の延べ1365人…6年で4倍以上に
読売新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記載されている記事は、日本の医療用医薬品の現状に関することです(ほかに一般向けに広告宣伝されている一般用医薬品=大衆薬があります)。健康保険組合連合会の発表の資料の上位35位くらいまでは高額な抗体医薬品の影響によるとみられる高額医療費発生のケースがほぼ独占しています。企業の健康保険組合に対し、健康保険連合会が資金の融通を行う旨の記載もあり、1例でもこのような患者があらわれると、健康保険組合が短期資金の融通に影響を受けるという深刻な状況が読み取れます。一方、患者は新薬の恩恵を受けます。 日本の医薬品価格は政府が決定しており、抗体医薬などの超高額医薬品の数が増えている一方、既存薬のジェネリック推進政策や毎年の薬価の引き下げ改訂により、大半の医薬品の価格は大きく下がっています。基本的には、日本の医療用医薬品の経営環境は良いとは言えません。 日本の医療用医薬品企業は、大きく3つに分かれます。(1)海外市場主・日本市場はその一部の研究開発型製薬企業=多くが外資系 (2)日本市場主の研究開発型製薬企業=日本発祥 (3)ジェネリック企業=海外と日本発祥混在。このうち、(3)が平均的に、近年最も業績を伸ばしてきました。(1)は抗体医薬のような高額医薬品の開発に成功できれば業績を大幅に伸ばせますが、日本をベースにする企業にはほとんど例がありません。(2)が最も厳しい経営環境に置かれています。 理由は、日本の保険制度にあります。日本は国民皆保険制度を採用しているため、医療費の高騰は政府の財政を圧迫します。薬価を低くすることは政府の課題で、政府関連系の研究会は医療費抑制系しかなく、戦略的産業政策は見送られてきた一方、米国、フランス、英国、スイス、中国、インドなどでは、この間、成長産業としての投資が盛んです。 日本で薬価を付ける際、先行発売されている先進国があれば、その価格が参照されます。先行国は自由価格が付けられる米国がほとんどで、一般に抗体医薬などの特殊薬は超高額です。日本で先行して新薬の開発を行えば、外国の医薬品の価格を参照できなくなり、日本の政府に最初の価格を付けさせると世界の価格に悪影響を及ぼす可能性があります。それらができない狭間が(2)の企業なので、最も厳しい環境下に置かれます。 このような事業環境が、日本の製薬企業の資金力=研究開発力に影響していると思えます。
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日テレ「脱ステロイド」問題で謝罪 日本皮膚科学会など7団体は抗議「医療の混乱、看過できない」
J-CASTニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
この放送内容には驚きました。医療・製薬業関係者ならステロイドが両刃の剣であることは必ず知っています。ステロイドには免疫を抑制する作用があり、重症感染症の場合、外敵に対処する免疫暴走が起こった場合は、免疫を抑制しないと種々の臓器が自己の免疫システムによって回復できないほど破壊されてしまう恐れがあります。新型コロナ感染症でも、重症化した場合はステロイドホルモン剤の使用が強く検討されます。 アトピー性皮膚炎も原因の多くは自己免疫の異常であることが知られ、これを抑制するためにステロイドが使われています。一方で、免疫を抑えることによる問題(感染に対処できなくなるなど)の発生が予想されますが、その時点でどちらに重点を置かなければならないかの見極めが必要になると言われています。 一般の方に比べ、専門医は当然に多くの知識を有しており、症状を見ながら調節することによりメリットの部分を引き出し、伴いはしますができるだけ医薬品のデメリットを抑えようと考えて使用しています。 ステロイドのぬり薬についていえば、局所で皮膚の炎症を抑えることに使われ、ほとんど全身作用を有さないことがわかっています。逆にいうと、ぬり薬では感染症の免疫暴走には対処できません。 ステロイドは功罪が激しい薬であるからこそ、自己判断により病状が悪化することは十分に考えられますので、日本皮膚科学会などの学会の抗議は当然で、科学的に誤った論調が広まる前に対応されたことについては、よかったと思います。
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「受信料のためなら手段を選ばない」NHKが採用した未納者を狙い撃つ"ある奇策"
PRESIDENT Online:プレジデント社の総合情報サイト
高橋 義仁専修大学 商学部教授
応用法に関して無知なだけかもしれませんが、不特定多数の住居に配達するだけなら、ただただポスト投函の方が効率的なのではないでしょうか?このサービスをNHKが利用することはあっても、ほとんどNHKに向けた郵便サービスであるとの記事での主張には少し疑問があります。 現状、NHKは受信設備を有しているすべての方から料金を徴取できる(放送法第2条、64条)とされ、最近はなりふり構っていないようにみえます。大学に対しては、「学生の受診料免除の手続き」を学生生活課(名称は大学によって異なります)窓口に置き、大学職員はこれを善意で学生に配りますが、実はこの書類は「受信契約書」を兼ねており、免除手続きをした一人暮らし学生は大学生である期間は免除されますが、その後一人暮らしを続けると、大学生でなくなった瞬間に受信契約の支払い義務が発生することになり、大学生でなくなった2カ月後くらいには籍を失った時点からの「NHK受信料」の請求が入り、いったんそうなれば解除は早々出来ないように取り扱われます。解除できても申し出るまでの料金は請求され続けるはずです(契約済みですから)。同様の徴収を、障がい者に対する「免除申請」として「役所窓口」で配ってもらう徹底ぶりで、この場合は障がいの程度が軽くなった時点に遡り料金が徴取されるようになっています。 支払い義務があるのに払わない方が多いことへの対策であることはわかりますが、自動的に徴取する法律の応用技術に関しては、舌をまくほど「すごい」と思うようになってきました。もちろん、法に基づいているわけですから「おかしい」というつもりはないのですが、「契約」を利用し、免除期間が明けた時点で受信設備を有していなくても支払い義務を自動的に作り上げている点に悪意を感じます。 NHK料金については、かつて同じ職場に所属し、NHK受信料制度に関する委員会のトップをされていた方に「受信料はほぼ税金のように徴取されるのであるからNHK自体国営化の議論があってもよいと思う」と伝えたことがありますが、戦後間もない時期に青年だったその方は「メディアの国営化は政府に利用されることにつながり国民の利益にならない」との意見をもたれていました。 全く同感ながら、受信料の徴取率が向上し資金潤沢になっているなか、経営効率の追求と受信料の引き下げを伴わさせる必要があると思います。
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仏ヴェオリアが巨額買収、「水の2030年問題」攻略なるか
日本経済新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
水道民営化は、水道料金の採算性が劣悪な自治体と、経営効率を改善させて莫大な利益を得ようとする事業者の利害が一致していますが、想定される問題点を解決してから行わないと、今後大きな問題に発展する可能性があります。民営化・寡占化にはメリットとデメリットが混在しています。民間へのインフラ業務委託なら日本で以前から実施されていますが、仏ヴェオリアのように長期かつ包括的に運営管理を任せているケースは、いまのところみられません。 事業者側のメリットは、規模の経済と技術の集約です。現状、水道の事業は、閉じたネットワークのようになっており、小さければ小さいほど、ポンプ設備などの小規模化により非効率性が増します。技術開発や新規の設備投資にしても大規模化したほうが効率性が増します。 事業者側のデメリットは、買収する事業に小規模すぎるとか人口密度が低い地域など内容の悪いものが含まれており、これが含まれていると規模の拡大を伴ったとしても、経営効率が悪化します。 消費者側のメリットは、能力の高い事業者の運営に変わった場合には、経営効率が高まった結果、理屈上は(他の条件が変わらない場合)、高品質な水道サービスを安価に受給できる可能性が高まります。人口密度が低く、過疎化が進み、寒冷地などの理由で維持管理に費用がかかる地域には、公営水道料金が高額な地域があることが知られていますが、この地域に最もメリットが生まれるでしょう(電気のように一律料金の場合)。 消費者側のデメリットは、公営性がなくなる中での民間企業の寡占化により、料金高騰が危惧されます。既存の例で言えば、「専用水道」と言われる水道の民間運営形態が1970年頃より始まった結果、事業者は住民自身でなければならいところ運営の実権を握った企業が運営を独占し(違法とみられます)、同地域の公営水道に比べ高額な料金を設定しているケースが散見されます。 例:並木専用水道の現状(栃木県那須町) https://namiki.ikidane.com/wproblem-report.html 電気では発送電を分離し、料金認可制で価格のある程度価格の抑制が図れていますが、水道のコストは、ほとんどが給水配管設備の維持運営にかかるという特殊性を特徴とし、分離が難しい事情があります。また、事業者の撤退・倒産があれば水道事業の継続(水の供給)を危うくします。
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医薬品と人の関わりの歴史を展示する薬産業の博物館
ニュースイッチ
高橋 義仁専修大学 商学部教授
紹介されているのは、佐賀県鳥栖市の「中富記念くすり博物館」で、久光製薬が資金提供する中富記念財団が運営しているとのことです。 中富記念くすり博物館 https://nakatomi-museum.or.jp/museum/ 博物館のサイトからわかるように立派な施設であり、薬品関係業、医薬系を専攻している方だけではなく、観光先として広くお勧めできると思います。 入場料は大人300円、小中学生はたったの100円だそうです。コストパフォーマンスも抜群です。感染が落ち着いたら来訪したいと思っています。 製薬企業と言えば、研究開発を行う会社とのイメージがありますが、そのような方向性で事業がすすめられたのは日本ではせいぜい100年位前からで、それ以前は生薬と言われる主に植物由来の原料の発見と使い方の工夫により成り立っていました。 日本の中で老舗と言われる製薬企業の歴史は100年を優に超えますが、それらすべての創業時の業種は卸売問屋(久光製薬もそうです)で、その後生薬を自前で生産するための農園を所有し、さらには経験的手法による医薬品の開発(微生物を用いた発酵技術等の利用)、海外で進んだ化学合成技術の導入、遺伝子レベルから治療薬を作るバイオテクノロジーの医薬品への応用といった流れで進化してきました。 博物館にある、生薬を保管するビンや天秤(はかり)、薬をすりつぶす乳鉢はこの業界の象徴です。
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ワクチン接種受けた男性の精子の調査結果 民間クリニック発表
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国でのデータではありましたが、日本の不妊症専門クリニックでもファイザー社製ワクチンの使用前後で男性の精子の量や運動の状態や遺伝子の損傷状態などいずれの指標でも異常は無かったとの研究報告です。女性の卵子形成にも異常が見られていないという研究報告も上がっています。着実にリスクが少なくなる方向でのエビデンスが増えていると思います。 医薬品にリスクは避けられませんが、ベネフィットとのバランスを考えると、ワクチンには非常にメリットがあると思います。対面授業をすると学生に感染させてしまうリスクが発生しますが、正直なところ、ワクチンを接種されていない方に感染させてしまうと最悪その方を死に追いやってしまうかもしれないくらいに思っています(ワクチン接種済の方が不顕性感染者として媒介する可能性は否定されていません)。かといって、いつまでも大学の授業をオンラインで続けるわけにもいきません。オンラインだけで授業をしていると、どんどん外国との学びの差は拡大していることが実感をもってわかります(米国・欧州主要国の情報は入れているので)。個人的な思いとしては、学生さんにはワクチンを接種してほしいと思っています。 mRNAワクチンが生殖に影響を及ぼしにくいと考えられている根拠について、mRNAは、RNAのから切り取られた一部分ですが、この部分を膜に包んだ加工をしてワクチンとして接種するとヒトの細胞と融合し、mRNAを放出します(膜につつむのは接種時すぐに壊れるため)。mRNAは設計図として働き体内で抗体を作る指示を出すのですが、投入されたmRNAは非常に分解されやすいため、ワクチン接種を受けた人の遺伝子には組み込まれる間もなく、体内で分解されることがわかっています。 この原理からするとワクチンはもともと遺伝に影響を及ぼすことは考えにくいと言われていました。しかし、医薬品の開発は、初期の臨床試験の段階から徐々に制限を撤廃して段階的に使用範囲を拡大するのがルールですので慎重に様子をみてきました。現段階では、相当に使用者のデータが蓄積されており、万が一問題があればすぐに使用をストップ、情報公開されます。先日、米国では、ファイザー製とモデルナ製について、緊急使用許可から正式認可に移行もしています。
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南米由来「ミュー株」、ワクチン効果は7分の1以下…従来株に比べ
読売新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
研究成果については、以下のテレビ報道のWeb記事でグラフ化されたものが掲載されています。 「ミュー株に中和抗体『ほぼ効果ない』最新研究で判明」(テレビ朝日 2021年9月8日) https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000228313.html 有名学術誌(ネイチャー誌)掲載の既報とほぼ同様の結果が示されています。 ファイザー製のワクチン接種者の血清について、初回接種後、中和抗体価は比較対象にされたD614G株(=武漢で拡散したD614株から変異し、2020年2月にヨーロッパで見つかった変異型株)と比べ低く、アルファ株、ベータ株、デルタ株はほとんど検出不能。2回接種後、抗体価は大幅に上昇したが、アルファ株に比べ、デルタ株に対する中和抗体価は1/3、ベータ株に対しては1/16に低下した。16週間目でも、抗体価は全体的にやや低下したものの、変異株間で同様の差がみられた。 "Reduced sensitivity of SARS-CoV-2 variant Delta to antibody neutralization" Nature volume 596, pages276–280 (2021) https://www.nature.com/articles/s41586-021-03777-9 このデルタ株と比較して、先のグラフ(テレ朝)からは、ファイザー社製ワクチンのミュー株に対する中和抗体力価が、デルタ株比でさらに1/3程度の力価であることが読み取れますので、「ミュー株」は毒性が高く極めて危険と感じます。(ご存じのようにデルタ株自体、現在世界中で感染を拡大させ猛威を振るっています) ただし、ヒトの免疫は中和抗体だけでは形成されておらず、例えば「細胞性免疫」は、免疫細胞が抗原を認識して、病原体に感染した異常細胞を攻撃・排除するものですが、研究ではこれらについては考慮されていません。つまりは、臨床での有効性の確認が最も信頼できる指標になるので、最終的には臨床での感染の抑制力(有効性)から判断されると思われます。(現時点である程度予想可能でしょうけれど) また、ウイルスの危険性は、毒性のほか感染力も影響してきますので、この点でもさらなる研究成果が望まれます。
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鼻から感染防ぐ噴霧型ワクチンや予防薬、開発進む…粘膜にIgA抗体増やす
読売新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
医薬品の投与経路としては、内服(経口)、注射、点鼻、点眼、吸入、経皮、経直腸、経膣、舌下などがあり、注射はさらに点滴静注、静脈注射、筋肉注射、経皮注射などに分かれます。 このうち、血管から直接導入する「注射」は全身に速やかに作用させることを目的として用いられますが、よく知られるところではニトログリセリン錠剤の「舌下投与」は狭心症に対し血管を急速に拡張させる全身作用を有するものです。(ニトログリセリンが舌下で投与されるのは、薬剤特有のある種の代謝を防ぐことが目的です) 経皮吸収型にも経皮から血液に吸収され全身作用を期待して用いられるものもありますので、必ずしも経皮(局所)=局所作用ではありません。 経鼻(鼻噴霧型)投与の狙いとしては、経鼻からの血流への移行性は条件が揃えば迅速であることがわかっており、一般にこのルートで投与する薬はすぐに効くとされています(内服と比べ)。鼻粘膜を介して投与する薬には、骨粗しょう症治療薬の「カルシトニン」、片頭痛治療薬「スマトリプタン」などが実用化されています。他方、鼻のアレルギー症状といった主に局所作用を期待する点鼻抗アレルギー薬も実用化されています。 抗体を含む「IgA」自体を鼻に噴霧する感染予防薬は「ウイルス感染の入口とされる鼻への局所効果」はありそうですがIgAは分子量が大きいため経鼻吸収(全身効果)には難がありそうです(想像です)。点鼻ワクチンについては、まずは血中に吸収されないと免疫反応が起こるとされているリンパ節内に移行できないのではないかと思われ、またワクチンも分子量が大きく吸収への困難が伴うかもわかりません(想像です)。 全身のメカニズムが関係して作用する仮説が立てられた場合は、薬効の検討には血中濃度と薬剤の体内分布のデータが求められます。臨床効果と(ある程度仮説的でも構いませんが)薬理作用に整合性が取れないと先進国では認可されません。上記、思い付きレベルではありますが、解決すべき課題は少なくないと感じます。 医薬品は、薬効成分の研究が行われるイメージですが、実際には投与法(その部位から吸収されるか、その部位に極度な刺激を与えて壊死などを引き起こさないか)や安定性確保の方法が確立できないと実用化に至りません。 常にこのような困難を乗り越えて新しい医薬品が開発されています。新しいチャレンジに期待しています。
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日大付属病院建設工事 大学幹部が不正に関わり損害与えたか
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
大学が事業運営に必要な業務を大学幹部が支配する事業会社に発注、その事業会社で上がった利益を大学幹部に還流させる手法での組織的不正が疑われているようです。 日本大学は、建設工事発注窓口として株式会社日本大学事業部(代表取締役は日本大学の管財・企画広報担当常務理事)を設立し、担わせていたことから、両関係先が捜索を受けています。 特捜部案件となったのは、同大学の規模が大企業に準じていることから、慎重かつ大掛かりな捜査が必須な事件と認識しているためでしょう。 私立学校は、非営利が原則で、金額に著しい大小はありますが公的資金も使われており、そのなかで大企業と同等以上の巨額の資金を動かす巨大法人は少なくありません。一方、制度的な課題にあたりますが、上場大企業(株式会社)と同レベルでの統治ルールが整備されているとは言えません(株式会社のルールが継続的に精緻化されたため差が開いている認識)。 2020年には私立学校法が改正されています。ガバナンスの適正化・透明性を求めての改正が主なねらいです。 「改正私立学校法説明資料」(文部科学省) https://www.mext.go.jp/content/1422184_01.pdf 今回の日本大学の事案は2018年頃にもジャーナリズムに指摘されています。 https://www.data-max.co.jp/article/22791
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日大本部など捜索 病院建設めぐり大学関係者の背任容疑 特捜部
NHKニュース
根抵当権の登記抹消を命令 メガバンク2行に東京地裁
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
半沢直樹にでてきそうな事案です。融資を行ったみずほ銀行と三井住友銀行としては、消費税の還付金に対して抵当権を付けて融資したものですが、消費税が還付されなくなる恐れを察知した時点で融資先宝田無線電機の所有不動産に抵当権をつけさせたもので、あわてて債権回収に走る銀行としては当然の行動だろうと思いますが、1日遅すぎました。 国税徴収法基本通達第8条には国税優先の原則がありますが、同26条私債権との競合については、設定の古い順に従って配当されるルールのため、ルール通りならば登記済抵当権が優先されます。 国税徴収法基本通達 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/index.htm しかしながら、登記申請日(効力発生日?)が消費税還付命令日と競合したため、その有効性が問われたのでしょう。しかし、現に登記が行われた後であるため、また担当登記官の錯誤(ミス)でもないため、法(登記上のルール)に則れば、国税は抵当権が設定されてしまっている分について差し押さえもできません。銀行は、国税に解除するように説得されながらも解除に応じなかったのでしょう。 そうなると国税は、銀行の抵当権登記の解除が実現できないことから、訴訟を提起するしかなかったのでしょう。前日の登記であれば、銀行の抵当権が優先されていたはずでした。 なお、そもそもの消費税還付問題は、宝田無線電機の販売実態に虚偽があり、仕入れ先との間で金製品を循環させていたことによるものだそうです。訪日外国人が免税対象の商品を国内で購入した場合、消費税がかからないことを利用したもので、当初より銀行からの融資を不正に引き出すために作った仕組みのように見えます。結果的に、銀行は不良債権を抱えることになり、会社には莫大な消費税の支払い義務が生じ、国税が消費税を手にしたといった構図になるのでしょう。 【追記】効力発生日について、法務局によれば、例えば9月7日に抵当権について合意があり(原因発生)、9月8日に法務局に登記申請・受理、9月15日に登記完了した場合の抵当権の効力は、一般には民法上の契約行為に基づく原因発生日の9月7日からと認められるとのことです。(私自身の専門領域ではないのでご参考まで)
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健全な広告主やサイトほど損をする「医師がおすすめ」という違法広告がネット記事に貼りつく根本原因
PRESIDENT Online:プレジデント社の総合情報サイト
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事は、「薬機法における規制対象になる事案でも、実運用として放置されている。違反は売り上げに貢献するためやったもの勝ちで、その上、あまりにも事案が多いため規制当局の手が回らないのだろう」との趣旨で解説されていますが、違法広告の推奨と理解されないように願いたいです。 薬機法は、「虚偽・誇大広告」(第66条)、「未承認医薬品の広告」(第68条)、「未承認医薬品等の販売、授与等」(第55条の2等)を禁止しています。記事にある化粧品とされ認識されているものは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」のいずれかに分類されますが、医薬品は「ヒトや動物の治療、予防、診断に使われる」もので、正規に薬事承認を受ける必要があります。認可された「医薬品」以外の製品で薬効をうたえば、医師がおすすめしなくても、それだけで違反です。 医薬品の承認を受けても、「効能、効果又は性能に関して、明示的か暗示的かを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、それに該当するものとする。」(薬機法第66条)とあり、第66条、第68条に違反した場合の刑事罰は、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(または併科)」、第55条2項等に違反した場合は、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(または併科)」です。 これに加え、第55条2項等に違反した場合の法人を対象にした刑事罰について、「1億円以下の罰金」も付加されていました。それでも、法を犯した場合に得られる経済的利得が大きいと指摘されていました。 2021年8月1日の薬機法改正では、従来の刑事罰に課徴金が加わりました。課徴金額は、「虚偽・誇大広告をした期間から、対象行為をやめた日までの期間に対象商品を売り上げた額(最大3年)の4.5%」で計算され、課徴金には上限がなく「経済的利得に比例した金額」になります。 課徴金の対象者は「虚偽や誇大など不適正な広告で利益を得た企業」と明示され、広告を行った企業に対してかかります。広告代理店の責任などという間もなく、かけられた課徴金で広告主が大きく利益を失った後、広告代理店が淘汰される仕組みです。広告主は広告代理店の提案を慎重に判断する必要があります。
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倒産の医療法人、大阪市からの融資2億円未返済 回収不能の恐れ
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
倒産した大阪市福島区の医療法人友愛会は、1997年に大阪市より融資を受けてから今日までの長きに渡る経営上の問題により民事再生手続開始に至ったものです。行政の医療機関に対する融資制度は、現在大阪市は廃止しているとのことですが、実施している行政も少なくありません。 報道の範囲では「民間病院の倒産」にとどまり、その話題性は低いものと思われますが、行政主導の民間病院への融資制度は、コロナ禍で話題になっている公的病院と民間病院の比率にアンバランスを生む原因にもなります。実際のところは行政の公的病院の廃統合への意向(行政の支出削減目的)とも関連しているように思えます。 これらが医療の実質的な公益性に影響を与える可能性があることから、ジャーナリズムには今後この点に切り込んでもらいたいと感じます。 松本病院の発表を引用します。 https://matsumoto-hp.or.jp/(2021年8月28日 医療法人友愛会松本病院) 一部報道におきまして,当病院において行政より強い要請を受けて新型コロナウイルス感染症に罹患された患者様を受け入れた結果,外来患者数が落ち込み,経営を圧迫したとの記事がございましたが,そのような事実はございません。友愛会が民事再生手続開始申立のやむなきに至りましたのは,過去の設備投資に伴う過大な有利子負債の負担など,ひとえに当法人経営の稚拙さに起因するものと認識しております。
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