Picks
175フォロー
1450フォロワー
The next wave of speedy delivery: medicine to your door in 30 mins
Sifted
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事を読めば、ドイツの医療用医薬品のオンライン販売のネックがどこにあるのかがわかります。またこの部分は、日本で医療用医薬品のオンライン販売が進まない理由とは異なるポイントであることがわかります。 ドイツでは、現在のところ医療用医薬品の「配送販売」が認められていません。認められない理由は、「本人に対面で渡さないと事故が生じやすい」と考えられていることにあると思われます。場合によっては医療用医薬品に麻薬成分が含まれたり、高額品であることもあり、他人が誤って使って事故になる恐れや、盗難など、心配すべき点は多くあります。 ドイツでは、この部分の安全性を犠牲にしたとしても、「配送販売」が認められるようになりそうだとの観測が記事に書かれています。「配送販売」が認められればオンラインで服薬指導を受けて、オンライン注文する価値が出てくるので、普及が進むのではないかということです。現状オンラインで面談しても、その薬局に出向いて受け取らないといけないため、オンライン販売が事業として成立しないという状態のようです。 日本でオンライン調剤が進まない事情は全く異なります。日本では、驚くべきことに医療用医薬品の「配送」には規制がありません(よく事故が起こっていないなぁと思います。配送会社のモラルの高さ故でしょうか)。しかし、オンラインでの販売に付随する「服薬指導」に強い規制がかかっています。 現状、オンライン服薬指導(オンライン販売)ができるのは、厚生労働省事務連絡(省令)により、処方箋を発行する医療機関での受診が「オンライン診療」の場合のみとされています。つまり対面での診察を受けてしまうと、オンライン方式の薬局を利用することができません。診療は、バイタルサイン「脈拍」「血圧」「呼吸」「体温」が基本情報になると言われ対面の必要性が高いと言えますが、薬局についてはアレルギー歴や複数医療機関で処方された医薬品のチェックなどが中心で、オンラインとの相性は「診療」よりもはるかに良いと思うのですが、なぜか診療にリンクさせられています。オンライン診療の自体の普及率も高くないので、オンラインでの医療用医薬品販売が普及する環境にありません。 オンラインでの医療用医薬品販売に関しては、日本にはドイツでのハードルはなく、ドイツには日本でのハードルがない状況です。
10Picks
10~20代男性、ファイザー製を「選択可」に 「推奨」からは修正
朝日新聞デジタル
高橋 義仁専修大学 商学部教授
厚生労働省の見解がはっきりしていないように思えます。ファイザー製ワクチンでも10~20代男性の心筋炎や心膜炎の発生頻度が他の年代・性別より多いことから、この世代の男性についてのみ、推奨しない(=選択可)にしたというメッセージならば、「当該年齢の男性に限りワクチン接種は任意」ということになるのですが、解釈が多様化するため、当該年齢の方々の社会生活に影響を与えることになろうかと思います。 10~20代が多く在籍する大学を例にあげます。現在も多くの大学は対面授業に消極的で、大半の授業がオンラインで実施されています。たしかに現実問題として、ワクチン非接種の学生は感染・重症化しやすく、講義を受け持つ者としては対面講義を避けたくなるでしょう。 一部の大学では、今年度の定期試験の実施を全面的に禁止する措置もとっています。オンライン講義に不慣れな教員はオンライン授業のバリエーションの範囲として「日本では」認められている「電子教材の提供と課題の受領」をもって単位を認定する方もいます。(自由になった時間を利用してアルバイトをする学生には歓迎されています。)大学はどのように正確に学生の評価を行い、どのように学生の学業へのモチベーションを維持させようと考えているのか、理解しかねるところがあります。 一方、大学でワクチン接種を求めなくとも、外部との交流(例えば企業見学など)がカリキュラムに入っている場合、受け入れる企業は「ワクチン接種証明」を求めるところが多いのが現状です。さらには、大学によっては必修単位である「海外留学」のためには例外なく「ワクチン接種証明」が必要です。この種の科目の単位取得は無理になるでしょう。 大学でのワクチンの接種が任意なら、医療系は今後どうするのでしょう?大学がワクチン接種を確認せず、未接種かも知れない医療系学生が患者に接することを妨げないとすると、学生本人が守られ、学生実習から患者を守れるのでしょうか? これらが議論されると「10~20代の男性の接種は任意」ととれる見解は再度見直される可能性があります。様子を見たいと思います。 関連記事 「10代・20代の男性 ファイザーワクチン接種検討を推奨へ 厚労省」(NHKニュース 2021年10月13日) https://newspicks.com/news/6265800?ref=user_1310166
24Picks
10代・20代の男性 ファイザーワクチン接種検討を推奨へ 厚労省
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ファイザー製が十分に確保できるのであれば、心筋炎や心膜炎などの副反応疑いの頻度が高いモデルナ製をあえて使用する必要はないとの考え方によるものでしょう。 これまで、北欧4か国のうち3か国の若年者への接種について「スウェーデンは30歳以下、デンマークは18歳未満、フィンランドは1991年生まれ以降(おおむね30歳以下)の方は、ファイザー社製に統一する」との暫定的な対応が実施されていました。 「フィンランド、若年男性層へのモデルナ製ワクチン接種停止」(Reuters 2021年10月8日) https://newspicks.com/news/6249534/body/?ref=user_1310166 日本も北欧と似た傾向を示し、ファイザー社製ワクチンで20代男性の心筋炎等副反応の報告頻度が他の年代に比べて高く、モデルナ社製ワクチンでは10代及び20代男性の心筋炎等副反応の報告頻度が高い傾向がありました。 https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html 北欧3か国との違いは、日本は20代以下の「男性だけ」が除外対象であることです。基本的に薬務行政は各国が各国での臨床成績に基づき独自判断しますので、判断に違いが出ることは珍しいことではありません。日本での新型コロナワクチン認可時には米国での緊急使用許可のデータが参照されていますが、現時点で米国は制限をつけていません。 日本での100万人当たりの心筋炎等副反応の出現頻度は、因果関係不明を入れて10~20例強とごくまれです(新型コロナ感染では症状としてこれよりもはるかに高頻度の心筋炎等があらわれると言われています)。 10代の接種者とは18~19歳のみを指し、さらには「ファイザー製」については当該年齢の接種者は特に大規模接種会場と職域接種(大学等)では使われていなかったため接種者された方はわずかにとどまるとみられるため、心筋炎等副反応について、ファイザー製(100万人中1.9件)とモデルナ製(同21.6件)ほどの差が実際にあるのかについては疑問があります(差は統計的誤差の要素が大きいと想定されます)。 副反応症状には「ワクチン接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れ」が想定されています。こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することを勧めています。
129Picks
SOMPO、介護職約1千人の年収50万円引き上げへ 看護師並みに
朝日新聞デジタル
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国では業種ごとの賃金の経済統計として発表され、産業の需要にあわせて賃金が連動していることが知られています。日本は、産業の需要の動向と賃金の連動性が弱いことが知られます。理由に終身雇用の存在が考えられます。 日本の「解雇しにくい」労働慣行は、労働者側に有利だとの意見がありますが、若いうちは労働の内容に見合わない低い報酬に設定されながらも、将来への安定性を得る為に、雇用者(会社)側に有利な条件を受け入れているとも考えられ、簡単に結論付けられません(受け入れる側の才覚ですので企業側が悪いとも言えません)。経済動向(景気やインフレ・デフレ)にも関係するため、単純な分析になりませんが、バブル後長期にわたり給料がほとんど増えていない事実から見ると、むしろ雇用者側に有利なシステムが、日本型雇用システムだったのかもしれません。 介護業界のような、慢性的に人材供給が追い付いていない業界は、事業成長には人材を集める能力が成否を分けると言われています。また、同業他社との比較での競争力を高めるためには「同じ産業の中で高い給料を支払うこと」が戦略的に効果的とされています。 SOMPOホールディングズは、事業の急拡大を狙っており、またSOMPOブランドに恥じない高品質を目指していますので、当然に人材戦略は重要となり、当業界においては、給料水準の引き上げは、事業実施のために募集する人員の数と質の確保のために不可欠だと思います。SOMPOのような企業があらわれることにより、日本でも人材流動性が増し、賃金が増加し、ささやかながらデフレの対抗手段になるかもしれません。 これにより有能な人材の転職が多く発生するため、小規模事業者の事業継続性に支障が生じる可能性が高まるかもしれません。「大手のせいで支障が出ているので産業保護を!」という主張が出てくるかもしれませんが、当産業のような労働集約型の産業に関する限り、短期的には必要な淘汰ではないでしょうか。なお、独占が形成されるほどの長期では論点が変わりますので、この限りではありません。 介護職員と全産業平均の賃金の推移(9ページ)(内閣官房全世代型社会保障検討室 2020年2月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai6/siryou1.pdf
84Picks
企業内部通報者への「嫌がらせ」、役員ら懲戒対象に…政府が指針公表へ
読売新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
内部通報は公益通報とも呼ばれ、社内の不正行為に気づいた企業内部の従業員等からの報告を受ける制度です。通常の業務報告は上司に行いますが、そもそも組織や上司が不正に関与している場合は「握りつぶされる恐れ」があり、また、人事権を有する上司によって報告者が「不当な扱い」を受けることも想定されるため、コンプライアンス(法令順守)やリスクマネジメントのために必要なことと考え、多くの企業で制度化されています。 担当窓口として、内部通報を担当する部署を設置する場合が多いと思いますが、より対策の進んだ企業では、企業外部(法律事務所など)に窓口を設置しています。いずれも「通報者を明かさない」約束のもとで情報を授受することが絶対的なルールです。 しかしながら、過去の内部通報の事例では企業上層部の命令で内部通報者が割り出され、判明すれば見せしめとして冷遇される事例が後を絶ちません。放置すると「内部通報」の趣旨が無効化され、長いものに巻かれないと損をするとの企業文化が発生してしまい、企業倫理の仕組みづくりがむしろ逆行、企業不祥事が増加する恐れがあります。これらは、営利企業にとどまらないことも知られています。 それへの対策として、内部通報者の保護強化策を盛り込んだ改正公益通報者保護法の制定が進められていますが、その指針に「内部通報者に不利益な扱いをした場合、役員らを懲戒処分にする規定」が明記されるとのことです。規定は望ましいですが、これに企業トップが関与している場合はそれも実効性がないため、そのことへの対策も望まれるでしょう。 通報者への不利益な扱いの定義に関して解雇や降格、減給など人事上の処分に加えて、嫌がらせなど精神的な不利益も対象に含められていますが、過去の事例からみても、敵とみなした内部通報者に対する「事実上の懲戒」は公的な制度が充実するほどに陰湿さを増しており、具体性の高い「指針」の制定は不可欠と思えます。
104Picks
EU、メルクのコロナ経口治療薬の調達契約検討へ=当局者
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米メルク社の新型コロナウイルス用抗ウイルス薬「モルヌピラビル」は、米国FDAに提出される同薬の臨床第3相試験成績が良好でした。現在メルク社は、FDAからの緊急使用許可を得るための準備をしていますが、並行して今年1,000万人分の治療薬を出荷することを視野に入れての製造を始め、米国政府はすでに170万人分を注文してるとの報道もあります。 同剤は米国で承認申請を行っていながらも試験での症例数が少なく、日本の臨床試験も実施されていません。しかし、新型コロナワクチン以降、米国で緊急使用許可があれば日本でも薬事承認されていますので、米国での許可後、日本は早々に薬事承認を出すでしょう。日本も現段階でメルク社と水面下で購入交渉を行っていると思われる報道もされています。 「コロナ飲み薬”開発の製薬大手幹部『日本でも年内供給を』」(NHK 2021年10月7日) https://newspicks.com/news/6247236?ref=user_1310166 このような流れを受け、EUも同医薬品の調達競争に後れを取らないよう、未承認段階で調達を検討しているとの報道です。 記事にある有効率約50%の根拠となる臨床試験成績は以下の通りです。 新型コロナウイルス感染症罹患患者の内、病気の転帰不良に関連する少なくとも1つの危険因子を持っていた762人の軽度から中等度の患者を対象として実施。プラセボを投与された人の14.1%が29日目まで入院または死亡(内8人が死亡)。モルヌピラビルを投与された385人の7.3%が29日目まで入院または死亡(内死亡者なし)。感染者のウイルスは、デルタ、ガンマ、ミュー変異株が症例のほぼ80%を占めた。独立モニタリング委員会は、臨床試験を続けた場合、プラセボ投与群に明らかな不利益が生じることから早期に中止することを勧告、メルクはFDAと協議して試験途中で結果開封。この時点で計画の約90%の症例登録終了。 当試験は、世界167の臨床研究拠点で実施されていますが、うち30以上が米国にありながら、米国外の国々が参加者の93%を占めており、実質的にほぼ米国外で行われた臨床試験になります。 安全性のデータは不足しており、数百例のデータでは稀な副作用を検出できる状況にありません。また既存の抗ウイルス薬とは異なる働きをするため、安全性は引き続き精査されます。
3回目ワクチン接種、全額公費負担で 岸田首相が言明―14日衆院解散
時事ドットコム
高橋 義仁専修大学 商学部教授
新型コロナウイルス・ワクチンの特性として、抗体持続効果は6~8カ月頃から減弱することがわかっており、(抗体価がゼロ近くになる時期は臨床試験の結果が出ていないことからはっきりとは言えませんが)長期間効果が持続することはないと思われています。 このことから、すでにワクチンを接種した方に追加接種(3回目以降のワクチン接種)が必要だと想定され、追加接種がなければ、抗体が減弱している状態でのウイルス蔓延によりワクチンなしの社会に逆戻りすることが強く危惧されます。 日本が最初にワクチンを調達した時の試算になりますが、ワクチンの調達総額を調達額で割ると3000円以下/回程度と見込まれ(政府調達でその価格は非公表)、運搬、保管、接種費用(医療従事者への報酬)、事務・管理経費を合わせて、1万円前後~1.5万円程度/回と思われます。 「EU、ファイザー製ワクチン1回当たり15.5ユーロで調達=報道」(Reuters 2021年4月22日) https://newspicks.com/news/5787282?ref=user_1310166 一方、新型コロナウイルスに感染した場合、強い健康被害が危惧されるほか、(ワクチン以外の)治療薬を使用すれば数万円(内服抗ウイルス薬)~数十万円超え(注射抗体医薬品)の費用がかかり(両医薬品とも政府調達でその価格は非公表)、宿泊療養・入院等に至った場合は数十万円~数百万円以上の治療費がかかると思われます。これらも現在は2類感染症指定されていることから、全額公費負担されています。 ワクチンの3回目接種を公費で行わなければ、喫緊の1万円程度の費用負担を嫌い接種率が大きく下がることは容易に想定できます。その状態で感染が猛威を振るうと、手が付けられなくなることも容易に想像できます。国民の健康面、費用対効果の面でワクチンの3回目接種の是非を考えれば、全額公費負担で接種を推進することは極めて妥当だと思います。
201Picks
「薬機法チャレンジ」の何が問題? コロナ禍で広まる“地雷”広告
withnews.jp
高橋 義仁専修大学 商学部教授
「効果の暗示」が違法と言われるのは、以下の条文が根拠です。 薬機法第66条「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」 「薬機法の関係で具体的に言えませんが、すごい商品なんです」がどうか?具体的に何も言っておらず、暗示はしているけれども、それが何なのかさえ触れられていないレベルの暗示。東京都の担当官の解釈では「違法と言えるかもしれない」と言っていますが、私は、具体的に何を指すかわからない「(何かはわからないけれど)すごい」という広告表現だけでは、薬機法に違反しないと思います。同時に効果を暗示させるデータを見せればアウトでしょうけれど。 また、具体的に何を指すかわからない「すごい」は、一般論で広告としては「虚偽・誇大広告​​」に該当するリスクがあると書かれていますが、私なら「根拠のない誇大表現はインチキの証拠をさらけ出す逆宣伝」のように感じます。感じ方は人それぞれなのでしょうけれど、効率的な広告の出し方とは思えません。 「薬事法にチャレンジしている商品はインチキ決定」ですので、消費者が相手にしなければ解決する問題と思うのですが、そうはいかないのでしょうか。
93Picks
東芝元役員が6月の調査報告書の不備指摘、「再調査」での解明求める
Bloomberg
高橋 義仁専修大学 商学部教授
2021年6月の定期株主総会直前に行われた臨時株主総会で、東芝は海外の機関投資家(記事中ではアクティビストと表現されています)に対し、「(国家の後ろ盾による経済制裁をちらつかせ)株主総会で議決権を行使しないよう圧力を加えた」ことが明らかになっていますが、「そのようなことはなかったと記した」経営陣側の不正な調査報告書に比べて、機関投資家側調査報告書の「正確性」の問題の大きさは如何ほどなのでしょうか。これに関与した同社取締役の内、不正を知りながら見逃した方は、株主代表訴訟の対象になってもおかしくはない行為に該当するほどの内容だったことをまずは認識する必要があると思います。 今回の元役員の不備の指摘は、(1)メールの時系列的なつぎはぎでは正確な解釈はできない、(2)機関投資家に圧力をかけた行為は「経済安保上、正当でありそもそも問題がない」というものです。(1)の部分は 個人の名誉レベルでの抗弁ですから全体から見ると些細な問題でしょう。 報告書の内容は、経営者側が依頼する弁護団と株主側が依頼する弁護団では明らかに異なっていましたが、株主は株主側が依頼する弁護団の報告書を最終的に信用た結果が定期株主総会で決議されているのですから、すでに終わった話でしょう。元役員が本当にこれを問題と考えるなら、株主総会での決議は無効とする「地位保全の訴え」を起こすべきだと思います。 (2)の問題は、出資をお願いした結果大量の株式を所有する機関投資家に対し、事後的に「経済安保」を持ち出したことには、株主の権利を不正に奪うものとして問題があります。またこれを行えば、東芝は自社が「投資不適格」であると海外のみならず国内の投資家に知らしめることになりますので、今後同社への大規模な投資を躊躇させる結果を招くことが容易に想像できます。 日本に経済安保が必要であることには十分理解できますが、東芝と経済産業省が株主に求めたレベルで「安保」を重視したいのであれば、なぜ国営化の上、上場廃止にしないのかという強い疑問があります。 記事には、「具体的な違反項目が明記されていないのに同報告書には法令違反があったかのように書かれていたのは問題」と再任されなかった元役員が主張しているとありますが、「株主総会で議決権を行使しないよう圧力を加えること」はすくなくとも企業統治の大原則に反することは明らかでしょう。
36Picks
岸田首相“コロナ飲み薬”年内実用化に意欲
TBS NEWS
高橋 義仁専修大学 商学部教授
映像に映っているのは、岸田総理、黒岩神奈川県知事、手代木塩野義製薬社長です。塩野義製薬が同社の抗ウイルス薬の臨床試験を行なっている施設で収録されたようです。政治と医薬品承認審査は本来独立したもので、「意欲」で薬事承認を決められるはずはありません(真に緊急時以外)。政府が「コロナ関連医薬品の承認は支持率につながる」などと考え審査に影響を及ぼすことは望ましくありません。 新型コロナウイルスワクチンについては、世界のいずれかの国で約2~数万例の臨床試験で有効性・安全性を確認した後の市場導入であり、副作用(副反応)の検出力が高まっているステージでの当初米国での緊急使用許可でした(その後ファイザー製はさらなる症例データを蓄積して正式承認を得ています)。 記事の「コロナ飲み薬」は抗ウイルス薬を指します。抗ウイルス薬は「DNA複製阻害」が作用機序ですので効果が穏やかとは言えません。このような作用機序の場合、臨床試験で慎重に安全性の試験が行われるのが通例です。 同領域は米メルク社製が先行しています。 「コロナ飲み薬、重症化リスク半減 メルク、米で使用許可申請へ」(時事ドットコム 2021年10月2日) https://newspicks.com/news/6234069?ref=user_1310166 同剤は米国で承認申請を行っていながらも試験での症例数が少なく、日本の臨床試験も実施されていません。この段階で日本が購入を決めているように取れるメルク幹部のインタビューも報道されています。 「コロナ飲み薬”開発の製薬大手幹部『日本でも年内供給を』」(NHK 2021年10月7日) https://newspicks.com/news/6247236?ref=user_1310166 塩野義製薬が開発中の抗ウイルス薬(飲み薬)は、第1相試験での「健常成人男性」に最低限の安全性を確認終えていますが、次に「少数の患者での有効性・安全性の確認(第2相試験)」が確認される試験初期段階です。「年内実用化」はこれを指しているのだとすると、今後驚異的なスケジュールでの臨床試験の実施とその審査が求められます。 首相の「意欲」は「日本で開発された抗ウイルス薬の早期承認への意欲」を指すものと思われます。
74Picks
治療薬やワクチンの承認緩和検討 厚労省、感染拡大時の早期実用化へ
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事に書かれているように、最初の新型コロナウイルス感染症ワクチン(米ファイザー社製)の臨床試験当初は極めてスローペースにみえました。しかし、おそらく日本で当初に計画されていた臨床試験を完遂してもおらず、「これ以上は待てない」との指示が政府首脳から出た結果、臨床試験を早期に切り上げ、日本独自に判断ができる有益な臨床データが得られないまま、厚生労働省は条件付き承認をしたものとみられます。 次いで承認申請が出された米モデルナ社製ワクチンでは、日本で検討された症例は米ファイザー社製よりもさらに少なく、臨床試験に参加する方が十分に集まらないまま(ファイザー製での確認症例数さえも満たさないまま)、迅速に条件付き承認をしています。 さらに次の中外製薬社製抗体カクテル薬に関しては、日本が世界に先立って極めて迅速に承認していますが、コロナ前の日本の基準では必須とされていた、大規模に患者が参加して行われる臨床第3相試験は行われず、臨床第2相の結果のみの少数例の有効性・安全性のデータをもって、世界で最も早く条件付き承認しています。 3つの事例を見る限り、自国の臨床試験データを審査して承認している国を除き、海外(実質、米の緊急使用許可)のデータがあることをもって最も迅速に医薬品を正式承認している先進国は、現時点では日本でしょう。 緊急時には安全性の確認を犠牲にしても使える医薬品が必要になること(副作用が出る可能性を容認しても迅速に医薬品を使えるようにする必要性)は理解しつつも、これ以上の簡略化した薬事承認に関しては安全性の担保が疎かになりすぎるという懸念は、政府も持っているはずです。 記事には「厚生労働省の承認のプロセスに法改正が必要」と書かれていますが、「実質的にはこれ以上簡略化されたデータでの承認はありえない」と思います。したがって、記事中の「法改正」とは、米ファイザー社製以降、超法規的に迅速な承認がされ続いている現状に、現行の法律を合わせることと理解しています。 日本でこのような状況が生まれている理由に、一般の方の臨床試験への理解が得られていないことがありますので、この点については抜本的な戦略策定が必要だと思います。できないのなら、日本独自の臨床試験の実施はあきらめ、外国に依存するしかありません。
172Picks
メルクのコロナ経口治療薬、印2社が中等症患者への治験中止意向
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
報道は、米メルク社が開発している抗ウイルス薬経口薬「モルヌピラビル」のインド国内の臨床試験に関することで、インドで臨床試験を実施している提携先オーロビンド・ファーマとMSNラボラトリーズが、インドで実施中の「軽症・中等症」対象の臨床試験の中間成績の層別解析を行ったところ、「中等度」の患者に対して効果が振るわなかったことから、この臨床試験の対象を今後「軽症」のみに絞る意向を示したものです。臨床試験は後期ほどコストが膨らむため、中止時期を見極めるノウハウは企業業績を左右すると言われています。また、奏功しやすい対象患者を絞れば、統計的差異が出やすくなりますので、その狙いも読み取れます。一方、承認される投与対象患者が限定されます。 「モルヌピラビル」などの抗ウイルス薬は、体内に侵入したウイルスのDNA複製を阻害する作用機序を有しますが、ウイルスが体内で大量に増殖した状態ではDNA複製を阻害しても追いつかず、症状が重いほど効果が出ないとされています。 米メルク社は、米FDAには「軽症・中等症」かつ「重症化リスクを有する」新型コロナ感染患者に効能を得るための緊急使用許可申請を出しています。これにインドのデータはおそらく含まれません。申請に並行して今年1,000万人分の治療薬を出荷するための製造を始め、米国政府はすでに同社に170万人分を注文したとの報道されています。 この動き受け日本政府は、米国が未承認の段階で、大量の「モルヌピラビル」の購入交渉を行っていると報道されています。日本は、新型コロナ関連医薬品以降、日本の臨床試験での成績がなくても、米国での承認により日本も承認する運用に変えていますので、日本での承認の動向は米国次第であり、インド国内の臨床試験の動向は直接的には影響を与えません。 同剤の米国での臨床試験成績は次の通りです。 新型コロナウイルス感染症罹患患者の内、病気の転帰不良に関連する少なくとも1つの危険因子を持っていた762人の軽度から中等度の患者を対象として実施され、プラセボを投与された人の14.1%が29日目まで入院または死亡(内8人が死亡)、モルヌピラビルを投与された385人の7.3%が29日目まで入院または死亡しました(内死亡者なし)。感染者のコロナウイルスの亜種は、デルタ、ガンマ、ミューが症例のほぼ80%を占めていました。
27Picks
フィンランド、若年男性層へのモデルナ製ワクチン接種停止
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
昨日の報道「モデルナ製ワクチンについて、北欧の内スウェーデンは30歳以下、デンマークは18歳未満の接種を見合わせ、ファイザー社製に統一する」に、フィンランドが加わりました。フィンランドは1991年生まれ以降見合わせで、概ね30歳以下と同じ基準の適用です。(残るノルウェーにいまのところ意思表示はありません) 過去の報道を総合すると、「北欧4か国」での使用成績を踏まえ、モデルナ製のワクチンに対して、(1) 若年層では発生頻度が高い心筋炎の副反応リスクと、(2) 若年層での感染によるリスクとの関係を分析したところ、北欧ではファイザー製ワクチンよりも劣ること。および北欧では、(3) ファイザー製ワクチンだけで若年層に対する接種目途が立っていること(入手見込み)を踏まえての判断です。基本的に薬務行政は各国が臨床成績に基づき独自判断しますので、北欧該当国の判断自体に違和感はありませんが、北欧ではファイザー社製のワクチンの方が若年層に対し比較的リスクが低いとの判断を踏まえているものと思われ、ワクチンの優劣の要因よりも、「ファイザー社製が潤沢に入手できることによる判断」の意味合いが強いと思われます。 北欧当該国以外に適応すべきか否かは、各国が、各国で実施した臨床試験の詳細成績(日本では200例程度のデータしかありません)と使用後に因果関係あり+不明(ワクチンとの関連がないともいえない)と判定された副反応+有害事象症例を分析して判断されます。 日本のデータでは、接種された人の属性がワクチンの種類ごとに異なる傾向が示され、ファイザー社製ワクチンでは20代男性の報告頻度が他の年代に比べて高く、モデルナ社製ワクチンでは10代及び20代男性の報告頻度が高い傾向がありますが、100万人当たり出現頻度10~20例強で、若年層の接種が進んでいない段階として相当な統計的誤差が含まれると思います。(因果関係不明のものをすべて含めて、最も高頻度のグループ(若年男性)で0.001~0.002%程度です) また、副反応の心筋炎や心膜炎の症状として「ワクチン接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れが出ることが想定」されています。こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することを勧めています。 https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html
71Picks
靴に入れるだけで“歩行の質”測定するIoTインソール NECが法人提供 Makuakeから事業化
ITmedia NEWS
ファイザー、米で5─11歳向けワクチン緊急使用申請 11月末までの展開も
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国での緊急使用許可後は小児への接種が可能になりますが、当該年齢は親権者の判断が必要です。親権者が「接種・非接種のメリット・デメリットを合わせて理解」する必要があります。少なくとも米国では、接種者に権利が与えられるとの考え方が主流ですので、学童の成長に好影響を与える「対面での教育機会」を奪わない為に、小児接種に賛同する親権者は多いと思われます。 これまでは小児への効果やリスクの程度がわからないという危惧が存在したままでしたので、小児への適応拡大のための臨床試験成績が集められたことは前進です。本来臨床試験は、(1) 健康成人男子、(2) 少数の患者、(3) 多数の患者、(4) 妊婦・小児・乳幼児などの特別な対象の順で実施されます。小児・乳幼児への適応は(4)の段階で確認されることが通例です。 ファイザー社製ワクチンでも多数例で上記(1)~(3)を多数例で実施した後、米国で緊急使用許可されました。この段階で臨床成績(実際の感染抑制率)をみるために、約2万例での臨床試験成績をそろえています。通常の医薬品の場合では、この段階では長期のデータがないため承認に至ることはないものの、当ワクチンの場合は重要性を考え、米国政府は緊急的な使用を許可しました。 その後長期成績も蓄積し、2021年8月に米国で正式承認を受けています。一方現時点では11歳以下の使用は臨床試験成績がないことから認められていません。そのため、(4)を実施して成績が集められました。段階を踏む理由は、医薬品に付随するリスクが避けられないためであり、万が一副作用が発生した場合は、その被害を最低限に抑える必要があるためです。 小児への効能拡大試験は二重盲検比較試験では実施されておらず、臨床試験に参加した全員がワクチンを接種されています。このようなデザインで試験を実施された背景には、「すでに12歳以上ではワクチンの利益が十分に認識できる状態にあり、臨床試験においてプラセボ(偽薬)群を作った場合、あたった投与群が明らかな不利益を受けると判断される」と実施開始段階で判断がなされたことによると思われます。ただし、対照群(偽薬投与群)を作っていないため、臨床的有効率が算出できないという妥協があります。 日本は承認の判断を事実上米国に委ねていますので、米国での承認後は日本でもすぐに小児への使用ができるようになると思います。
101Picks
北欧で若者へのモデルナ接種中断 心筋炎巡り予防的措置
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
モデルナ製のワクチンに対して、(1) 若年層では発生頻度が高い心筋炎の副反応リスクと、(2) 若年層での感染によるリスクとの関係を分析したところ、北欧ではファイザー製ワクチンよりも劣ること。および北欧では、(3) ファイザー製ワクチンだけで若年層に対する接種目途が立っていること(入手見込み)を踏まえ、スウェーデンは30歳以下、デンマークは18歳未満のモデルナ製接種を取りやめるとの判断です。基本的に薬務行政は各国が臨床成績に基づき独自判断しますので、北欧該当国の判断自体に違和感はありません。 最近(2021年10月5日頃)になって、日本でのmRNAワクチンの接種後「副反応を疑う」事例として報告された心筋炎や心膜炎の集計結果が公表されました。接種された人の属性がワクチンの種類ごとに異なる傾向が示され、ファイザー社製ワクチンでは20代男性の報告頻度が他の年代に比べて高く、モデルナ社製ワクチンでは10代及び20代男性の報告頻度が高い傾向があります。(因果関係が否定できない(不明)をすべて集計し、さらに軽症のものもすべて入れたうえの最も高頻度のグループ(若年男性)で0.001~0.002%程度ですので、現時点で認識できる発生頻度は「極めてまれ」と表現して良いと思います) また、副反応として出ている心筋炎や心膜炎の典型的な症状として、「ワクチン接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れが出ることが想定」されています。また、 特に若年の男性の方に対し、こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することを勧めています。 「ワクチンを接種すると心筋炎や心膜炎になる人がいるというのは本当ですか」(厚生労働省) https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html 今回の北欧での判断を受け、日本でモデルナ社製ワクチンの特定年齢への接種中止を決めることは考えにくいのですが、もし米国で接種制限の判断をした場合かつ、日本にファイザー製ワクチンの確保に問題が発生しない場合には即座に接種制限の判断になると思います。 ※ 政府発表の集計データの追加を受け、内容を一部変更しました。
233Picks
“コロナ飲み薬”開発の製薬大手幹部「日本でも年内供給を」
NHKニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
日本では承認されていませんが、見出しは政府の要請を背景とする発言でしょう。新型コロナワクチンの承認以降、日本国内の臨床試験がなくても、米国で緊急使用許可されれば、日本でも薬事承認されるようになっています。米メルク社が開発中の「モルヌピラビル」も日本独自の臨床試験を実施していませんが、米国で緊急使用許可が得られれば、日本は正式承認するものとみられます。 「モルヌピラビル」の臨床試験の有効性の成績は良好と思われますが、確認されている症例数がワクチンと比較して極端に少ないため、安全性の確認は十分な水準に達していないと思われます。当薬剤は、市場に出された直後は、臨床試験を補うために慎重にモニタリングされる対象になると思います。 臨床試験の結果、米国での承認・供給の見通しは、以下の記事でコメントしています。 「コロナ飲み薬、重症化リスク半減 メルク、米で使用許可申請へ」(時事ドットコム 2021年10月2日) https://newspicks.com/news/6234069?ref=user_1310166 「モルヌピラビル」は、ウイルスの遺伝子複製を阻害する作用機序をもつ抗ウイルス薬に分類される医薬品で、新型コロナウイルス感染症の治療目的として新規に開発されたもので、内服薬です。近い系統の医薬品に抗インフルエンザ薬として使用されているものなどがあります。一般に、ウイルスの増殖抑制を目的とするという作用機序の医薬品は、感染初期のウイルス量が比較的少ない時に使用されます。炎症反応にも効果がないため、重症以上には使用されません。 軽症・中等症に使われる抗体医薬品(注射剤)とは、「投与経路が異なる」点が強調されますが、それよりも「作用機序が異なる」点に注目する必要があります。抗体医薬品は侵入したウイルスに対し、遺伝子組換えで動物の生体で作らせた抗体をヒトに投与してウイルスの毒性を中和させるもので、全く異なります。抗体医薬品は一般に高価で、抗ウイルス薬は比較的安価です。 一般に作用機序の異なる医薬品の組み合わせは相乗または相加効果が期待できるため、「モルヌピラビル」承認後、併用療法も臨床試験で検討されるでしょう。 抗インフルエンザウイルス薬の特異的副作用に「異常行動」が知られます。この点ほか、頻度が少ない副作用の出現を知るために、承認後も慎重にモニタリングされます。
167Picks
NORMAL