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自民党に毎年24億円献金、経団連会長「何が問題なのか」と発言の報道にネットの怒り沸騰
辛坊 正記経済評論家
特定のイデオロギーなり宗教観なりを持つ集団からシステマチックに巨額のカネを集めて政治活動を行う政党もあるわけで、仮にそれを是とするなら、日本のGDPを生み出す企業の集団が企業活動にフレンドリーな自民党の活動を応援することが、日本と日本国民にとって一概に悪いとは言えないように思います。成長力で独り勝ち状態の米国なぞは日本以上にやっていることですし、他の先進国にもあることです。大事なことは、どのようなカネがどこからどこに流れているか、透明性をもって国民に示すこと。それがはっきりしていれば、国民は政党なり議員なりの主張と活動をその背景を含め正当に評価することが可能です。
今回問題になったパーティー券の代金の一部の不記載は、透明性を阻害し政治資金規正法に違反するという点で許しがたいことですが、事の性質からして購入する側も受け取る側も特定の利益誘導を念頭に置いていたわけでは無いでしょう。この問題を当局に告発した大学教授は、自民党とは相いれない思想性を持つとも漏れ聞きます。そういう意味で、この問題の延長線上に経団連の政治献金を置いて批判するのは、些か行き過ぎであるような気がします。
国民一人当たり250円も”強制拠出”させて政党交付金制度をつくったのは政治がカネに動かされることを避けるためだったので、いろんな抜け道を作って政党交付金と企業献金・個人献金を二重取りする体制を作ったことに憤りは覚えます。しかし、政党交付金の外側で巨額のカネを集めているのは自民党だけではないわけで、禁ずるなら特定のイデオロギーなり宗教観なりを持つ団体・個人からの集金も併せて行う必要があるんじゃないのかな・・・ (・・;ウーン
安倍派事務総長の聴取検討 経験者にパーティー券収入不記載確認、東京地検
辛坊 正記経済評論家
企業献金の賄賂性と国会議員が金集めに走ることが問題になって我が国では政党交付金の制度が導入されました。2023年度は159億円、利権民主党で68億円に上ります。導入の経緯に徴し企業献金は全面禁止とすべきだったのに、制度を決める当時の国会議員が巨額の政党交付金と企業献金の二重取りを許すいわば“焼け太り”を図ったことに憤りを覚えます。ましてや、政党支部を作って献金を集め、国会議員がその支部長として実質的にカネを牛耳るといった抜け道が随所に作られ、挙句の果ては収支報告書に記載しないなぞ言語道断です。そうした怒りは取り敢えず脇に置き・・・
企業と産業から献金を受けて日本経済を支える成長産業なり基幹産業なりの発展に資すことが必ずしも悪いとは言いませんが、それが許容されるのは、党なり政治団体なり(制度的に可能なら)議員なりがどこから幾らの献金を受けているかが明確になっている場合に限ります。カネの流れが見えていれば当該政治団体等の動きを含め国民は提言される政策の当否の判断が出来ますから。そうしたことがあるので政治資金収支報告書への不記載は「5年以下の禁錮または100万円以下の罰金」となっているのでしょう。今回の問題も、記載があれば問題にならなかったに違いありません。
決して褒められることではないですし不記載はとんでもないことだと思いますけれど、パーティー券のことなので企業と党・派閥・議員との間に贈収賄の意識があったとは思えませんし、ノルマ以上に集めた議員に一定割合をキックバックしたことについても同様です。いわば不記載という”形式犯“にとどまって、贈収賄といったものに結び付けることは難しそう。告発を受けて受理した以上捜査する必要はあるのでしょうが、告発した大学教授は一定の思想性を持った人物と耳にしますし、大山鳴動して鼠一匹ということにならないか。報じられていると以上のことは知りませんけれど、紆余曲折がありそうな気がします。(・・;
東京の消費者物価は2.3%上昇に伸び鈍化、市場予想下回る-11月
辛坊 正記経済評論家
ベースマネーを増やしても無駄な準備預金が積み上がるだけでインフレが起きる訳でないことも、インフレが起きても企業の生産性が上がって賃金がインフレ率以上に上がるわけでないことも、10年以上に及ぶ異次元緩和と、円安とインフレに起因する19カ月連続の実質賃金の低下でほぼ明らかになったんじゃないのかな・・・ 物価は人々が意識せずに済む状態が最も安定しているのです。潜在成長率がゼロパーセント台半ばに留まる我が国で、生産性の向上を伴わない2%のインフレが続いたら、庶民の生活は堪ったものじゃありません。下がったといっても「コアコアCPIは3.6%」は高過ぎます。それでもなお、政府も日銀もインフレは不十分と言っている。たとえインフレ率が下がっても、上がった物価が下がって生活が楽になるわけではありません。インフレ目標に拘る意味合いを、抜本的に見直すべき時が来ているような気がします。
長きに亘る財政拡張と異次元緩和の組み合わせで金利上昇に耐えられない構図を作った我が国で、政策変更が容易でないだろうことは分かりますけどね・・・ ( 一一)
NY商品取引所 「金」先物価格 一時2100ドル超 最高値更新
辛坊 正記経済評論家
「連邦準備制度理事会が来年にも利下げに踏み切るとの観測が広がる中で、利下げの影響を受けにくいとの見方から金を買う動きが強まりました」、「安全資産とされる金の先物価格はイスラエル・パレスチナ情勢を背景にこのところ上昇傾向が続いていました」 (@@。
金利が下がりそうということはお金(マネー)の価値が下がりそうということで、お金の価値が下がるということはモノの値段が上がるということですから、価値保存の手段たりうるモノの代表である金の値段は上がります。だから利下げの動きが金(ゴールド)の値段を押し上げる訳ですが、米国金利が急速に上昇する過程ですら金が高値を付けたのは、ウクライナでもパレスチナでも戦争が始まって南シナ海もきな臭く、通貨が制裁手段として使われることが明らかになって、ドルへの信頼が落ちたから。この綱引きになっているだけに、金価格の先行きは読み難い・・・
今世紀に入るまで極めて安定的に推移していたというか、どちらかというと値下がり気味で推移していた金の対ドル価格は、2000年代初め以降、急激に上がっています。2000年に280ドルほどだったものが2100ドルになったということは、年率9%の上昇です。米国が金融政策と財政政策でドルを大量供給した、中国をはじめとする新興国の急速な成長と人口増加で金の実需が増えた、国家間の対立が激しくなりドルが経済制裁に使われるようになって中央銀行が外貨準備としてドルを避けて金を持つようになった、等々様々な要因があるわけですが、それにしても、世界経済の成長率が3~4%にとどまる中で9%の値上がりは凄まじい。冒頭の動きは、今世紀に入って起きた動きが再び勢いを増していることを意味しそう。そうだとすると、紆余曲折はあっても金への“執着”は簡単には壊れないかもしれないな・・・ (・・;
鬼の岸田政権のメガトン増税がこれから始まる…国民全員に「安いサロンパス」バラマキの衝撃!「聞く力が一番要らない」
辛坊 正記経済評論家
「バラマキなど一切せずに、国民負担率・企業負担を地道に下げること以外に、経済成長につながる道など、ほとんどない」 (@@。
記事では国民負担率と成長率の関係が引用されていますが、GDPに対する政府債務の比率が60%~90%を超えると国が低成長に陥る現象は、IMFなり経済学者なりが夙に指摘している所です。
子育て支援にしても防衛費の増額にしても、岸田総理は、当初は財源の話を併せてなさっていたように思います。ところが負担増を恐れる周囲の政治家と世論に阿ってか、財源の話はいつの間にかうやむやになって、最近は減税だの給付金だの補助金だの、財源不明の支出の話が次々と出て来ます。どちらかと言えば財政健全化への意識が高いと思われていた岸田総理ですが、いまじゃ、ばら撒きの権化と見る国民の方が多いんじゃないのかな・・・ (・・;
財源の無いところで巨額のばら撒きをやれば、いずれ税と社会保険料が真綿で首を絞めるように増えるのは、これまでの経験で多くの国民が感じているところでしょう。支出増には負担増が必要との信念を根っ子のところでお持ちなら、国民が納得できる形で矜持を持って支出増と負担増の必要性を説明すれば、やることなすこと凡てにこれほどケチをつけられる事態にはならなかったように思います。矜持なしに選挙対策でばら撒いてツケを回されると感じたら、国民は堪ったものじゃありません。冒頭に引用した一文に全面的に賛成するわけではないですが、真理の一端を突いているのは事実です。いまの状況を改めるには、このくらいの意識を持つ必要があるのかも (゜_゜)
女性の正社員比率がガクンと下がる「L字カーブ」 解決の決め手は「ニュータイプ」の正社員
辛坊 正記経済評論家
日本以外の普通の国では、フルタイム、無期契約、直接雇用の3つが揃えば正社員。ところが日本でこの3つを揃えて人を雇うと、労働契約法の規定や裁判所の整理解雇の4条件で終身雇用の義務がついて来る。だから、必要なスキルを持つ人を必要な時だけ適正な条件で雇いたいと思えば、3つの条件のどれか一つを外してパートにするか有期契約にするか派遣を使うか、さもなければ業務委託にするほかないのです。
しかも高齢化した年功序列終身雇用の正社員は賃金が労働効率以上に高いので、企業は単純な仕事を切り出して安い賃金でパート・有期・派遣の社員に任せることになるのです。
「解決の決め手は『ニュータイプ』の正社員」というのは日本の特殊な正社員の制度を前提に納得ですが、真に必要なのは日本の特殊な正社員を普通の国の普通の正社員に変えること。そして企業を保護して正社員を解雇させない雇用保障の仕組みを改めて、企業を離れた従業員の転職を徹底的に支援する仕組みに変えること。そうすれば正社員と非正規社員(パート、有期、派遣)を分ける必要が無くなって、誰もがスキルと働きに応じた賃金が受け取れます。
つまり、普通の国の普通の正社員をニュータイプの正社員と定義して雇用保障の仕組みを変えれば済むのです。日本の生産性を高める上でどうしても必要な改革ですが、いろんな利権が絡んで全く動かないところが悩ましい。
中国恒大、清算の結論延期 香港高裁、来年1月29日に
辛坊 正記経済評論家
「審理の結論を来年1月29日に延期した。恒大側の提案を受け入れたとみられる」 (@@。
香港高裁は、10月末に1か月の猶予を与えた時点で”結論を引き延ばすのはこれが最後、12月4日までに具体的な債務再編計画が出せなければ即刻清算手続きの開始を決める”と恒大側に申し渡していたはず。報じられている以上のことを知る立場にはないですが、恒大がまともなリストラ計画を出さぬまま更に1月29日に延びるとなると、何らかの力が裁判所外から働いたんじゃないかと邪推したくもなって来る・・・ 恒大の資産の多くが中国本土にある以上、仮に香港高裁が清算手続きの開始を決めても中国政府が認めなければそれまでという事情もありそうです。1997年の返還直後に駐在して目にした香港の合理的な仕組みは、いまや忘却の彼方かも (*_*;
ミレイ次期アルゼンチン大統領、経済「ショック療法」案発表へ-報道
辛坊 正記経済評論家
かつて先進国と呼ばれたこともあるアルゼンチンですが、過去1年で通過ペソの価値は四分の一ほどに切り下がり足元のインフレ率も140%に及ぶなど今やハイパーインフレ状態です。ばら撒き色の強い政策を修正しようとすると国民の不満が高まって政権が倒れることを繰り返し、行き着くところまで行ったわけですが、流石に国民もこれではまずいと思って中央銀行を廃止して通貨をドルにするといった過激な政策を掲げる急進的な大統領を選んだものなのか・・・
本当に中央銀行を廃止してドルを自国通貨とするにしてもドルを背景に新たな自国通貨を出すにしても経済に急激な引き締め効果が出るでしょうし「鉱業や石油などの分野での規制緩和、税制の簡素化、一部国営企業の民営化など」も既得権益層に大きな影響を及ぼしそう。通常ならとても耐えられるところではないでしょうけれど、今の混乱ぶりを収めるにはそのくらいの荒療治が必要なのかもしれません。
公約は公約として実際にどの程度の施策が打ち出され、国民はそれを受け入れることが出来るのか。ばら撒き策の連続で先進国から”後進国“に落ちた唯一といってよさそうな国の成り行きが気掛かりです。こんどこそ立ち直ることが出来れば良いですが。 (・・;ウーン
利上げ局面、終了模索か=指標にらみ慎重に判断―米FRB
辛坊 正記経済評論家
「FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は10月、前年同月比3.0%上昇した。上昇率は昨年6月(7.1%)のピークから大きく下がり、2021年3月以来2年7カ月ぶりの低水準を記録」とありますが、インフレ抑制はラストワンマイルが難しく、油断すれば再燃します。引き締めと緩和のストップ・アンド・ゴーを繰り返してインフレ心理の高止まりを招いて大変なことになった1960年代終わりから1980年代初めにかけての米国がそれでした。
金融緩和が有利に働く市場が利下げ期待を高めるのは当然ですが、人々の消費行動の変化を織り込んだPCEが3%上昇というのはまだまだ高すぎる水準です。景気に幾許かの陰りの兆しが見え利下げ余地が十分できたFRBも出来ればこのあたりで利上げは打ち止めにしたいところでしょう。しかし、それを前面に出して市場が反応し過ぎたら大変です。「警戒論も根強い」というのもむべなるかな。それほど難しい局面ということかも。
転勤に最大50万円、明治安田生命が来年4月から支給方針…単身赴任手当も増額
辛坊 正記経済評論家
従来、会社が業務命令で仕事と勤務地と働く時間を指定し、従業員はそれに従うのが義務でした。解雇規制が厳しい我が国ですが、この業務命令に従わなければ裁判所も原則的には解雇を認めます。仕事を決めず新卒で従業員を採用し、定年まで何らかの仕事を与え続けるには、仕事のあるところ、育成のため配置すべきところに従業員を自由に配置する権限を会社が持つ必要があったのです。それが年功序列・終身雇用を旨とする日本的雇用慣行の本質です。
ところが近時、従業員の意識と社会規範が変化し中途採用市場も広がって、会社任せで人生を送る人が減って来ています。そうした中で柔軟に従業員を配置するには、転勤に要する実費を会社が負担にとどまらず、相応のメリットを与える必要があるということなのでしょう、たぶん。
従業員に優しい歓迎すべき制度ですけれど、その背景にあるのは年功序列・終身雇用をベースとした日本的雇用慣行の変質です。カネをあげるから転勤してね、という中途半端な仕組みを何時まで続けることが出来るのか。日本的雇用慣行が普通の国の普通の制度に変わる過渡期を繋ぐ民間企業側の工夫の一つに過ぎないように感じます。
企業を保護して解雇させないことを軸にする日本独特の雇用保障の仕組み、すなわち、労働契約法の解雇規制、裁判所の整理解雇の4条件、雇用調整助成金、官製のハローワークと職業訓練を軸とする雇用斡旋の仕組み等々を官の側も見直して、解雇の裁量を認めるかわり企業は保護せず、会社を離れた従業員を徹底的に保護する仕組みに変えて行く必要がありそうに思います。そうした仕組みが整えば、仕事と無関係に支給されるこうした手当の必要性は薄れます。日本で活動する企業の生産性を高め、従業員が自ら選んだ仕事と場所と時間で高い賃金を得られるようにするために、避けて通れない変化ですけれど・・・ 政治家と規制当局の側が動くことは残念ながらないでしょう。日本が立ち遅れて行く要因の一つです。 (._.)
後期高齢者の医療費、窓口負担2割に引き上げ案 政府
辛坊 正記経済評論家
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年、感染を恐れる高齢者が医者通いを避けたら日本の医療費総額が落ち、死者数もむしろ減り気味でした。今日は天気が悪いからあの人来てない、という話を私、某医院で現実に耳にしてもいますしね・・・ 窓口負担の低さが過剰な受診を招く傾向があることは否めないところでしょう。
高齢者は医療費支出が嵩みがちですが、一定の自己負担限度額を超えれば高額医療費の還付制度が適用され、無制限に負担が膨らむわけではありません。現役世代と釣り合う窓口負担率にするという意味でも高齢者の過剰な医者通いを抑制するという意味でも引き上げは当然で、本来なら現役世代並みの3割にすべきです。後期高齢者目前の私ですらそう感じるのですから、現役世代の皆さんは尚更だろうと思います。
巨額裏金疑惑、自民に動揺 広がる疑心、口つぐむ幹部―安倍派パーティー券不記載
辛坊 正記経済評論家
企業が特定の議員なり政党なりに献金して政策に影響を及ぼすことが一概に悪いとは思いませんが、少なくとも日本に関する限り、献金が政治家なり政党なりに賄賂的な影響を及ぼすことを避け、政治家が資金集めに奔走する政治とカネの問題を解決するとの趣旨で政党交付金の制度が導入されました。私が40歳代半ばの分別盛りの頃だったので、その当時の騒ぎをはっきりと覚えています。その額なんと自民党に159憶1000万円、立憲民主党に68億3200万円といった具合です(2023年度)。そうであるにも拘わらず企業献金の制度が残り様々な抜け道が作られて、更にキックバックで議員個人に還元されてまでいたということですね (・・;
100歩譲って企業献金を認めるとしても、それが正当化されるのは、どの議員なり政党なりがどの企業なり産業なりから幾ら受け取っているか明示されている場合に限ります。それがはっきりしていれば、議員と政党が企業と産業のために動く背景が見え、施策の当否を国民が判断する材料になりますから。ところが今回のように複数のトンネルを使って総額が曖昧になったり、ましてや裏金で個人にキックバックされたりすれば、それはもう無茶苦茶です。
政治家が資金集めに奔走することを避けるため導入した政党交付金制度と献金の制限措置だった筈なのに、献金にいろんな抜け道が作られて、政党支部を作って献金を集め、その政党の支部長はその地区の国会議員、といったことが堂々と罷り通っています。政党交付金の制度が出来た経緯に立ち戻れば、これは政党助成金と政治献金のいわば二重取り。政治家自身が作った仕組みなので、国民一人当たり250円の強制徴収と従来からの政治献金の二重取りが可能なように細工をしたといっても過言ではなさそうです。それに加えて不正行為まで行うのはもってのほか。この際、政党交付金制度の本来の趣旨に立ち戻って政治献金を一切禁止しても良いように思わないでもないですが、政治家が自ら制度を作っている以上、今回もまた、喉元過ぎればあの手この手で新たな抜け道が出来そうな・・・ ( 一一)
FRBパウエル議長、利下げ転換議論は「時期尚早だ」…市場をけん制
辛坊 正記経済評論家
落ち着いてきたとはいえ6月に前年比3.0%まで落ちたインフレ率が3.7%%までリバウンドして3.2%%に戻ったところです。潜在成長率が欧州や日本より高い米国ですが、それでもなお、3%台のインフレは経済の構図を歪めず安定成長を図るには高過ぎます。9%、10%といった極端なインフレを3%台に落とすより、そこから2%に落として安定させる“ラストワンマイル”のコントロールの方が難しい側面があるのです。
1970年代の米国は、こうした状況下で市場なり景気なりの軟化に押されて緩和に動いてインフレを再燃させることを繰り返してインフレ心理が定着し、市場も景気も無視して極端な引き締めに走ることを迫られました。その結果起きたのが米国のみならず世界に及んだリセッションと金融市場の混乱です。
インフレにも景気にも落ち着きが見えて遅れて出る引き締め効果への警戒も怠れない中ですが、緩和の素振りを見せれば市場が過剰に反応しかいない状況下、市場を牽制しながら軟着陸を図るほかない心境じゃないのかな・・・ (^.^)/~~~フレ!
異次元緩和導入で市場機能が急低下、YCCでマイナス幅が最大=日銀特別調査
辛坊 正記経済評論家
量的融緩和もマイナス金利政策も通常の金融政策が使えない環境下で編み出された無理のある手段で、中でも、経済の体温計とされる長期金利を中央銀行がコントロールするYCCは、中央銀行による株式購入と並んで禁じ手とされるものでした。長期金利のコントロールに日銀と並んで手を染めたオーストラリア中銀は手痛い目にあって早々に撤退し、先進国の中央銀行で株式購入だのYCCだやっているのは我が日銀のみにとどまります。
株式(ETF)購入まで含む異次元の量的質的金融緩和もYCCも市場機能を歪めて行う政策ですから、低金利下で迷惑を蒙った市場関係者を主体に調査すれば「市場機能度DIが、量的・質的金融緩和導入を境に急低下し、イールドカーブ・コントロール(YCC)導入でマイナス幅が最大になった」との結論が出るのは当然で、調査するまでも無く日銀は分かっていたんじゃないのかな・・・
とはいえ圧倒的な少数派であるリフレ論者が大きな声をあげて主導権を握って異次元緩和を推進し、政治家も世論もそれに同調した結果、我が国には“緩和を縮小して金利を上げれば直ちに問題が表面化する、いまのまま続ければ緩和の出口で起きる問題が益々大きくなる”というジレンマが生まれています。異次元緩和を見直して問題が表面化すれば日銀が非難の矢面に立たされるのは必定で、見直すには第三者の目によるなんらかの評価が要るのでしょう、たぶん。YCCが最も効率的に市場機能を毀損したとの結論が出たわけですが、さて、日銀はこの調査結果をどのように使うのか・・・ (・・;

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