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ベテランのファンドマネジャーが英紙に寄稿「いま、私が日本株に投資する理由」
クーリエ・ジャポン
辛坊 正記経済評論家
「成田空港や東京行きの電車の効率と清潔さは、ニューヨークの国際空港の散らかり具合や、落書きだらけの電車とは正反対」、「日本の電車が清潔で速くて時間も正確なように、日本企業は正確で着実な経営を続ける」 (@@。 私が初めてニューヨークで暮らした1978年から80年当時、日本の電車は本当に正確で清潔で、ニューヨークのそれは落書きだらけでガタガタでした。電車に限らず市内の状況も同じです。ところが今では日本の電車内に飲みかけの空き缶が転がり、電車が遅れるのも日常茶飯事で、ニューヨークの電車の落書きは滅多に見なくなりました。近時のニューヨーク市の清潔さは隔世の感があるほどです。この変化が彼我のこれまでの足取りを示すとすれば、この先、日本が追い付き追い越すことは本当にあるものか (・・. 「株式は基本的に、企業の利益(またはキャッシュ・フロー)や成長見通しによって決まる。だがそうした評価基準は、不景気やインフレ、金利の上昇といった社会の変化によってたやすく変動してしまう」というのは確かですが、事業計画に現れるキャッシュ・フローで決まる企業の価値は全体の2~3割に過ぎず、株式価値の7~8割は、事業計画に現れない未来の成長期待で決まります。彼我のかつての電車と街の変わりようが彼我の未来を象徴するものなら、そして日本経済の基本的な構造が変わらなければ、悲しいけれど日本経済の未来に大きな期待は持てません。 中長期的に見るなら日本の資産の組み込みウエイトは、投資対象資産に占める日本の割合以内に止めておく方が良さそうな気がします。老い先短い私は仮令損でも身近な円を厚めに持ちますけどね、て、ホントのこと言うと、そもそも私は国際分散投資するほどお金を持ってない f(^^;
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企業向けサービス価格、2月は前年比1.8%上昇 旅行需要が押し上げ
Reuters
辛坊 正記経済評論家
日本銀行が公表するサービス価格と企業物価は企業の生産コストを決める要素です。円安と資源高の影響を共に受ける企業物価は足元で米国以上に上がっていますが、人件費の影響を受けるサービスコストはさして上がって来なかったのが我が国の現状です。その結果、消費者が買うモノの値段は政府のガソリン補助等が無ければ米国とさして変わらぬ感じで上がっていますが、様々なサービスの値段が上がらず、消費者物価全体で見ると米国ほどには上がっていないのです。 政府・日銀はモノの値上がりは一時的なものなので遠からず2%割れすると見ているようですが、インフレ心理が定着し、賃金上昇と物価上昇の共振が起きると、たぶん、その限りではありません。資源価格の上昇と円安で起きる企業物価の上昇は日本企業が生み出す価値の海外への流出を伴います。外国のモノを高く買うのですから当然です。 それを反映してモノの値段が上がっているわけですが、賃金上昇、サービス価格上昇、物価上昇のスパイラルがそれに加わると、物価の上昇以上に賃金が上がるとは限りません。むしろ、賃金上昇が物価上昇に追いつかず、実質賃金が下がる可能性の方が高いでしょう。 これから起きる賃上げがどのような形でサービス価格に反映し、それがどのような形で消費者物価を上げるのか。日銀の政策と絡んで気になるところではありますね・・・ (・・;
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住所変更、マイナカードで一括…銀行・証券・生保など導入検討
読売新聞
辛坊 正記経済評論家
マイナカードとパスポートに仕組まれた認証機能を使ったワクチン接種履歴証明の取得も、e-Taxに拠る税金の申告も、極めて扱い易く便利です。「金融機関などに届け出済みの住所も自動で変更されるサービス」も、極めて便利で使い勝手の良いものになるでしょう。 でも、これ、あれほど皆が嫌がってお蔵入りになった預金口座のマイナカードへの紐づけと、いわば同じものですね。税務署はお金持ちの口座を実際のところかなり確実に捕捉していると耳にするので抵抗しても所詮無意味でしょうけれど、こうした形なら、預金口座の当局による捕捉も抵抗感が小さくなってすんなり進むのか? 「カード保有者の同意を得て」とありますが、同意の求め方が気掛かりです (^^; どんどん進めて世の中を便利にすれば良いので賛成ですが、政府の手法が「朝三暮四」であるとの感は否めません。住基ネットの国民番号であれほど抵抗の声が上がったのに、マイナンバーと名前を和らげたら節税等を考える人にとって住基ネットより怖いはずの番号の導入が比較的すんなり決まり、「社会保障、税、災害対策」に限定されている使用目的が次第に広がって、遂にというか漸くというべきか、マイナカードに落とし込んでここまで広がって来た訳ですね。 この調子なら、いずれ民間企業の各種ポイントや航空会社のマイルの還元をマイナカードと結びつける、何かの折の消費税の還付等にかこつけてキャッシュレス決済で政府がポイント還元する。といった動きも始まりそうな気がします。そこまで行くと日本中のお金の流れがマイナカードとキャッシュレス決済を使ってクリアになって、売上の一部を帳簿から落とすといった節税(≒脱税?)も難しくなるでしょう。すべてガラス張りで生きているサラリーマン上りの私は、便利で効率的になるなら何でもやってくれとの思いが強いけど、抵抗感を持つ人もいるかもね (^_-)-☆  行政手続きのデジタル化はどんどん進めて行くべきです (^.^)/~~~フレ!
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日本の賃金「時給」は増加 時短先行、付加価値が課題
日本経済新聞
辛坊 正記経済評論家
「賃金は時間あたりなら直近10年間で12%増えている」としても、円の実力(≒実質実効為替相場)はこの10年で3割近く下がっています。20年前と較べれはほぼ半分。日本の賃金がシンガポール、香港はおろか韓国、台湾に抜かれ、中国の主要都市やインドのバンガロールにさえ抜かれかねない状況に陥った所以です。時間当たり賃金も、世界の主要国の中で相対的に見て、大きく下がっているんじゃないのかな (・・? 金融緩和と財政支出で短期的な需要を作って余剰な生産力を活用し、足りない分は輸入して、一時的に景気を良くすることはできるでしょうが、日本が衰退を続ける本質的な要因を改善することは難しそうな気がします。「働き手の能力を高める取り組みや設備投資など肝心の付加価値の増大につながる取り組み」にこそ目を向けるべき局面に我が国は立っていて、財政支出にそうした役割を担わすことも出来ますが、今のばら撒きぶりを見ていると、需要を先食いするばかりでそうした方向に向かう期待が持てません。 世界の動きに負けぬよう創意と工夫を凝らす、寝食忘れて我武者羅に頑張る、自分にも周囲にも自立を求める、という高度経済成長時代の風潮が良くも悪しくも日本から消えたように見え、戦後の貧しい時代に生を受け、日本の古き良き時代を生きた化石世代のオッサンは、若手壮年の皆さんが生きるだろう未来の日本の姿が心配です。人生も終わりに近づいて、その時代を目にすることはないだろうオジンの余計なお節介かもしれませんけれど (^^;
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4月から公務員定年引き上げ 国・地方、人手不足に対応
時事ドットコム
辛坊 正記経済評論家
雇用を巡る日本の最大の問題は、雇う側が業務命令で仕事と働く場所と時間を決める権利を持つのと引き換えに、定年まで雇い続ける義務を負う慣習が今なお根強く残っていることです。終身雇用の義務があるから一定年齢で一斉に止めさせる定年と、勝手な転勤を認める業務命令が必要になるのです。こうした慣行があると被雇用者は自分で仕事が決められず、リカレント教育も生涯学習も、笛吹けど踊らずということになるのです。日本の被用者が学習をせず、スキルが低いと言われる所以です。昨日まで営業をやっていたのに明日から総務、なんていうことが組織の都合で起きるなら、何を学んで良いか分かりませんからね。 かといって業務命令で転勤させることを禁じたら、組織は手持ちの人材を使って変化に対応することが出来ません。変化の激しい時代、終身雇用義務と定年がセットのこのシステムは、組織(≒会社、役所等)と人材の力を落とします。「シニア層の職員が持つ知識や経験を生かす」とありますが、こうした仕組みの中で育ったシニア層の大部分は時代の流れに乗り遅れ、尖った知識とスキルを持ちません。持っているのは人脈とか組織固有のノウハウとかいったものが主体でしょう。「民間企業でも同様の動きが広がるか注目される」とあるのはそうあって欲しいとの願望の表れでしょうけれど、事業戦略を柔軟に描いて組織と人材の質を変え、変化の激しい世界を相手に勝ち抜かなければならない民間企業が、いつまでもこんな仕組みを引き摺っていたら、産業構造が立ち遅れて日本は貧しくなり続けるばかりです。今の高齢者は最早手遅れであるとしても、未来ある若者や中堅層をそんな環境に止めて良いはずがありません。 労働契約法の解雇要件、整理解雇の四条件、失業手当、ハローワーク、職業訓練所、雇用調整助成金等々で成り立つ日本の特殊な雇用の仕組みを変える責任を持つ役所の側が定年を率先して延長し、我が国を衰退に追い込む終身雇用と定年制度を自ら固定化しているようじゃ、日本の未来は暗そうな気がします。民間との回転ドアを拡大し、年齢に関係なくスキルに応じて働ける仕組みを整えて見せて欲しいけど・・・ 期待するだけ無理ですね f(^^;
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プーチン大統領 “ベラルーシに戦術核兵器を配備で合意”
NHKニュース
辛坊 正記経済評論家
かつて、首都ワシントンの喉元に位置するキューバにロシアが核ミサイル基地を作ろうとした折、その阻止を図る米国がキューバを海上封鎖し、戦闘機が出撃体制を整え、核戦争に至る可能性が70%あったと後に評価される状況が生まれたことがありました。いわゆるキューバ危機で、核を積んだロシアの船団が刻一刻と海上を封鎖網する米国艦隊に接近し続ける「人類危機の13日間」を、中学生だった私を含む世界中の人々が固唾を呑んで見守ったことを今も鮮明に覚えています。毎朝、真っ先に目にする新聞記事はこれでした。 危機の最中、ソ連のフルシチョフ首相が最終的に持ち出した撤回条件は、首都モスクワの喉元を狙うトルコの米軍基地のミサイルの撤回でした。このミサイル基地は既に古く実質的な役割を終えていて、米軍はもともと撤去を考えておりソ連もそれを知っていたようですが、こうした事態になると米国のケネディー大統領は脅しに屈して引いた形はとれず、フルシチョフも同様です。痛み分けの形を取るためフルシチョフとケネディーの間で熾烈な駆け引きと腹の探り合いが行われたと聞き及びます。 たとえトップが危険を感じて降りる意思を持ったとしても、軍事力を重視する軍部をはじめ様々な見解を持つ構成員がいる組織の中で、最終的に出て来る意思決定は過激なものなる可能性があるとされる事例の一つです。今回の問題は米国の喉元で起きた事態でないので米国がそれほど強硬な姿勢を取ることはないでしょうが、米国が欧州に核を配備している状況下、言い出したプーチン大統領は仮令米国とNATOが拒否の姿勢を示しても、見返りなしに降りることは自らの権力基盤を守るためにも出来ぬはず。「ベラルーシへの戦術核兵器の配備も明らかにすることで、ウクライナや欧米諸国へのけん制を強めるねらい」とありますが、事態が危険の度合いを一段高めた感じは否めません (/_;)
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