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【削除されました】養殖物2023年2月26日(日)
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大倉 択磨
松本零士さん死去のニュースから色々と連想したことがあります。 宇宙を舞台とする作品が多いことからも分かるように、松本零士さん自身宇宙開発には相当な思い入れがあるようで、戦場まんがシリーズにもロケット開発の道を志すキャラクターが度々登場します。 「成層圏気流」では核弾頭搭載V2を開発した大学教授、「音速雷撃隊」ではロケット特攻機である桜花の操縦手がそうなのですが、いずれも生きて戦後を迎えることは無く宇宙開発の舞台に上がることはありません。 さて現実ではどうだったかと振り返れば、宇宙開発時代の初期はソ連がアメリカを圧倒しており、フォンブラウンがレッドストーンで有人弾道飛行にこぎ着けた頃コロリョフはその20倍以上の射程を誇るR7で有人周回飛行に成功していました。ところがガガーリンの周回飛行から5年後、スターリン時代のNKVDの拷問が元で患っていた壊血病の悪化でコロリョフは死亡、ソ連の宇宙開発は勢いを失いフォンブラウン率いるアメリカが最終的な勝利を収めました。 成功するのに必要な要素は何かと考えた時、一つは努力を重ねて得た能力だとは思いますが、もう一つは何なのか分からなくなってきます。運、と言えばその通りなのですが運の違いによってある者は道半ばで退場し、ある者は勝ち残って総取りする…と説明してしまうと何やらとても乱暴な物言いに思えてくるのです。実際フォンブラウン自身アメリカへ亡命する時にSSに捕まり射殺されていた可能性もあった訳で、そうなれば宇宙開発競争がどんな歴史を辿っていたか想像もつきません。 そんな事を考える一週間でした。
デフレ脱却「日銀に責任」 黒田氏、旧体制を痛烈批判
共同通信
大倉 択磨
日銀の金融政策だけでデフレ/インフレが決まるとは思わないですが、黒田総裁のリーダーシップの元緩和政策を維持しデフレではない状態まで持って行った手腕は評価されるべきだと思います。 物価動向を論じるならその一因として資金需要に着目することが欠かせない訳で、黒田総裁の量的質的緩和が9年以上、文字通りのゼロ金利政策が18年以上?続いて何故民間の資金需要が(政策金利を上げられる程には)戻らなかったのか、そこにデフレの原因があるでしょう。 遡ればバブル崩壊後の貸し剥がしに遭い、破産・倒産を免れたとしても数十年という長期に渡って借金の返済を余儀なくされたことで強烈なトラウマが植え付けられ、投資意欲が削がれていったことは見逃せません。 金融機関の倒産が相次いで政府が公的資金の注入に踏み切ったのは97年頃ですが、これをバブル崩壊後の初動で出来ていればあれほど深刻な信用収縮にはならず、回復も早かったのではないかと想像します。おそろしく不人気な政策で、最初に言い出した宮沢政権は世論の袋叩きを受けましたが、どちらが正しかったかは史実を見れば分かります。 資金需要が戻りインフレになったとは言い難いですが、外的要因に影響される物価は上昇し、コアコアCPIと賃金の上昇に繋げられるかが問われる時代になりました。速水総裁の政策が誤りであったなら、次の総裁が同じ過ちを繰り返さないことを願って止みません。
【削除されました】養殖物2022年7月31日(日)
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大倉 択磨
今読んでいる「ナチス 破壊の経済」は下巻に入りましたが、戦争経済の観点でその時代を見ると、国力とはこういう意味なんだなと気付かされることが多々あります。 30年代後半には外貨建ドイツ国債は叩き売りされていて、輸出と輸入のバランスに神経を使う状態だったそうですが、そんな環境で兵器生産を増やしたため、お金を掛けていなかったところには相応のシワ寄せが来たそうです。 消費財なんかは分かりやすく、衣類や食品は価格統制されていたものの同じ値段で質が落ちていったそうです。これは我々も身に覚えがありますね。 鉄道にもロクな投資がされていなかったそうで、開戦が近づくにつれて貨車・機関車の数はむしろ減っていき、ポーランド占領後には機能不全に陥ったそうです。急いで弾薬生産を増やして西部国境まで運ぶ、その一方で兵力を東から西に輸送するために運行の余裕が無く、39年だけで列車事故で1900人が死亡したそうです。 今はフランス占領後の解説に入っていますが、航空機生産の数字を見てみればアメリカの工業力の恐ろしさが分かります。英独が年間1万数千機を生産している頃、アメリカは8万機以上を生産していました(1942)。対日参戦後はさすがに無理をしていたとはいえ、再軍備を始めた直後の民間経済は好景気に湧いていたのだから、ドイツとは国としての余力が違いますね。
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