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炭素の値付けに賛否両論/環境省、長期削減ビジョン最終案骨子を議論
www.denkishimbun.com
原 典孝
炭素の値付けには炭素税と排出権取引がある。個人的には値付けは所謂低炭素化には必要だと思っているが、要はどう現実社会に落とし込めるのかかが難しい。大場さんも指摘している通り、マクロ経済的には二つは等価なものとされるが、実際にインプリメンテーションしようとすると異なる点も出ててくる。特に私が過去に排出権取引に関わっていた時に個人的に実感したデメリットは下記の通り: 1. キャップのGHG排出量を決めることは基本的には未来予測 2. 当然だが、炭素クレジットの価格がマーケットの需要と供給に左右される 3. 1-2の理由から、排出権取引として売るための炭素クレジットを創出するような事業への投資はあまり魅力的でない。実際CDMでは当初期待されたような低炭素事業への投資は起き辛く、逆にクレジット認定されるように逆に低炭素化を控える、という事も発生していた。 4. 更に国際取引の場合は複数国間でキャップの同意が必要。 5. 排出権取引で売買される排出権は通貨のようなもので、その取扱手数料が高い(排出量のモニタリングも含めて) 炭素税の価格決定方法も難しいは難しいですが、予測不可能なキャップを必要とし、かつ各国固有の値での合意形成が必要な排出権取引より現実的と考えています。 炭素税の場合、消費者への負担をキャンセルできるように、他のところで税率を下げると言う方策とセットにするべきであり、またそうしないと国民の同意も得られないと思います。これは税金をかけ、それを資金源として低炭素事業に投資するのではなく、外部不経済性を是正し、経済市場での低炭素シフトを促すためのカーボンプライシングという文脈のためですが。
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