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大学教員のハラスメント 公表基準など初の実態調査 文科省
NHKニュース
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「内々で処理する」というのは、大学に限らず、小学校、中学校、高校、あるいは企業などでも広く見られることです。  「内々で処理」することこそ、ハラスメントを蔓延させ、繰り返させます。  統一された基準に沿って、処分を公表する(同時に被害者の損失を可能な限り減らす)、「内々で処理する」のをやめて、一律に同基準で処分することが、ハラスメントを減らします。  研修会などやっても効果はありません。 一律に処分するというのは、「そんなことをすれば組織の和が乱れる」「組織の対外的イメージが損失をこうむる」「被害者もウワサになって居づらくなる」などと言う人たちがいます。  だから「内々に処理する」べきだ、というわけですが、それではハラスメントが減らないし、組織を長期的に腐らせていくだけです。  ハラスメントが蔓延する組織のままでは、被害者が増え続け、やがて組織も衰退します。 処分して公開すれば、被害者もウワサになって居づらくなる、ということはあるでしょう。  その場合は、賠償金を支払い、他の組織に移れるように手を尽くすなどして償うべきでしょう。  賠償金支払いが頻発して組織に耐えがたい金額となれば、組織もハラスメント阻止に本格的に取り組むでしょう。
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【大問題】なぜ最近、若者による「強盗」が多発しているのか?
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
組織犯罪の増減は、 ① 得られる金の大きさ ② 組織犯罪を犯すことのリスク という2つの要因で推移します。 ① 得られる金の大きさ、というのは相対的なもので、例えば1日100円で生活している人間には100万円は30年分の生活費という大金で、人を殺してでも得るべき金額、と見えるかもしれません。  つまり、貧困が広がると組織犯罪は増えます ② リスクの大きさ、は、いくつかの副次的要因から成り A. 警察に捕まるリスクと裁判で有罪になった時の刑の重さ、 それに加えて、 B.犯罪組織に属することによる負担(ノルマや規則など) C.表社会で正業に就く機会を失うことによる損失 などがあります。  A.警察や裁判が機能しない(ワイロなどで買収できたりする)、B.上納金なども厳しくなく上役の面倒見もいい、C.どうせ正社員になって月給をもらうことなど無理、といった副次的要因が重なると、②リスクの大きさ、は、犯罪を抑止できるほど大きなものではなくなります。 日本では、1970年代~2010年代くらいは、①得られる金の大きさ、も、さほどではなく、②リスクの大きさ、は非常に大きいものでした。そのため、組織犯罪は世界のほとんどの国と比べて少なかったです。  もちろん、組織犯罪は無かったわけではなく、暴力団に集約されていました。賭博はパチンコ、競馬、競艇などに集約されていました。 暴力団というのは、~組~代目、というような代表が看板のかかった事務所にいて、警察がアポイントメントを取ればいつでも会うことができました。  これは明らかに警察が組織犯罪を集約して統御するための方法で、暴力団に属して組織犯罪を行った場合の②リスクの大きさ、も、警察と調整されていました。  そして、暴力団以外が組織犯罪を行った場合の②リスクの大きさ、は、非常に大きく設定され、暴力団以外の組織犯罪が発生しにくくなっていました。  現在は、この方法は使われていません。 現在の日本では、①得られる金の大きさ、に引き付けられる貧困層は相対的に増え、②C.表社会で正社員になる機会は減っています。  組織犯罪に関わる人間が全て貧困層という訳ではなく、リスクを犯す手駒に使われうる層が増えた、ということです。  ①得られる金が100億円なら、そういう層を使って組織犯罪を犯す、という層もいます。
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中国、融資10兆円焦げ付き 20~22年の新興国向け
日本経済新聞
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「一帯一路」の現在です。  中国は、欧米や日本が手を出してこなかった、アジア、アフリカの国々に大規模な融資をして歓迎されてきました。 「融資10兆円焦げ付き」と表題にありますが、中国の財政に関する数字の発表の常で、実際はもっとはるかに大きいでしょう。  そもそも、中国政府のODA以外に、中央銀行である中国人民銀行、それに中国銀行や中国工商銀行、中国建設銀行といった金融機関も、国外への融資を続けてきました。 中国政府公式の数字だと、 2022年6月末の中国の 対外金融資産は9兆1563億ドル、 対外資産負債は7兆746億ドル 対外純資産は2兆816億ドル https://japanese.cri.cn/2022/10/06/ARTIdJAOYZRhSBn7yZVoVZfD221006.shtml と、これだけでも大変な金額ですが、実際はこんなものではないでしょうし、これらのどれだけが不良債権化するのかは、債務国の今後の経済にかかっています。 主な債務国としては(カッコ内は中国に対する債務)、 パキスタン 773億ドル アンゴラ 363億ドル エチオピア 79億ドル ケニア 74億ドル スリランカ 68億ドル (そして、ベネズエラが、おそらく750億ドルくらい) などがありますが、いずれもデフォルトしたかデフォルト寸前で、返済能力はないでしょう。 https://www.nationthailand.com/world/asia-pacific/40020001
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トランプ氏、出生地主義の米国籍付与廃止を公約 不法移民の子に
Reuters
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
米国の国籍が出生地主義、という原則は変えないものの、大きな制限をする、という主張ですね。 (出生地主義をやめて日本のような血統主義に変えてしまうとしたら、米国の根幹を否定することになりかねません) 「子どもが米市民権を得るためには親のどちらかが米市民権か永住権を持つことを要件として定める計画」ということであれば、単に不法移民の子どもが米国籍を得られない、というだけではなく、留学や就労で米国に居住している外国人の両親から生まれた子どもも米国籍を得られないことになります。 多くの外国人が、子どもが米国籍を持てるようにしようと、米国に出産に来ます。  宇多田ヒカル氏が日本と米国の二重国籍であるのは、母親の藤圭子氏が、ニューヨークで出産したからです。  米国政府としては、そういう目的で米国に出産に来る外国人はできるだけ阻止しようとしています。  トランプ氏の主張を支持する米国人は、少なくはないでしょう。 しかし、一方で、現在の米国人の多くが、そういうふうにして米国籍を取得した外国人の子どもの子孫であり、やはり米国の根幹に十分関わる問題です。  憲法修正を必要とするかもしれませんが、トランプ氏は大統領令でやると言っていますから、また司法判断の問題になるでしょう。
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「巨額支援、一気に行き過ぎた」ミャンマー大規模ODA、頓挫の教訓
朝日新聞デジタル
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ODAも投資であり、投資には当たり外れがある、ということですが、この記事には論点が2つあります。 ① ODAでミャンマーのインフラに投資したのに、政変で日本企業が進出しにくくなり、日本企業が得た利益が少なかった。 ② ODAでミャンマーのインフラに投資したのに、ミャンマーが民主化しなかった(軍事政権になった) ①と②は関係しあっていますが、別のことです。 ②については、民主化しなくても経済発展するし、そこで日本企業が利益を得ることもある、というのは、もう中国の例で明らかになっています。  ベトナムをこの例に入れてもいいでしょう。 「今は一党独裁政権の国だけどODAでインフラを整備したら将来民主化するので、日本が一党独裁政権の国にODAを使うのは民主化のため」というのが嘘なのは、日本政府も、欧米政府も、現地政府もわかっています。  もう通用しなくなっている嘘なのですが、今でも時々お題目として使われる嘘です。 日本政府(や企業)の誤算は、①の方で、別に一党独裁とか軍事政権でも、中国やベトナムでは外国企業が進出しているのだから、ミャンマーで軍事政権になっても特に問題はないだろう、程度に考え、深く考えていなかったことです。 一党独裁とか軍事政権といっても、いろいろあります。  ミャンマーの軍事政権は、北朝鮮などに近いもので、今の中国共産党やベトナム共産党よりも、なお悪質です。民主的でないとかいうよりも、変な民族主義の観念にとらわれて、経済についてまともな判断ができません。  欧米諸国も、中国やベトナムと、北朝鮮やミャンマーでは、扱いが違います。  日本政府(と企業)は、そういう違いをあまり意識していなかった(というかミャンマーの政治とか全然関心がなかった)、知ろうとしなかったし、リスクを考えようとしてこなかった、ということです。
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【勃発】中国とオーストラリアの「リチウム戦争」が凄まじい
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
リチウムはオーストラリアやチリで採れますが(そして中国は産出量世界第3位)、リチウムイオン電池をつくるのにはリチウムだけではなくニッケルやコバルトも必要です。 インドネシアやフィリピンで採れるニッケルも中国企業が押さえているシェアが圧倒的に大きいですが、コンゴ民主共和国やロシアで採れるコバルトはほどんど中国が押さえています。 オーストラリアが、コスト度外視でリチウムの精製をしたとしても、リチウムイオン電池の主要生産国にはなれません。  原材料を圧倒的に確保しているのは中国だけで、生産コストからいっても中国で全部つくってしまう方が競争力があります。  EVまで中国でつくってしまうほうがコスト面では合理的だし、実際、その製品は世界的な競争力があります。 オーストラリアは、精製前のリチウムを大量に中国に買ってもらう国、ということで、それなりに恵まれた国ではあります。  オーストラリアがリチウムイオン電池生産国として中国に取って代わるなら、オーストラリア単独では無理ですが、日本企業であれ米国企業であれ、残念ながらオーストラリアに手を貸しても中国に替わるリチウムイオン生産地にはなりえません。人材や設備の問題もありますが、コバルトを中国が押さえている時点で無理です。
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