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【疑問】ハマスよりヤバい「過激派」に支持があつまる理由
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ガザ地区は、だいたい、関西空港のある人工島に200万人が閉じ込められているようなものです。
そこには産業も雇用もありません。農業ができる土地でもありません。せいぜい海で魚を取るくらいです。
生活の主な手段は外国からの援助。そして、イスラエルとの関係がよい時は、一本の橋を通して人工島に電気や水、生活物資が運び込まれてくる、それから人工島を出てイスラエルに働きに出て給与をもらうことができる、といった場所だと考えれば想像しやすいでしょう。
この人工島の中の人口の65%が24歳以下、合計特殊出生率は4.0を超えています。
このことは、合計特殊出生率が増えるために必要なのは本当は何なのか、を示しているでしょう。
ガザ地区の住民が望んでいることは、少なくとも野心のある20代以下であれば、外に出ていくことに決まっています。
ガザ地区という人工島の中にいる限り、経済的成功の可能性などありません。できれば欧米に行きたいでしょう。
ガザ地区のハマースによる統治は、だいたい北朝鮮に近く、ハマースは軍事力に予算を集中する独裁政党です。
軍事独裁政党だから、その党員が優遇されることになります。
北朝鮮と違うのは、この人工島には産業がないこと、ただし国連や大手国際NGOは来ているので、そこに雇ってもらうと比較的ましな暮らしができる、ということです。
ハマースは、国連や国際NGOからの支援を中抜きするのと、イランからの支援で独自の財源を確保しています。
イランからの支援という財源にアクセスできるもう1つの組織がイスラーム聖戦です。
ハマースとイスラーム聖戦を指揮下に置き、資金供給によって競わせるのが、イランの操縦法です。
「ハマスがイランから支援を受けている、あるいはイランの代理組織だとしたら、なぜ世界は罪のないガザの子どもたちに責任を負わせるのですか。」
↑
「ガザの子どもたち」が悪いと言っている人は世界でもあまりいないと思いますが、ハマースへの攻撃を支持・容認する政府はいくつもあります。
これは、もちろん、イラン本体に戦争を仕掛けるのはリスクが大きいからです。
巨大タコの怪物と戦ううえで、タコの本体を真っ二つにできればいいですが、難しいので、1本の足の先(ハマースやイスラーム聖戦)を切り落としているのがイスラエルです。
ガザ人道支援のエジプトに2・3億ドル支援表明 岸田首相がシーシー大統領と会談
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
2.3億ドルは、エジプト政府そのものへの財政支援の性格が強いです。ガザ地区への人道支援のため、というよりも。
エジプトは、デフォルトのリスクの大きさでいえば、今や世界有数であり、エジプトの財政が破綻すれば、下手をすれば、ガザ地区どころではない規模の死者が出る紛争のおそれもあります。
近隣諸国、スーダンやエチオピアはもうダメだし、リビアは群雄割拠の戦国時代ですが、人口1億人のエジプト政府とスエズ運河が機能しなくなると、これら周辺諸国よりもはるかに影響が大きいです。
「岸田総理大臣は、昨今の中東情勢を受けて厳しい経済・財政状況にあるエジプトのニーズを踏まえて、IMFプログラムのレビュー完了等を確認しつつ、最大約2.3億ドルの財政支援に向けた検討を進めていく旨伝達し、エルシーシ大統領からは日本の支援に対する感謝が示されました。」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/eg/pageit_000001_00028.html
中国著名シェフ、二度と卵チャーハンを作らないと宣言 毛沢東の息子侮辱と批判され
世界各地でハマス暗殺作戦計画=イスラエル、ガザ戦闘後に―米紙
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ハマースの最高幹部はカタールに、中級の幹部であれば、レバノン、トルコ、ドイツ、英国、マレーシアなどにいます。
ただし、これら海外組は、ガザ地区の現場の戦闘員からは信望が無く、求心力は、ガザ地区責任者のヤフヤ・シンワル氏、それ以上にハマースの軍事部門最高責任者ムハンマド・ダイフ氏にあります。
実のところ、海外組を暗殺しても、ハマースの戦闘力や指揮系統には、全く何の影響もないでしょう。
あるとしたら、資金の流れの一部です。
海外組は、欧米やアラブ、中東諸国のメディアにはよく登場するので、いわば国外向け宣伝要員です。
目ざわりといえば目ざわりであるし、それなりの働きはしているともいえます。
しかし、外国に刺客を送って暗殺すれば、それは犯罪です。
レバノンあたりでやることはできるでしょうが、カタールでやるのはさすがに米国がいい顔はしないでしょう。
トルコや英国で中級幹部を暗殺しても、それほどイスラエルの得にはならないし、両国との関係悪化を考えると、やめておいた方がイスラエルのためでしょう。
防衛費財源、増税以外で1兆円 剰余金、特別会計で追加確保
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
2023年度から始めて「5年間で17兆円の追加確保」(5年間の防衛費合計は43兆円)の予定なのですが、予算支出のペースは明らかに繰り上がっています。
2023年度は、弾薬の費用だけでも3倍に増えていますが、南西諸島のインフラ建設なども急ピッチで進められていて、それは建設国債4300億円で賄われています。建設国債による予算確保は、今後も続かざるをえないでしょう。
しかも、資源高と円安で、調達コストが大幅に上がっており、5年間で43兆円では足りないでしょう。
当面、2024年度にしても、追加が必要にならないと、準備予定が遅れていってしまいます。
防衛費増額とその使途
https://www3.nhk.or.jp/news/special/yosan2023/defense-expenses/#:~:text=%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%A82023%E5%B9%B4%E5%BA%A6,%E3%81%AA%E5%A2%97%E9%A1%8D%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
日本の防衛力増強、円安で縮小 ヘリ半減・飛行艇見送り
https://jp.reuters.com/article/japan-defence-idJPKBN32106T
岸田首相「パーティーではなく勉強会」22年に6回開催 1億5000万稼ぐ
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
スケールが小さい、というか、バイデン大統領は、来年の大統領選挙に向けて、すでに7100万ドル以上を集めているそうです。
https://edition.cnn.com/2023/10/15/politics/joe-biden-2024-reelection-fundraising/index.html
トランプ前大統領も、3600万ドル以上集めています。
https://edition.cnn.com/2023/10/04/politics/trump-campaign-fundraising-third-quarter/index.html
議会制民主主義が機能している国ならどこでもやっていることで、fund-raisingと称してパーティーなどを開き、政治資金を集めるのは、議会制民主主義というシステムの一部です。
日本は、パーティー券とかいうやり方のイメージが悪いのではないでしょうか。
日本でもファンド・レイジングと呼ぶことにして、ファンド・レイジング会場で、クラウドファンディング式にして、オンラインでも誰がどれだけ寄付したか公開しながらやれば、問題にならないのではないでしょうか。
40年後の「ダサイタマ」は? 意見募集結果を公表―埼玉県
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
東京の代表的ベッドタウン、という地位は、全国的に見ればかなり恵まれた位置です。
よくいわれることですが、これが青森県や新潟県をネタにしていれば、シャレにならないことになるでしょう。
40年後、となると、むずかしいです。
東京のベッドタウン、である必要性は、減ることはあっても増えることは無いでしょう。
現在、埼玉県の人口は700万人、これから毎年2万人程度は、埼玉県の人口は移民に置き換わりそうです。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0306/keikakutoukei/r4-6toukei.html
川口市や蕨市で目立っているように、移民が独自の生活圏を築き、東京からの仕事も請け負う、という県になるのではないでしょうか。
キッシンジャー元国務長官が死去 冷戦期の米外交立役者
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
功罪ある人です。
最大の事績は、中国との関係改善への道筋をつけたことです。
これは、日本にも非常に大きな影響があったことですが、
・ニクソン訪中(1972年)
・中国のベトナムへの支援を止めさせ、米国のベトナムからの撤退(1973年)を用意
・中国とソ連の対立を決定的なものとする
・ただし、台湾は孤立
といった多方面にわたる複合的な効果がありました。
これにより、キッシンジャー氏はノーベル平和賞を受賞しました。
インドがバングラデシュの独立戦争を支援した第3次印パ戦争(1971年)では、インドを支援したソ連に対抗して、中国と共にパキスタンを支援しました。
結果は、インドの勝利、バングラデシュの独立であり、インドは米国への不信を強くしました。
中東戦争においてはイスラエルの安全保障のために大いに貢献しました。
エジプトやサウディアラビアのイスラエルとの関係改善に努め、後のキャンプ・デービッド合意(1978年)や近年のサウディアラビアやUAEのイスラエルとの関係強化につながる基礎をつくりました。
もともとが、ナチス政権下のドイツから米国へ亡命してきたユダヤ系ドイツ人で、よくも悪くも、それまでの米国外交とは水準の違う、多方面を見据えた巧妙な外交をした人です。
シーク教徒殺害計画で起訴 インド政府関与、米報道
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
外国に居る自国民の裏切者(と政府が見なした人間)に刺客を送って暗殺する、というのは、ロシアやイラン、北朝鮮あたりがよくやりますが、インドも、そちら側の国になりつつあります。
しかし、ヒットマンとして米国の麻薬取締局の捜査官のオトリを雇ってしまうあたり、いかにも不慣れです。
なぜ麻薬取締局に引っかかったかというと、インド政府の意を受けてヒットマンを雇った人物(グプタ容疑者)の本業が麻薬の密輸であり、麻薬取締局はその容疑でオトリ捜査をしていたところ、ヒットマンとして雇われてしまった、という話です。
インド政府としては、外国での暗殺に不慣れなのと、そもそも政治家と犯罪組織の付き合いはよくあることなので、グプタ容疑者に依頼しました。
しかし、グプタ容疑者は依頼金を大幅に中抜きし、ヒットマン料として15万ドルを用意しました。米国で隠密の殺しを依頼するには少なすぎるでしょう。
ヒットマン料が少なすぎて引き受け手が見つからないうちに、引き受けてくれたのが麻薬取締局のオトリ捜査官だった、という経緯です。
https://www.nytimes.com/2023/11/29/nyregion/sikh-assassination-plot-charges-india.html
COP28開幕へ 世界全体の気候変動対策の評価と強化が焦点に
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
UAEでのCOP開催。これは、いうまでもなく、「どうせ石油の使用が制限されるなら、産油国が率先してルールをつくり、できるだけ有利なルールにしてしまおう」という意図によるものです。
現代では、勤勉で細かいものづくりが得意な国ではなく、技術のイノベーションを起こす国でもなく、ルールを設定する国が利益を総取りします。
(実際はそう単純ではありませんが)
米国とヨーロッパ以外がルールを設定した例というのはほとんどなく、中東の、アラブ産油国がルールの設定を主導できるかどうか、が今回の見ものです。
UAEは、本国開催である方が、接待攻勢にしても、裏取引も(原油取引で便宜を図らうことで相手国からルールづくりへの協力を引き出す、等)やりやすいはずです。
アデン湾 タンカー乗っ取り 海自護衛艦の周辺に弾道ミサイル
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
そもそも誰がミサイルを撃ったか、ですが、群雄割拠の戦国時代が続くイエメンで、イランの支援を受けながら最大領地と首都を確保しているフーシー派です。
フーシー派が狙ったのは、イスラエル企業(Zodiacグループ)が保有するタンカーの拿捕で、これはイスラエルに打撃を与えてガザ地区のハマースを側面支援するためです。
フーシー派はタンカーの拿捕には成功しましたが、米海軍の駆逐艦「メイソン」と海上自衛隊の護衛艦「あかつき」が解放作戦を行い、タンカーは解放されました。
ただし、あかつきは、警戒監視を行ったのみで、発砲はしていません。
フーシー派がミサイルを発射したのは、この解放作戦を妨害するためです。
なぜ海上自衛隊がイエメン沖にいたのか、ですが、2018年から継続して、米海軍などと共同で「海賊対処行動」を行うため、海上自衛隊はこの海域にいます。
https://www.mod.go.jp/js/activity/overseas/anti-piracy.html
ただ、問題は、「海賊対処行動」は、ソマリアの民間人や軍閥崩れがやっている海賊を取り締まることで、イエメンのフーシー派は想定していないことです。
フーシー派は、日本政府は承認してはいませんが、イエメン政府を名乗っており、首都を握り、イエメンの半分ほどを領土にしています。
軍事力も、総力を挙げれば、護衛艦くらいは撃破されかねません。
日本政府はもちろん、米国政府もフーシー派と戦闘を始める方針は示しておらず、今回のミサイル攻撃も、明らかにフーシー派によるものですが(ソマリアの海賊は弾道ミサイルなど撃ちません)、そのあたりもぼかしています。
マスク氏、殺戮行為につながるプロパガンダ阻止必要 イスラエルを支持
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
イスラエル政府としても、そのへんの政治家なら「反ユダヤ主義者」とだけレッテルを貼って、放っておけばいいですが、マスク氏ほどの使い道がある人物であれば、取り込んだ方が得なので、手管を用います。
マスク氏は「ハマース殲滅は必要である」と認める、イスラエル政府はガザ地区でのスターリンクの使用を認める(ただしイスラエル政府が許可した時だけ)、ということで、一応、マスク氏の顔も立てたかたちになっています。
ただし、この記事の書き方は不正確で、マスク氏がスターリンクをガザ地区で使用可能にしていいのは、「イスラエル政府が許可した時だけ」と約束させられた、というのが正確なところです。
現在は、イスラエル政府は許可していないので、使用可能ではありません。
https://www.ft.com/content/67a874e3-42fb-4c69-8d74-212f2fed5d0e

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