Picks
808フォロー
41263フォロワー


「イーロン・マスクに頼られる男」が明かす…! ツイッター買収の“知られざる舞台裏”と“これからのこと”
山田 広毅東京国際法律事務所 代表パートナー 弁護士
Twitterとの訴訟でElonの代理人を務めたQuinn EmanuelのManaging PartnerであるQuinn弁護士のインタビュー。日本語でのインタビュー記事は珍しい。が、注意して読む必要がある内容だと感じた。
まず、代理人が直近の事件について語る場合、その内容には強烈なバイアスがかかる可能性が極めて高い(私自身についてもそうなる可能性は高いと思う。)。その点を、念頭に置いて、記事を読む必要がある。
Quinn氏は、Twitter経営陣が、和解交渉中に、買収価格の減額と引き換えにゴールデン・パラシュートと請求権の放棄を要求してきたと主張している。(記事中では、ツイッター社に対する「請求権放棄」を要求したかのように書いてあるが、ツイッター社はElonのものになるわけだから、会社に対する放棄は意味がない。Quinn氏が語ったのは、「経営陣に対する請求権の放棄」についてだったのだろう。)
仮に本当にこのような交渉したのだとすると、Twitter経営陣は、Fiduciary Dutyに反する行為を行ったと評価される可能性がある。なぜなら、買収価格を下げるという株主の利益を害することと引き換えに、自らの経済的利益を確保しようとしたということだからである。双方に名だたる弁護士がついていた中で、本当にこんなことが起きたのだろうか。事実が歪曲されていたり、一部のみが都合よく切り出されていないかどうか、慎重に読む必要がある。
また、交渉中の経緯について一方的な情報開示を行うことが、守秘義務違反にならないかという点も気になる。t
更に、Elonは最終的に当初契約の内容に従い買収を完了させたのであるから、Twitter社の請求を全面的に認めたも同様である(要は、完全敗訴と同じ。)。そこに至る過程の中で、なぜ上記のような交渉がなされることになったのか、私にはうまく想像ができない(ただこれは単に想像力不足かもしれない)。
最後に、蛇足だが、インタビューの締めとして、Quinn氏に日本の高齢社会について、コメントを求め、その内容が記事化されているが、何の意味があるのかまったくもって不明である。Quinn氏のコメント内容は、きわめて理解の浅いものが、それは仕方がないだろう。一般的な米国人の認識はこんなものだと思う。きっとQuinn氏も戸惑ったのではないだろうか。
東芝、国内連合に優先交渉権 中部電力やオリックス参画
山田 広毅東京国際法律事務所 代表パートナー 弁護士
売り手が優先交渉権を与える先を選ぶ際には価格が当然重視されるが、場合によってはそれ以上にクロージングの可能性の高さも重視される。
本件のように、それぞれの陣営が難しいイシュー(資金調達、外為法等)を抱える場合、クロージングの確実性の見立ては、なかなかに難しいだろう。
これはあくまで想像だが、JICがBainと組んで、なお外為法上の許可を取得するためには、相当程度アクロバティックなストラクチャーによることが必要になるのではないか。その辺りの事情も含めた判断だろうか。
ディール自体もこの先不透明な部分は多いが、非公開化後の東芝の事業運営がどうなるか、しっかりとバリューアップして再上場するというような道を辿れるのかも注目したい。
ツイッターとマスク氏の裁判、28日まで停止-取引完了へ道筋
山田 広毅東京国際法律事務所 代表パートナー 弁護士
以前トピックスに書きましたが、当初の契約にいわゆるファイナンスアウト条項は規定されていませんでした。
https://newspicks.com/topics/cross-border-legal/posts/7
銀行融資云々は、裁判が(和解か判決で)終結するまで、色々とあーでもない、こーでもないと切った張ったの交渉を続けていく中の一環で出てきている話です。
現実には、融資が実行されなければ、結局クロージング義務が果たせないということになるので、当初の契約が有効に存続しているのであれば、結局Elonは、金銭的な賠償責任を負うという話になるのでしょう。
Elon側が内部告発やFakeアカウントについて騒ぎ立てたことで、逆にレンダー側に融資拒絶の口実を与えた(またはその検討をしなければならないという不信感を醸成した)という側面は否定できないと思われ、なんとういうか、本当にロングタームを見据えた戦略とはかけ離れたところで、動いているのだなという印象です。
マスク氏、ツイッター買収再提案 当初合意の条件で
山田 広毅東京国際法律事務所 代表パートナー 弁護士
ElonからTwitterに送付されたLetterの内容はこちら↓
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1494730/000110465922105787/tm2227435d1_ex99-s.htm
ほぼ全面降伏に等しいようにも読める。
ただ、「provided that the Delaware Chancery Court enter an immediate stay of the actionand adjourn the trial and all other proceedings related thereto pending such closing or further order of the Court」ということなので、トライアルを延期させたのちに、また、なんだかんだ引き延ばし策に出る可能性は否定できないとも読める(Elonの言葉を全面的に信用するのは非常に難しい。)。Twitter社と裁判所の判断が注目されますね。
ツイッター・マスク氏訴訟、10月に審理へ デラウェア州裁判所決定

NORMAL
投稿したコメント