【新シリーズ】ChikusaとAmamiの交換ノート P.1

2022年11月18日
全体に公開

Epilogue

10月、とある女子学生から、連絡をもらった。

「私は福島出身で東日本大震災とそれに続く原発事故を経験いたしました。今、将来私が何をやっていきたいかを考えた時、自分の過去もあって、エネルギー問題や地球の持続可能性に関わっていきたいなと感じています。

東大で地球温暖化・エネルギー問題についても学ばれているそうで、今とても興味がある分野なのでぜひお話聞きたいです!」

彼女が東日本大震災と原発事故を経験したのは、小学2年生の時だったという。

一方の私は小学1年生の時に阪神淡路大震災で被災し、

小4の時に、地球温暖化問題を教材の漫画で知り、

その時からずっと脱炭素やエネルギー問題に向き合い続けてきた。

 

彼女と私、

自分と重なる所があるように思えた。

小学校での大きな出来事は、その後の勉強や行動の原動力になる。

 

 

私が彼女と同じ大学生だった時、私はどんどん「丸く」なっていった。

オトナとして必要な処世術を身に着けて、角がとれて、丸くなっていた。

しかし、違う言い方をするなら、周りの空気を必要以上に読みすぎ、ビクビクしていた。

   

彼女から連絡をもらって、

自分の知りたいこと、やりたいことの軸を持って、初対面の大人にも背筋を張ってコンタクトをできるところ、心から素敵だなと思ったし、

何よりも

『社会全体で子どもを育てる』という広い意味では、私も子どもを育てることに関わることはできるはず。」と思っていた自分にとって

彼女を応援してあげたいと強く思った。

 

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前置きが長くなりましたが、新シリーズ始動です。

彼女、とは、東北大学の1年生で、NewsPicks Student Picker2期生の中村天海さん

写真=中村さん提供

彼女から質問をもらったことに対してお答えするシリーズ「ChikusaとAmamiの交換ノート」を始めます。

1回目のきょうは、閉幕に向かって大詰めのCOP27にあわせて、エネルギーの話題です。

Amami「原発・火力・太陽光・水力、結局どれがいいの?」

Chikusa「まず、視点を“2030年”と“2050年以降”に分ける必要があります。

★2030年

“全て必要”というのが、政府の考えです。

2050年カーボンニュートラル達成のために、日本は2030年の温室効果ガス削減目標を定めています。

それに伴う2030年の電源構成は、以下のようになっており、多い順に、再エネ>原子力≧LNG>石炭…となっています。再エネに太陽光・水力が含まれます。

 

★2050年以降

日本は2050年カーボンニュートラルを掲げていますが、2050年の電源構成は目標として明示していません。

参考値として「再エネ約5~6割、水素・アンモニア約1割、CCUS+化石火力と原子力で約3~4割」が示された時期もありましたが、あくまで当時の参考値であり、まだ目標としては定まっていません。

まずは2030年を達成しなければ始まらないと私は思っています。今後のイノベーション次第で、2050年以降の絵姿は変わるでしょうから、今具体的な数値目標を立てることが適切とは思えません。とはいえ、再エネ・水素・アンモニアなどの新技術に投資がなされていることは確かであり、これらの割合は増えるでしょう。

全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより (http://www.jccca.org/)

意見分かれる原子力 ニュースの見方

2050年の絵姿を描く際、考えなければならないのが、原子力です。

原子力は二酸化炭素を出さない発電の1つですが、2011年の福島原子力発電事故を経験した日本が、これからも原発を使い続けるのかは、国民全員が考えなければなりません。

2030年においては電源構成の20%程度を占める予定とされていますが、

それは政府与党の方針ですので、特に原発については、各党の政策が分かれる所であり、新聞各社も様々な意見を投げかけています。たとえば、対極にある新聞社の論説です。

新聞社の論調について、産経新聞は保守、朝日新聞はリベラルと言われます(参考:池上彰氏)両者のイデオロギーを踏まえた上で記事を読むことが、論調を整理するポイントです。

私も政治についての記事は、複数の新聞社の論調を確認するようにしています。

 

原子力は最近の選挙で争点になっていませんが、自民党が第一党として選ばれ続けているということは、現在の政策を容認しているということだと、党内部では捉えられていることでしょう。国民も、その認識を持つべきと思います。」

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中村さんからのお返事、それに基づく次回は、またこんど。

今度中村さんと直接会うことにしたので、それも楽しみです^^

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