教養が身につく読書とは?

2024年7月9日
全体に公開

強要しないで

積読、してますか?

していない? それはまずい。すぐに、本を積んでください。

すぐに読めなくてもいいのです。積むことで教養が高まるのです。

自分で書いておいてなんですが、本当でしょうか? 
積むだけで教養が高まるなんて、なんだかあやしい。
そもそも、教養とはなんでしょうか?

「無知の知」という言葉がありますが、教養がありそうに見える人ほど「自分はものを知らない」と言います。

「私には教養がある」という教養人は存在しません。
少なくとも私は会ったことがないし、噂を聞いたこともありません。

教養という言葉は、突きつめていけばいくほど、実態が見えなくなるもののひとつかもしれません。

また、「何でも知っているよ」という「知識人」も存在しません。

「なんでも知っている」という人がいるとすれば、「エセ知識人」ですから、なにかを売りつけられないうちに距離をとったほうがいいでしょう。

どうやら、教養や知識というものは、あるかどうかを自分で決めるものではないようです。

私が、「教養人」としても「知識人」としても、さらには「読書家」としても凄みを感じたのは出口治明さんです。

日本生命を58歳で退職した後、60歳でライフネット生命を創業した方です。当時、32歳の岩瀬大輔さんとの「年の差」共同創業者コンビは話題になりました。

出口治明さんは、著書『本の「使い方」』の中で、教育と教養についてこう定義しています。

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教育・・・生きていくために必要な最低限の武器を与えること
教養・・・より良い生活を送るために、思考の材料となる情報を身に付けること
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(出口治明著『本の「使い方」』25ページ)

この定義を借りるならば、より良い生活のために多くの思考の材料を持っている人が「教養のある人」といえるでしょう。

また、「社会から与えられるものが教育」で、「自ら身につけるものが教養」ということもいえそうです。
教養は、人から強要されて身につけるものではないのです。

2019年12月に突然やってきて世界をおびやかしたパンデミックに際して、落ち着いて歴史から学べることを発信していた出口治明さんは、私にとって教養のある人そのものでした。

『本の「使い方」』という本は、出口治明さんがいかにして読書という体験を、自分の血肉に変えていったのかということについて書かれた本です。

正座をするぐらいの気持ちで本を読む

出口さんは、読書の作法として、「正座をするぐらいの気持ちで本を読む」と言います。

私はそこまで言いません。寝ていても歩いていてもいいのではないでしょうか。著者だって寝ている時間があるはずです。

が、しかし、それが出口さんの知的態度なのです。自分と比べてはいけません。

周囲からは「教養人」と言われる出口さんですが、ご自身のことを教養人と語ったりはしません。

ご自身は、ただ、おもしろいから本を読んでいるのだと言います。

読書は、食卓に並ぶ「おいしいおかず」のようなイメージだとも言います。パンやごはんだけでも生きていくことはできるかもしれないけれど、「おいしいおかず」があることで食事の時間はもっと豊かになるというわけです。

そうですよね。

人生の目的は、ただ生きながらえるものではありませんよね。ただ単に生きればいい、という人は、NewsPicksトピックスを読んだりしないはずです。

古典の入口

出口治明著『本の「使い方」』には、出口さんがおすすめする目的別ブックリストがついています。

古典が多く、ハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。

ですが、出口さんの中では『(よりぬき)サザエさん』や『いじわるばあさん』も古典ですから、気軽にチャレンジしてみるとよいと思います。

私はコロナ禍において、出口さんおすすめの古典『デカメロン』( ボッカッチョ著)を楽しく読みました。
14~15世紀も21世紀も、人は変わらないなあと感じさせてくれるほほえましいお話です。

このブックリストの本をすべて読めなくても落ち込む必要はありません。積んでおくだけでいいのです。積読本の背表紙があなたを照らし、気づかぬうちに血肉となっていくのです。

そして、いつの日か読める日がくるでしょう。あせらぬことです。

まずは積読家となり、そして読書家となり、読書を楽しんでいたら、結果として身についていた。
教養とはそのようなものかもしれません。

人と自分を比べないことです。
特に出口さんのような人とは比べてはいけません。

出口さんは、小さい頃「どうして、僕を本屋さんの子どもに産んでくれなかったの?」
といって両親を困らせたほどの人なのです(笑)

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