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日本の未来を想うベンチャー投資家の活動実録

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30本の記事

世界中のスタートアップ投資を通じて日々考察している世界の動向を綴ります。 JAL再建の実録シリーズ連載も随時更新！

ソニーベンチャーズ/ソニーグループシニアインベストメントダイレクター

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僕達はJALをどうやって再建したのか⑫「機内サービスの全面刷新」

全体に公開・2023/12/25

最近、JALが新型のA350機材をニューヨーク線に投入することが大きなニュースになっていました。エコノミークラスの売りとなっている最初から少し傾ける座席のアイデアを10年前に発案した時の記憶を、前回『僕たちはJALをどうやって再建させたのか⑪「新しい機材を創る」』で記載させて頂きました。今回は更に細かく、客室本部というJALのフロントともいる事業部において、どのように改革を推進していったのかについて記憶を辿ってつづりたいと思います。ちなみにJALはディズニーシーのニューヨークエリアにあるビッグバンドビートのスポンサーになっています。クリスマスシーズンのディズニーシーは本当に綺麗です。それでは本編に入ります。

インドは如何にしてスタートアップ大国になった？

全体に公開・2023/10/14

久しぶりにインドを訪問しました。コロナ前が最後だったので4年ぶりくらいです。これまでの訪問はほとんどバンガロールでしたが、今回は初めてムンバイに来ました。ムンバイで現地育ちのインドのローカルメンバーにあったのですが、ボンベイと呼んでいたのでムンバイとの違いはなんなの？、と気になって聞きました。曰く、幼い頃からボンベイで、ムンバイというのは最近の変化だとのこと。気になって調べたところ、これは過去の歴史に依るようですね。ボンベイは植民地時代のポルトガル語から来ているようで、いま30代以後の人はだいたいボンベイという呼び名で育ったのでみんな普通にボンベイと呼ぶそうです。もう数十年経つと皆ムンバイと呼ぶのかもしれません。空港のスリーレターがBOMだったことにも合点がいきました。

スタートアップ界隈で伝説ともいえる必読ケース・スタディ：PayPal

全体に公開・2023/08/12

(image from Unsplash) ここのところ本を読む量を増やそうと思い、週に2冊以上は読むように時間を何とか捻出しています。そんな中で最近読んだ本でとても面白かった本がありました。「PayPal」という会社は名前は知っているけれど日本にはまだあまりなじみはないかもしれません。一方で、イーロン・マスクさんのことを知らない人はいないと思います。PayPalは、いまVC投資家として著名なピーター・ティールさんとイーロン・マスクさんがそれぞれ独自に作ったオンライン金融システムの会社が合併してできたベンチャー企業がPayPalでした。そんなPayPalの生い立ち、その後の大手資本との激闘や更にはIPO、M&Aなど、PayPalの激動にまつわる話が細かく時系列で記載された「創始者たち」という本を読みましたが、ドラマよりもはるかに凄まじいストーリーでした。

僕達はどうやってJALを再建したのか⑪「新しい飛行機を創る」

全体に公開・2023/06/17

前回「ディズニーから学ぶ」　では客室本部において、「世界一の航空会社サービス」を成し遂げるために行なったソフト面(ヒューマン)に関する他社ベンチマークの様子をご紹介しました。今回は、ハード面(座席)を改善するために奮闘した話をご紹介したいと思います。 title pciture: unsplash提供 --------------------------------------------------------- 2010年1月の更生法の適用、すなわち倒産という出来事によりJALのブランドは地に落ちた。社内の空気も常にピリピリしており、ホスピタリティ産業としては実に大変な状況になっていた。それを一つ一つ、またゼロから積み上げ直していくことがJAL再生のプロセスだった。そのためにも一番重要だと僕が考えていたことが、お客様が接する商品サービスそのものの価値だった。すなわち客室サービスや空港サービスである。もちろん運航の安全性なども重要なものであるが、できて当たり前(安全で当たり前)の部分があり、これだけだとお客様の評価がプラスになることは難しい。商品サービスが目に見える形で変わったことをお客さまが実感して初めて評価し直してくれる。

時代の転換点を生きる

全体に公開・2023/05/20

歳を取るにつれて、時が過ぎることがますます早くなります。45年ほど生きてきた中でも大きな時代の転換点がありました。今は生成AIのディスラプションの影響が多き過ぎると思い色々勉強・深堀をしていますが、今回は自分の過去で振り返ると大きな変化があった技術革新とその時の自分が感じたことについて思い出して書いてみたいと思います。１．ゲーム機(1980-1990年代）小学生の頃、初めて任天堂のゲームが我が家にやってきました。それまではトランプなどフィジカルな玩具類で遊ぶしかなかった中で、テレビを使ったビデオゲームの登場には衝撃を受けました。今でも色あせないスーパーマリオブラザーズのあの明るい音楽と世界観で、自宅にいながら瞬時に空想のマリオの世界に入り込め、夢中でプレイしたものです。現代では、USJに行けばマリオの世界に本当に入れるようにもなりました。

GS新卒経験が自分に残してくれたこと

全体に公開・2023/04/12

今回は、トピックスのオーナーとの間でリレー投稿として「新たな扉の前に立つチャレンジャーへ」というお題で皆さんでバトンタッチしていく企画のご案内を頂きました。前回はフィルウイックハムさんが記事を書いてくださいました。今回の自分のトピックスでは、僕が社会人になった当時に感じていたことと、今それを振り返ってみて感じることについて書き、なにか新社会人の皆さんが新しい生活で悩んだ時に心の拠り所になるようなトピックスにしたいと思います。なぜ再生医療研究をしていた理系の自分がゴールドマンサックスに入ったのか正直、大学生活の後半になるまでゴールドマンサックス(以下、GS)という名前すら知りませんでした。たまたま親友だった研究室の留学生が、GSのテクノロジー部門に入ったことで、この会社はいったい何？ということで関心を持ち、日頃の僕の人生観などを話していたその親友から「鈴木はGSの投資銀行部門(IBD)は向いてると思う」と言われたことが、自分の就職先を真面目に考えはじめたきっかけでした。

日本の失われた30年を取り戻したい

全体に公開・2023/03/13

平成は失われた30年といわれています。実際に昭和最後のあたりの世界の時価総額ランキングが軒並み日本企業であったことに対して、最新情報では大手自動車メーカーもトップ30から外れてしまったというデータを見ました。日本人としてはとても歯がゆい、悲しい気持ちになります。一方で、今放映されている世界野球リーグ・WBCにおける日本の圧倒的な強さ、存在感を見ていると、日本人の想いが一つになって世界に戦っていけばこんなにも結果を残せる日本なんだという誇りを多くの国民が心の中で感じ取ったのではないでしょうか。僕もテレビを見ながら、世界で活躍する素晴らしい選手を含めて、チームJAPANが圧勝する様子に涙が出てきそうになりました。普段スポーツはほとんど見ませんし、興味もそこまで高く無い自分なのに、です。

僕達はどうやってJALを再建したのか⑩「ディズニーから学ぶ」

全体に公開・2023/02/11

前回は会社更生プロセスの後に着任した客室本部での最初の頃の様子をご紹介しました。今回はその中で最初の頃に取り組んだいくつかの出来事のうちの一つで今も記憶に残っていることをご紹介したいと思います。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー JALの再建の鍵は ①財務/BSの立て直し ②社員の意識改革 ③商品そのものの全面的見直しという3本柱が僕の中でのJAL再建のキーワードだった。 ①については客室着任前の再建計画策定のところで相応にやってきたので、客室では僕は②と③に注力をした。（無論、①はそもそも客室本部ではなかなか対応できないということもあったが）特に③は極めて重要で、お客さまにJALは変わった、とJALに乗った時に直観的に感じてもらうことが何より大切だと考えていた。そこでどんな商品サービスを目指すべきなのかという設計が重要になるわけだが、商品サービスもお金さえかければ、誰だって良いものは作れる。お金を一程度かけつつ、他社にはない魅力を作ることが僕達企画屋、事業屋の仕事であり、腕の見せ所である。

僕たちはどうやってJALを再建したのか？⑨　「客室サービスの改革」編

全体に公開・2023/01/21

前回は、本社での更生計画ミッションの後に客室本部に行くことになった経緯を書きました。今回は、見ず知らずの新しい職場である客室本部に着任した後の僕の動きと、どんな改革を行っていったのかについてご紹介をしたいと思います。ぼろぼろの昭和建築の社宅に住むことになり、新天地に出社前から意気消沈していたところであったが、引っ越し翌日から成田空港内のJAL客室本部のオフィスに行くことになっていた。成田の社宅から成田の駅までは2－3キロの距離があり、目の前にバス停があった。京成グループのバス会社であったが、とにかく運転手さんが怖い感じで、いつも無言、怒っているような雰囲気のバス会社だった。浦安に住んでいる時に使っていたベイシティ交通の運転手さんは親切な人が多かったのとはきわめて対象的だった。

僕たちはどうやってJALを再建したのか？⑧　「更生計画コンプリート、そして再び現場へ」

全体に公開・2023/01/13

今回は久しぶりに僕のJAL再建話に戻りたいと思います。前回は「関空・中部空港のドラマ」として執筆しましたが、その続きとなります。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこれまでの記事で書いてきたように、僕のJALにおける再建計画の遂行の任務としては、 ①タスクフォース派遣への対応、 ②JAL再建計画をゼロから作り直す、 ③策定した再建計画に基づいて関空・中部のM&Aを実行という内容であった。債権の調整も終わり、JALは2011年3月28日に無事に裁判所から更生計画の終結を決定してもらい、晴れて更生会社から株式会社に戻ることとなった。以下が更生計画終結に際し、国交大臣から発表された内容である。

【年の瀬寄稿】激動の2022年を振り返る

全体に公開・2022/12/25

皆様、年の瀬になりましたがいかがお過ごしでしょうか。ここのところめちゃくちゃ寒くて、少し体調を崩されている方もいらっしゃるかもしれません。どうかご自愛ください。強烈な寒波で、空気も冷たいですし風がとにかく強かったです。僕はスキーヤーなので、以前は寒波が来るとワクワクもしていたのですが、もうこの年になると寒いのもつらいですし、早朝4時に起きて関越で7時過ぎに雪山について滑るという体力もなくなってしまいました。今年は車もまだスタッドレスタイヤに代えられていません。。今年はこのままノーマルタイヤですごし、スキーも含めて雪国には行かないかもしれません。さて、今回ですが2022年の年の瀬ですので今年一年間を振り返りたいと思います。

『優れた起業家の条件』

全体に公開・2022/12/03

いまベンチャーキャピタルにおいてキャピタリストというスタートアップ投資の仕事をしていますが、世の中の最先端、もっと言うと5－10年後の未来に投資をするビジネスである為こちら側の知識量も半端ないものが求められます。その為毎日毎日、自分自身をアップデートして自分なりの物事の見方をシームレスに更新をしていかなければ、才能あふれる起業家の皆さんとの会話にはついていけません。そのため、相当な努力を継続して行く必要あります。以前読んだ以下の本になかなか良いアクションプランが書いてありましたので、僕も日課に取り入れることにしました。「毎日欠かさずに、読書を1時間する事を日課にするだけで、世界のトップ0.00001%の人間になれます。毎日本を欠かさず読む習慣を身につけよう！」

ツイッター事案から考える企業再生の本質

全体に公開・2022/11/19

昨今連日のようにツイッター社内の出来事が報道されており、日々状況が変わる様子はまるでジェットコースターのようです。JALやUSJの企業再生に関わってきた人間としてこのツイッター社での出来事を見ていると、企業再生の本質が如実に表れているように感じます。これについて記事を書こうと思っていましたら、非常に良くまとまっているツイートがタイムラインに流れてきましたので、ご紹介したいと思います。こちらのツイートが多少長いので日本語訳をしてみます。（上記ツイートの日本語訳。一部私の追記をカッコで入れています）『イーロン・マスクがTwitterでやっているであろうことを説明します。これは、正しいか間違っているかという議論ではなく、ただ何が起こっているかということです。もし私が間違っていたら、きっと彼は飛び出してきてそう言うでしょう。

米国Big Tech（GAFAM）の3Q決算を読み解く

全体に公開・2022/10/29

先日GAFAMの決算が一気に発表され、多くの人々の関心を集めました。そこで今回のTOPIXでは各社の決算情報を整理しながら考察を書こうと思っていたのですが、NewsPicksさんから素晴らしい纏め記事が出ていたので、今回はご了解を頂きその記事も引用させていただきながら考察したことを書きたいと思います。 NewsPicksさんの記事「なぜ今、GAFAMの決算がショックなのか」 NewsPicksさんの記事「たった5分で、ビッグテックの決算が丸わかり（4－6月）」かつてない異常なマクロ状況下における各社の決算昨今の決算は、かつてない異常なマクロ環境が発生している状況の下での数字です。コロナによるサプライチェーンの滞り、ウクライナでの戦争に加えて、異常なほど急激なドル高が進んでいます。そんなマクロ環境における各社の2022年7－9月決算の纏めは以下の通りです。

あらかじめ撤退基準を握ることの大切さ

全体に公開・2022/10/22

スタートアップでも大企業においてでも、組織のリーダーの一番の仕事は、意思決定を行うことと、その結果にすべての責任を持つことです。議論の末に組織が決めたことについては、例え議論の最中に自分が反対意見だったとしても、意思決定後は全力でその決定内容が成功するように協力しなければいけません。（それに納得できない人は、会社をすぐやめて自分で会社を興すのがよいでしょう）一方で、特に経営資源が限られているスタートアップ企業において新しいことにチャレンジする場合、失敗した時の被害も相応のインパクトになることが予想されます。どうやってもうまくいかなそうな取組みや事業については、早期に撤退をして出血を押さえることが極めて重要です。

自分の日々のメタバース体験から、各先端技術の現状について想いに耽る

全体に公開・2022/10/10

21年から22年の頭くらいにかけて、一時メタバースという言葉がブームになりました。昨年は技術関連の記事などは至るところに「メタバース」の文字が展開されていました。僕自身もメタバースにはめちゃくちゃお世話になっています。メタバースのおかげで日々の生活が大変豊かになっています。僕のユースケースはこちら、オンラインゲームです。僕が楽しんでいるのはPS５でのオンラインゲームです。 30〜50人でチームを組んで、相手となる30〜50人と戦います。僕の場合、実世界でも友達であるPS仲間数人と一緒に「分隊」を組み、チームで作戦を遂行します。ボイスチャットで「自分が囮になるから横からアタックして」みたいな感じで、状況に応じて作戦をたて、それをチームで遂行します。狙った通りに作戦が上手く行った時は感動ともいえる大変清々しい友人たちとの共同体験になります。

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