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シリコンバレー・プロダクト・シンキング

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様々な著名プロダクト開発に携わってきたオーナーと、プロダクト開発の本質、プロダクト・シンキングを探求していきましょう。

E-commerce and device company シニアプロダクトマネージャー

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Seeing is Believing - 人間の視覚の未来を左右するVision Proという大きな賭け

全体に公開・2023/06/06

こんにちは。今日は、いよいよAppleのARヘッドセットVision Proが発表になりました。まず前提として、iPhoneとかApple Watchも、実際に触って体験してみないと本当のところはわからなかったと思います。本当に大事なのは実使用の体験なので、来年までは本当のところどれだけのものなのかはわからないと思います。プロダクトデザインやデモ動画はさすがに印象的でした。多くの要素は噂通りで、装着者の目が見える機能とか、Digital CrownによるMRの調整とか、外付けのバッテリーパックとかはその通りでしたね。ただ全体としてみてみると噂段階のイメージよりはまとまって洗練されて見えますね。

7年前の未来予測が大当たり - なぜ未来が予測できるのか

全体に公開・2023/04/30

こんにちは。先週、村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」が発売されました。アメリカにいても、すぐに電子書籍で読むことができるので、いい時代になったものだと思います。もう読み終えたのですが、同氏の作品らしく現実の世界と想像の世界が互いを侵食し合うような不思議な世界が描かれます。村上春樹さんのようにはいきませんが、筆者の主著に、本トピックでも何度か取り上げてきた2016年出版の「人工知能は私たちを滅ぼすのか」があります。同書の中では、AI技術の発達に伴って劇的に変化した2030年の世界を想像して描いてみました。こうした技術の未来予測というものは、なかなか当たらないものです。ところが、2030年を待たずに、この2023年に、同書の中で描いた世界がほとんどそのまま実現しつつあります。

GPT-3をチューニングしてみた - AIのアラインメントとプロダクトデザイン

全体に公開・2023/04/17

こんにちは。先週のニュースですが、非営利団体のFuture of Life Instituteが、AI、具体的にはGPT-4以上の性能を持った大規模言語モデルの開発を半年間中断するよう訴える書簡を公開しました。同書簡はイーロン・マスク氏、ディープ・ラーニングの研究者として知られるヨシュア・ベンジオ氏、またDeepMindの研究者やStable Diffusionの提供会社のCEOなど、多くの専門家が署名に加わっているので話題になりました。 ChatGPTなどの大規模言語モデルは、誤情報の生成（ハルシネーション）などの問題があるにも関わらず広く一般に公開したことに対して、批判の声もあります。Googleなどは元々同様の技術を開発しながら、そのような問題から公開を控えてきた経緯があります。公開書簡もこのような誤情報の生成を大きなリスクとして挙げています。このようにAIが人間の意図に沿うように振る舞うようにすることをアラインメントと言います。

芸術は長く、人生は短し - 坂本龍一氏を偲んで

全体に公開・2023/04/03

（見出し画像 KAB America CC BY 3.0）こんにちは。さる3月28日、ミュージシャンの坂本龍一氏が永眠されました。衷心よりご冥福をお祈りいたします。「教授」として広く知られた坂本氏の業績はここで今さら繰り返す必要もないと思いますが、日本にとどまらず世界の音楽の一つの時代を作ったミュージシャンだったと思います。教授の音楽を振り返る自分が音楽を聴き出した頃、初めて買ったCDの一つが「Hard Revenge」だったのを覚えています。当時僕はMacintoshにハマり出した頃で、教授のことはMacを使って電子音楽を作るアーティストとして知ったように記憶しています。当時のMac雑誌やWIREDなどによく取り上げられていました。教授は「ラストエンペラー」のサウンドトラックでアカデミー賞を受賞したことをきっかけに、90年代にはニューヨークに拠点を移し、同アルバムにもニューヨークのヒップホップシーンの影響が色濃く出ています。

キャラクトクラシー - AIの時代に人間に求められるのは人間性

全体に公開・2023/03/27

こんにちは。今週はWBC、すごかったですね。準決勝の大逆転劇もですが、栗山監督に指導されたダルビッシュがチームをまとめ、最後は同じく栗山監督に指導された大谷に繋ぐ。大谷は自分で打ち、最後は14年前のダルビッシュと同じくスライダーで三振を取り、優勝を決め、MVPを得る。漫画のシナリオで書いたら、非現実的すぎるとして却下されそうです。大谷選手などが象徴的ですが、スポーツ選手のキャラクターが昔とは変わって来ていると感じることがあります。例えばイチロー選手などは孤高の職人のイメージがありました。大谷選手はチームメイトとじゃれ合う様子などもよく報じられ、コミュニケーション力の高さが感じられます。先週に引き続き、プロンプトからの画像生成を可能にするAdobe FireflyやBing Image Creatorなど、生成AIの製品発表が相次ぎました。生成AIの利用はもはや特別なことではなくなりつつあります。

「人間らしい対話」だけでない大規模言語モデルの可能性 - チューリングの夢

全体に公開・2023/03/19

(Image Ank Kumar CC-BY-SA 4.0) こんにちは。今週は生成AIにとって大きな週になりました。火曜日にはGPT-4が発表、即座にChatGPTから利用可能になりました。同じ日にGoogleも大規模言語モデルのPaLMのAPIを公開、GmailやDocsなどのアプリケーションへの生成AIの搭載も発表しました。水曜日には画像生成AIのMidJourneyの新バージョン、木曜日にはMicrosfot 365のCopilot機能の発表がありました。中でもわかりやすくインパクトのあったのはMicsorosft 365 Copilotの発表でしょう。 AutopilotからCopilotのAIへ

Humane - AI時代のコンピューターのカタチとは

全体に公開・2023/03/12

こんにちは。今週のシリコンバレーは、Silicon Valley Bank（SVB）の破綻の話題で持ちきりです。40年間にわたってシリコンバレーで、地元のスタートアップなどのメインバンクとして機能してきた資産規模で全米16位の地方銀行が、突然破綻しました。預金の引き出しが停止され、このままだとシリコンバレーの企業らの給与や取引先への支払いにも影響が出るかもしれません。破綻の背景などの解説はもちろん他の有識者に譲りますが、シリコンバレー、ひいては米国経済の先行きへの不安が銀行の信用不安を招きました。リーマンショックのようなシステミックな信用不安への引き金にはならないとも言われていますが、ますます何が起こるかわからない時代になってきました。シリコンバレー、ひいてはIT産業に何が起こっているのでしょうか。

対話型AIのようなメガトレンドにプロダクト・シンカーはいかに備えるか

全体に公開・2023/03/06

こんにちは。今週は、ChatGPTを提供するOpenAIから、ChatGPTの機能を利用できるAPIが公開されました。驚きを持って迎えられたのが、利用料がこれまで提供されていたGPT-3のモデルの1/10（100万トークンの入力で2ドル）と劇的に下げられたことです。入力はChatGPTの振る舞い方を指定したりするためにも使えます。また、音声認識モデルのWisperも同時に公開されました。筆者も触っていますが、プロンプトのテキストを渡すことでChatGPTの応答を得ることができます。わずか数日の間に、すでにAPI を活用した多数のデモが公開されています。その中でも目を見張ったのが、以前からバーチャルキャラクター召喚装置を販売していたGatebox社の開発による下のデモです。あれこれいうより動画をみていただいた方が早いと思います。

メタバースは辿り着けない聖杯 - ニーズはあるのか？

全体に公開・2023/02/27

こんにちは。土曜日に、名店として名高いバークレーのレストランChez Panisseに行く機会がありました。50年前にシェフのアリス・ウォーターズが開いた同店は、地元産の食材にこだわった、フレンチやイタリアンのスタイルの料理を、毎日一メニュー提供しています。メバルのソースは魚自身のダシを効かせ、ニンジンはニンジンの味がきちんとし、素材の味を最大限に活かした味わいでした。 ITにどっぷり浸かっていても、というかどっぷり浸かっているからこそ、オーガニックな食などリアルな経験を求めるようになるのかもしれません。実際バーチャル世界の開発の中心地であるシリコンバレーが、自然が豊かでトレッキングやサイクリングなどのアウトドアアクティビティが豊富だというのは興味深いです。

BingにCOCOAの総括報告書を読み解かせてみた

全体に公開・2023/02/20

こんにちは。今回は、Bingのチャット機能を使って、デジタル庁が公表した新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」に関する総括報告書を読み解いてみたいと思います。COCOAは、2022年11月に運用を停止しましたが、その活動にはどのような効果や課題があったのでしょうか？対話型AIは、シリコンバレーで大きな注目を集めています。人と自然な会話ができるAIは、様々な分野で活用されており、情報収集や学習支援などに役立っています。Bingのチャット機能もその一例です。この機能を使えば、ウェブ検索だけでは得られないような情報や知識を手に入れることができます。－－はい。みなさん。気づきましたか？そうです。

Begun the AI Wars Have - ChatGPTが火をつけたCopilotという新しいUXパラダイム

全体に公開・2023/02/13

こんにちは。まだまだ肌寒さを感じるクパチーノですが、ジョギングの途中に桜が咲いているのを見つけました。日中は15度程度まで暖かくなるので、日本よりも早く開花するようです。リストラや株価の下落など冷え込んだ話題の多かったテックですが、今週は熱い戦争が話題になっています。もちろんAI検索を巡るMicrosoft／OpenAIとGoogleとのつばぜり合いです。今週、MicrosoftからはBingウェブ検索およびEdgeブラウザへの、OpenAIの大規模言語モデルGPT-3（ChatGPTの基盤でもある）を用いた自然言語回答、チャット、コンテンツ生成の搭載が発表されました。ほぼ時を同じくして、Googleも自前の大規模言語モデルLaMDAを元にした対話型情報検索のBardを発表しました。

行政もプロダクトも、人が作っている

全体に公開・2023/02/05

こんにちは。土曜の夜は、Code for Japanの関さんがベイエリアを訪問されており、スタンフォードで研究員をされている知人と一緒にお食事をしてきました。サンフランシスコのユニオン・ストリートのCamino Altoというレストランに行ったのですが、オーガニックな食材を使ったベジタリアン・フレンドリーなカリフォルニア料理で、最高でした。お二人とも行政とITシステムやデータに関わるお仕事をされており、そうした分野についての話で盛り上がりました。公務員をもっとリスペクトしよう筆者は、学校の同級生などで国家公務員に進んだ知り合いもいます。COCOAなどの仕事でももちろん行政と関わりました。そうした中で、自分の知っている公務員の方は、皆さん国のため人々のためという志を高く持って、民間に行けばもっと高い収入を得られるだろう中で、長時間の激務をこなしています。そんな中で、公務員は厳しい目にさらされています。たまに収賄などの不祥事があれば、マスコミなどからは厳しく叩かれ、規制なども厳しくなり、新しいことに取り組むのも難しくなります。

ChatGPTの成功の背景にあるプロダクト・シンキング

全体に公開・2023/01/29

（ヘッダー画像：Jérémy Barande CC BY-SA 2.0）こんにちは。最近は、子供の保育園、こちらでいうとデイケアやプリスクール探しをがんばっています。まだ英語は喋れないため日本語のできる場所を探しています。なかなか数が限られていて、申し込んでも空きが出るまで待機リストで18ヶ月など待ったという話も日本人の方からは聞きます。とはいえ少しすれば日本の幼稚園相当のキンダーガーデンに入学する予定です。移民の多いアメリカなので、初等教育ではESLなどの英語教育が充実しています。子供の言語の習得能力は目を見張るものがありますね。シリコンバレーにとどまらず世界中のテック産業は引き続き、機械の言語能力の話題で持ちきりです。ChatGPTの可能性はもちろん、授業のレポートや論文執筆に使われることを問題視する声も聞きます。著名科学雑誌の英Scienceは、ChatGPTを用いて執筆した論文の掲載を認めないという規約改正を行いました。とはいえこれは過剰反応でしょう。ChatGPTは高度な文章校正ツールのように使うこともできます。長い目では計算機などと変わらない当たり前の道具になっていきます。

Teslaの自動運転は目的地にたどり着けるのか

全体に公開・2023/01/22

こんにちは。この一週間で、Amazon、Microsoft、Metaがそれぞれ1万人を超えるレイオフを行いました。筆者は幸い今のところレイオフ対象にはなっていませんが、日本人を含む同僚などにも対象となった人もおり、他人事ではありません。グリーンカードの取得を進めるなど、どういう状況になっても対応できるよう備えておくことは必要だと思います。さて、シリコンバレーに戻ってきたら、ベータ（有償）に登録していたTesla Model 3のFull Self Driving（FSD）が利用可能になっていました。2週間ほどの間、クパチーノ／サンノゼ近辺で利用してみました。使ってみた感想としては、完全自動運転の実現には程遠いものの、市街地の運転アシスト機能としては有用、というものです。利用していた経験を詳しく紹介していきます。

創造性の寿命 - After Steveを読んで

全体に公開・2023/01/16

こんにちは。天候のいいことで知られるシリコンバレーですが、年末から今まで、例のない冬の嵐に見舞われています。空港近くのフリーウェイが冠水して閉鎖になったり、暴風の影響でクパチーノでも広範に停電が発生したりしています。筆者の住んでいるアパートメントも、帰省中に停電したようで電気製品の時計がリセットされたりしていました。悪天候もあり、積極的に出かけるというよりは家で過ごすことが多く、以前から読みたかった近年のAppleについてのドキュメント「AFTER STEVE　アフター・スティーブ　3兆ドル企業を支えた不揃いの林檎たち」（トリップ・ミックル）を読みました。年末年始は特にいかにすれば創造的な仕事ができるか、ということを考える時間だったのでした。本書で描かれるAppleで起こったことも、それを考える一つの良い機会になりました。これが筆者のクパチーノの家の近くのApple本社で起こっていたというのは感慨深いものがあります。

創造的な仕事はNoから始まる

全体に公開・2023/01/08

こんにちは。今、サンフランシスコへの機内でこの記事を書いています。年末年始は東京の家で主に家族と過ごしました。シリコンバレーに移住してからの半年間、仕事と生活の両面で息着く間もなく活動してきました。久しぶりの日本で、落ち着いてこの半年間を振り返る機会になりました。昨年一年は、公私にわたって移行にすべてのエネルギーを使いました。成果の豊かな年だったとは言えませんが、よりインパクトのある成果を出していくための準備の年だったと思います。 2023年は、きちんと成果を出す年にしたい。そのためにプロダクトマネージャーとして何が必要か、これまでの経験を振り返って考えてみました。結論としては、「Noということ」なのだと思っています。それは特に、事業会社のマネージャーや、コンサルティングの顧客などの意思決定者の方針に対して、Noということです。

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