UEFNは「やばい」
ついに実装されたクリエイティブ2.0
日本時間の2023/3/23に、Fortniteのクリエイティブ2.0「UEFN」が発表となりました。
前々からリークされていた情報ではありましたが、ついにリリースされたとあって、FNクリエイターのあいだでは期待と不安が渦巻いています。
一方で、メタバース関係者の反応は、一部を除き非常に冷静で、それどころか「ナニソレ?」という方が多い印象です。
※私もここ3日間のアポで、アイスブレイクにと思って「ついにUEFN発表されましたね!」と切り出しましたが、全員知りませんでした。
個人的な見解ですが、このUEFNの発表はメタバース界における大ニュースであり、業界の地図、どころか地軸がガラっと変わるような、そんな出来事だと思っています。
今日はそんなUEFNについて、簡単ではありますが(ここ大事)、メタ次フォロワーの皆さんにご紹介します。
前提のおさらい:FortniteとEpicGames
メタ次あるあるですが(というかカクダが面倒くさがりなだけですが)、Fortnite(以下FN)が何か、ということは説明しません。ただその運営元であるEpicGamesについては、前提条件のおさらいとして触れようと思います。
FNの運営元であるEpicGamesは、ほかにもFall GuysやRocket Leagueなどのヒットタイトルの現在の運営元でもあります。
特に特徴的なのは、ゲーム運営元の会社であるだけではなく、ゲーム配信プラットホームと、ゲーム開発エンジンの開発元でもある、ということです。ここからAppleとの訴訟やテンセント、ソニーとの関係性、彼らが普通のゲーム会社ではないことを書き出すとキリがないので、いったん今回は割愛し、ゲーム開発エンジンである「Unreal Engine(以下UE)」について話題を絞ります。
UEは、ざっくりいうと(詳しい人に正確には違う!と怒られそうですが一旦)ゲームを作るためのソフトフェアです。非常に簡単(?)にサクサクゲームを作ることができるのですが、そのクオリティと自由度が非常に高く、単純な草原の空間などのシンプルなものから、いわゆるAAAタイトルと呼ばれるゲームまで、幅広く作成することが可能です。
このUEと、世界中にプレイヤーをもつ大ヒットゲームであるUNが、がっちゃんこします。というのが今回のUEFN(Unreal Editor for Fortnite)というわけです。
※Engineじゃないんかい!ややこしい。
「やばい」ポイント
技術的なところ以外で、パッと思いつくだけを箇条書きにしても、以下のような「やばい」ポイントがあります。
・これまでUEベースのメタバースUGCプラットホームはほとんど存在しなかった。高レベルなUEクリエイターのメタバース進出に期待ができる。
・これまでのFNクリエイティブではアセットがFN内のものの組み合わせだったが、UEには豊富なアセットがあり、それをそのままFNに転用できるうえに、自分でモデリングしたモデルも入れ込み可能。
・独自言語である「Verse」を利用してスクリプトを組むことによって、より自由度の高いゲーム表現が可能。アイディア次第でFNユーザーを対象にゲームビジネスを展開することが可能。
・メタバース事業で慢性的な問題になりがちな集客の部分のハードルを著しく下げることが可能。
・FNクリエイティブではこれまで認定されたクリエイターしかマップコードを発行できなかったが、今後その制限がなくなる。
・プラットホームと事業者間で問題になりがちだった商用利用に関して寛容なガイドライン。
・純利益の40%をクリエイター還元するのはHorizonやRobloxに比べても良心的。さらに前述のようにPCゲームプラットフォーマーでもあるので、純利益率を上げやすい。
クリエイターの期待と不安
発表から3日経った現在、他社のゲームやアニメのキャラクターを取り込んだものをツイートして、議論を巻き起こしていたりと、急な自由度の向上に若干の混乱も見られます。
FNクリエイターまわりでは
・UEFNすごい!これまで以上のクオリティのものを作りまくるぜ!
・UEFNオワタ。難しそうでついていけなさそうだし、クリエ辞めよう。
・UEFNやりたいけど、環境を用意できないから、できない・・・。
といったような期待と不安が渦巻いているような状態かなと思います。
これに対してEpic社員のRayさんからはこのようなメッセージも
Wanted to share a couple thoughts about #FortniteCreative #UEFN around feeling unmotivated for various reasons... cuz you can't publish, or you are only on console, or you feel like you can't catch up, or it's overwhelming, or you can't compete solo, or any number of reasons.…
— RayBenefield @ GDC 2023 (@RayBenefield) March 23, 2023
いろんな理由でやる気をなくしてしまったクリエイターもいると思う。だけど心配することはない。どんなすごいゲームクリエイターでも、1人で仕事をすることは不可能。学ばずに作ることも無理。だからすごいものを作りたいならチームでやればいいし、学びだすのに遅いとかもないから、大丈夫だよー。みんな大好きー。
とはいえ、FNクリエイターの皆さんのなかには「やる気は十分!だけどもこれまでPS5やスイッチで開発してきたから、パソコンが手元にない・・・」「UEやVerseを独学でやってみたけど、くじけそう・・・だけど創りたい!」というような方も多いと思います。先日のMCA(MetaverseCreativeAward)でも、日本のFNクリエイターのレベルの高さ、層の厚さは顕在化できており、このまま埋もれるのはもったいないです。
お役に立てるかわかりませんが、私も何か支援ができることがないか、模索しております。もし本気で相談したい方は、ぜひメッセをいただければと思います。
https://twitter.com/kakudatakuji
更新の通知を受け取りましょう
投稿したコメント