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「この一節」から考える読書対話

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2023/06/04
このトピックスについて
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トピックス説明
忙しくてあまり本を読めない方にお届けする名著深掘り対話です。

古今東西、名著の中から「一節だけ」を抜き出して、その意味を深く考えていきます。
選書は、ビジネスど真ん中の王道的ではない本を中心に。忙しい皆さんが手に取りにくい本を選びながら、今日のビジネスにおけるヒントも含めて考察を展開していきます。...
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棚番号003 その答えは、あなたの中にある 〜「内省」のお供に、この3冊〜
今回の棚の書籍リストはこちら 『リフレクション』熊平美香/ディスカヴァー・トゥエンティワン ☞内省にも型が必要 『自省録』マルクス・アウレーリウス/岩波文庫 ☞出来事ではなく問いを残す 『トロッコ』芥川龍之介/岩波文庫 ☞今のあなたは、過去の出来事の「韻」を踏んでいるのかもしれない さて、この3冊の背景にある「内省」についてまずは語っていきましょう。 僕はなぜ書き続けるのか? 先日、親しい知人たち4人と一緒に、書籍執筆のためのワークショップをやりました。 集まった4人は、まだ書籍を書いたことがない人たち。 その仲間たちと一緒に、何を書くべきか、それぞれの人生を棚卸しながら書籍のコンセプトを深めていきました。
Vol.65 神秘くん、こんにちは!/『共に変容するファシリテーション』
修羅場によって磨かれる力 人前に立つような仕事をしてもう20年が経過しました。 27歳で講師として登壇してから今日まで、振り返ればいろいろな場面に立ち会ってきました(遠い目)。 最初はやることが決まった定型的な研修講師という立ち位置からスタートしましたが、やがて経営陣の緊張感の高いミーティングなど、複雑で難解な場面に立ち会う機会も数多くありました。 そんな中でも記憶に残っているのは、やはり修羅場の場面です。 たとえば、自分が立ち上げた新規事業で、事業説明をした後に社内の意見を拾い上げるミーティングをした時に、唐突に上がった意見… 「そもそも何でこんな事業をやるのか意味がわからないんですけど!」 とある会社で経営課題を取りまとめるためのミーティングをした時に、挙手もせずに上がった意見…
棚番号002 そんなに急いでどこ行くの?
棚の書籍リストはこちら 『ゆっくり、いそげ』影山知明/大和書房 ☞あなたは、本当に急ぐことができているか? 『LISTEN』ケイト・マーフィ/日経BP ☞一旦腰を下ろして、相手が発している全てのメッセージを受け取ろう 『老人力 』赤瀬川原平/ちくま文庫 ☞ノロいことはネガティブなんかじゃない ”そんなに急いで、どこ行くの?” 僕には、スタートアップ企業の経営アドバイザーという役割があります。その仕事の本質の一つは、急いでいる人がより早く目的地にたどり着くようにお手伝いするということ。 しかし、その仕事にはもう一つの側面があります。それは急ぐ意味を考えてもらうことです。 急ぐ意味?そんなのVCとかお金の出し手が早くリターンを上げようと急いでいるからでしょ?ゆっくりしていたら競合にマーケットを奪われてしまうからでしょ?スタートアップっていうのは、そういうゲームのルールじゃない…?
Vol.64 面倒臭いことに価値が宿る時代/『謎床』
この時代、長尺コンテンツに価値はある 突然ですが、僕が情報収集のために使っている動画サイトを紹介したいと思います。 その名は「ゲンロン完全中継チャンネル」。人文知を中心に多様な専門家たちの領域横断的な対談を動画で視聴できるものです。 おそらくその手のコンテンツはYouTubeの大海を探ればたくさんあると思うのですが、「ゲンロン完全中継チャンネル」の明確な特徴を言えば、1つのコンテンツの収録時間が大変長尺であるということです。 たとえば、「なめらかな一般意志は可能か」と銘打たれた『なめらかな社会とその敵』の執筆者である鈴木健さんと東浩紀さんの対談コンテンツの時間は、なんと10時間でした。 10時間…。よく登壇者もそれだけ話が続く気もしますが、見る側も見る側です。たとえ2倍速再生したところで5時間。Tiktokに代表されるように短尺動画が大事と言われている世の中において、どこにそんな時間をコミットする人がいるんだという感じですよね。 でもいるんですよ、実際ここに(笑)
棚番号001 「つかなければよかった小さな嘘」
さて、先週のトピックスでお伝えしました有料プログラム「迷子になるための書棚」シリーズがスタートです。 いつ出すかもわからない書店のための、妄想レベルの棚作り。「書店の真髄は棚にあり」という言葉を合言葉に、棚のタイトルとそこに格納される書籍を具体的に考えていきます。 まず最初に作る棚のタイトルは先週チラッと紹介した「つかなければよかった小さな嘘」です。 まず棚に入る本をあらかじめ紹介しておきましょう。 1.『マネートレーダー 銀行崩壊』ニック・リーソン/新潮文庫 ☞嘘がすぐにバレる組織は優しい組織なのだ 2.『君たちはどう生きるか』吉野源三郎/岩波文庫 ☞この嘘は人生を形成する大事な嘘だったのかもしれない
V0l.64 特別版 新企画『迷子になるための書棚』がスタートします
いつも本トピックスをご愛読の皆様、ありがとうございます。 曲がりなりにも毎週1年以上の連載を続けることができ、その回数も60回を越えました。たまに「ネタに困ることはないのか」という質問を受けることもありますが、大丈夫です。この世に本が生まれ続ける限り、ネタが尽きることはありません。ただ、ネタの前に、書く時間が尽きる可能性は大いにありえます。ネタは十分すぎるので時間ください。 さて、今回はいつもとは趣旨を変更して、特別版と銘打ち、これから新たにスタートする新企画についてお話ししようと思います。 いつか本屋を出したい その前に、唐突なんですが本屋の話をさせてください。 ここで初の告白ですが、私の将来の夢は、本屋を出すことです。しかも、採算度外視、趣味丸出しの本屋にしたい。売れ筋の本とか新刊はあえて置きません。一部のマニアが、「なるほど、こう来るか」と唸る、そんなニッチな本屋にしたいと思ってます。
Vol.63 僕は目的の奴隷なのか?/『WIRED Vol.48 暇と退屈とリトリート』
先日出雲へ行ってきました。出雲はCOTEN代表の深井龍之介さんの故郷なのですが、その深井さんと渡邉康太郎さんというPodcast「超相対性理論」メンバーでの男3人旅でした。 想像以上の自然の恵みと出雲大社の神秘性。一気に古代へとスリップした気になれたとても稀有な経験でした。そして、こういう旅をすることは、知的生産活動に大きなインパクトを与える、とも思いました。もっと旅しなきゃ、と。 しかし、そんなことを無邪気に考えた後で、ふと思うのです。この構造って、仕事という目的が上位概念にあり、旅ということが手段となっているんじゃないかと。仕事の生産性のために、出雲旅行という新たな手段を発見した喜び…。あれ、なぜ僕にとって仕事という目的が上位概念になってしまっているのだろう?
Vol.62 僕らに必要なのは「柔軟体操」だ/『実践 日々のアナキズム』
日本の競争力ランキングにおける絶望感 先日IMDの北東アジア代表である高津尚志さんと対談する機会を得ました。詳細はVoicyで3日にわたって対談していますので、その音声を是非聞いてみてください。 対談テーマを「世界競争力ランキングから見る日本の課題」として、マクロ的な立ち位置から僕たちが何をすべきかについて対話しています。 さて、正直言うと、僕自身は「日本は〜」「日本人は〜」と語ることはあまり得意ではないんです。主語が大きすぎることへの抵抗もありますが、日本人の課題として語られていることは、大抵の場合、日本人固有のものではなく、サピエンス全体の宿命のようにも感じるからです。さらに、僕自身がそんなに国際経験があるわけではないので、その国ごとの差分を体感値として明確に理解できていないということも大きいのでしょう。 だから、「日本人ってこういう課題がありますよね」という話は、「それはアメリカでもチュニジアでも同じ課題があるだろうし、人類全体の課題でもあるだろう」と思ってしまうのです。
Vol.61 あなたの弱さは組織の強さになる/『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』
炎上案件で気づいた組織の力 前回のトピックスでは、「新たな扉の前に立つチャレンジャーへ」というお題をもらい、『はじめてのスピノザ』を引用しながら、若き日の頃を振り返る文章を書きました。 しかし、まだちょっとその余韻が残っていることもあり、今回も若手の皆さんをイメージしながら、続編として書いてみたいと思います。 あらかじめメッセージをお伝えしておきましょう。 今日のメッセージは、「積極的に穴になれ」ということです。 自分がここまで来る過程において、何度かステージが上がったターニングポイントがありました。それは、決して新たなポジションについたとか、新たな肩書きをもらったとか、そういう華やかなタイミングではありません。
Vol.60 新たな扉の前に立つチャレンジャーへ/『はじめてのスピノザ』
今回は、トピックスのオーナーとの間でリレー投稿として「新たな扉の前に立つチャレンジャーへ」というお題をもらい、書き進めたいと思います。(毎週土曜日投稿でしたが、今回はリレーということで、木曜日に前倒しで投稿します) 前回は、大本綾さんが「アウェイな環境で生きてきた私が伝える、知らない場所で生き抜く3つのコツ」という記事を書いてくれました。そのバトンを受け、僕は、自分自身の新人時代を振り返りながら、このテーマについて語ってみたいと思います。 僕が皆さんにお伝えしたいメッセージは、ただ一言「シーツの皺を思い浮かべよ」ということです。 空回りし続けた新人時代 僕が社会人をスタートした時、とにかく気持ちだけは勇ましいものがありました。