FDA承認済み!更年期の救世主アイテム5選

2024年6月2日
全体に公開

更年期は、40〜50代に多くの女性が経験する身体と心の変化の時期である。この時期に適切なサポートを得ることが重要だが、どの製品が信頼できるのか悩む方も多い。

そんな中、FDA(食品医薬品局)が承認した製品は、その安全性と有効性が保証されている。

この記事では、FDA取得済みの更年期製品を5つ紹介する。いずれも海外の製品だが、海外ではどのような製品がFDA取得しているのか参考にしてほしい。

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1.🇺🇸FDAとは?

FDA(食品医薬品局)は、米国の連邦機関で、食品・医薬品・医療機器などの安全性や効果を審査し、販売や流通を管理している。

これにより、人々が安全に使える製品が市場に出回るようにしている。日本でいうと厚生労働省をイメージするとわかりやすい。

FDAには女性健康部(Office of Women's Health:OWH)という部門があり、臨床試験で女性の参加者を増やしたり、女性ヘルスケアに関する科学的・倫理的・政策的な課題についてアドバイスしている。

FDAに承認を受けた製品は、厳格な審査を経ているため、安全性と有効性が確認されている。それにより、ユーザーは安心して製品を利用できる。

さらに、米国の多くの保険会社は、FDA承認の医薬品や医療機器を使った治療を保険の適用対象とするため、患者の経済的負担が軽減されるなどメリットも多い。

そんなFDAお墨付きの更年期製品を5つ紹介する。

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2.FDA承認済み・更年期製品5選

①🇺🇸Born Health Technology:骨粗鬆症予防デバイス

閉経後の女性の骨強度および骨密度低下を軽減するための振動ベルト『Osteoboost』を販売。

骨の中に含まれるカルシウムなどの量を骨量(骨密度)といい、骨の強さを表すが、この骨量が減って骨がスカスカになってもろくなり、骨折しやすくなった状態を、骨粗鬆症という。

女性ホルモンであるエストロゲンが低下する閉経後には骨量も急激に低下し、骨粗鬆症のリスクが高くなる。

『Osteoboost』は、週に5日程度、腰にデバイスをつけることで、負荷の高い運動と同様の効果が期待でき、骨粗鬆症の予防につながる。NASAが宇宙空間で行ったトレーニング技術を利用している。

日本でも、男性患者は300万人だが、女性患者は900万人以上と、罹患率は男性の3倍である。高齢になってからの骨折は、寝たきりの原因になり、認知症にもつながるため、今後の広がりに期待したい。

筆者撮影(Femtech Fes!)

②🇺🇸Pelvital:膀胱漏出治療デバイス

咳やくしゃみなど、お腹に力が入ったときに尿が漏れる腹圧性尿失禁(SUI)や、骨盤底筋の弱化治療の膀胱漏出治療デバイス『Flyte』を販売している。

『Flyte』は、1日5分の使用で骨盤底筋を鍛えることができ、尿漏れを改善することができる。医師の処方なしで使用可能であり、骨盤底理学療法士によるオンラインサポートプログラムも提供している。

使い方は1日5分間、膣内にデバイスを設置し、骨盤底筋を圧迫または引き締める。その結果、骨盤筋に細胞反応を引き起こし、骨盤底筋を鍛えられる。

筆者撮影(Femtech Fes!)

③Elidah:骨盤底筋ウェアラブルトレーニングパッド

薄型のウェアラブル骨盤底筋向けトレーニングパッド『ELITONE』を販売。尿失禁の治療デバイスは、膣内に入れるものが多いが、ELITONEは非埋込型筋肉刺激装置である。

尿路周囲の筋肉を、2枚のジェルパットと小型のコントローラーで、尿失禁に対応。1日20分のトレーニングで、装着したままでも日常生活が可能である。

筆者撮影(Femtech Fes!)

④🇨🇦Cosm Medical:骨盤底筋トラブル解消ソフトウェア

超音波、人工知能、3Dプリント等を活用し、子宮脱など女性の骨盤底筋トラブル解消のためのカスタム装具ソフトウェア『Gynethotics』を開発している。

子宮脱とは、子宮が正常な位置よりも、膣の入口の外まで下がり脱出した状態である。閉経後の女性ホルモンの低下や加齢によって起こることが多く、頻尿や尿漏れなどの原因になる。

『Gynethotics』は骨盤底患者を対象としたデジタル泌尿器科のクラウドプラットフォームであり、臨床医と患者の療法が治療の進行に関与できるため、患者が自分の状態をコントロールできる。

同社によると、女性の半数は、生涯のうちに骨盤底障害(子宮脱・失禁)を経験するが、「エイジテック×フェムテック」は、どちらも満たされていない臨床ニーズが高く、サービスが十分に行き届いていない市場であるとのこと。

更年期市場の中でも、尿失禁は特に「知られたくない」というニーズが高いと感じる。

⑤🇺🇸Axena Health:骨盤底筋トレーニングプログラム

失禁治療デバイス『Leva』を販売。モーションセンサー技術とオンラインでのパーソナルコーチングを組み合わせた骨盤底筋トレーニングプログラムを提供している。

自宅でQOL(生活の質)向上のために骨盤底筋を鍛えたり、切迫性尿失禁(突然の強い尿意を感じてトイレに間に合わずに尿が漏れてしまう)に対する治療や慢性便失禁に対する治療が可能である。

医師の処方でのみ使用可能で、1日2分半を2回、スマートフォンのアプリに接続された小型の膣モーションセンサーを介した骨盤底筋強化プログラムを実施する。

尿失禁は、突然の尿意に襲われることも多く、トイレの場所を常に気にしなければならない。「外出するのが怖い」「いつ漏れてしまうかわからない」「衣類の選択でダークカラーの服を選んだり、尿漏れパッドを常に持ち歩いている」など、日常生活に大きな影響を及ぼす。

そのため、適切な治療と周囲のサポートが、症状の改善と生活の質向上につながる。

3.まとめ

FDA取得済みの更年期製品を5つ紹介したが、更年期市場はまだまだニーズが潜在化している。

今後FDA承認を受けた製品を増やすためには、研究・開発の促進、女性の臨床試験参加の拡大、スムーズに承認申請が行えるようなガイドラインの整備や相談窓口の充実が求められている。

筆者も、とある医療関連の承認を受けるために窓口に問い合わせたところ、部署間の転送を繰り返しされた。周囲にその話しをしたところ、他にも同じようなことにあった方が多くいた。

規制の透明化と迅速化が進み、承認プロセスを透明かつ迅速に実施できれば、更年期製品の選択肢が増え、女性の生活の質向上に寄与することが期待できると感じている。

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4.【イベント登壇】6/7(金)17:30〜、金融×エフェクチュエーションのミライ@東京・茅場町

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チケットご希望の方は、以下にてお申し込みください。
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【エフェクチュエーション 5つの原則】
①「手中の鳥」の原則
②「許容可能な損失」の原則
③「レモネード」の原則
④「クレイジーキルト」の原則
⑤「飛行機のパイロット」の原則
出典:エフェクチュエーション優れた起業家が実践する「5つの原則」(吉田満梨著)

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「女性ヘルスケア×イノベーション」のプロ。生保で健康増進型の企画、損保で大規模システム開発のプロジェクトマネジメントに従事。Femtech Community Japan理事、NewsPicksフェムテックトピックスのオーナー、スタートアップ顧問を兼任。フェムテック専門家として、起業家支援や大企業の新規事業相談に応じている。社会情勢や海外ビジネスモデルに関する考察をメディア等で多数発信。経営学修士(MBA)
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・参考資料:令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業 https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000307.pdf

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