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クロスボーダー戦略法務のすすめ

フォロワー368人

14本の記事

「世界」市場で勝ち抜いていくに必要なクロスボーダー案件の戦略的な進め方、勝ち方を、主に法務の観点から考える

他 3人の投稿者

東京国際法律事務所代表パートナー　弁護士

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ファッション・アート・エンターテイメントのコラボと商標権・著作権ライセンス―後編

全体に公開・2023/08/16

本コラムでは、前編と後編の2回に分けて、ファッション業界やアート業界、エンターテイメント業界で広く行われているコラボレーションプロジェクトについて、ライセンサー側・ライセンシー側それぞれの視点と、クロスボーダーの要素を踏まえつつ、ライセンス契約上のいくつかのポイントを解説しています。前編では、ライセンス対象となるプロパティの特定に関する問題を扱いました。後編となる本稿では、ライセンス期間と利用方法に関する論点を解説します。 3. ライセンスの期間　✓　いつからいつまでライセンスするのか？ライセンシー側としては、ライセンスを受ける期間は、そのIPを使用したプロダクト・コンテンツの流通・展開時期をカバーできるように決める必要があります。

ファッション・アート・エンターテイメントのコラボと商標権・著作権ライセンス―前編

全体に公開・2023/08/09

1. はじめにファッション業界やアート業界、エンターテイメント業界では、ブランド、アーティスト、アニメ、映画、ゲーム、アート作品、建築物に至るまで、様々なもののコラボレーションが行われます。最近では、Louis Vuittonの草間彌生とのコラボが有名な例です。また、これらの業界に限らず、消費者向けのプロダクトを扱う様々な業界でコラボレーションは行われています。経産省が発表したアートと経済社会について考える研究会報告書でも、プロダクトブランディングやコーポレートブランディングの一環としてコラボレーションが行われた事例が紹介されていました。このようにコラボレーションが行われるときに締結されるのが、ライセンス契約です。

海外へ挑戦する日本のスタートアップ #3 Global Product

全体に公開・2023/02/21

　前回の記事では、国内で成功したプロダクト（Local Product）を海外向けにローカライズさせた事例として、SmartNewsを紹介しました。第1回の記事のとおり、日本企業の海外進出をプロダクトのグローバル性に着目して検討すると様々な示唆を得られます。　今回は、ビジネスのスタートから海外向けのプロダクト（Global Product）を提供した事例として、五常・アンド・カンパニーを紹介いたします。同社には様々な魅力がありますが、本記事では主に慎泰俊CEOのビジョン等について取り扱い、次回の記事では五常・アンド・カンパニーの国際性・多様性等を掘り下げます。機会の平等の実現　慎CEOは、機会の平等を実現するという理想を持っています。この理想の背景には、無国籍（朝鮮籍）であるという自分の生い立ちや学校でのいじめ、家庭の経済状況があるといいます。

海外へ挑戦する日本のスタートアップ #2 海外向けローカライゼーションを成功させるカギとは

全体に公開・2023/02/01

前回の記事では、日本には、ユニコーン企業の数が少ないものの、グローバル市場へ果敢に挑戦し、成功をおさめているベンチャー企業が多数いることを紹介しました。今回の記事では、その様な日本発のユニコーン企業である「SmartNews」を紹介します。同社は、国内で成功したプロダクトを、その本質や「Company Culture」を失わないまま、ローカライズさせた最高のお手本です（前回記事「②プロダクトの本質と会社のカルチャーを失わないローカライゼーション」）。海外向けのローカライゼーションを成功させる第一歩は、日本の「あたりまえ」が世界の「あたりまえ」ではないと痛感することです。海外では、市場環境、消費者行動、商習慣、法体系等、何もかもが日本と異なります。たとえ、この事実を頭で「理解」はしていたとしても、思い込みや偏見を振り払い、頭の中を真っ白にしてスタートするのは難しいことです。

海外へ挑戦する日本のスタートアップ #1

全体に公開・2022/12/16

近年、メディア等で、日本発のユニコーン企業の数が少ないことが注目されています。実際に、2021年11月末の時点で、アメリカ（705社）や中国（243社）と比べて、ユニコーンの条件を満たす日本企業は僅か11社でした。そもそも、「ユニコーン」の定義は、評価額10億ドル以上の「未上場」企業であり、スタートアップが比較的早く上場する傾向にある日本においては原理上「ユニコーン」が生まれにくいという背景もあるかとは思います。もっとも、上場後に時価総額10億ドルを超えているスタートアップの数自体も見劣りするのも事実で、日本のスタートアップ側にも大きな課題があるのだと思います。時価総額を左右する要素は多数ありますが、米国や中国のスタートアップと日本のスタートアップの事業評価における最大の差分は、潜在市場（TAM or Total Addressable Market）の規模ではないかと思います。そして、TAMを劇的に大きくするためには、日本国内の市場に閉じず、グローバルな市場で勝負をするということが欠かせないということになります。

スタートアップが海外投資家から資金を調達する際に気を付けるべき3つのポイント

全体に公開・2022/11/07

プロピッカーの山田広毅です。大きな成長を目指すスタートアップ企業が、50億円以上の大型の資金調達をしようとする場合、海外の投資家を出資候補先として検討することは不可避です。プロピッカーであるシニフィアン朝倉さんが常日頃発信されているように、30億円を超えるような大きなチケットで投資できる国内投資家の数は非常に限られているのが現状だからです。実際、市場状況が悪化した今年に入ってからも、日本のスタートアップが、海外投資家らから大型の資金調達を行う事例は、複数見受けられます。光栄ながら、これまで複数の案件に関与させて頂きましたので、経験から得た学びをシェアさせて頂きたいと思います。何はともあれCXOの英語力

Elon MuskによるTwitter買収の法的側面の解説（その5） - Elonによる契約解除通知

全体に公開・2022/09/01

NewsPicksプロピッカーの山田広毅です。記事の更新が滞っているうちに、TwitterがElon Muskに対して、買収契約の履行求めて提訴する事態となってしまいました。 Twitterが、Elonを訴えたのは、Elonが、2022年7月8日付で、買収契約を解除する通知（契約解除通知）を送ったからです。今回は、Twitterが訴え提起をする直接のきっかけとなった、Elonによる契約解除通知の内容を解説していきたいと思います。なお、Elonは、Twitterの元従業員による内部告発を受けて、2022年8月29日付で、二回目の解除通知を送っていますが、今回は、まず、初回の解除通知の内容を見ていきたいと思います。

Elon MuskによるTwitter買収の法的側面の解説（その4） - Spam率を巡るジャブの応酬

全体に公開・2022/07/18

NewsPicksプロピッカーの山田広毅です。 Elon MuskによるTwitter買収に関して、ついに、TwitterがElon Muskを提訴する事態となってしまいました。これまでの経緯を見ると、想定の範囲内と思えなくもないですが、いずれにせよ、今後は、舞台が法廷の場に移ることとなります。本件については、これまで3回にわたって、解説記事（その１、その２、その３）を書いてきましたが、公開資料から分かるその後の経緯を解説してみたいと思います。ジャブの応酬解説その３で解説したとおり、5月13日、Elonは、Twitterが開示したFake/Spamアカウントの割合にかみつきました。これに対して、Twitterの取締役会議長であるBret Taylorは、同日、「我々は、我々の合意に引き続きコミットしている」とつぶやきました。

Elon MuskによるTwitter買収の法的側面の解説（その3） - ElonはTwitterの買収を止められるのか

全体に公開・2022/05/13

日々新しいことが起きているElon MuskによるTwitter買収に、新たな動きがありました。 2022年5月２日、Twitterは四半期報告書を公表し、その中で、2022年第一四半期においてFake/SpamアカウントがDaily Active User数に占めた割合は5%を下回るという推計をしているとと公表しました。 We have performed an internal review of a sample of accounts and estimate that the average of false or spam accounts during the first quarter of 2022 represented fewer than 5% of our mDAU during the quarter.

クロスボーダー・コミュニケーションの極意

全体に公開・2022/05/13

NewsPicksプロピッカーの山田広毅です。今日は、NewsPicks主催のトピックス・オーナーが集まる会に出席してきました。色々なオーナーの方とお話が出来て、とても良い刺激を頂きました。NwesPicksの皆様ありがとうございました。さて、今回は、私が、クロスボーダーでコミュニケーションをするときに気を付けていることを書きたいと思います。それは、「ロー・コンテクストからハイ・コンテクストへ」ということです。海外のカウンセルやクライアントとやり取りをする場合、ついつい忘れがちになるのが、「様々な前提事実を共有できていない可能性がある」というシンプルなポイントです。日本人同士であれば、当然に共有してる前提事実であっても、文化、慣行、法制度等が異なる相手方は、それを理解していない可能性があります。そのため、対日本人では問題なく通じるコミュニケーションが全く理解されないという事態が生じます。

Elon MuskによるTwitter買収の法的側面の解説（その２） - Merger Agreement

全体に公開・2022/04/28

プロピッカーの山田広毅です。TwitterがElon Muskの買収提案を受け入れましたね。この規模のDealを、異次元のスピード感でまとめてしまったことに、非常に驚きました。 Twitterのプレスリリースによれば、Twitter側のアドバイザーは FA：Glodman Sachs、 JP Morgan、 Allen&Co LA：Wilson Sonsini、 Simpson Thacher Musk側のアドバイザーは、 FA：Morgan Stanley、 BofA、Barclays LA：Skadden Arps だったとのことです。アドバイザーのチームは、文字通り、夜を徹してディールをまとめ上げたのだと思います。

Elon MuskのTwitter買収提案の法的側面の解説（その１？）

全体に公開・2022/04/16

プロピッカーの山田広毅です。Elon MaskのTwitterへの買収提案、驚きましたね。ビジネス的な側面については、プロピッカーでシニフィアンの村上誠典さんが、すごいスピード感とカバレッジの広さのトピックス記事でまとめてくれているので、そちらをご覧頂くと、現時点で何が起こっているかの全体像を掴むことができると思います。私は、この買収提案の法的側面について、簡単に速報的な解説をしていければと思います。大量保有報告義務違反の可能性米国市場に上場している企業の株式を5%以上保有した者は、原則として、5%以上取得後10日以内に、当局に対して、大量保有報告書（いわゆるSchedule 13D）を提出する必要があります。Schedule 13Dには、取得した株式数や取得目的などを記載する必要があります。

異文化間での交渉の難しさと面白さ

全体に公開・2022/04/08

プロピッカーの山田広毅です。クロスボーダー案件の特徴は、交渉の相手方やプロジェクトのパートナーの文化・バックグラウンドが異なることです。この点に関して、私がまだ駆け出しだったころに失敗した話を共有させていただきたいと思います。（なお、個別事情はかなりデフォルメしております。）今よりかなり前の話ですが、日本企業を依頼者として、東南アジアの企業に出資するという案件を支援していました。交渉が本格化して、先方担当者が日本に来て、交渉をすることになりました。一番の大きな論点は、出資の際の株価（バリュエーション）でした。同じタイミングで同じ企業に出資をする場合、株価（バリュエーション）は同じ価格になるのが、大前提です。

クロスボーダー戦略法務とは

全体に公開・2022/04/01

普段何をやっているのか NewsPicksプロピッカーの山田広毅です。私は、普段、弁護士として、仲間と一緒に、国境を跨ぐクロスボーダーのM&Aや紛争などの法律問題にかかわっています。持っている弁護士資格は日本と米国ニューヨーク州のものですが、普段かかわっている案件は日本と米国に限定されるものではなく、世界中の法律問題に取り組んでいます。先日、数えたところ、今の事務所を立ち上げてからの３年間で関わった国（地域）の数は、ちょうど30か国でした。南極大陸を除くすべての大陸をカバーしていた計算です。世界市場を舞台に戦っている企業・個人を、法的な側面から戦略的にサポートし一緒に戦うことをミッションに、日々、このような業務を行っています。

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