【決算解説】銀行がいつの間にか「高収益企業」になっていた
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米金利上昇が落ち着き3メガ共に良い決算でした。記事にある純利益(銀行表記だと親会社株主利益)以外でも営業利益(銀行表記だと連結業務純益)などで比較するとおもしろいです。
特に2位のSMBCに4,000億円超の差をつけているMUFGはそれが米モルガン・スタンレーによる利益貢献だと分かります。
・MUFG:市場部門以外は全て増益
銀行単体業務粗利益:25,660億円
貸出金:118.3兆円
貸出利回:0.89%
預金利回:0%
連結業務純益:18,437億円
親会社株主利益:14,907億円(内モルガン・スタンレー:4,012億円)
CET1:10.1%
出所:https://www.mufg.jp/dam/ir/presentation/2023/pdf/slides2403_ja.pdf
・SMBCグループ:海外子会社減損もノンバンク含めて成長
銀行単体業務粗利益:18,852億円
貸出金:107.0兆円
貸出利回:0.84%
預金利回:0%
連結業務純益:15,602億円
親会社株主利益:9,629億円
CET1;10.9%
出所:https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2024_3/2024_fy_03.pdf
・みずほFG:市場部門が増益
銀行単体業務粗利益:16,254億円
貸出金:92.7兆円
貸出利回:0.76%
預金利回:0%
連結業務純益:10,058億円
親会社株主利益:6,789億円
CET1:9.9%
出所:https://www.mizuho-fg.co.jp/investors/financial/tanshin/pdf/data2403_fy_2.pdf「いつの間にか」とありますが、4期連続の増益です。
メガバンクに地域銀行を合算した銀行の資金利益は、コロナ禍の2020年度以降、緩やかに回復してきていました。その理由は、貸出が2020年に5~6%伸びたことに加え、2021年度以降に長期貸出平均金利が徐々に切り上がってきたことにあります。
死角は、コロナ対策のゼロゼロ融資で延命していた企業の倒産が増えることを背景に、大槻さんご指摘の信用コストが増加することにあります。
金利上昇は良いことばかりではありません。民間銀行の保有債券の評価損にも注意する必要があります。優秀な人材を集めている(はず)なので、もっと(システム障害以外で)波風を立ててほしいなあと思ってしまいます。
ちなみにある卒業生は「メガバンクの最大の収益源は大企業社員の給与振込口座をおさえていること」と言っていました。安定という面では素晴らしいのですが。