1~3月のGDP 年率-2.0% マイナスは2期ぶり 個人消費など減少
NHKニュース
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より景気実感に近い最終需要は前期比年率▲2.9%となっており、予想を下振れしたヘッドラインの数字以上に弱い印象です。
内訳を見ても、プラスに寄与しているのは復興需要に伴う公共投資を中心とした公的需要増と、むしろプラス寄与だと国内需要の弱さを示す民間在庫の押上げと輸入の減少のみですから、民需と外需が総崩れの様相を呈しています。
災害や一部自動車メーカーの生産停止といった特殊要因もあり、2次速報で上方修正される余地も残っていますが、さすがにここまで予想以上に悪いとなると、GDPギャップも相当マイナス幅を拡大させるでしょうから、拙速な金融・財政引き締め策は禁物な状況と言えるでしょう。将来、2024年3月の異次元緩和終了を振り返ったときに、あれは時期尚早だった、と批判されるのではないか、と心配です。2000年夏の利上げに反対した植田審議委員(当時)に先見の明があった、と評価されていることを思い起こします。
マイナス成長は、一部自動車メーカーの生産停止の影響ではあっても、その分だけ、日銀が「堅調だ。問題ない」と主張する生産・所得・支出の循環メカニズムは弱まっています。予想通りのマイナス成長でした。自動車の生産停止が主因なので、4~6月期はプラス成長に戻ると予想されますが、内需が4四半期連続で減少というのが気になります。とくに個人消費は名目支出を抑えようという姿勢が明瞭なので、先行きも慎重にみておいた方がいいかもしれません。