これは「インフレ税」の始まりなのか。実は減り出した日本の政府債務
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ちなみに、2023年10-12月期時点の政府債務残高/GDPを見ると、前年から▲8.8%ポイント低下しており、コロナショック前の水準まで低下していますが、その前年差を財政収支要因、経済成長率要因、インフレ率要因に分解した結果をみると、2023年の低下幅のうち▲9.7%ポイント分をインフレ要因で押し下げていることがわかります。
マクロ的には、世界的な高インフレは、コロナ後の財政再建圧力、つまり、インフレ税そのものではないでしょうか。日本の場合、まだこの程度のインフレで留まっているのは、日本のサプライチェーンの分厚さゆえだと考えています。途上国なら、50%も為替が減価すれば、インフレはもっと激しいです。
他方、我が国では、財政健全化を否定するリフレ派やMMT派、つまり需要刺激派こそが、結局は、通貨価値の毀損を産み出し、財政健全化の手段としては悪手であるインフレ税を演出する役割を果たしたということではないでしょうか。
にもかかわらず、歳入が増えているのだから歳出を拡大しろ、と、需要刺激派は主張するでしょう。それがさらなるインフレを生むのは、それこそオーソドックスな教科書の通りです。こんな見方も出ています、というご紹介です。実際のところ、年初からの円安傾向は相当に投機筋の勢いを感じるところであり、CFTCポジションなどからもそれは察することができます。ではその「ネタ」は何かと言えば、やはり本文中にあるような議論という印象が強いです(少なくとも私が会話している海外参加者では)。
状況証拠として日本政府の純債務は金額でもGDP比でも減っているので、一応の筋は立ちます。
論点のご紹介まで。ご参考になれば幸いです。