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関連記事をご参考まで。
http://jp.wsj.com/articles/SB11098407163782254164904581025073308452408
「自分は正しい」中国が己の質量(大きさ)、影響の大きさに思いを致さずに、この感覚だけで突き進んだら、戦争を誘発するだろう。
しかし、一面だけしか伝えない煽り報道で国民の敵愾心や反感を増幅させて行っても同じ結果が待っている。
ぜひ多くの方に見てほしい記事。個人的には事実を把握することが、まず極めて重要だと思っている。そのうえでどんな意見があるかを把握することも重要だと思う。
自分に都合が良い記事だけを読めば、そういう記事は都合が悪い事実を無視していることが多い。でも実世界では、お互いそういう事実をベースに主義主張を繰り出すわけで、事実把握が意見構築の上でも重要。元々価値観故に意見が固まっていても、自分には都合が悪い事実にも目を向けなければ、議論することもできない。
津上さんの通常の記事や、Picks上での色々な記事への皆様のコメントは、自分が見落としている事実や意見を知ることもできる。だから、まずは事実に謙虚に、偏らずにコトにあたることができる場としてどんどん進化していってほしいと、本当に思っている。
日本メディアの報道が中国悪玉的報道に偏向しているとのこと。
こういう事実をちゃんと頭に入れることができるという意味で、ネットの情報は非常に重要。バイアスの原因が記事にある通り「日本政府の意図」なのか、はたまた「メディアの大衆迎合」なのか「メディアのポリシー」なのかは、ぜひ知りたいところ。
日本の一般報道とは視点が違くてよいですね。こうした視点の記事はどんどん出てくると良いと思います。書き手の方も苦労があると思いますが、これこそが必要なことです。記事に対するコメントの前に、岡さんの「親日国」については同意です。親日、親日って何か意味があるんでしょうかと思うレベルです。

記事に対して何点か、感想です。このテーマは一過性で結論がでません。南沙問題はそれ自体が複雑であり、フローのニュースでは議論しきれないところがあります。
・「ベトナムが中国よりも先に埋め立てをしてた」
 11年よりも前に中国は建造物を作っています。
 この点はもっと昔、スプラトリー諸島の領有権問題の期限までさかのぼる必要があると思います。中国の埋め立てが批判されていまするが、実はベトナムはもっと先にやっていること自体は、ベトナムが今の中国の埋め立てとは、同じ埋め立てでも背景が異なると思います。南沙諸島の領有権は、そもそもフランス領時代にさかのぼります。仏領として領有権が認められていました。日本占領期には日本が主張し、戦後はフィリピンと中華民国も主張。ベトナムについては南ベトナム政府が主張。はしょりますが、88年に中国がベトナム領とされていた南沙諸島を占領しています(その前に中国は西沙諸島を軍事手段で領有)。
 歴史的にはベトナムの領有権が認められている期間が長かったですが、70年代、80年代になって中国が「南下」。11年にベトナムが建造物を作る前、90年代に中国は建造物を作っています。そのため、ベトナムは中国よりも先に建造物を作ったのでは無く、中国は先に軍事占領と建造物構築をしています。
 一時期は中国・フィリピン・ベトナム参加国で共同で科学調査が行われることもありましたが、結局は、上手くいきませんでした。
 歴史的経緯は相当はしょっています。また、南沙諸島と一口に言っても、島ごとに領有権主張の対象が違いますので、かなり細かい議論をしないといけません。コメント欄ではさすがに無理なのでこの辺で止めておきます。

・「違法」かどうか
 記事で指摘のあるとおり、米国が本件を違法ということはできません。あくまで、米国にとっては安全保障上の脅威となりうる、この地域の安全保障を揺るがす原因となり得るというところまでしか言えません。どの国が合法的な支配なのかは、一概には言えません。
 そもそも、国際法理論の基本として、主権平等(国家管轄権の平等性)があります。国内法のように裁判所など法解釈についての最上位機関がありません。ましてや、政治的には大国でたいこくであっても、国際法的には平等な立場にある米国が、中国やベトナムの行為に対して違法・合法ということ自体がおかしいです。そのため、記事でカーター長官発言に触れられているとおり、「やりすぎ」という程度しか言えませんし、中国がという名指しも不適切になります。もちろん、関係者は実質的に中国に対する牽制だと理解していますが、表だっては言えない訳です。
 国際司法裁判所(ICJ)にもっていくには、関係国全部の合意が必要になります。付託合意と言いますが、それをとるのは南沙諸島問題に関しては不可能でしょう。領土問題はマレーシア=シンガポール、マレーシア=インドネシアではICJで解決した事例がありますが、南沙諸島は戦略上あまりにセンシティブ過ぎますので、そう簡単にいきません。

・「火花」が散ったのか、「節度」あるものだったのか
 シャングリラダイアローグのスピーチを通じては火花が散りようがありません。安全保障対話で正面切って批判すれば、安全保障にはなりません。その辺はよく分かっていた上で、婉曲的に各国に対して牽制するのが作法です。そのため、西側メディアによる「火花」論は的外れです。他方で、中国の「節度」論は正しいと言えば正しいですが、安全保障対話の「表」会合(逆言えば裏会合があり、シャングリラダイアローグはこちらが重要です)で批判合戦などやるはずもありませんから、節度というのも若干次元が違うと感じています。「暗に牽制し合う」ぐらいがシャングリラの「表」会合の性質です。

・シャングリラダイアローグの「裏」会合
 国防大臣や研究者などの普通に行われている会合と平行して、インテリジェンス関係者による会合が行われています。表会合も重要ですが、こちらの裏会合もかなりの目玉です。主要国のインテリジェンス組織のトップまたは幹部が一同に回するのは、マナーマ・ダイアローグ(バーレーン)ぐらいしかありません。インテリジェンス会合としては東のシャングリラ、西のマナーマという位置付けです。

・サイドラインの二国間会談
 通常の会合はオープンな場で行われますから、上記のように抑制されたトーンで暗に牽制し合う程度が限界です。しかしながら、こうしたマルチ会合というのは、要人が一気にあつまり二国間で会談する好機でもあります。ここで話される内容の方が全体会合よりも重要な可能性があります。二国間会談の内容は、各国のプレスリリースで触りが触れられる程度ですから内容は外では知られにくいです。南沙問題は、ここでは、利害が一致する国の間で突っ込んだやりとりが行われた可能性があります。
 これはインテリジェンス関係者会合についても同様です。表会合出席者の二国間会談よりも、インテリジェンス関係者の二国間の方が情報機関同士だけ合って、率直なやりとりをします。どの国が会談したかなどは一切公表されません。
  日豪米が中国を攻めあぐねたかどうかは、非公開部分も加味して判断しないといけませんが、内容が外からは分からないので、致し方の無い問題です。
 日米豪が隙を見せないことが重要という点については、全くもって同意です。米中の覇権争いが現実ですから、米にとってアジア大洋州の大国で自陣営に入っている日豪としっかり連携をとることで、中国を牽制するというシナリオになると思われます(+インドをどうするかが今後重要)。