[東京 2日 ロイター] - 安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁は2日、首相官邸で世界経済情勢などについて意見交換を行った。黒田総裁は会談後、記者団に対し、一時1ドル=125円台に進んだ円安について安倍首相と全く話はしなかったとし、為替はファンダメンタルズを反映し、安定推移するのが望ましいとの見解をあらためて示した。

首相と総裁が会談するのは今年3月以来で、定期的な金融経済情勢に関する意見交換の一環。先週にドイツのドレスデンで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席した黒田総裁は、G7での議論を踏まえて世界経済情勢などについて話をした。安倍首相から特段のコメントはなかったという。

足元の外国為替市場では円安が急速に進行しているが、黒田総裁によると、会談では為替に関する話は「全くしていない」という。

総裁は為替について「水準やスピードにコメントするのは控える」としながら、「中央銀行の金融政策は、あくまで物価安定を目指して各国がやっている」と為替目的ではないと指摘。そのうえで「為替はファンダメンタルズを反映し、安定的に推移することが望ましい」との認識をあらためて表明した。

*写真を差し替えます。

(伊藤純夫 梅川崇)